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【Bリーグ/徳島ガンバロウズ】2025-26完全ガイド|メディアドゥ発・地方創生クラブの挑戦とB3躍進の全貌

徳島県初のプロバスケットボールクラブ誕生

徳島ガンバロウズ(Tokushima Gambarous)は、2022年に創設された徳島県初のプロバスケットボールチームであり、現在B3リーグに所属している。クラブを運営するのは株式会社がんばろう徳島。親会社には電子書籍取次大手のメディアドゥが名を連ね、地方創生とスポーツビジネスの融合を体現する新興クラブとして注目を集めている。チームカラーは水色と黄色、ホームアリーナは徳島市立体育館およびとくぎんトモニアリーナ。スローガンは「がんばろう、徳島。」——クラブ名自体が地域に根ざしたメッセージである。

創設までの経緯と背景

徳島にプロバスケットボールチームを創る構想は2019年に動き出した。バスケットボール指導者の若松直樹氏が中心となり、社会人チーム「徳島ワイルドリバース」を設立。しかし、B3参入に必要な7,000万円の資金を調達できず、活動は停滞していた。転機となったのは2022年、徳島県出身でメディアドゥ創業者の藤田恭嗣氏が参画したこと。資金問題が解消し、同年1月14日にチーム設立を正式発表。4月1日には、メディアドゥを筆頭に徳島ゆかりの23社が出資する運営法人「株式会社がんばろう徳島」が発足した。

この法人はワイルドリバースを母体としつつ支援体制を拡充し、新チーム「徳島ガンバロウズオルト(ALT)」として地域リーグに参入。B3基準に適応可能な選手を選抜して本チーム契約へと移行する構造を取った。創設からわずか1年でB3参入を実現したのは、地元企業と自治体、バスケットボール協会の三位一体の連携が背景にある。

B3リーグ参入と初年度の躍進

2023-24シーズン、徳島ガンバロウズはB3デビューイヤーながら31勝21敗(勝率.596)で5位と好成績を収め、プレーオフではセミファイナル進出を果たした。初代ヘッドコーチにはアメリカ出身のデマーカス・ベリー、GMにはザック生馬を招聘。岡山から獲得した若狭功希が契約第1号選手となり、既存メンバーと地域リーグ出身者を融合したロスターを構築した。

B3屈指のフィジカルバスケットを展開し、攻撃的なプレースタイルでファンを魅了。平均得点4,370点、失点4,157点、得失点差+213というスタッツは新規参入チームとしては異例の高水準であった。ホームゲームでは観客動員数を着実に伸ばし、徳島バスケ文化の新しい象徴として地域メディアの露出も急増した。

2024-25シーズン:成績と課題

2年目の2024-25シーズンは、25勝27敗(勝率.481)で9位。プレーオフ進出を逃す結果に終わった。攻撃の中心であった外国籍選手の負傷や、終盤のディフェンス調整の遅れが響いた格好だ。それでも得点3,979点、失点4,131点と試合内容は拮抗。課題は主に以下の3点と分析される。

  1. リバウンド・セカンドチャンスの減少(OR%がリーグ中位)
  2. 終盤のターンオーバーとペースコントロールの不安定化
  3. ペイント内でのフィジカルマッチアップへの対応不足

一方で、チーム全体の成長曲線は明確で、ローカルスポンサー・自治体連携の増加、ファンイベントの拡充など、運営面の基盤強化が進んだシーズンでもあった。

2025-26シーズンロスターと新体制

2025-26シーズンの徳島ガンバロウズは、指揮官に小林康法HCを迎え、新たなフェーズへ。アシスタントコーチは久川貴之と月野雅人。チームリーダーである塚本雄貴(C)を中心に、経験豊富な国内勢と高い身体能力を誇る外国籍選手を組み合わせたロスター構成となっている。

  • 主力外国籍選手:ルーズベルト・アダムス(フィリピン代表歴)、テイブリオン・ドーソンライアン・ローガンクリス・マクラフリン
  • 日本人主力:塚本雄貴綱井勇介鶴田美勇士森山修斗
  • 若手・育成枠:松本礼太青山晃也デイビッド・コンゴロー(留学実績枠)

チーム平均身長は1.93mとB3上位水準。インサイド陣の層が厚く、特にコンゴロー(2.06m)とマクラフリン(2.08m)のツインタワー構成は守備・リムプロテクト面での鍵を握る。フィリピン特別枠のアダムスはスラッシャー型ウイングとして機動力を補い、国内ガード陣との連携による速攻パターンが期待される。

ホームアリーナと地域連携

ホームは「とくぎんトモニアリーナ」を中心に、「アスティとくしま」「アミノバリューホール」「藍住町体育館」「うだつアリーナ」など県内複数会場を併用。2024-25シーズンではホーム26試合中14試合をとくぎんで開催。徳島全域を“ホームタウン”と捉える分散開催は、地域密着を重視するBリーグ戦略のモデルケースとも言える。

また、マスコットの「チェック&バロウ」は犬をモチーフとしたペアキャラクター。キャプテン役のチェックとムードメーカーのバロウが、試合前イベントやSNSコンテンツでクラブの親しみやすさを演出している。

戦術とチームスタイル

小林HCの指導方針は「守備からのトランジション」。ペースを落とさず、攻守の切り替えを最短化するバスケットを志向。スクリーン後のリロケートやキックアウトの精度を上げ、3Pとペイントアタックのバランスを整えることが目標だ。また、外国籍選手の個人技に依存せず、塚本・綱井らのゲームメイク力を活かすチームバスケへの移行もテーマとして掲げられている。

地域発クラブの価値と今後の展望

徳島ガンバロウズの特徴は、単なるスポーツチームにとどまらず、「地方発の社会実験モデル」としての側面を持つことにある。メディアドゥのDX(デジタルトランスフォーメーション)ノウハウを生かし、電子書籍・NFT・ライブ配信などを通じて新たなファン接点を創出。地域の子どもたちに向けた「バスケを軸とした学び・交流・キャリア教育」プログラムも拡充中だ。

中期目標はB2昇格、長期的には四国4県を巻き込んだ「Shikoku Basketball Belt(仮称)」構想の形成。B3での競技基盤を強化しつつ、地域経済・文化のハブとしての役割を広げていく方針である。

まとめ:徳島から全国へ、“がんばろう”のその先へ

創設からわずか数年でB3有数の存在感を放つ徳島ガンバロウズ。2025-26シーズンは、競技・経営・地域貢献の三軸でさらに飛躍が期待される。地方発クラブの理想像として、徳島モデルが全国のローカルバスケットボールに与える影響は大きい。読者の皆さんも、ガンバロウズのホームゲームで、“がんばろう”が現実を変えていく瞬間を体感してほしい。

【処分詳細】越谷アルファーズ・安齋竜三HCに3カ月活動停止処分|Bリーグが「極めて重大なハラスメント事案」と断定

Bリーグが重大ハラスメント事案を公表、越谷アルファーズに厳しい処分

2025年7月28日、B.LEAGUE(Bリーグ)は越谷アルファーズに所属する安齋竜三ヘッドコーチ(HC)に対する重大な処分を発表した。同時にクラブとしての越谷アルファーズにも処分が下されたことで、リーグ全体に波紋が広がっている。

Bリーグが公表したリリースによれば、2024-25シーズンを通じて安齋HCが選手に対して繰り返し威圧的・人格否定的な言動を行った事実が確認された。この問題は、単なる指導を超えた ハラスメント として認定されており、リーグが掲げる「選手ファースト」「安全な競技環境の提供」という理念にも大きな一石を投じた格好だ。

詳細に語られた ハラスメントの実態

今回のリリースでは、安齋HCが選手に対して行った具体的な言動が複数明記された。代表的なものは以下の通り:

  • 試合中、選手が通り過ぎたタイミングで「死ね」と発言
  • 複数回にわたって「クソが」など侮辱的発言
  • 2025年1月4日、ロッカールームで「お前、給料いくらもらってんだ、恥ずかしくないのか」と怒鳴りながらロッカーを叩く
  • 2025年2月1日、特定選手に「言いたいことがあるなら言ってみろよ」「お前も人間だろ。言ってみろよ」と詰め寄る

これらの発言・行為が長期間、複数回にわたって行われたことが、Bリーグによる「非常に程度の重いハラスメント事案」との判断につながった。

制裁内容とリーグの見解

Bリーグが発表した処分内容は次の通り:

  • 安齋竜三HC:けん責およびバスケットボール関連活動の停止(2025年7月23日~10月22日までの3カ月間)
  • 越谷アルファーズ:けん責および制裁金200万円

リーグは以下のように制裁理由を説明している。

本件は、ヘッドコーチが選手に対して威圧的で人格否定的、人格侮辱的言動を繰り返した事案であり、かつ長期的かつ反復的であった。また、複数選手が心身の不調をきたし、競技環境を変更せざるを得なかった点からも、極めて深刻である。クラブ側がこの状況を把握できず、改善措置を講じなかったことに対しても重大な責任がある。

この文言からも、単なる一時的な問題ではなく、組織的な管理不全としてリーグが強く問題視していることがうかがえる。

越谷アルファーズとは?|クラブの背景と安齋HCの経歴


越谷アルファーズは、埼玉県越谷市を拠点とするプロバスケットボールチーム。B2リーグに所属し、近年は昇格争いの常連として地元ファンの支持を集めていた。

安齋竜三氏は、元宇都宮ブレックスのHCとして知られ、B1優勝経験を持つ戦術家。越谷アルファーズには2024年から指揮官として就任していた。リーダーシップや高いバスケIQで評価される一方で、過去にも選手とのコミュニケーションにおいて「強硬な指導姿勢」が指摘されていたこともある。

ハラスメント根絶へ向けたBリーグの取り組みと課題

B.LEAGUEはこれまでにも、指導現場でのハラスメントやパワハラの根絶を強く呼びかけてきた。各クラブに対しても研修の実施や報告体制の強化を求めていたが、今回の件はその施策の限界を露呈した形でもある。

選手が声を上げづらい環境や、クラブ側の 事なかれ主義 、または過去の実績に依存した指導者への盲信が、事態を深刻化させた可能性も否定できない。

過去の事例との比較と今後の展望

過去にも、Bリーグや高校・大学バスケでハラスメント問題が発覚した事例はあるが、今回のようにHCが明確に言動を記録され、複数の被害が確認されたケースは異例。

今後、リーグとしては以下のような対応が求められる:

  • 選手の心理的セーフティネットの強化
  • 第三者機関による監視と定期的な聞き取り
  • 指導者ライセンスの見直しと再研修制度の導入

また、ファンやスポンサーの信頼を回復するには、クラブとしての 再発防止策 の可視化と説明責任の徹底が急務だ。

GL3x3への示唆|エンタメ型リーグが守るべき倫理基盤

今回の事案は、GL3x3のような エンターテインメント型バスケリーグ にとっても、指導・演出・運営の在り方を考える上で大きな示唆を与える。

たとえ「魅せる」ことに重きを置くリーグであっても、プレイヤーの尊厳、安全、精神的な健康を守る仕組みが不可欠である。

GL3x3では、パフォーマンスの裏で選手・関係者との信頼関係が最優先されるよう、倫理ガイドラインや相談体制の整備が今後の焦点となるだろう。

まとめ|スポーツの指導現場に求められる 変革

越谷アルファーズと安齋竜三HCに対する処分は、単なる処罰にとどまらず、Bリーグ全体、そして日本バスケットボール界への 警鐘 とも言える。

「勝つための厳しさ」と「人格への敬意」を混同せず、真に健全な競技文化を育むこと。それが今、スポーツの現場に最も強く求められている。

GL3x3をはじめ、次世代のバスケ界を担うすべての組織にとって、この事件は決して他人事ではない。

【Bリーグ/本ヴォルターズ】現在地と勝ち筋:リブランディング以後の“熱源”が目指す昇格ロード完全ガイド

本稿は熊本ヴォルターズ(B2リーグ西地区)の最新トピックを、ニュース・歴史・戦術・データを横断して再構成した“百科型リライト”である。リブランディング後の変化、観客動員の伸長、B1ライセンス動向、ロスター再編、そして熊本ヴォルターズがB2西地区で上位を狙うための技術的解像度を、検索に耐える知識資産としてまとめた。

ニュース概要

2025-26シーズンのクラブスローガンは「やるヴォ―!」。ヘッドコーチは遠山向人が続投し、GMは七川竜寛、AGMは徳永隆聖。ロスターは石川海斗の5季ぶり復帰、帰化枠モッチラミンの加入、モンテネグロ代表歴を持つネマンヤ・ジュリシッチの補強でボールハンドラーとフロントコートの質を同時に強化した。2024-25は27勝33敗(.450)で西4位・全体8位、QF敗退ながら、年間総動員101,758人(平均3,392人)とクラブ記録を更新。練習拠点VOLTERS GXの本格稼働、大学・医療機関との連携拡充など「勝てる環境」づくりが前進している。

背景と歴史的文脈

クラブは2012年創設。チーム名は阿蘇の「volcano」と県の豊かな「water」を掛け合わせた造語で、地域の自然とエネルギーを象徴する。NBL期は苦闘が続き、2013-14と2014-15は6勝48敗の最下位。しかしB.LEAGUE発足後、2016-17に44勝16敗と一気に浮上。以後もB1昇格争いに絡むシーズンを重ね、2018-19は西地区優勝(45勝15敗)に到達した。

近年はブランディングと経営基盤の両輪が可視化。2024年のリブランディングでは色調を赤×黒に整理し、会場演出や音楽の刷新、地元企業とのパートナーシップ深化を推進。2024-25はB1参入を2030-31に方針転換しつつ、ライセンス交付条件(財務・動員・施設)クリアに向け、熊本県立総合体育館の建替構想VOLTERS GXの稼働、医療・大学との包括連携で「持続的競争力」を高めている。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターの骨格は「ハンドラー二層化 × 帰化ビッグの連結 × 経験値の再注入」。主要選手の特性を簡潔に整理する。

  • ガード群田中力(サイズとドライブ)、保坂晃毅(ショットクリエイトとオンボールDF)、長島蓮(テンポコントロール)、そして復帰の石川海斗(PNR舵取り・クラッチ意思決定)が層を作る。山田安斗夢はセカンダリー創出でバランス役。
  • ウィング磯野寛晃(C)は3&Dの要で、澤邉圭太はハンドオフの出口とストップ役、山本翔太はトランジションとキャッチ&シュートで価値を出す。
  • フロントコートモッチラミン(帰化)はペイントの接触とロール・ショートロール判断に秀で、ジュリシッチはハイポの配球とミドルでスペーシングを供給。ミッチェル・ライトフットはスクリーン角度とリムラン、グレゴリー・エチェニケ(VC)はポストディフェンスとリバウンドの基準線を提供する。

ベンチは遥天翼AC、本村亮輔PDコーチ、堀井快VC(ビデオコーディネーター)らが役割明瞭。医療は桜十字グループと大学の連携が中核で、怪我リスク管理とリカバリーの標準化を進める。

試合・出来事の詳細

直近2季のトレンドを要約し、勝ち筋と弱点を可視化する。

シーズン 成績 地区順位/総合 PO ホーム アウェイ トピック
2023-24 33勝27敗 (.550) 西3位 / 5位 QF敗退 22-8 11-19 ホームで高勝率、終盤に負傷相次ぎ失速。動員も上向き。
2024-25 27勝33敗 (.450) 西4位 / 8位 QF敗退 14-16 13-17 序盤6連敗→9連敗と低迷も、後半は指標改善。総動員は過去最高。

2024-25は序盤にPNRカバレッジが定まらずPAINT失点が増加、TO%も悪化。年明け以降はラインナップ固定とDHO(ドリブル・ハンドオフ)の定着でショットクオリティを持ち直したが、クラッチの「最後の1ポゼッション」で取り切る仕組みが未完成だった。

戦術・技術・スタイル分析

(1)ハーフコート・オフェンス:Spain PnR × DHO × ハイロー
今年の軸は、石川-モッチのSpain PnR(バックスクリーン付PNR)と、田中→ジュリシッチのDHOからのショートロール/キックアウト。ハイポのジュリシッチが「受け手兼配球」で機能すると、45度→コーナー3が連鎖。モッチはショートロールでフローダー/ミッドポスト配球まで担うため、ポストエントリーの渋滞を避けやすい。

(2)ディフェンス:Drop基調+サイドICE、試合終盤はハイブリッド
ベースはエチェニケのDropでリム保護。サイドPNRはICEでサイドラインへ追い込み、ベースライン・ヘルプは短距離タグ。プルアップ巧者にはタッチショウで手元を揺らす。クラッチは1-4で限定スイッチし、5番はDrop継続のハイブリッド運用でミスマッチ連鎖を遮断。これにより、ファウル増加とローテーション距離のジレンマを緩和する。

(3)リバウンド&トランジション:2ORBルールと「0-7秒意思決定」
ORBは原則2人まで(ライトフット+ガード1人)。他は即時リトリートで失点源の走られ方を遮断。奪えば0-7秒の速い意思決定を許容し、3PAr(3P比率)を底上げ。山本・澤邉のコーナー3、磯野の45度3が一次ターゲットになる。

ファン・メディア・SNSの反応

熊本は“会場体験”の完成度が際立つ。BLACK VOLFESや新規の「水フェス」、地元アーティストとの楽曲連動、アリーナDJ布陣の拡充で、勝敗とは独立に観客体験の満足度を押し上げている。SNSでは「VOL(Voltage Of Life)を赤く彩る熱源」というクラブの自己規定に支持が集まり、ハイライトでは石川のPNR判断、モッチのフィニッシュ、磯野のストップが拡散。敗戦時でも入場者数が維持されるのは、地域密着の成果と解釈できる。

データ・記録・統計情報

主要な通史データを簡易年表で確認する(勝敗はレギュラーシーズン)。

リーグ 勝率 地区 PO メモ
2016-17 B2西 44 16 .733 3位 クラブ躍進の起点、13連勝を記録。
2018-19 B2西 45 15 .750 1位 3決敗退 地区優勝。B1昇格まであと一歩。
2021-22 B2西 36 18 .667 2位 4位 攻撃力で上位回帰、PO経験値を蓄積。
2023-24 B2西 33 27 .550 3位 QF敗退 ホーム22勝と地元で強さ。
2024-25 B2西 27 33 .450 4位 QF敗退 序盤失速も終盤は持ち直し。

観客動員の推移は競技成績と非線形。2023-24で80,727人(平均2,691)、2024-25は101,758人(平均3,392)と継続成長。コンテンツ価値(演出・イベント)と地域コラボが、勝敗の乱高下と切り離されて底堅い需要を生んでいる。

クラブ記録面では、最多動員が4,899人(2017/4/30)、最多得点128点(天皇杯2017/9/17)。NBL期の20連敗という苦い歴史を背負いつつ、B2期の安定成長が現在の基礎体力を作った。

リーグ全体への影響と比較分析

B2西地区で上位に定着するクラブの共通項は、①3PArの確保、②TO%の抑制、③リム保護の一貫性。熊本は2025-26ロスターで①③の前提を満たしやすい構造に寄せた。特にモッチラミンの帰化は、B2で効く「国内ビッグの連続起用」というカードを増やし、ファウルトラブル時のディフェンスEV(期待値)低下を緩める。対照的に、ガードのサイズ不利は一部対戦で露呈しうるが、石川のPNR意思決定と田中のドライブが機能すれば、ポゼッション価値で相殺可能だ。

他クラブの成功例に学ぶなら、終盤ATOのテンプレ化(Spain PnR/Horns Twist/Iverson→サイドPNR)と、2ndユニットのKPI管理(TO%・ORB%・3PAr)を週次でレビューし、ラインナップ別のプラスマイナスを明確にすること。これが接戦勝率を2〜3勝分押し上げ、シード順・ホームコートアドバンテージに直結する。

今後の展望とまとめ

2025-26の具体的な処方箋を三点に絞る。

  1. クラッチ設計の固定化石川-モッチのSpain PnRを終盤の第一選択に据え、サブとして田中→ジュリシッチのDHO→ショートロールを準備。コーナー3の創出を第一原理に置く。
  2. 守備ルールの省エネ最適化:Drop基調+サイドICE+限定スイッチの三層。ロータグ→Xアウトの距離を短縮し、ファウルと回転距離を同時に削る。
  3. 2ndユニットのKPI運用:週次でTO%・ORB%・3PArを共有し、プレータイム判断をデータと接続。意図のないミドルを削減し、0-7秒の意思決定を徹底する。

リブランディング以後の熊本ヴォルターズは、会場体験と地域連携で“熱源”の座を確立した。次に必要なのは、反復可能な原則で接戦を拾い続けることだ。B2西地区の序列は拮抗しているが、帰化枠の活用とハーフコートの設計で勝ち筋は明瞭になった。観戦のたびにチェックしたいキーワードは「熊本ヴォルターズ」「B2リーグ」「西地区」。この記事が観戦・議論の手引きになったなら幸いだ。最後に――あなたの一言が次の満員をつくる。感じたことを共有し、クラブの“熱量”を広げよう。

【Bリーグ/横浜エクセレンス】徹底ガイド|B3優勝からB2復帰へ──歴史・ロースター・横浜武道館時代の戦略を総まとめ

ニュース概要|横浜エクセレンスがB3優勝を経てB2復帰へ

横浜エクセレンス(Yokohama Excellence、以下「横浜EX」)は、2024-25シーズンのB3で45勝7敗(勝率.865)と圧巻の成績を残し、優勝とともにB2復帰を果たした。ホームタウンは神奈川県横浜市。ホームアリーナは中区の横浜武道館で、2025-26シーズンはB2東地区での戦いに臨む。クラブは2012年創設の「東京エクセレンス」を前身に持ち、横浜移転(2021-22)を機にブランディングを再構築。チームカラーのEX GREENと「LIGHT UP FOR EXCELLENCE!」のスローガンを掲げ、地域密着と競技力向上の両立を進めてきた。

本稿はWikipedia情報を基礎としつつ、編集・再構成による解説記事として、横浜エクセレンスの歴史・成績推移・ロースター構成・運営体制・スポンサー/マスコット・開催アリーナを俯瞰し、B2復帰後に求められる戦術的/経営的ポイントを整理する。

背景と経緯|東京エクセレンスから横浜エクセレンスへ

母体は2002年にスポーツドクター辻秀一氏の手で創設されたクラブチーム「エクセレンス」。NBDL期には3連覇(2013-14/2014-15/2015-16)を達成し、下部リーグで存在感を高めた。Bリーグ創設後はB2配置(2016-17)からのスタートだったが、ホーム基準(3000人規模アリーナ)を満たせずライセンス不交付となりB3降格という苦い経験を持つ。その後、2018年に加藤製作所が運営会社を子会社化、2019年にはB3年間1位で自動昇格を勝ち取りB2へ返り咲いたものの、再びホームアリーナ計画が頓挫し、2度目のライセンス不交付でB3に戻る。

この揺り戻しを断つべく、クラブは2021-22に横浜市へ移転。B2基準を満たす横浜武道館をホームとし、ブランディングを横浜仕様に刷新。横浜ビー・コルセアーズとのホームタウン棲み分け(横浜EXは南部エリア中心)を明確化し、地域連携を強化した。2024-25のB3優勝でB2復帰資格を得た現在、クラブ史に二度刻まれた「ライセンス不交付」というリスク要因を克服する体制が整いつつある。

選手・チームのプロフィール|2025-26ロースターの骨格と強み

2025-26の横浜エクセレンスは、ガードの機動力+ストレッチ可能なビッグという現代的な構成。PG/SGラインは複数のボールハンドラーを揃え、テンポコントロールと外角火力を両立させる設計だ。

  • バックコート:板橋真平(PG/168cm)、ディクソンJrタリキ(PG/181cm)、西山達哉(PG/172cm)、大橋大空(PG/165cm/キャプテン)、永野威旺(G/178cm)、杉山裕介(SG/183cm)など、小柄だが推進力と意思決定に優れたハンドラーが多い。
    米系のトレイ・ボイドⅢ(SG/193cm)がスコアリングの核になりうる。
  • ウイング/フォワード:木下大南帆(F/192cm)、ザック・モーア(SF/198cm)。機動力とサイズを活かし、トランジション/セカンドユニットの安定剤として期待。
  • ビッグマン:ベンジャミン・ローソン(C/216cm)、カリム・エゼディン(F/C/206cm/アジア枠)、エライジャ・ウィリアムス(PF/201cm)。
    ローソンの長身はリムプロテクトとハイローフィードで効く。エゼディンはスクリーナー兼ロール/ショートロールの起点として、ウィリアムスはフィジカル&ミドルで起点を担える。

指揮官は河合竜児HC。アシスタントに玉城理規、S&Cに冨樫司、トレーナーに大野夢実、通訳兼マネージャーの安喰淳平、アナリストの川本貴和子と、現場機能が整理されている。B3優勝の再現性をB2で示すうえで、守備規律とラインナップ最適化が鍵を握る。

試合・出来事の詳細|成績トレンドと横浜武道館運用

成績推移を見ると、B3では2018-19:32勝4敗(優勝)2024-25:45勝7敗(優勝)と「勝ち切る年」の再現性がある。一方で、B2基準のホーム確保不備により二度の降格を経験したのが難点で、施設計画と競技成績のアラインメント不全がクラブの構造課題だった。横浜移転後は、横浜武道館という明確なホームフォーマットを得たことで、演出/導線/販売の標準化が可能に。2022-23には横浜武道館でプレーオフを3試合開催するなど、“アリーナで魅せる”勝ち筋を強化している。

開催アリーナの歴史を振り返ると、東京EX時代は板橋・立川・練馬・八王子などに分散していたが、横浜移転以降は横浜武道館が主戦。平塚・座間・横須賀など県内サテライト開催の実績もあり、南部エリア中心の地理戦略が明確化された。

ブランド/スポンサー/マスコット|共創型アクティベーションへ

2025-26シーズンのユニフォーム関連は、サプライヤー:ペナルティ。スポンサー枠は前面・背面・パンツに横浜市、三菱地所、加藤製作所、横浜武道館、銀座鮨あらい、TH弁護士法人などが並び、自治体×地場/全国企業の混成。単なる露出ではなく、試合当日や地域イベントと連動した活用(アクティベーション)が企図されている。

マスコットは二人体制の「ピック&ロール」(背番号45と80)が2023年から稼働。NBDL/東京EX期のtex(テックス)は2019年に活動を停止し、横浜EXの世界観に合わせた新コンセプトへ移行した。ロゴは横浜発祥の「ガス灯」モチーフで、“LIGHT UP”の物語をアリーナ体験全体に織り込む。

他事例との比較・分析|B2で定着するためのゲームモデル

B2定着のポイントは、守備効率の底上げ・DREB%の安定化・TOV%の縮小・3Pの質(オープン比率)の確保に集約される。横浜EXは小柄で敏捷なガードと、長身リムプロテクター/ストレッチPF/Cの組み合わせを持つため、以下のゲームモデルが理想解だ。

  • ハーフコート攻撃:ハイ/サイドPnRを主軸に、ローソン/エゼディンのスクリーン角度と大橋・板橋のハンドラーリズムでペイントタッチを増やす。弱サイドは45度のシェイク/リロケートでキックアウト動線を短くし、ボイドⅢ・杉山・モーアのキャッチ&シュートを最大化。
  • トランジション:守備リバウンドから2タッチ目で前進、押し切れない場合は早い2ndエントリー(Horns/5-out)でショットクオリティを担保。ポゼッション価値の下がる無理打ちは避け、“良い早打ち”の定義を徹底。
  • PnR守備:基本はドロップ+ボールサイドナビゲート、相手のパススキルに応じて弱サイドのタグ/スクラムを明確化。相手のコーナー3を最重要脅威とし、ローテの優先順位を全員に浸透。
  • ファウルマネジメント:ローソン/エゼディンのファウルトラブルは構造的な敗因になりうる。ポジション取りの先手と、縦ドライブの角度管理で接触/リーチを減らす。

経営面では、横浜武道館を核に“ホーム体験の標準化”(演出・飲食・グッズ・ファン交流導線)を進めるほど、勝率×動員の相関が強まる。他クラブの成功事例では、学校連携・地域祭事・企業福利厚生観戦の三本柱が来場動機の分散と底上げに寄与している。横浜EXはスポンサー/自治体が厚く、南部エリアの生活導線に寄り添った施策を積み上げやすい。

経営・組織ガバナンス|“ライセンス不交付”の歴史を教訓に

横浜EXは過去に2度のライセンス不交付を経験している。要因は主としてホームアリーナ基準とのミスマッチだった。横浜移転後は基準適合施設=横浜武道館に拠点を一本化し、B2以上で戦う前提を固めた。将来的な横浜BUNTAI活用の構想も掲げられており、施設計画とカテゴリーの整合性を保つことで、“昇降格の揺り戻し”を避けることが可能になる。

運営法人は株式会社横浜エクセレンス。代表は桜井直哉。事業はバスケットボールクラブ運営、プロスポーツ興行、グッズ/写真/映像等の企画・販売。一般社団法人EXSCはスポーツクラブ運営や指導者育成を担い、教育・地域事業のハブとして機能する。競技・興行・育成の三位一体は、ホームタウン密着の質を高める中長期戦略の要だ。

年表ダイジェスト|主要トピック早見

  • 2012年:東京エクセレンス創設。
  • 2013-16年:NBDLで3連覇
  • 2016-17年:B2配置→ライセンス不交付でB3降格。
  • 2018年:加藤製作所の子会社化/専用練習場「KATO FACTORY ARENA」稼働。
  • 2018-19年:B3優勝→B2自動昇格。
  • 2019-20年:アリーナ計画頓挫で2度目の不交付、B3へ。
  • 2021-22年:横浜移転/横浜武道館をホームに。
  • 2024-25年:B345勝7敗優勝、B2復帰へ。

KPIと実装順|B2で“勝ち続ける”ためのチェックリスト

  1. 守備効率の中位以上化:DREB%とコーナー3被弾率を最優先KPIに。
  2. ペイントタッチの増加:ハンドラーのPAINT侵入→ショートロールの起点化。
  3. 3Pの質:キャッチ&シュートのオープン比率を可視化し、個人/ラインナップ別に最適化。
  4. TOV%の縮小:クラッチ時の意思決定ルール(初手のプレータイプ)を統一。
  5. ホーム体験の標準化:演出・飲食・動線・交流をテンプレ化し、セールスと勝率の相関を強化。

今後の展望とまとめ|横浜エクセレンスがB2で示すべき“再現性”

横浜エクセレンスは、NBDL期の勝ちグセ、B3での勝ち切る力、そして横浜移転によるホーム基盤の安定を手に、B2で「再現性のある勝利」を示す段階に入った。小柄なガード群と長身ビッグの組み合わせはB2でも戦えるポテンシャルがあり、守備とショットクオリティの徹底で接戦勝率を積み上げたい。運営面では横浜武道館を核に、学校・企業・自治体と連動した共創型アクティベーションで来場理由を多層化し、動員×勝率の好循環を作ることが重要だ。

横浜エクセレンスの物語は、ライセンス不交付→再起→B2復帰という稀有な軌跡でもある。次なる章は“定着”と“挑戦”の両立。気になる方は公式サイトやSNSで最新リリースをチェックし、横浜武道館でのホームゲームに足を運んでほしい。感じたことをシェアする一言が、クラブの次の一歩を明るく照らす。

【8/30(土)GL3x3プレシーズン】新たな3人制バスケの熱源、ここに誕生!


GL3x3プレシーズンイベントが8月30日に開催決定!


2025年8月30日(土)、3×3バスケの新たな潮流「GL3x3(Golden League 3×3)」が、ついにプレシーズンイベントを開催する。この日、東京都内の特設会場にて、既存の3人制バスケットボールとは一線を画す、 エンタメ融合型バスケリーグ の全貌が初公開される。

正式リーグ開幕を前に、GL3x3が掲げるビジョンや世界観、独自ルール、演出、選手の個性が体感できる貴重な1日。このプレ開催は、まさに 3×3の常識を再定義する瞬間 として、バスケットボール界はもちろん、音楽・ファッション・ストリートカルチャーの交差点としても注目を集めている。

GL3x3とは?|次世代エンタメ×バスケの融合

GL3x3(Golden League 3×3)は、「魅せる・響く・共鳴する」をコンセプトに掲げ、従来の競技バスケに 観る体験 を重ねた、まったく新しい3人制バスケットボールリーグである。

主な特徴は以下の通り:

ランニングタイム制(12分)×ショットクロック12秒
3Pシュートにエフェクト演出などのボーナス要素を導入
MC・DJ・照明が融合するライブ空間のような会場設計
ファン投票やSNS連動で展開が変化するインタラクティブ性

これにより、プレイヤー、観客、演出が 三位一体 となる、まったく新しいスポーツ・エンターテインメント体験が可能になる。

【8/30(土)】プレシーズンで体験できる主なコンテンツ

① ショーケースマッチ|GL3x3ルールを初公開

選抜されたエントリーチームによるエキシビションゲームが予定されており、GL3x3ルールによるゲーム展開が初披露される。

– 12分ランニングタイム
– ショットクロック12秒の超速テンポ
– 3ポイントが炸裂するたびに光と音の演出
– ゲーム終盤で導入される「フィニッシュ演出」でドラマチックな幕切れ

バスケ未経験者でも楽しめる わかりやすさ×スピード感 に、観客は熱狂すること間違いなし。

② 音楽演出×実況で五感を揺さぶる

MCとDJが織りなす リアルタイム実況+音楽演出 により、会場はまるでクラブイベントのような熱気に包まれる。

– プレイに合わせて変化するBGM
– MCによる選手の煽り&応援ガイド
– 観客の歓声がBGMと一体化し、まさに LIVEバスケ 空間

この演出体験は、Z世代・α世代を中心に急速に広まっている 観るスポーツから、体験するスポーツへ というトレンドの象徴とも言える。

③ フォトブース&SNS企画|「参加型イベント」の真骨頂

– GL3x3ロゴフォトブースや等身大パネル設置
– 試合中のハイライトをリアルタイムでSNS投稿→抽選でオリジナルグッズが当たるキャンペーンも実施予定

これにより、来場者自身がイベントの一部となり、体験をコンテンツとして 持ち帰る 設計となっている。

プレイヤーの魅力も全開放|個性で勝負する舞台へ

GL3x3は、プレイヤーの キャラクター を表現する場でもある。試合でのパフォーマンスだけでなく、入場演出やコート外でのアピールタイムも設けられ、従来の「競技一辺倒な3×3」から脱却。

今大会では、3×3.EXE出身選手、Bリーグに所属経験のあるプレイヤー、ストリートバスケ界隈で名を馳せたインフルエンサー選手など、幅広い顔ぶれがエントリー予定。会場では、観客の歓声によって ヒーロー が生まれる仕掛けも用意されている。

観る側も、出る側も、全員が主役になれるリーグへ

GL3x3の特徴は、「誰もが参加できる」構造にある。観客席にいても、SNS投稿やリアクションで試合の流れに影響を与えたり、ベストプレー投票で演出が変わったりと、能動的に関わることが可能だ。

このようなインタラクティブ性は、eスポーツや音楽フェスとの親和性が高く、従来のスポーツファンのみならず、若年層のカルチャー層にも広がりを見せている。

【重要】8月30日(土)の詳細と今後の動向

イベント名: GL3x3 プレシーズンマッチ
日時: 2025年8月30日(土) 午後 開始予定
場所: 都内某所(詳細は公式SNSで近日発表)
対象: 一般来場者、メディア、スポンサー、3×3ファン

※正式エントリー方法、観戦登録、来場特典などは、GL3x3公式SNS・ウェブサイトにて随時公開予定。

まとめ|GL3x3が切り開く 3×3新時代 の幕開け

2025年8月30日、GL3x3は「競技」だけでなく、「文化」としての3×3を再定義するスタートを切る。スポーツ、音楽、ファッション、SNSが融合するこの空間は、バスケットボールの未来像そのもの。

今、最もホットな エンタメ型3×3 を体験できるこのプレシーズンイベントに、ぜひ参加してほしい。観るだけではない、感じるスポーツ体験が、そこにはある。

📲 詳細・続報はGL3x3公式SNSにて随時発信中!

落合知也が歩んだ唯一無二のキャリア──モデル志望から3×3日本代表、そして球団社長へ

唯一無二のキャリアを歩む男、落合知也


3×3バスケットボール界において、落合知也という名は特別な意味を持つ。東京都出身、身長195cm、体重95kgというフィジカルを持ち、フォワード兼センターとして日本代表のユニフォームに袖を通してきた落合は、プレイヤーとしての実力だけでなく、異色のキャリアでも知られている。

大学卒業後、一度はプロバスケットボールから離れ、モデルを目指すという異例の選択をした落合。しかしストリートバスケ「UNDERDOG」に誘われたことがきっかけで再びコートへ戻り、その後は3×3を主戦場として日本のトップへと駆け上がった。

法政大学で準優勝、しかしプロ入りはせず「モデルの道」へ


高校は全国強豪の土浦日本大学高校に進学。その後、法政大学に進学し、2007年のインカレで準優勝。U-24日本代表候補にも選出される実力を持ちながらも、卒業後はプロではなくモデルを目指して活動。ウェイターや営業職を経験しながらも、夢を追い続けていたという異色の背景がある。

この経験は「唯一無二」という落合の座右の銘にも通じるものがあり、彼のメンタルや価値観に深く影響を与えた。

3×3との出会い、そして世界へ──UNDERDOGから代表へ

3×3との出会いは、ストリートボールチーム「UNDERDOG」への加入から始まる。2010年から2013年にかけては、『ALLDAY』『Somecity』といったストリート大会で数多くの優勝を重ね、QUAI54(パリ)、3×3 Pacific Open(ウラジオストク)、LIGHT CITY LEAGUE(上海)と、国際的な舞台にも参戦。

とりわけ印象的なのは、2013年の「FIBA 3×3ワールドツアーマスターズ東京大会」で2位を獲得し、FIBAオールスターに選出されたことである。ここから、彼の名は国内外の3×3界で知られるようになった。

日本代表として、世界と戦う


2014年には3×3日本代表に初選出。翌年には3×3.EXE PREMIERで優勝&MVPを獲得し、2016年のFIBAワールドカップでは日本代表としてロシア、中国を破り、初の2勝を記録した。

2018年にはFIBAアジア3×3カップで日本男子初となる銅メダルを獲得。東京オリンピックでは日本代表として全試合に出場し、予選リーグ突破から準々決勝進出と、世界の舞台でもインパクトを残した。

5人制復帰と 二刀流 の挑戦

3×3に専念していた落合だが、プロ5人制のキャリアも見逃せない。2013年にNBDL(現B3)・大塚商会アルファーズでプロキャリアをスタート。2015-16シーズンにはリーグベスト5に選出されるなど、結果を残す。

その後、B1のリンク栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)へ移籍し、2016-17シーズンの優勝メンバーにも名を連ねた。越谷アルファーズでも長く在籍し、2023年までプレー。再び3×3専念を表明し、次なるステージへ進む。

しながわシティで新たな挑戦──選手兼球団社長

2024年、しながわシティバスケットボールクラブとSHINAGAWA CITY.EXEの設立に合わせ、落合は選手兼球団社長に就任。この動きは日本バスケットボール界においても非常に珍しく、選手がマネジメントと競技の両方に関わる新時代の象徴と言える。

2025年シーズンには、B3で51試合に出場し平均5.59得点、2.94リバウンド、3P成功率34.9%という安定した数字を記録。B3の日本人選手としてリバウンドランキング3位にも名を連ねている。

プレイスタイルと人間性

落合のプレイスタイルは、ミスマッチを活かすポストアップと、外国籍選手とのフィジカルなマッチアップを得意とする「3ビッグ」システムに適応する点に特徴がある。高身長に加え、フィジカル・判断力・リーダーシップに優れた万能型プレイヤーといえる。

また、目標とする人物にイチローを挙げるなど、独自の信念とストイックさを持ち合わせている。好きな音楽はHIPHOP、人生のモットーは「唯一無二」。彼が多くの若手選手から尊敬を集める理由は、こうした人間性にもある。

未来へ──GL3x3と落合知也の交差点

GL3x3が目指す「エンターテインメント×競技性」というコンセプトにおいて、落合知也はまさに象徴的な存在となり得る。モデル・プロ選手・球団社長と、あらゆる経験を積んだ彼が、GL3x3のような新興リーグにおいて担う役割は計り知れない。

実際、2025年のGL3x3イベントにおいて、しながわシティからの選手派遣やMC演出の協力など、様々な連携が予定されており、今後の展開が注目される。

まとめ|「唯一無二」の挑戦を続ける理由

落合知也のキャリアは、常識を覆し続けてきた軌跡そのものである。3×3という競技の可能性を切り開いた第一人者であり、今なお進化し続ける存在だ。

若手プレイヤーにとって彼の存在は「道しるべ」であり、GL3x3にとっても、彼の経験と哲学は欠かせない要素だ。バスケとエンタメの融合という新たな地平で、落合知也はこれからも唯一無二の存在として走り続けるだろう。

【NBA最新】ブルズがビリー・ドノバンHCと契約延長!河村勇輝の起用と再建ロードに注目集まる

再建中のブルズ、ビリー・ドノバンHCと契約延長へ


2025年7月28日(現地時間)、NBAのシカゴ・ブルズがビリー・ドノバンHC(ヘッドコーチ)との複数年契約延長に合意したと、現地有力記者シャムズ・シャラニア氏が報道。その後、ブルズ球団も公式に契約延長を発表した。

契約期間や金額などの詳細は現時点では非公表とされているが、2020年から指揮を執ってきたドノバンにとって、ブルズでの指導は来シーズンで6年目に突入。なお、今オフにはニューヨーク・ニックスもドノバン招聘を視野に入れていたとされ、他球団からの注目も集める中での続投決定となった。

ブルズは現在、若手主体のロースターで再建期にあり、チームの方向性と指揮官のビジョンが一致したことで、今回の延長に至ったと見られている。

ビリー・ドノバンとは何者か?経歴と実績を再確認

ビリー・ドノバンは、大学指導者として一世を風靡した名将。1996年から2015年までフロリダ大学で19シーズンにわたってチームを率い、2006年と2007年には全米大学選手権を連覇する偉業を達成した。

その後、NBAに転身し、オクラホマシティ・サンダーのHCとして2015年にデビュー。ラッセル・ウェストブルックやケビン・デュラントを擁したチームで毎年プレーオフ進出を果たし、戦術家としての評価を確立した。

2020年からブルズの指揮を執っており、NBA通算成績は800試合で438勝362敗。ブルズではこれまでに195勝205敗と五分に近い戦績を記録している。

3年連続プレーイン敗退、それでも続投の理由

直近の2024–25シーズン、ブルズは39勝43敗でイースタン・カンファレンス9位。プレーイントーナメントではマイアミ・ヒートに敗れ、3年連続でプレーオフ進出を逃した。

戦績だけを見れば物足りなさが残るが、球団フロントはドノバンの「育成力」「組織改革力」「選手との信頼関係構築力」を高く評価。特に、ベテラン偏重から若手主導のチーム編成にシフトしたタイミングで、ドノバンが軸となり文化を構築してきた功績が大きい。

チームは現在、過渡期にあるものの、ドノバン体制の継続によって「再建から勝利への移行」がよりスムーズに進むと期待されている。

日本人PG・河村勇輝の起用にも注目が集まる

2025年サマーリーグで鮮烈なインパクトを残し、ブルズと2ウェイ契約を結んだ河村勇輝。Bリーグ横浜ビー・コルセアーズからのNBA挑戦は、国内外から大きな注目を集めている。

ドノバンHCは、サマーリーグでの河村の「スピード」「視野の広さ」「フィニッシュ力」を高く評価しており、プレシーズンでの出場機会も予定されているという。

これまでのブルズはコービー・ホワイト、アイオ・ドスンムなどのガード陣が台頭する一方、サイズやディフェンス面で課題を抱えており、「切り込み型」の河村のような選手の起用はチーム戦術に新たな風を吹き込む可能性がある。

ブルズの再建フェーズ:誰が軸となるのか?

ブルズのロスターは2025–26シーズンを迎えるにあたって大きく変容している。長年中心選手だったデマー・デローザンが移籍したことにより、今後は以下の選手たちが再建の軸になると見られる:

– コービー・ホワイト(PG):成長著しい司令塔
– パトリック・ウィリアムズ(SF):2WAYポテンシャルを持つウィング
– ジュリアン・フィリップス(F):守備で定評のある若手
– ダーレン・テリー(G):運動能力抜群のユーティリティプレイヤー
– 河村勇輝(PG):異色の日本人ポイントガード

このような「若手の化学反応」を引き出すには、選手の特徴を理解したマネジメントが不可欠。ドノバンの大学・NBA両面での経験が活かされる場面となるだろう。

ドノバン体制の未来:3×3視点から見る注目点

GL3x3の視点から見ても、ビリー・ドノバンが重視するプレースタイルは興味深い。

彼のチームは「ハイテンポ」「スペーシング重視」「スクリーン&ロール活用」に特徴があり、これは3×3でも重要な要素と重なる。特に、河村勇輝のような ギャップアタッカー型 のPGにとっては、攻撃の選択肢が広がるシステムだ。

今後、河村が3×3とのクロスオーバーを見せる機会が訪れれば、日本バスケ界にとって大きな財産となる。

メディアやファンの反応:「ドノバンでいいのか?」

SNSやメディアでは、今回の契約延長に対して賛否両論が飛び交っている。

「戦績が伴っていない」「3年連続プレーオフ逃しは痛い」といった批判もあれば、「若手育成にはドノバンが最適」「今は継続こそ最善」とする肯定的な意見も多い。

また、日本国内では「河村勇輝がどう使われるか」に注目が集まっており、開幕前から彼のプレシーズン出場が待ち望まれている。

まとめ:ドノバン×河村=新時代ブルズの可能性


シカゴ・ブルズは再建期のど真ん中にありながら、チームの舵取りをビリー・ドノバンHCに託す決断を下した。その決定の裏には、単なる勝敗では測れない 組織作りの哲学 がある。

そしてそこに、新たに加わった日本人PG・河村勇輝の存在は、ブルズの攻撃スタイルに変化をもたらす可能性を秘めている。

GL3x3としても、NBAで育成型チームがどのように成果を出すか、そして日本人選手がどこまでインパクトを残せるかを追い続けたい。

【女子インターハイ2025】八雲学園の怪物アダマが 60得点25リバウンド の衝撃!柴田学園を撃破し2回戦へ

衝撃の60得点!女子インターハイに舞い降りた 異次元スコアラー


2025年7月27日、岡山市総合文化体育館にて開幕した「令和7年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(通称:インターハイ)」女子1回戦で、八雲学園高校(東京)が柴田学園大学附属柴田学園高校(青森)を101-81で下し、2回戦進出を決めた。

この試合で最も注目を浴びたのが、八雲学園の留学生フォワード、テウ・アダマ。フル出場で記録した 60得点・25リバウンド・6ブロック という規格外のスタッツは、同大会の記録にも残る歴史的パフォーマンスだ。

女子高校バスケ界において 60得点 は極めて稀であり、その得点力の裏にはフィジカルの優位性とインテリジェンスを兼ね備えたプレースタイルがある。彼女の爆発により、序盤からリードを奪った八雲学園は、柴田学園の粘りを振り切り、最後は第4Qで23-13と突き放して勝利を収めた。

電光石火の先制と序盤の主導権掌握

試合は開始直後から大きく動いた。わずか4秒でアダマがゴール下を制し先制点を奪うと、続けざまに7-0のラン。会場を一気に八雲ペースへと染め上げた。

この序盤のラッシュは、アダマの1on1スキルだけでなく、ガード陣の的確なパスワークやアウトサイドとの連携があってこそ成り立つ。特に松崎菜緒や川名漣といったサイドプレイヤーが高い位置でボールを保持し、スペースを広く使った展開が功を奏した。

また、攻守の切り替えが速いのも八雲学園の特長。リバウンドを取ってからの走力と判断スピードは3×3に通ずる 即興性と切り返しの速さ があり、3×3シーンでも注目されるプレー構造を随所に見せた。

柴田学園の粘りと あと一歩 の差

一方、敗れた柴田学園も見せ場を多く作った。波多野陽南を中心にファストブレイクや連携プレーで応戦し、第3Qには一時1ポゼッション差にまで詰め寄る場面も。

特に後半は、カッティングやスクリーンからの合わせで流れをつかみかけたが、要所でアダマにシュートブロックやリバウンドで阻まれる展開が続いた。サイズ差だけでなく、ポジショニングの巧みさでも押された印象で、点差が開いてしまった。

60得点25リバウンド6ブロック の内訳とプレースタイル

アダマの60得点は、内訳としてゴール下のフィニッシュが約30点分、中距離からのジャンパーが15点分、トランジションやファウル獲得からのフリースローで15点ほど。身体能力だけではなく、ミドルシュートやピック&ロールの理解度も高い。

さらに特筆すべきは25リバウンド、うちオフェンスリバウンドが9本という数字。セカンドチャンスの創出力が、チーム全体の得点力を底上げした。

ディフェンスでも6ブロックを記録しており、1対1での守備力やヘルプディフェンスでも抜群の読みを見せていた。

八雲学園とアダマ選手のプロフィールと背景


テウ・アダマ選手は西アフリカ出身。2024年に八雲学園へ加入後、関東新人大会や関東大会でもその圧倒的存在感を発揮しており、今季は インターハイ制覇のキープレイヤー と目されていた。

八雲学園はこれまでに何度も全国大会に出場し、関東勢の中でも高い評価を受ける強豪校。アダマの加入によってペイントエリアの強さに加え、ガード陣のスキルが融合した インサイドアウト型 のバスケへと進化している。

彼女自身はWリーグや大学進学後の3×3転向も視野に入れているとされ、今大会のパフォーマンスはそのプロスペクトとしての評価を大きく引き上げた。

過去のインターハイと女子高校バスケの進化

女子高校バスケにおいて 個人で60点 というのは極めて異例。近年では山田いろは(岐阜女)の50点ゲームが話題となったが、それを大きく上回る結果だ。

また、女子バスケ全体としても、フィジカルなインサイドプレーとスピード重視のトランジションが共存する傾向が強まり、アダマのような 万能型インサイド の価値が急上昇している。

過去のインターハイに比べ、2025年大会は留学生選手の影響力が特に高く、チーム戦術と個人技の融合が勝敗を左右するトレンドとなっている。

メディアとファンの反応:「次元が違う」「将来が楽しみ」

SNS上では、アダマの活躍に驚きと称賛が渦巻いている。

「この子、もう日本の高校レベルじゃない」「プロでも即戦力」「Wリーグか3×3で見たい」といった声が相次ぎ、X(旧Twitter)やInstagramでは当該試合の動画クリップが拡散されている。

また、3×3関係者からも「フィジカルと判断力の両立は3×3向き」「1on1と即決力が武器になる」との評価が聞かれ、今後の進路に注目が集まっている。

まとめ:アダマの躍進が女子高校バスケの未来を変える

1回戦から60得点というセンセーショナルな結果を残したテウ・アダマと八雲学園。2回戦以降はさらに強豪校との戦いが待ち構えるが、彼女の存在がある限り 全勝優勝 も夢ではない。

そしてこの試合は、単なる1勝ではなく、女子高校バスケの進化と未来を象徴する一戦だったと言えるだろう。GL3x3としても、今後3×3転向が期待される 超高校級プレイヤー たちの台頭に注目していきたい。

【Bリーグ/福島ファイヤーボンズ】B2最新動向:ライアン・マルシャン新体制と宝来屋ボンズアリーナ改修で挑む再建戦略の全貌【2025-26】

福島ファイヤーボンズB2最新動向:ライアン・マルシャン新体制と宝来屋ボンズアリーナ改修で挑む再建戦略の全貌【2025-26】

福島ファイヤーボンズはB2東地区のクラブとして、2025-26シーズンに大規模な刷新を行った。ライアン・マルシャンが新ヘッドコーチ(HC)に就任し、ゼネラルマネージャー(GM)には地元・福島市出身の渡邉拓馬が着任。主将は笠井康平渡邊翔太の2人体制となり、クラブ初のダブルキャプテン制を採用した。ホームアリーナの宝来屋ボンズアリーナ(郡山総合体育館)は2024年3月~2025年3月末の改修で観客席増設・床更新・4面大型ビジョン新設などの機能強化が完了。前季(2024-25)は15勝45敗(東7位)と大きく負け越したが、スポンサー増と動員増で売上8.8億円規模(黒字)を確保し、事業基盤の改善を継続している。本稿は、ニュースの要点から歴史・戦術・統計・文化的文脈まで、百科スタイルで多角的に編集リライトしたものである。

ニュース概要

2025年10月に更新された情報によれば、福島ファイヤーボンズはB2東地区で新体制を正式発表した。
・ヘッドコーチ:ライアン・マルシャン
・ゼネラルマネージャー:渡邉拓馬
・キャプテン:笠井康平/渡邊翔太(2人体制)
・ホームアリーナ:宝来屋ボンズアリーナ(収容5,000、改修完了)
・スローガン:「やるっきゃない」
・前季成績:15勝45敗(2024-25、東7位)
・営業トピック:スポンサー数増、売上8億円超、2期連続黒字
2024-25は郡山総合体育館の改修に伴い須賀川・あづま・いわき・田村など県内各地でホームゲームを開催。2025-26は改修後の本拠へ段階的に回帰し、観戦体験の品質を引き上げながら順位浮上を狙う方針である。

背景と歴史的文脈

クラブの起源は2013年。東日本大震災以後、屋外活動が制限された子どもたちの運動機会を確保するバスケット教室が母体となり、同年5月にチームが発足した。名称のFirebondsは「燃える闘志(Fire)」と「絆(Bonds)」の造語。チームカラーのフクシャパープルは福島の「福」に想起される幸福の色で、クラブ・地域の誇りを象徴する。

リーグ構造の変遷としては、bjリーグ参入(2014-16)を経てBリーグ創設に伴いB2へ。B2加入後は波があり、2017-18は38勝22敗(東2位)で上位入り、2021-22は34勝18敗(東3位)で初のB2プレーオフ進出。一方で、2023-24:24勝36敗(東5位)2024-25:15勝45敗(東7位)と直近は停滞。クラブは中長期の再建に向け、コーチング・編成・施設の三位一体改善を打ち出している。

アリーナについては、Bリーグの基準が段階的に高度化される中で、本拠の郡山総合体育館(呼称:宝来屋ボンズアリーナ)をB1水準を見据えた改修へ。2024年3月~2025年3月末の工期で観客席の増設、フロア更新、4面大型ビジョンの導入などを行い、試合演出と快適性を改善。改修期間中は県内各地で分散開催を実施し、地域接点を広げた。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターは大規模刷新で、笠井康平(PG)を除く選手はほぼ新加入。主な顔ぶれは以下の通り。

  • パトリック・ガードナー(C、213cm、1999年生):サイズとソフトタッチが融合。PnRのロール、ショートロールからのミドル、ポストでの自作自演まで対応。守備では長身を活かしたリムプロテクトを担う。
  • ケニー・マニゴールト(G/F、196cm、1991年生):ドライブの破壊力とリバウンド強度が魅力。ディフレクション創出、トランジションの推進力にも期待。
  • 笠井康平(PG、主将):ゲームマネジメント、終盤の意思決定、アドバンスドエントリーの精度でチームの軸。
  • 渡邊翔太(PG、主将):2ndユニットの統率とボールプレッシャー。ダブルキャプテン制の下でロッカールームの安定化に寄与。
  • ジュフ・伴馬(PF):スイッチ適性のあるフォワード。DREB確保とスクリーン後のショートロールで貢献。
  • 中野司/新川敬大(G):アウトサイドの間引き(スペーシング確保)とキックアウト対応のキャッチ&シュートを担う。
  • 大久保友貴(PG)・小川翔矢(G):テンポアップの「点火役」。ラインナップの多様性を作る。

スタッフは、ライアン・マルシャンHCの下に、マーク・コッポラ輪島射矢らが布陣。トレーナー部門は竹尾宗一郎が統括し、シーズンを通じた健康管理・負荷コントロールを重視する。

試合・出来事の詳細

2024-25は郡山本拠の改修に伴い、須賀川16、あづま8、いわき2、田村2など分散開催の負荷が大きかった。戦績は15勝45敗。相手のセカンドチャンスを抑え切れず、接戦の終盤でのターンオーバーとファウルマネジメントが勝率を下押しした。一方で、ホームタウン各地との接点が増し、スポンサーは500社超に到達する年もあり、観客数は過去最高水準を記録。事業基盤はむしろ強化された。

2025-26は宝来屋ボンズアリーナへ順次回帰し、4面ビジョンも活用した演出強化で「ホーム勝率の上振れ」を狙う。新ユニフォームは2024-25に導入されたピンストライプの流れを汲むデザインで、FUUPがサプライヤー。福島民報社/ニラクら地元企業がユニフォームスポンサーとして名を連ね、地域密着性は濃い。

戦術・技術・スタイル分析

マルシャンHCのタスクは、守備の再現性を上げることに尽きる。想定するKPIは以下。

  • DREB%:+2.0ポイント(セカンドチャンス抑制)
  • クラッチ時TOV%:-2.0ポイント(終盤の意思決定安定化)
  • FT Rate(被):-0.02(不要ファウル削減)
  • ホーム勝率:.600以上(演出強化と審判傾向の相乗効果)

オフェンスは、PnR→ショートロール→45度キックアウトを定型化し、ガードナーの「ハイポスト起点」、マニゴールトの「ペイント侵入」で二段攻撃。スタッガード→フレア→スリップの連続アクションを用いて、相手のタグを遅らせる。BLOB/SLOB(スローイン)ではバックドアの比率を上げ、1ポゼッションゲームの勝ち切り率を底上げする。

5人制の文脈では、ペース管理とハーフコートの効率が鍵。3×3的なアイソ誘導は限定し、アドバンテージの連鎖でタフ2とフリースローを稼ぐ。守備はICEDropを基調に、相手のエースに対してはShow→Recoverの可変、終盤はSwitch-1のミックスでトリガーを切る想定だ。

ファン・メディア・SNSの反応

県内メディアは「アリーナ改修完了」「営業面の黒字回復」を継続的に取り上げ、“事業は上向き、競技は反転待ち”という共通した論調。SNS上では、ピンストライプの新ユニフォームや4面ビジョン演出に対する期待が高く、「ホームに帰ってくる実感」を歓迎する投稿が散見される。地元スポーツ文化の文脈では、Jリーグ/独立リーグ野球との横断的な地域応援スタイルが定着し、フクシャパープルは地域ブランディングの視覚的ハブとして機能している。

データ・記録・統計情報

  • B2リーグ 過去主要戦績
    2016-17:30勝30敗(東3位)/PO未進出
    2017-18:38勝22敗(東2位)/上位定着
    2018-19:27勝33敗(東4位)
    2019-20:16勝31敗(打切)
    2020-21:27勝31敗(東6位)
    2021-22:34勝18敗(東3位)/初のPO進出(QF敗退)
    2022-23:28勝32敗(東4位)/QF敗退
    2023-24:24勝36敗(東5位)
    2024-25:15勝45敗(東7位)
  • アリーナ・開催
    2024-25:須賀川16・あづま8・いわき2・田村2(改修対応)
    2025-26:宝来屋ボンズアリーナへ段階回帰、収容5,000・4面ビジョン・床更新
  • 事業指標
    スポンサー数500社規模の年もあり、2023-24:売上8.1億円・黒字2024-25:8.8億円・黒字。動員は増勢。

リーグ全体への影響と比較分析

B2でPO圏に復帰するクラブは、守備効率(DefRtg)・ターンオーバー管理(TOV%)・ホーム勝率の3条件を満たす傾向が強い。リーグ中央値比でDefRtgを-2~-4、クラッチのTOV%を1桁後半に抑え、ホーム.650前後を達成すれば、レギュラーシーズンの勝ち星は自ずと伸びる。福島はアリーナ演出強化によりFT Rate(自)を押し上げられる可能性があり、接戦の笛で優位を取りやすくなる。また、GM主導でシーズン中の微調整(外国籍の役割最適化、アジア枠・帰化選手の相互補完、2ndユニットのライン構成見直し)を躊躇しないチームは、終盤に勝率が伸びやすい。

過去の上位クラブと比較すると、福島が取り戻すべきは「ホームの地力」「終盤の定型化」である。宝来屋ボンズアリーナの回帰は「地力」再構築の土台になり、BLOB/SLOB効率の改善は「定型化」の最短経路。守備のDREB%と被FT Rateの改善は、最小投資で最大効果を見込みやすい“地味な2指標”だ。

今後の展望とまとめ

短期(前半戦)のターゲットKPIは、DREB%:+2pt/クラッチTOV%:-2pt/ホーム勝率:.600以上。中期(終盤)でBLOB/SLOBの生産性を底上げし、1ポゼッション差ゲームを拾う設計に転じる。ロスターではガードナーの健康管理と、マニゴールトのファウルマネジメントが鍵。ラインナップの守備相性を踏まえ、Switch-1多用時のミスマッチ救済(早いハードダブル→ローテの整列)をテンプレ化したい。

事業面は「4面ビジョン×照明演出×音響」で体験価値を引き上げ、客単価×稼働率を同時に押し上げる局面。分散開催で得た県内接点は、郡山回帰後の送客物販の回転率改善に生かせる。地域との「Bonds(絆)」という原点に立ち返り、福島ファイヤーボンズB2リーグで競技・事業の両輪を噛み合わせられるか――それが2025-26の焦点だ。

主要キーワード再掲: 福島ファイヤーボンズ/B2リーグ/宝来屋ボンズアリーナ/ライアン・マルシャン/郡山総合体育館。
最後に、読者への呼びかけを添える。この記事が有用だと感じたら、共有し、次のホームゲーム情報を周囲に伝えてほしい。アリーナでの一体感こそが、クラブの勝率と地域の熱量を同時に押し上げる最大の推進力になる。

【Bリーグ/パスラボ山形ワイヴァンズ】現在地と再起動ロードマップ:B2リーグで勝つための戦術・歴史・データ総覧

本稿はパスラボ山形ワイヴァンズをめぐる最新の状況を「ニュース×歴史×戦術×統計」の視点で再構成した編集型リライトである。キーワードであるパスラボ山形ワイヴァンズ/B2リーグ/東地区を要所に配置し、速報を“百科化”して長期的に読まれる知識資産へと転換する。

ニュース概要

2025-26シーズン、B2リーグ東地区パスラボ山形ワイヴァンズは、昨季(2024-25)の24勝36敗(勝率.400)・東5位・全体11位からの再浮上を志向する。指揮は石川裕一ヘッドコーチが3季目に入り継続。ホームは引き続き山形県天童市・山形県総合運動公園総合体育館を軸に、山形市総合スポーツセンター体育館、南陽市民体育館、上山市の三友エンジニア体育文化センターなど県内複数会場での開催歴を持つ。ロスターはシャキール・ドアソン(C)ジェームズ・ベル(SF)ノア・ウォーターマン(F)らサイズとレンジを兼備した布陣に、村上慎也(PG)白戸大聖(SG)ら既存コアを組み合わせる構図だ。

背景と歴史的文脈

クラブのルーツは、栃木ブレックスの下部組織「TGI D-RISE」に遡る。2013年にNBDL参入が承認され、株式会社パスラボの設立(同年)を経て、2014-16のNBDL期にはロゴを東北芸術工科大学の学生チーム「ASSIST」が制作するなど、地域由来のブランディングを積み上げてきた。2016年、国内トップリーグの統合によりB.LEAGUEが発足。山形はB2東地区参入となり、当初ホームだった山形市から収容規模要件(B1昇格を見据えた5,000人級)を満たすべく、天童市の山形県総合運動公園総合体育館へ主会場をシフトした。

競技面では、2019-20に成績不振で最下位(8勝39敗)、2020-21は東西2地区制の下で31勝29敗(東5位)と勝ち越し、クラブ史上初のプレーオフ進出(QF敗退)を達成。2023-2410連勝を含む31勝29敗(東3位・全体6位)でPO到達も、2024-2524勝36敗(東5位)と後退した。制度面では、B1/B2ライセンス要件(アリーナ、財務、ユース、地域連携等)がクラブ運営の羅針盤になっており、山形は興行・育成・成績の三方向で積み上げが続く段階にある。

選手・チームのプロフィール

2025-26開幕時点ロスター(抜粋)は以下の通り。

  • シャキール・ドアソン(C/213cm):リムプロテクトとポストプレーが主武器。サイズでペイントに存在感。
  • ジェームズ・ベル(SF/196cm):ウィングからのショットクリエイトとキャッチ&シュート。終盤の得点源候補。
  • ノア・ウォーターマン(F/211cm):ストレッチ力。ハイポップからの3Pとドライブでスペースを広げる。
  • 村上慎也(PG)中田嵩基(PG):テンポ管理とP&R起点。ゲームメイクの安定がチーム効率を左右。
  • 白戸大聖(SG):3&Dロール。POA(Point of Attack)でのボール圧とコーナー3の両立。
  • 広瀬翔一(C/201cm):スクリーン&リムラン、フィジカルコンタクトでセカンドユニットの核。
  • 佐藤巧(SF/195cm):サイズのある日本人ウィング。守備ローテの要として伸長が期待。

クラブアイデンティティはウェイクンバイオレットと、愛称ワイヴァンズ(ワイバーンに由来)。マスコットはヴァンゴー(背番号850)。運営は株式会社パスラボで、ホームタウンは2016年に山形市から天童市へ公式に移行した。地域全体を活動圏とし、複数市町の体育館で開催実績を持つ“分散型ホーム”の色合いも強い。

試合・出来事の詳細

直近2季の推移を俯瞰する。

シーズン 成績 地区順位 特記事項
2023-24 31勝29敗 東3位 クラブ新の10連勝、PO進出(3位決定戦でA千葉に連敗)
2024-25 24勝36敗 東5位 クラッチでのTO増、3P量の揺らぎ、守備効率が伸び悩み

2024-25のゲーム像は、守備は一定に保ちつつ、ハーフコートのショット品質が安定しないという課題が顕著だった。終盤のクラッチではスイッチ対応に遅れ、ショットクロック残10秒以降のタフショット比率が上昇。3Pアテンプト(量)の揺らぎがeFG%の変動を増幅し、接戦勝率を押し下げた。一方、中盤に見られた2ndユニットのハードショウ→ローテーション完遂や、トランジション3(特に右45度とコーナー)の成功例には、改善の種が残る。

戦術・技術・スタイル分析

(1)ハーフコート・オフェンス:山形はP&Rを軸に、ショートロールの配球ハイポップの射程を織り交ぜたい。具体的には、ドアソンのディープダイブを囮に、ウォーターマンの5-Out気味の間取り(ハイポップ)弱サイドのスタントを誘発。45度のスタント対策として、「45カット→コーナーフィル」のルール化を徹底すると、コーナー3とペイントアタックの選択肢が増える。終盤のATO(タイムアウト後セット)では、Horns→Spain PnRIversonカット→サイドPnRの2本柱を固定し、意思決定の属人性を減らすのが定石。

(2)ディフェンス:ベースはDropとICEの併用でリム保護を優先。相手のハンドラー資質に応じ、ウィングのトップロック→トレイル誘導中へのドライブ線を外へ逃がす。コーナータグの距離を短く保ち、ロータグ→Xアウトの2手目を省エネ化すると、ファウルとヘルプ距離の両面で効率が上がる。セカンドユニットのスイッチ切替(1-4スイッチ、5番はDrop継続)は、ミスマッチ対応のリスク管理として有効。

(3)リバウンドとトランジション:ORB%の過剰追求はトランジションDを破綻させやすい。2人まで突っ込む/3人は即時帰陣の原則で、相手のアーリーオフェンスを抑制。奪ったら0-7秒ルールで早い判断のショットを容認し、3PAr(3P試投比率)を底上げする。

ファン・メディア・SNSの反応

クラブ新の10連勝を記録した2023-24には、県内メディアの露出増とSNS流通の加速が顕著だった。「天童の熱量」「地方からB2を変える」といった文脈で共有が進み、ホームの一体感がクラッチ局面の後押しとなった一方、2024-25の不振局面では「終盤の設計」「3Pの量と質」に議論が集中。建設的な指摘(ラインナップ最適化、若手の守備ルール適用)が多く、ファンベースの成熟がうかがえる。

データ・記録・統計情報

公式発表のシーズン勝敗と順位から、近年のトレンドを要約する。

  • 2019-20:8勝39敗(東6位)—最下位で苦戦。
  • 2020-21:31勝29敗(東5位・全体8位)—初のPO(QF敗退)。
  • 2021-22:19勝33敗(東5位)。
  • 2022-23:26勝34敗(東6位)。
  • 2023-24:31勝29敗(東3位・全体6位)—10連勝でPO進出。
  • 2024-25:24勝36敗(東5位・全体11位)。

ホーム会場の分散開催は、山形県総合運動公園総合体育館(天童)を軸に、山形市総合スポーツセンター体育館南陽市民体育館上山市(三友エンジニア体育文化センター)などで実績がある。B1昇格要件に直結するのは平均入場者数・施設基準・財務健全性等で、成績面と両輪での強化が続く。

リーグ全体への影響と比較分析

B2リーグ東地区の上位チームは、概して3Pアテンプトの安定供給・リム保護の一貫性・セカンドユニットのKPI管理(TO%、ORB%、3PAr)を押さえている。山形はサイズ(ドアソン、ウォーターマン)×レンジ(ウォーターマン、白戸)×ハンドル(村上、中田)の資源を持ち、「資源はある、設計次第」というフェーズに入った。過去類例として、B2でハーフコート設計を固定し、3PArを中位以上へ引き上げたクラブは、接戦勝率の反転とともにPO圏へ復帰する傾向が強い。山形が同軌道に乗るためには、終盤の固定セット(Spain/Iverson)守備のルール明確化(ICE/Dropのスカウティング適用)が不可欠だ。

今後の展望とまとめ

2025-26のパスラボ山形ワイヴァンズは、(A)3Pボリュームの安定化、(B)クラッチ設計の固定化、(C)セカンドユニットのKPI管理で勝ち筋を太くできる。戦術的には、5-Out寄りの間取りショートロール→角チェン→コーナー生成を徹底し、守備はリム保護とXアウトの省エネ化でファウルと失点効率を抑える。興行・育成・財務の三層強化は、B1ライセンス回復・昇格を見据えた土台作りとして引き続き重要だ。

キーワード「パスラボ山形ワイヴァンズ」「B2リーグ」「東地区」の文脈で、本稿が示したのは“資源から再現性へ”の道筋である。読者のみなさんの視点(戦術提案、若手起用の意見、会場体験のレポート)をぜひ共有してほしい。#山形ワイヴァンズのタグで議論を広げ、次の1ポゼッションの質を、地域の知恵で底上げしていこう。