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KBL王者・昌原LGがEASLで3連敗 主力離脱で苦戦…アジア勢力図の変化

概要:KBL王者が国際舞台で苦戦、EASLで3連敗の現実

2024-25シーズンのKBL(韓国プロバスケットボール)王者である昌原LGは、アジアの強豪クラブが集う東アジアスーパーリーグ(EASL)において、グループステージC組でまさかの3連敗を喫し、苦しい戦況に立たされている。今回の試合は台湾のニュータイペイ・キングスとの対戦で、スコアは87-93。点差こそ6点だったが、内容的には「追いついては離される」展開が続き、完全に主導権を奪えないまま試合が終了した。

EASLは、アジア諸国のクラブレベルが急速に成長する中で、その勢力図を明確に示す大会として年々存在感を増している。KBL王者であるLGが勝てていないという事実は、韓国バスケットボール界だけでなく、アジア全体の競技レベルが均質化しつつある現状を象徴する結果となった。

主力の大量離脱が引き起こした構造的な課題

今大会のLGにとって最大の問題は「主力の大量離脱」である。ユ・ギサン、ヤン・ジュンソク、カール・タマヨという3人は、チームの得点・展開・リバウンドの多くを担ってきた中心的存在だ。
・ユ・ギサン:高確率のアウトサイドで相手守備を広げる役割
・ヤン・ジュンソク:試合のテンポを決定づけるゲームメイカー
・タマヨ:リバウンドとペイントスコアで流れを作る大型フォワード

この3名が同時にチームを離れるのは、戦術的にも精神的にも極めて大きな痛手だ。特に国際試合のようなハイペースな展開では、ボール運びと判断を担うPGの存在が極めて重要で、ヤン・ジュンソクの離脱は試合全体の流れを重くし、対策が後手に回る原因となった。

さらに、タマヨが不在の状況ではインサイドでのサイズ不利が顕在化し、相手のセカンドチャンスを許す場面が多く見られた。こうした「構造的な穴」は短期間で埋められるものではなく、チームとしての厚みが問われる内容となった。

試合の詳細:3Qの逆転劇、しかし4Qで崩れた守備

試合は序盤からニュータイペイが主導権を握った。LGはアセム・マレーとマイケル・エリックのインサイドで応戦したものの、相手の外角攻勢に翻弄される時間が多かった。
それでもLGは3Q中盤に反撃を見せ、ハン・サンヒョクとホ・イルヨンのシュートが連続して決まり、一時は逆転に成功する。その瞬間、ベンチからも明るい声が飛び交い、試合の流れを完全に引き寄せたように見えた。

しかし、勝負所の4Qで状態が一変する。ニュータイペイのジェイデン・ガードナーに3ポイントを立て続けに決められ、チーム全体の守備が崩れた。外角シュートを嫌ってラインを上げれば、今度はドライブで引き裂かれ、ローテーションも追い付かない。結果、再び10点以上の差をつけられ、追撃のエネルギーを奪われた。

LGの選手たちは最後まで粘りを見せたが、ミスが重なりシュート精度も落ち、勝利には届かなかった。数字としては拮抗していたものの、内容は「ラスト5分のクオリティ差」が明確に表れた試合だった。

アジアクラブの勢力図が揺れ動く時代へ

韓国バスケットボールは長らくアジアの中で高いレベルを維持してきたが、ここ数年で台湾・フィリピン・日本のクラブが急速に台頭している。特に台湾は、スピード・外角・ペースの3点がレベルアップしており、FIBAバスケが重視する現代的トレンドに強く適応している。

今回のニュータイペイの戦い方もまさにその象徴で、3ポイントの成功率、トランジションの速さ、インサイドの広げ方すべてが洗練されていた。韓国勢が苦戦するのは、相手の戦術とテンポがこれまでのKBLスタイルと大きく異なることが一因であり、国際舞台での適応力がより強く問われる時代になっている。

LGの課題:国際基準のペース、外角守備、ローテの再構築

LGが直面している課題は単なる「怪我による不調」ではない。
・ペースへの適応速度が遅い
・外角シュートを警戒するとドライブで崩される
・ベンチの層が薄く戦術が限定される
・接戦の4Qで決め切る力が不足している
これらはEASLのような国際大会だけでなく、KBL内の優勝争いにも大きな影響を及ぼす。

特に外角守備の崩壊は深刻で、4Qの連続失点は「疲労による足の止まり」だけでなく、「守備の原則の乱れ」も原因として見える。守備の連携が不十分な状況では、国際試合のハイレベルな攻撃には耐えられない。

3×3バスケへの示唆:アジア全体で加速する“スピード&外角”

今回の試合内容は、3×3バスケの視点でも非常に示唆に富んでいる。3×3では
・ショットクロック12秒の即決力
・1on1での突破力
・外角シュートの効率
・トランジションの速さ
が勝敗を大きく左右する。

ニュータイペイの外角を中心としたスタイルは、まさに3×3のトレンドと一致しており、アジア全体のバスケが“より速く、より広く、よりシュート重視へ”と進化していることを示している。GL3x3のようなエンタメ型3×3リーグにおいても、こうした国際的潮流を取り入れた演出・戦略は今後ますます重要性を増すだろう。

EASL全体の動向と今後の注目ポイント

EASLはアジアのクラブバスケにおける「実力の見える化」の場となっている。今回のLGの苦戦は、韓国勢だけでなく、アジア全体の競技レベルが急速に拡大していることを意味している。

今後の注目ポイントは以下の通り:
・LGが残り試合でどこまで立て直せるか
・台湾クラブの台頭が一過性か、長期的な潮流か
・Bリーグ勢(日本)は優勝争いに絡めるのか
・アジアの5on5戦術は3×3にも波及していくのか

GL3x3にとっても、アジアのクラブトレンドを読み解くことはリーグ設計や選手起用、演出の方向性を決める重要な参考材料となる。EASLの動きは、今後のアジアバスケットボールを語るうえで外せない指標であり、大会全体の変化を注視する必要がある。

韓国プロバスケットボールリーグ「KBL」完全ガイド|企業クラブ制と国際化が進むアジア屈指のリーグ

KBLとは

KBL(Korean Basketball League/韓国プロバスケットボールリーグ)は、1997年に創設された韓国唯一の男子プロバスケットボールリーグである。韓国国内で最も高い競技レベルを誇るトップリーグとして、NBAやBリーグなどと並び、アジアを代表するプロリーグの一つに数えられている。

現在は10チームが所属し、各チームは企業の支援を受けながら、地域密着型の運営を行っている。企業スポンサード型の経営基盤を持つ点が、日本やフィリピンなどのリーグとは異なる特徴である。

所属チーム一覧(2025シーズン時点)

  • 安養 Jung Kwan Jang Red Boosters(旧KGCインサム工人)
  • 釜山 KCC Egis
  • 昌原 LG Sakers
  • 蔚山 Hyundai Mobis Phoebus
  • ソウル SK Knights
  • ソウル Samsung Thunders
  • 高陽 Sono Skygunners
  • 原州 DB Promy
  • 大邱 KOGAS Pegasus
  • 群山 Heat Jumpers(新加盟チーム)

各チームは企業名を冠しており、KCC(建材)、LG(家電)、Hyundai(自動車)など、韓国を代表する大企業がスポンサーとしてクラブ運営を支えている。

リーグの仕組み

KBLはレギュラーシーズンとプレーオフの二部構成で運営されている。レギュラーシーズンでは各チームが54試合(ホーム27・アウェイ27)を戦い、上位6チームがプレーオフに進出する。

  • レギュラーシーズン:10チーム総当たり戦(計54試合)
  • プレーオフ:3位~6位が準々決勝、上位2チームはセミファイナルから登場
  • ファイナル:7戦4勝方式でチャンピオンを決定

リーグ運営はFIBAルールに準拠しており、外国籍選手の登録や試合運営の基準も国際基準を意識した設計になっている。

外国籍選手制度

KBLでは各チームに最大2名の外国籍選手を登録できる(試合出場は1試合につき1名のみなど、シーズンによって条件が変動)。この制度は、国内選手の出場機会を守りつつ、リーグ全体の競技レベルを高めることを目的として導入された。

これまでに、アメリカ・ヨーロッパ・アフリカなどから多くの選手がKBLでプレーしており、リーグの国際化にも貢献している。

歴史と発展の経緯

1990年代まで、韓国では企業チームによるアマチュアリーグが主流だった。1997年にKBLが設立され、プロリーグ化が本格的に進行。これにより選手の報酬体系、メディア放映、スポンサーシップなどが整備され、韓国バスケの人気が急速に高まった。

2000年代にはソウルや釜山など都市部を中心に観客動員が拡大。KBLは韓国スポーツ文化の一翼を担う存在となった。しかし近年は、eスポーツやサッカー人気の影響により観客数が減少し、リーグ運営の持続性が課題となっている。

企業スポンサード型の強みと課題

強み

  • 大手企業による安定した資金力と組織運営
  • 地域経済やファンベースへの貢献度が高い
  • 社会貢献・社員教育など、企業活動との連携が可能

課題

  • 企業業績に依存するリスク(スポンサー撤退による影響)
  • チーム独立採算モデルへの転換が進まない
  • グローバルマーケティング力・ブランディングの不足

韓国代表との関係

KBLは韓国代表選手の主要な供給源でもある。リーグでの活躍がそのまま代表選考につながり、アジアカップやFIBAワールドカップで多くのKBL選手がプレーしている。特に、ソウルSKナイツのキム・ソンヒョンや、蔚山モービスのラ・グァナなどが代表の中心選手として知られている。

アジアへの拡張と国際大会

KBLは現在、東アジアスーパーリーグ(EASL)に参戦しており、Bリーグ(日本)、PBA(フィリピン)など他国リーグのトップクラブと定期的に対戦している。この国際リーグ参加を通じ、アジア全体のプロバスケットボール市場拡大に貢献している。

今後の展望

  • リーグ拡張:新興都市へのクラブ設立や女子プロリーグ再編の動き
  • 育成強化:ユース育成制度・ドラフト制度の改善
  • 国際戦略:アジア大会・EASLでの成果によるブランド価値の向上
  • デジタル展開:配信・SNS・ファンクラブアプリなどの整備による若年層ファン獲得

まとめ

KBLは、企業支援を基盤とする韓国独自のプロスポーツモデルを維持しながら、国際化・デジタル化の波に乗りつつあるリーグだ。地域密着型のクラブ運営、外国籍選手の活躍、アジア大会での競争力強化など、KBLはアジアバスケットボールの発展において欠かせない存在となっている。

今後、リーグ運営の近代化とファン文化の成熟が進めば、KBLはBリーグやPBAと並ぶ“アジア三大バスケリーグ”としての地位を確立する可能性が高い。

世界のプロバスケットボールリーグ完全リスト(2025年版)

🌍 世界のプロバスケットボールリーグ完全ガイド(2025年版)

世界には100を超えるプロバスケットボールリーグが存在し、FIBAに正式登録されている国だけでも200近くあります。
このページでは、男子・女子・3×3を含む主要リーグを地域別に網羅し、国際リーグの構造や特色、各国のトップリーグの位置づけをわかりやすく整理しました。


🏀 国際リーグ(Intercontinental / FIBA認定)

  • NBA(National Basketball Association):アメリカを中心に世界最高峰のプロリーグ。30チーム構成、グローバル市場で年間収益約130億ドル。
  • EuroLeague:欧州最上位クラブリーグ。レアル・マドリード、フェネルバフチェ、バルセロナなどが参加。
  • EuroCup:ユーロリーグの下部大会。上位チームは昇格可能。
  • Basketball Champions League(BCL):FIBA主催の欧州クラブトーナメント。
  • EASL(East Asia Super League):日本、韓国、フィリピン、台湾、中国など東アジアのクラブが出場。
  • BAL(Basketball Africa League):NBAとFIBA共催。アフリカ12か国の代表クラブが集う。

これらの国際リーグは、世界のバスケットボール構造をピラミッド型に統合しており、NBAが頂点、FIBA傘下の地域リーグが基盤となっています。


🇯🇵 日本

  • B.LEAGUE(B1/B2/B3):2016年にNBLとbjリーグが統合。2026年より「B.プレミア」構想へ移行予定。
  • Wリーグ:女子トップリーグ。ENEOS、トヨタなど企業チーム主体。
  • 3×3.EXE PREMIER:世界最大規模の3×3プロリーグ。男子・女子・海外ディビジョンを含む。
  • GL3x3 / 3XS / SOMECITY:都市型・エンタメ型3×3リーグとして急成長中。

🇨🇳 中国

  • CBA(Chinese Basketball Association):アジア最大級。遼寧、広東、上海など強豪多数。姚明が会長。
  • WCBA(女子CBA):女子プロリーグ。代表選手の多くが所属。
  • NBL(National Basketball League):CBAの下部リーグ的存在。

🇰🇷 韓国

  • KBL(Korean Basketball League):8チーム構成。テンポの速い攻撃バスケが特徴。
  • WKBL(女子KBL):国内女子リーグ。サムソン、KBスターズなどが有名。
  • KBA 3×3 Korea Tour:国内3×3ツアー形式のプロ大会。

🇵🇭 フィリピン

  • PBA(Philippine Basketball Association):アジア最古のプロリーグ(1975年創設)。
  • PBA 3×3:男子トップチームによる3×3リーグ。
  • MPBL(Maharlika Pilipinas Basketball League):地域密着型セミプロ。
  • FilBasket:ASEAN地域にも拡大中の新興リーグ。

🇹🇼 台湾

  • P. LEAGUE+:台北・高雄など都市クラブ主体。自由契約制度を採用。
  • T1 League:企業運営型プロリーグ。
  • TPBL(Taiwan Professional Basketball League):2024年創設の新リーグ。
  • SBL(Super Basketball League):台湾最古のプロリーグ。

🌏 東南アジア

  • タイ:TBL(Thailand Basketball League)
  • インドネシア:IBL(Indonesian Basketball League)
  • マレーシア:MNBL(Malaysia National Basketball League)
  • ベトナム:VBA(Vietnam Basketball Association)
  • シンガポール:ABL参加クラブ「Singapore Slingers」

🇪🇺 ヨーロッパ主要リーグ

  • スペイン:Liga ACB(欧州最高レベル)
  • フランス:LNB Pro A(ウェンバンヤマ輩出)
  • イタリア:LBA(伝統ある老舗リーグ)
  • ドイツ:BBL(近年急成長)
  • ギリシャ:GBL(オリンピアコス、パナシナイコスが有名)
  • トルコ:BSL(強豪クラブ多数)
  • リトアニア:LKL(ザルギリス中心)
  • セルビア:KLS+ABA League(地域統合型)
  • ロシア・ベラルーシ:VTB United League

🇧🇷🇦🇷 中南米

  • ブラジル:NBB(Novo Basquete Brasil)
  • アルゼンチン:Liga Nacional de Básquet
  • メキシコ:LNBP
  • プエルトリコ:BSN(カリブ最強リーグ)
  • ベネズエラ:SPB(Superliga Profesional de Baloncesto)
  • ウルグアイ:LUB(Liga Uruguaya de Básquetbol)

🌍 中東・アフリカ

  • イスラエル:Israeli Basketball Premier League(欧州系)
  • イラン:IBSL(West Asia Super League加盟)
  • カタール:QBL/レバノン:LBL(国際大会常連)
  • エジプト:EBL(北アフリカ最大規模)
  • チュニジア・モロッコなど:BALにクラブ参加

🏀 女子主要リーグ

  • WNBA(アメリカ)
  • Wリーグ(日本)
  • WKBL(韓国)
  • WCBA(中国)
  • LFB(フランス)
  • WNBL(オーストラリア)
  • EuroLeague Women(欧州女子版ユーロリーグ)

🏆 3×3プロリーグ・ツアー

  • FIBA 3×3 World Tour(国際サーキット)
  • 3×3.EXE PREMIER(日本発グローバルリーグ)
  • PBA 3×3(フィリピン)
  • KBA 3×3 Korea Tour(韓国)
  • China 3×3 Elite League(中国)

まとめ:
世界のプロバスケットボールは、もはやNBAだけではありません。
アジア・ヨーロッパ・アフリカ・南米の各地域で、地域色と文化を反映した独自のリーグが発展しており、3×3や女子リーグも含めた多様化が進んでいます。
今後もFIBAの地域連携により、国際リーグ化がさらに加速していく見込みです。

【Bリーグ/広島ドラゴンフライズ】王者の現在地と次の挑戦:B1制覇からEASL制覇までの軌跡と“新アリーナ時代”のロードマップ

広島ドラゴンフライズは、B.LEAGUE西地区を拠点とするプロバスケットボールクラブであり、2023-24シーズンのB1初優勝、続く2024-25シーズンのEASL初優勝によって日本国内外の舞台で存在感を確立した。この記事では、主要キーワードである「広島ドラゴンフライズ」を軸に、クラブのニュース、歴史背景、選手・チームのプロフィール、直近の出来事の詳細、他事例との比較・分析、そして今後の展望を体系的に整理する。結論として、クラブは「競技力(ロスターと戦術)」「ビジネス(観客・スポンサー・ブランド)」「インフラ(新アリーナ構想)」の三位一体で“第二成長曲線”に入っており、その推進力は地域のスポーツ文化と相互作用しながら加速すると見立てる。

ニュース概要

2023-24シーズン、広島ドラゴンフライズはチャンピオンシップを勝ち抜きクラブ史上初のB1制覇を達成。翌2024-25シーズンのレギュラーシーズンでは故障者が重なり勝率を落としたものの、並行して挑んだ東アジアスーパーリーグ(EASL)でファイナル4進出からの初優勝をつかみ、国際ステージでもタイトルを獲得した。経営・事業面では「広島らしさ」を掲げた新アリーナ構想を前進させ、将来的な収益多角化と体験価値の高度化に向けた準備が進む。チームカラーはバーミリオン(厳島神社の大鳥居)とブルー(瀬戸内海)で、地域文脈とクラブアイデンティティの結束が強いのも特徴だ。

背景と経緯

2013年創設。中国・四国初のNBL参入チームとして産声を上げた当初、スポンサー獲得や練習環境の確保に苦労しながらも地域密着を徹底し、ファンベースを一人ずつ積み上げてきた。NBLからB.LEAGUEへの移行後はB2スタートを経てB1へ昇格。紆余曲折のシーズンを超え、経営体制の強化と編成の巧拙、育成と補強のバランスが噛み合い、2020年代に入ってからの上昇トレンドを形作った。ロゴは2022年に刷新され、クラブ名の由来である「ミヤジマトンボ」が上昇していくモチーフで、成長志向とアスピレーションを視覚化している。

地域性の面では「スポーツ王国・広島」の土壌が強く、野球(広島東洋カープ)、サッカー(サンフレッチェ広島)との相乗効果が顕著だ。トップクラブ同士の“良い競争”が、観戦文化・メディア露出・スポンサー関心を刺激し、クラブのブランド資産に厚みをもたらしている。

選手・チームのプロフィール

運営・指揮系統:運営は株式会社広島ドラゴンフライズ。経営・編成の一体運用のもと、ヘッドコーチは朝山正悟。長年のコート上での経験と指導的立場の両面を併せ持つ。選手時代の背番号「2」は2024年に永久欠番となり、クラブの基層文化を象徴する存在だ。

ゲームモデル:守備はギャップ管理とローテーションの再現性を重視し、ナビゲート+ショウICEスイッチの後追い2対2再構成など相手のハンドラー特性に応じて可変。攻撃はP&Rのショートロール活用、45度~ウイングのペイントタッチトレイル3のトライ率最適化で効率性を引き上げる。

キープレイヤー(例):

  • 山崎 稜(SG):勝負どころのショットメイクとフィジカルなリムアタック。CSでのインパクトは象徴的。
  • クリストファー・スミス(SG/SF):オンボール・オフボール双方で得点の入口を増やし、ヘルプに対するリードも的確。
  • ドウェイン・エバンス(SF/PF):ハイポでのプレーメイク、ポストからの配球、ディフェンスのスイッチ耐性。
  • コフィ・コーバーン(C):圧倒的なリムプレゼンス。DREB起点の一次加速で二次ブレイクを誘発。
  • ニック・メイヨ(F/C・帰化):ストレッチ性とサイズの両立。PnP/PnRでハンドラーを助ける存在。
  • 寺嶋 良(PG):テンポコントロールとPAINTタッチ回数の積み増しでチーム効率を底上げ。

ロスターは国内コアとインパクトある外国籍のミックスに、役割の明確なロールプレイヤーを連結。連戦と移動を前提に10~11人の実稼働ローテーションを組み、故障やファウルトラブルに対するリスクヘッジを行う。

試合・出来事の詳細

2023-24シーズンのB1制覇は、シーズン中盤以降の守備安定とクラッチ時間帯の意思決定の質が決め手になった。相手のエースに対する“先手のプラン”と“後手のプランB”が整理され、連続被弾を止めるタイムアウト明けの最初の2~3ポゼッションで必ず優位を作り直す設計が機能。セミファイナル/ファイナルのシリーズでも、ラインナップの可変とマッチアップハンティングの成功率が高かった。

2024-25シーズンはレギュラーシーズンで苦しい局面が多かった一方、EASLでは頂点に到達。国際大会での成功は、①審判基準やフィジカルレベルの差分に適応するスキル、②敵地でのメンタルタフネス、③スカウティング短縮サイクルでの準備力、の3点が求められる。広島はハーフコートでのスペーシングの“セカンドプリンシプル(第一狙いが消された後の次の狙い)”の明確さが強みで、ショートクロックの場面でも質を落とさずショットクオリティを確保できた点が勝因として挙げられる。

ホームゲームの演出・導線も年々アップデート。MC/DJ、チアFLY GIRLS、マスコットモヒカンアビィらの統合演出は、初見の観客にも“おかえり体験”を提供し、再来場率に貢献する。物販・飲食・コミュニティ施策も拡充され、観戦が“広島の週末の過ごし方”として定着しつつある。

他事例との比較・分析

(1)コート内:国内強豪は「リム保護+外角圧」の両立、トランジション守備の復帰速度、クラッチの収益設計(PnRの初手・二手目)が盤石だ。広島はCの縦圧とウイングのサイズでペイント期待値を下げ、オフェンスはPnrのショートロール+ストロングサイドのスペーシングを窮屈にしないルール化が進む。競技再現性の指標として、eFG%AST%とTOV%の差分DREB%→TRN得点の波形が改善傾向にある。

(2)ビジネス:他クラブの新アリーナ事例(都市一等地&複合用途)では、収容・動線・演出・ホスピタリティの最適化が観客KPI(平均来場/稼働率/客単価)を押し上げる。広島の新アリーナ構想は“広島らしさ”の物語をコアに、音楽・エンタメ等のトップコンテンツ誘致を見据える。既存アリーナの課題(収容・可動席・導線)を補完し、非試合日稼働を含むリカーリング収益を多層化できれば、選手人件費とスタッフ投資に回せる余地が広がり、競技力と経営の好循環が期待できる。

(3)ブランド:地域の他競技(カープ/サンフレッチェ)と比較しても、広島ドラゴンフライズは“成長物語”のライブ感が強い。SNSトーンは前向きで、選手のキャラクターを前に出す編集が功を奏している。優勝時のパブリックビューイングや街の回遊導線づくりは、スポーツ都市としてのブランド形成にも寄与し、「街ぐるみ」の象徴的コンテンツになっている。

今後の展望とまとめ

短期(~次シーズン):ロスターの稼働最適化(負荷管理/ローテ短縮の閾値定義)、クラッチのセットアップ固定化、交代直後の失点抑制(ベンチユニットの初手ルール明確化)を徹底。ペイントタッチ→フリースロー獲得率の向上は接戦勝率を押し上げる。

中期(~新アリーナ稼働まで):平均来場の持続的増加、チケットダイナミックプライシングの精緻化、ホスピタリティ席の商品力強化、試合前後の“街の回遊”設計が鍵。ユース(U15/U18)~トップの接続を可視化する育成ストーリーは、クラブの社会的価値を高め、スポンサーROIの新しい語り口を生む。

長期(新アリーナ稼働後):マルチアリーナ・マルチコンテンツ戦略で収益のリカーリング比率を増やし、平日稼働・非試合日体験の拡張へ。競技では、サイズ×スキル×決定力の三拍子が揃う“二線級の主役”の育成・発掘を継続し、国際大会での年次目標(F4常連→優勝争い常態化)を掲げる。

まとめ:広島ドラゴンフライズは、B1優勝とEASL優勝で競技的な“証明”を終え、次は新アリーナ時代の主役として、街・企業・ファンと共創する段階に入った。地域の誇りを背に、国内外の頂に恒常的に絡むための土台は整いつつある。この記事が役立ったと感じたら、ぜひ周囲にシェアし、次のホームゲームで新しい仲間を連れて現地観戦へ。あなたの一票(来場・声援・投稿)が、クラブの次の勝利を引き寄せる。