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【Bリーグ/山口パッツファイブ】徹底ガイド|改称の背景・アリーナ戦略・成績推移・2025-26ロスターを深掘り【B3リーグ】

クラブ概要と現在地――山口パッツファイブとは何者か

山口パッツファイブ(Yamaguchi Patsfive)は、山口県宇部市をホームタウンとするB3リーグ所属クラブ。2020年に「山口ペイトリオッツ」として創設され、2023年に現名称へ改称した。運営法人は山口プロバスケットボール株式会社。県内初のプロバスケットボールチームとして立ち上がり、創設5年余でプレーオフ初出場(2024-25)を達成。2025-26は新ヘッドコーチ枝折康孝の下で“守備起点の再現性”を高め、B3中位から上位圏への跳躍を狙う。

キーワードは「継続」「地域浸透」「守備の再定義」。本稿では、名称変更の背景、アリーナとホームタウン戦略、年表で振り返る成績推移、スポンサー・経営、今季ロスター分析、戦術課題、そしてKPIまでを一気に整理する。主要キーワード「山口パッツファイブ」は適宜織り込み、検索からの導線と読後の理解を両立させる構成とした。

名称変更の背景とアイデンティティ設計――「パッツ」×「ファイブ」の意味

クラブは2023年7月、山口ペイトリオッツ → 山口パッツファイブへ改称した。背景には、「Patriots」の国内商標の事情がある。略称として愛着のあった「パッツ」を残しつつ、山口の歴史的象徴である長州ファイブに由来する「ファイブ」を重ね、「志ある者=志士が一丸となる」チーム像を再定義した。チームカラーはオレンジ。ロゴには県鳥ナベヅルを配し、上昇と結束の物語を視覚化している。

ブランディング面では、名称・カラー・ロゴの三位一体で「地域誇り×挑戦」のシグナルを発信。改称は単なる看板付け替えではなく、クラブの行動原理を刷新する「編集」でもあった。

開催アリーナとホームタウン戦略――“宇部ハブ+県内回遊”からの最適化

ホームの核は宇部市俵田翁記念体育館。創設初期は周南・山口・下関・萩・防府・岩国など県内各地を巡回するスタイルだったが、2023-24以降は宇部を中心に山口市・下関市へ集約。移動・演出・営業の効率化を進めながら、依然として複数会場に触手を伸ばし「出会いの総量」を担保する折衷モデルへ移行した。

  • 2021-22~2024-25の主会場出場数(抜粋):俵田翁記念体育館 16→20→22→20、J:COMアリーナ下関 0→0→0→4、山口リフレッシュパーク 0→2→2→2
  • メリット:動線の簡素化、演出・物販の標準化、スポンサー露出の一貫性。
  • 課題:分散開催の強み(新規層開拓)を失わないための「出張ホーム」設計。

年表でたどる主要トピックス(2019–2025)

  • 2019:設立準備組織「山口Bリーグ設立委員会」発足。
  • 2020:クラブ創設。地域リーグ参加を経てB3参入準備。
  • 2021-22:B3参入。12勝40敗(15位中12位)。開幕翌日にリーグ初勝利。STAND TOGETHERを掲げるも17連敗の苦渋。
  • 2022-2313勝39敗(16位中15位)。攻撃は中位も、総失点4627(1試合約89失点)でリーグワースト。
  • 2023-2416勝36敗(18位中16位)。チーム名を山口パッツファイブへ変更。
  • 2024-2525勝27敗(8位/プレーオフ進出)。守備改善が進み、4連勝×1回、5連勝×2回で追い上げ。QFで敗退。
  • 2025-26:枝折康孝HCが就任(鮫島HCは鹿児島GMへ)。新体制で“二段目の成長”に挑む。

最新の成績サマリー(B3)

シーズン 勝率 順位 得点 失点 備考
2021-22 12 40 .231 12位 4079 4808 17連敗を経験
2022-23 13 39 .250 15位 4271 4627 失点ワースト
2023-24 16 36 .308 16位 4092 4610 改称1年目
2024-25 25 27 .481 8位 3975 4131 初のPO進出

数値は公式のシーズン表記に基づく。2024-25の「失点抑制」へのシフトは、翌季に向けた戦術のベースとなる。

スポンサーとユニフォーム(2025-26)――地元カラーが濃いパートナー群

サプライヤーはb-five。シャツ前面には山口マツダ(右肩)とユーピーアール(中央)、背面はJAバンク山口、パンツは大晃ホールディングス/丸久/アルテクス/宇部市が名を連ねる。地場企業・自治体が並ぶ構成は、“県民クラブ”としてのアイデンティティを補強する。

2025-26ロスター徹底解剖――サイズ×機動力のリブート

現行ロスター(抜粋/年齢は登録上)

  • エヴァン・ブラウンズ(C/2.06m・23):リム直下の決定力。ディープドロップからの縦守備でペイント封鎖を担う柱候補。
  • アンテイビオン・コラム(C/2.06m・25):ブラウンズと双璧のサイズ。PnRの“受け”とオフェンスリバウンドでセカンドチャンス創出。
  • ボスティン・ホルト(F/2.01m・26):ウィング~PFを往復するスイングマン。DHO起点の二次創造に強み。
  • 栗原クリス(SG/1.88m・26):ショットクリエイト兼3&D。オフボールの角度取りでPAINT→KICKの終点に。
  • 重冨友希(PG/1.74m・27)喜志永修斗(PG/1.81m・25):テンポメイクの二枚看板。ゲームの「呼吸」を整える。
  • アルビンダー・シン(F/2.05m・22|アジア特別枠):サイズとレンジを兼備。ハイローの“ハイ”を務めやすい器用さ。
  • ほか井手優希/田中勇樹/田中翔大/榎田拓真/山口力也/レオ・カオル・エイケンらがローテ層を形成。

編成の狙いは明快だ。2m超のサイズ×守備の厚みでB3の物量に拮抗し、オフェンスはDHO(ハンドオフ)とPnRの連結で“ズレ”を作る。枝折HCの初年度は、役割の固定と連携の速度がキーワードになる。

戦術とデータで読む「強み/課題」――守備を土台に効率を上げる

強み

  • サイズの連続性:ブラウンズ×コラム×ホルトで、守備の縦圧とリム周りのショット抑制が可能。
  • ガードのバランス:重冨・喜志永の二人体制でペースコントロールと終盤のATO遂行力が担保される。
  • アジア特別枠の拡張性:シンの起用で、ストレッチとハイローを同居させやすい。

課題

  • ターンオーバー由来の被トランジション:ボール運動を速めるほどリスクも増す。0.5秒ルール(即断即決)を徹底し、悪いタフ2とスローTOを削る。
  • コーナー3の被弾抑制:弱サイドのX-OUT(入れ替え)とロータグの発動基準を秒単位で共有する。
  • クラッチの初手多様化:サイドアウトでのセットを3系統(ピン→フレア、ゴースト→スリップ、ベリーレイトPnR)用意し、読み合いに厚みを持たせる。

実装メモ(2025-26向け)

  1. ラインアップ別ルール:ビッグ×ビッグ時はハイポスト経由のショートショート、スモール時はセーフティ2名でリバウンドクラッシュ数を抑制。
  2. ショットマップ:リム+コーナー3の比率を上げ、ミッドレンジはゲームマネジメント用に限定。
  3. オフェンスリバウンドの選択:状況別にクラッシュ人数を1→2へ可変。被速攻の連鎖を断つ。

他クラブ比較――B3上位に届くための“あと一歩”

直近の上位勢は、eFG%の差し合いで+3~5ptの優位を確保しつつ、トランジションの走力で試合のテンポを握る傾向が強い。山口パッツファイブが食らいつくには、(1)ペイントタッチ→キックアウトの回数を増やし高効率ショットを量産、(2)交代と同時に「守備ルールが変わらない」再現性、(3)ホーム演出を“競技優位”へ転化するオープニングスクリプト(2本のセットで+4点を狙う)といった具体策が効く。

ファン体験と地域接続――ブルームと一緒に「オレンジ」をまとおう

チアダンスチーム「ブルーム」がゲームデーを彩る。県内複数会場を活用してきた歴史は、山口県の広域性と相性がよく、“各地のホーム感”を醸成してきた。2025-26は集約モデルの強み(演出・物販の標準化)を活かしつつ、下関・山口での開催を通じて新規ファンを着実に取り込む段階だ。キッズ向け企画や来場スタンプの“回遊導線”が、動員の質を底上げする。

KPIとロードマップ――2025-26の現実解

  • 勝率.550~.600(PO圏の安定化)、ホーム勝率.700の再現。
  • クラッチ(±5点、残り5分)でのNetRtg +5:ATO成功率の可視化と週次レビュー。
  • eFG%:+2pt改善、TOV%:-2pt改善:DHO→ズーム→PnR連鎖のテンポ設計で実現。
  • コーナー3被試投数の月次20%削減:X-OUTのトリガー共有と「最初の3歩」の徹底。

総括――“守備で試合をコントロールする”物語は次章へ

創設から短期間でここまで歩を進めてきた山口パッツファイブの価値は、数字以上に「挑戦の継続性」にある。2024-25の守備改善とプレーオフ初出場は通過点にすぎない。枝折新体制の下、サイズ×再現性×地域力を掛け合わせ、B3の地形図を塗り替える準備は整いつつある。次の一歩に必要なのは、試合ごとに積み重なる“1ポゼッションの質”。

この記事が観戦前の予習や、戦術・ロスター把握の地図になればうれしい。気になるポイントや推し選手の視点を、ぜひ周りにもシェアしてほしい。山口パッツファイブのオレンジが、あなたの声援でさらに濃く、熱くなる。

【Bリーグ/信州ブレイブウォリアーズ】B2東で再浮上:2018-19優勝から降格・再編を経た「勝久マイケル体制」の現在地と次の一手

ニュース概要

信州ブレイブウォリアーズは、2024-25シーズンにB2リーグ東地区で38勝22敗(勝率.633 / 地区3位)を記録し、プレーオフに進出。準決勝でアルティーリ千葉に敗れて最終3位となり、即時のB1復帰は逃したが、降格直後のシーズンとしては再浮上の足がかりを確保した。2025-26シーズンは引き続き勝久マイケルHCの下、ホワイトリング(収容5,000)を主たる舞台にB2東での上位定着と昇格争い復帰を狙う。主なロスターにはマイク・ダウムウェイン・マーシャル渡邉飛勇アンジェロ・チョル栗原ルイス(C)らが名を連ね、バックコートは土家大輝生原秀将小栗瑛哉がボール運搬とゲームメイクを分担する。

背景と歴史的文脈

クラブは2011年にbjリーグへ参入し、2016年のB.LEAGUE発足時にB2に所属。2018-19にB2優勝、翌2019-20も中地区首位(40勝7敗)を維持してB1昇格を果たした。B1では2020-21に20勝34敗、2021-22に28勝26敗で勝ち越し、2022-23は中地区3位と健闘。しかし2023-24は10勝50敗でB2降格。主力の流出(例:ジョシュ・ホーキンソンら)と、攻守の刷新期が重なった影響は小さくなかった。

2024-25はB2東で38勝22敗、ホーム22勝8敗とホームコート・アドバンテージを再構築。クラブは運営母体を株式会社NAGANO SPIRITとして体制を強化し、ホームタウンを長野市・千曲市の二本柱に最適化。かつてB1ライセンス取得過程で課題となったアリーナや財務要件の教訓を活かし、集客・スポンサー・ゲーム運営の三位一体を進めている。

チーム名の由来は、信濃国を示す「信州」と、真田氏に象徴される「勇士(Brave Warriors)」。ロゴは日本アルプスと名月のモチーフで、甲冑の兜にも見立てられる。地域と物語性の結びつきが強く、マスコットのブレアー、ダンスチームJASPERS、県・市ゆかりの著名人によるウォリバサダーなど、周辺資産の厚みもクラブの特徴だ。

選手・チームのプロフィール

2025-26登録(抜粋):

  • ウェイン・マーシャル(C, 211cm):要所のリム保護とポストD、ハイローの起点。ロングキャリアの経験値は試合運びの“安定剤”。
  • マイク・ダウム(F/C, 206cm):ストレッチ・ビッグ。ピック&ポップ、ショートロールからの決定力でオフェンスの軸。ハイボリュームでも効率を落としにくい。
  • 渡邉飛勇(PF/C, 207cm):縦のレンジとアスレティシズム。ディフレクションとリムランでトランジションを加速。
  • アンジェロ・チョル(PF/C, 206cm):ポストフェーズの技術とオフェンスリバウンドで「もう1本」を創出。
  • 栗原ルイス(SG, 188cm / 主将):キャッチ&シュートとセカンドボールハンドル。終盤のFTで試合を“締める”役割も。
  • 土家大輝(PG, 173cm):ハンドラー兼プレッシャーDF。テンポ管理とペイントタッチの回数増加に寄与。
  • 生原秀将(PG, 180cm):ゲームコントロールとP&Rの角度出しに長ける。ターンオーバー抑制の鍵。
  • 小玉大智(PF, 185cm):サイズに対して強靭。スクリーン角度とルーズの徹底で味方の効率を底上げ。
  • アキ・チェンバース / 横山悠人 / 東海林奨 / エリエット・ドンリー / 福島ハリス慈音ウチェ:ウイング群。3&Dとランの配分をラインナップごとに最適化。

スタッフは勝久マイケルHCの下、久山智士カイル・マーシャルがアシスタント。運営面ではホワイトリングをコアに、千曲のことぶきアリーナ千曲や松本市総合体育館を補完として使い分ける。ユニフォームはB-Five供給、スポンサーフロントはホクト、背面上部にセイコーエプソンなど長野ゆかりの企業が並ぶ。

試合・出来事の詳細

2024-25のレギュラーシーズンは、ホームでの勝率.733(22勝8敗)がベース。ポゼッション当たりの得点(PPP)はホームで顕著に改善し、特に第3Qの立ち上がりにおける連続ポゼッションの効率上昇が勝ち筋となった。プレーオフ準決勝のA千葉戦は、相手のP&Rトリガーに対しドロップ+ウィーク側のタグで対応する一方、終盤のセカンドチャンス点を抑え切れずに惜敗。

敗戦局面の共通項は「ターンオーバーの質」。ライブTOが失点に直結しやすい構造のため、2025-26ではハーフコート入りまでの外圧(トラップ/ブリッツ)対策、およびセカンダリーハンドラーの能動活用が肝要となる。逆に勝利局面では、ダウムのポップ渡邉のリムラン栗原のコーナー3が三位一体となり、相手5番の“迷い”を誘発できた。

戦術・技術・スタイル分析

オフェンスは5アウト派生とハイローのハイブリッド。ハンドオフ(DHO)からのチョーンズ(手渡し→即P&R)で相手ビッグの横移動を強要し、ダウムのポップマーシャルのダイブで選択を迫る。KPIは①ペイントタッチ回数、②コーナー3比率、③FT Rate、④ORB%。ダウムの外重心を活かすなら、45度→コーナーのリロケート頻度を増やし、シェイクアクションでヘルプの戻りを遅らせたい。

ディフェンスはドロップ主体+対ハンドラー特性でヘッジやアイスを混用。Xアウトの連鎖(トップ→ウイング→コーナー)をどれだけノーミスで回せるかがペリメータの被効率を左右する。ロングクロースアウトが発生する構造上、ギャップ守備(レーン詰め)の共有度がカギ。リム守備(DFG% at Rim)の低下は、渡邉とチョルの“縦壁”が担う。

トランジションは「1stブレイク阻止ライン」の設定がポイント。センターサークル手前で壁を作り、相手のヒットアヘッドを抑制。自軍の攻撃では、リムラン→トレーラー3の順(リム→外)でレーン優先を徹底すると、初手の効率が安定する。

ファン・メディア・SNSの反応

降格直後の年に東3位・PO進出はポジティブな受け止めが多数。ホームの演出はブレアーJASPERSが一体感を牽引し、地域ゆかりのウォリバサダーがメディア露出を押し上げる構造も強み。SNS上の論調は「B1復帰には終盤のターンオーバー減ペイント守備の平準化が必須」という冷静な分析と、「若手の台頭とレジェンド(マーシャル)の共存」への期待が交錯している。

データ・記録・統計情報

  • 2018-19(B2):48勝12敗でB2優勝。
  • 2019-20(B2):40勝7敗で中地区1位、B1昇格。
  • 2020-21(B1西):20勝34敗。
  • 2021-22(B1西):28勝26敗(B1で初の勝ち越し)。
  • 2022-23(B1中):29勝30敗(地区3位)。
  • 2023-24(B1中):10勝50敗でB2降格。
  • 2024-25(B2東):38勝22敗(地区3位)/PO準決勝敗退・3位。

会場運用:ホワイトリングを中心に、ことぶきアリーナ千曲松本市総合体育館などを併用。B1ライセンス審査時のハード基準(収容)を満たす設計に回帰している。

リーグ全体への影響と比較分析

B2東はガードの質とストレッチ・ビッグの両立で“近代化”が進むゾーン。上位クラブの共通項は①3Pアテンプト比率の高さ、②TO%の低さ、③リム守備の再現性。信州はダウム(外)×マーシャル(内)×渡邉(縦)の三層で“守備の的”を分散できる半面、バックコートが強い相手に対してはボールプレッシャー→ライブTO→被トランジションという負の連鎖が生じやすい。ここを断ち切れれば、上位相手にもゲームプラン通りのロースコア展開に持ち込める。

比較軸では、2018-20のB2最強期との差分は「オフェンスでの主導権の握り方」。当時はセット終盤のミスマッチ創出→ポストorショートロールが高効率の定跡だった。現在はハンドオフ連鎖コーナー3の量で勝つ設計へと舵が切られている。つまり、“確率で殴る”攻撃に磨きをかけ、“守備で削る”再現性をB1級に仕上げられるかが昇格の分水嶺になる。

今後の展望とまとめ

2025-26の現実目標は、①失点リーグ中位以内、②eFG%リーグ中位+、③ORB%リーグ中位+、④ライブTO%の減少。運用面では、ダウムの使用率を高止まりさせつつTS%をキープし、栗原・横山のコーナー増産土家/生原によるP&Rの“角度”最適化でポゼッション価値を底上げしたい。守備はXアウトの統一ルールギャップ守備の徹底で、相手の連続パス→オープン3の生成を削る。

クラブとしての強みは、地域との結節点が濃いことだ。ホワイトリングの来場体験、JASPERSとブレアーの演出、ウォリバサダーの発信力――信州ブレイブウォリアーズには、勝敗を超えた“来たくなる理由”がある。B1復帰は容易ではないが、ホームの熱量×守備の再現性×TO管理が噛み合えば、ポストシーズンの景色は変わる。この記事が役立ったと感じたら、ぜひ周囲に共有し、次のホームゲームで声援を届けてほしい。信州ブレイブウォリアーズの物語は、まだ中盤戦だ。

【Bリーグ/トライフープ岡山】完全ガイド|B3リーグで挑み続ける「TRY×HOOP」の哲学と再起のロードマップ

イントロダクション:トライフープ岡山とは何者か

トライフープ岡山(Tryhoop Okayama)は、岡山市と津山市をホームタウンとするB3リーグ所属のプロバスケットボールクラブである。運営は株式会社TRYHOOP。チーム名に込めた「TRY(挑戦) × HOOP(輪/バスケット)」の語感どおり、創業期から「挑戦」「つながり」「地域密着」を核に据え、5人制トップチームに加えて3×3やサテライト、スクールまでを束ねる“多層型クラブ”として成長してきた。B3参入(2019-20)後は上位争いと昇格挑戦、そして成績低迷と再構築を繰り返しつつ、2025-26シーズンは新指揮官・野村慧介HCの下で再起を期している。本稿では、Wikipedia等の公開情報を土台に、歴史・戦力・戦術・地域戦略までを横断し、SEO観点で俯瞰する。

名称・理念:TRYとHOOPに込めた三つの意味

「トライフープ」には、①ゴール(HOOP)へ挑戦(TRY)し続ける姿勢、②人と地域をつなぐ“輪(HOOP)”のハブ、③“TRI(3)”=3人の若者の情熱と、3×3での創設が出自であること——の三層の意味が重ねられている。クラブは「挑戦と感動をエンターテインメントとして創造する」を掲げ、県民に活力を与える存在を目指す。チームカラーはブルー×オレンジ。チアはHOOPSTARS、マスコットはトライプで、試合演出と地域イベントをつなぐ顔として機能している。

ホームタウンとアリーナ:岡山×津山のツイン拠点

ホームは岡山市・津山市のツイン体制。メイン会場は岡山県総合グラウンド体育館(ジップアリーナ岡山)で、津山総合体育館も主要会場として活用。ほかにも笠岡・みまさか・学芸館・御津・きびじ等でホームゲームを開催したシーズンがあり、県内の“面展開”でファン接点を広げてきた。岡山らしい広域分散開催は、移動・運営面の負担も伴うが、認知と裾野拡大という観点ではプラスに働く。

創設からB3参入まで:スクール発→多層クラブの原型

礎を築いたのは、2014年に倉庫を改装して立ち上げた屋内コートとスクール事業である。プロ受け皿がなかった岡山に「自前の土台」をつくるべく、2015年に3×3チームを先行発足。2018年に5人制トップチームを立ち上げ、同年の地域リーグ参戦を経て、2019年にB3公式試合参加資格を獲得、同シーズンから正式にB3へ加盟した。初代HCは元安陽一。比留木謙司は選手兼任GMとしてフロントと現場を橋渡しし、クラブの“立ち上げ期の推進力”となった。

B3での歩み(年表とハイライト)

  • 2019-20:B3初年度は開幕戦で鹿児島に78-75の白星発進。元安HCが途中辞任し、鳥屋尾聡がHC代行(実質指揮は比留木)。最終成績23勝17敗/5位。シーズン途中でBリーグ準加盟が承認され、上位カテゴリを見据えた体制整備が進む。
  • 2020-21:比留木体制が正式発足。コロナ禍対応のなかで30勝10敗/2位と飛躍。攻守に整合したトランジションでB3首位争いに食い込む。
  • 2021-2229勝14敗/5位。前季2位の実績をもとにB2昇格決定戦へ挑むも、アルティーリ千葉に69-100で敗戦。最短距離の昇格を逃す。
  • 2022-2328勝24敗/7位でプレーオフ進出。QFでさいたまに連敗し惜敗。継続性に課題。
  • 2023-24:大森勇HC就任。20勝32敗/11位と失速。PO圏外で“育成と勝利”の両立が揺れる。
  • 2024-25:大森体制2年目は序盤に23連敗のクラブワースト。終盤に4連勝を見せるも、11勝41敗/16位。体制の再設計が急務に。
  • 2025-26:野村慧介が新HCに就任。DOBO(ディレクター・オブ・バスケットボールオペレーション)に篠原滋。大森はアソシエイトコーチに回り、現場知見を継承しつつ刷新を図る。

ロースターの現在地(2025-26):サイズと経験、スキルをどう束ねるか

登録上はガード3枚(秋山煕/横川俊樹/中村瑞稀)、ウイング・フォワード群(若狭功希/フォファナ・ママドゥ/高畠佳介など)、そしてビッグマンの軸にジョシュ・スコット(2.10m)と、帰化枠のソウシェリフ、機動力のあるテレンス・キング、サイズに富むピータージュニア・オコエ(2.05m/U枠)がそろう。得点源としてキャメロン・ハンカーソン(1.96m)のショットクリエイト、ハッサン・モハメドのフィジカル、24番のペイント浸透力にも期待がかかる。

平均的なB3のサイズ感を上回るフロントコートの厚みは、守備・リバウンド再建の起点。一方で、ボール運搬とエントリーの安定ペース管理終盤のショットセレクションは直近シーズンの弱点と重なる。野村HCはここを「ルール化×シンプル化」でテコ入れし、“少ないトリガーで良いシュート”に収束させたい。

戦術とゲームモデル:再現性を高める三本柱

  1. リバウンド・ファーストの負けない設計:スコット/キング/ソウシェリフの3枚でDRB%(守備リバウンド獲得率)を引き上げ、ローポストのダブルチームは“遅らせる”方針でファウル管理を徹底。まずは「簡単に2点を与えない」土台を固める。
  2. ハイロー×ハンドオフの二段構え:ハイポ・スコット→ショートロールで2対1を作り、DHOs(ドリブル・ハンドオフ)からの連鎖でペリメーターの揺さぶりへ。外が渋い日は、キングのショートロール・フローターで“ミドル”の逃げ道も確保。
  3. トランジションの選択と集中:走るか、落ち着くかの判断をPG二枚(秋山/横川)に明確に委譲。“2カウント内の優位がなければ二次攻撃へ”の原則を徹底し、無理な早打ちを削る。

ユニフォームとパートナー:地域企業と歩む

ユニフォームサプライヤーはEGOZARU。オフィシャルパートナーに株式会社ジップカンコー学生服岡山マツダなど地場企業が名を連ねる。ブルー×オレンジの配色は会場映えがよく、地域のスポーツ文化としての視認性・アイコニック性に寄与している。

データで見るトライフープ:強みと課題

  • ピーク値:2020-21の30勝10敗(勝率.750)は、守備とトランジションの循環がかみ合った好例。“失点抑制 → リバウンド走 → シンプル決定”の再現が鍵。
  • 勝率急落の背景:2024-25は23連敗スタートが示すように、ゲーム中の崩れを止める“リセット手段”が不足。TO抑制・ファウル管理・ペース調整の三位一体が崩れると連鎖的に失点が嵩む。
  • 補強ポイント:終盤の「1本作る」late-clock creator(24秒終盤の打開役)と、アウトサイドのcatch&shoot成功率の安定。ウイングのストレッチ性能が上がれば、インサイドの効率も引き上げられる。

育成とサテライト:クラブ一貫の“裾野”を広げる

クラブは2020年にサテライト(地域リーグ)を始動し、初年度は中国・四国・九州リーグで1位(CSは1回戦敗退)。トップとアマ・ユースの間に実戦の橋を架け、フィジカル/スキル/メンタルの移行コストを下げる狙いだ。5人制の育成と並走するのが3×3のTRYHOOP OKAYAMA.EXEで、2015年の総合準優勝、2017・2018・2019年の会期上位実績が示すとおり、短時間での意思決定・間合い作り・1対1の強度を養う“実戦教室”として機能している。

メディアとファン接点:ローカル発の“参加型”

地元ラジオ番組「〜岡山マツダ presents〜 トライフープ岡山 DRIVE RADIO」など、継続的な露出がコミュニティ形成を支える。広域開催ゆえに“会いに行くクラブ”の文脈が強く、子ども・学生・ファミリー層が自然に触れられる導線づくりが試合日の来場動機とリピート率の向上に直結する。HOOPSTARSやマスコットのトライプは、その“触媒”だ。

経営・組織の転換点:フロントと現場の二階建て

2025年に代表取締役の交代があり、フロント側でも体制の微修正が入った。現場は野村慧介HCが新たに指揮を執り、篠原滋がDOBOとして現場と編成の橋渡しを担う。前任HCの大森勇はアソシエイトとして残留し、戦術・選手理解の継承に努める“二階建て”構造だ。短期の勝利と中長期の育成・ブランド構築をどう両立させるかが、今季最大のテーマになる。

対戦相性とゲームプラン:勝ち筋のテンプレート化

上位相手に勝ち筋を作るには、(1)リバウンド差で+6以上、(2)TO14以下、(3)FTアテンプトで相手超え——の“三条件”をゲームプランに落とし込むのが近道だ。B3は選手入替の波が大きく、“蒸留された勝ち筋”の有無が拮抗試合の差になる。スコットのハイポ起点、キングのショートロール、ハンカーソンのセカンダリーといった“役割別の最適解”をテンプレ化し、late-gameのATO(タイムアウト明けセット)を3~4本だけでも高精度に仕上げたい。

ユース×地域:岡山モデルの可能性

岡山・津山のダブルホームは、ジュニア層への可視性が高い。学校訪問、部活動クリニック、地域イベントの定点化は、数年スパンでのユース発掘・動員・スポンサー協業に波及する。試合外日にジップアリーナを起点とした“体験導線”(スクール体験→観戦チケット→再来場)を強化すれば、B3水準を超える“非試合日売上”の芽も育つ。EGOZARUや地場企業と連携した“岡山らしいグッズ”開発も、ブランドの芯を太くするだろう。

リスクと打ち手:連敗の再発をどう防ぐか

  • インジュリーリスク:ビッグラインの稼働が鍵。minute cap(出場時間上限)と帯同11~12人でのマッチアップ可変で負荷分散。
  • メンタル・モメンタム:失点の連鎖は“悪い早打ち”から始まる。2ポゼ連続ミスで必ずセットコールのルール化を。
  • 観客動員の谷:成績低迷期こそ、“地域開催の強み”を可視化。津山・笠岡・みまさか等の巡回戦略を、シーズン前に計画とKPIで固める。

3×3とトップの相互作用:技術転移の設計

TRYHOOP OKAYAMA.EXEは、短時間での意思決定・1on1創造性・スペーシングを磨く最適な現場だ。トップのセットオフェンスに3×3の概念(ghost screen/flip/reject等)を意識的に織り込み、“3×3で勝つ→5人制も改善”という循環を設計する。週次の共同セッションやコーチ間のplaybook共有は、クラブの“複線型育成”を現実の競争力に変える。

まとめ:B3からの再浮上は“設計”で勝つ

トライフープ岡山は、「挑戦」と「輪」を掲げるクラブだ。黄金期(2020-21)の勝ち方は明確に存在し、いま必要なのは再現性の再構築である。リバウンド・TO・FTの“三条件”をゲームモデルに刻み、終盤のAtoZ(ATOとゾーン打開)を磨く。育成と3×3、広域ホームの強みを戦略に結び直せば、B3での再浮上と中期の昇格挑戦は十分に射程に入る。次のホームゲームで、その“TRY×HOOP”の循環を体感してほしい。あなたの一声と一枚のチケットが、岡山のバスケ文化を一段押し上げる。共有&ブクマで、仲間の輪を広げよう。

【Bリーグ/福井ブローウィンズ】完全ガイド:B3優勝→B2東地区4位の躍進、マテオ・ルビオ体制の戦術とロスター分析【2025-26最新版】

本稿は福井ブローウィンズの最新動向を、ニュースの要点、歴史的文脈、戦術・データ分析、地域との関係性まで横断して再編集した長編解説である。キーワード福井ブローウィンズを冒頭に置き、2023-24のB3優勝(46勝4敗・ホーム26勝0敗)から、B2昇格初年度の2024-25(33勝27敗・東地区4位、QF敗退)を経て、2025-26に始動したマテオ・ルビオ体制の狙いを読み解く。クラブの設立経緯、ブランド、アリーナ運用、マスコット、そしてロスター構成がどのように勝率へ還元されているかを、データと比較の両面から検証する。

ニュース概要

福井ブローウィンズは、2023-24シーズンのB3で46勝4敗(勝率.920)、ホーム26勝0敗の圧倒的成績で優勝し、B2昇格を決めた。昇格初年度の2024-25(スローガン:NOW OR NEVER)では、33勝27敗(勝率.550)で東地区4位、プレーオフ準々決勝(QF)で敗退しつつも、上位定着の“入口”に立った。2025-26は、ヘッドコーチがマテオ・ルビオに交代(スタッフに中堀純希、クラウディオ・ホルケラ)。主軸にはライアン・ケリー(2.11m)ペリー・エリス(2.02m)満田丈太郎(主将)、ゲームメイクの細谷将司らが名を連ねる。クラブカラーはロイヤルブルー、ホーム収容は3,975人、サプライヤーはUNDER ARMOR、マスコットは風神の子ども“BOOZ”。

背景と歴史的文脈

ルーツは2020年設立の一般社団法人「福井県プロバスケットボールクラブ」。B3参入一次審査で不合格(2021年9月)を経験したのち、2022年に福井バスケットボール株式会社(のちの株式会社福井ブローウィンズ)を新設。2023-24シーズンのB3参加資格最終審査に合格し、正式入会へ。チーム名はコピーライター小藥元による造語「Blow × Wind」で、「ともに巻き起こそう、とてつもない旋風を。」を掲げる。エンブレムはデザイナー木住野彰悟の手による風神モチーフで、“荒れ狂う風”たる存在意義を視覚化した。

クラブ運営は株式会社福井ブローウィンズ。代表は湯本眞士、GMに手代木達。主要株主はALL CONNECT。B3参入前からブランディングとマーケティングの専門人材を招き、地域×デジタルの両輪でファネル設計を進めてきた。短期の勝敗と中長期の土台づくりを両立させたことが、B3即優勝→B2中位超の“昇格後バウンス”に直結している。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスター(抜粋)は以下。サイズ・経験・決定力・機動力を高次でミックスしている。

  • PF/C 4 ライアン・ケリー(34):2.11m。ハイポストのプレーメイクとストレッチ能力に秀でる。PnP(ピック&ポップ)からのミドル~3Pで相手BIGを外に引き出す。
  • PF 30 ペリー・エリス(32):2.02m。ペイントタッチの巧さとオフボールIQ。ショートロールの中継点として高効率。
  • SG/SF 21 満田丈太郎(31/C):1.88m。二線の守備と勝負所のショットで流れを掌握。ロッカールームリーダー。
  • PG 0 細谷将司(36):1.73m。P&Rのテンポ制御に長けた司令塔。クラッチでの決断力も評価が高い。
  • PG 18 藤澤尚之(27):1.74m。セカンドユニットの推進役。アーリーでの押し上げとPNR継続で相手ビッグを走らせる。
  • SF 12 西野曜(27):1.99m。ウイングスパンを活かしたPOA(Point of Attack)守備とトランジション加速。
  • PF 22 小阪彰久(33):1.98m。スクリーンの質が高く、ボールの離れを速める“縁の下”。
  • F/C 25 ラポラス・アイヴァナーカス(27):2.08m。身体を張れるハードスクリーンとDREBでポゼッション支配を補強。
  • G 2 モサク・ダミロラ(23)/SG 13 川島聖那(25):運動量とアタックでラインナップに縦を与える若手枠。
  • SG 73 田渡修人(35):経験豊富なシューター。スペーシングの整理役としても貢献。
  • PG 11 内藤英真(20/U22):伸びしろ最大級。終盤のディフェンス投入やゲームチェンジャー起用に期待。

サプライヤーは2023年からUNDER ARMOR。ブランド統一による“見た目の速さ”の訴求も、ゲーム体験の一部になっている。マスコットのBOOZは風神の子ども設定で、ホーム演出のムードメーカーだ。

試合・出来事の詳細

B3 2023-24:46勝4敗、得点4,692/失点3,962(+730)。ホーム26勝0敗は象徴的。ディフェンスからの走力と、ハーフコートでのボールの速さが圧倒的な差を生み、昇格を最短で完遂した。

B2 2024-25:33勝27敗(東4位)。ホーム17-13、アウェイ16-14。東地区内19-17、他地区14-10と、バランス良く勝点を積み上げた。QFは僅差のポゼッションでの詰めに課題が残ったが、昇格即PO進出はリーグでも稀有。B2の強度に適応し、ミスからの失点“連鎖”を抑える学習効果が見られた。

2025-26(現行):ヘッドコーチをマテオ・ルビオにスイッチ。ゲームモデルは「守備の同一性→DREB→4秒以内の一次攻撃」を軸に、ハーフコートはケリー+エリスの2ビッグで“内外の二刀流”。終盤は満田+田渡のショットクリエイトやハンドオフ連鎖で事故(TO)を減らす設計に寄せる。

戦術・技術・スタイル分析

守備(ハーフコート):東地区上位はPNR対策でICE/Nailヘルプ/Low-Manタグを高精度に運用する。ブローウィンズはPOA(西野・川島・ダミロラ)でドリブル侵入角を制御し、サイドPNRではICE気味にベースラインを切る。ベースラインが破られた場合はLow-Manがペイントを守り、バックサイドはX-outでコーナー3を抑制。小阪/アイヴァナーカスはスクリーン対処後のリカバリーとDREBの“止め”を担当する。

攻撃(ハーフコート):一次アクションはハイPNR(細谷-ケリー)。ケリーがポップ→ハンドオフ→再PNRと連続アクションを作り、守備のスイッチを誘導。二次はショートロール(エリス)からダイブorコーナー3の二択で効率を上げる。終盤はホーンズエレベーターで田渡のキャッチ&シュートを引き出し、満田のミドルでバランスを取る。

トランジション:DREB→アウトレット→レーンラン(西野/ダミロラ)→セカンドトレーラー(ケリー)のトップ3が基本形。早い時間帯に高期待値のオープン3を打つことで、相手BIGの帰陣を強要し、以後のハーフコートDFを遅らせる狙いがある。

ローテとマッチアップ:相手に大型ウイングがいるケースは西野×クロスマッチでPOAを置き、満田を二線に回す。ビッグラインナップ相手はケリー+アイヴァナーカスでリム封鎖とDREBの二重化、機動力勝負はケリー+エリスのスキルデュオでハーフに勝ち筋を作る。

ファン・メディア・SNSの反応

B3無敗ホームと即昇格は「県内初のプロクラブ」の存在意義を可視化し、SNSでも“#巻き起こせ旋風”が浸透。B2初年度はNOW OR NEVERのコピー通り、勝負所の粘り強さが語られた。一方でプレーオフの惜敗後は「終盤のセット精度」「リバウンド後の再開速」を高めたいという建設的な議論が増え、クラブ側もデータ発信やハイライト編集でファンの“読み解く楽しさ”を後押ししている。マスコットBOOZのコミュニケーション力も相まって、ホームの“体感価値”は年々上昇中だ。

データ・記録・統計情報

  • B3 2023-24:46-4(.920)、ホーム26-0、+730(4692-3962)
  • B2 2024-25:33-27(.550)、東4位、ホーム17-13/アウェイ16-14、地区内19-17/他地区14-10、総得点4923/総失点4846(+77)。
  • 会場・運営:収容3,975人規模。B3時代は福井県営体育館を基点に、福井市体育館、越前市アイシンスポーツアリーナでも開催。B2以降は需要予測に応じてホーム構成を最適化。
  • ブランド/装備:ユニフォームサプライヤーはUNDER ARMOR(2023-)。ロゴは風神モチーフ。カラーはロイヤルブルー。

リーグ全体への影響と比較分析

昇格直後に勝率.550まで乗せるクラブは少ない。ブローウィンズの成功要因は、①ブランドづくりと競技の同時進行(早期の専門人材登用)②2m級×機動力×シュートIQのロスター思想③ホーム体験の磨き込み(無敗ホームが語る価値)の三点に集約できる。B2上位は“スイッチ適性の高い2m級”を複数並べ、ハイテンポとハーフの両方で得点期待値を確保している。福井はケリー+エリスを軸に、ウイングの守備粘着度(西野、川島、ダミロラ)を高めることで上位流儀に近づいている。

過去の類似例としては、B3で圧勝→B2でも早期に中位ラインへ到達したクラブ群があるが、ホームパワー(観客の圧)とデータリテラシー(プレー設計の“見える化”)の両立は福井の特徴。今後はDREB%FTr(フリースロー獲得率)の更なる上積み、そしてクローズゲームでのA/TO安定化が、東上のレバーとなる。

今後の展望とまとめ

2025-26のターゲットは、勝率.560~.580でのPOシード獲得、シリーズ終盤の“勝ち切り力”の可視化だ。実務KPIは①守備の同一性(POA→Nail→Low-Man→X-outのミス低減)②DREB%の改善(セカンドチャンス抑止)③eFG%の最適化(コーナー3とリムの配分)④FTr(ショートクロックISOの設計)⑤A/TO(特に終盤)。ローテは、ケリー+エリスの2ビッグで“内外二枚看板”、相手の種類に応じてアイヴァナーカス小阪を組み込み、守備とリバウンドを“二重化”する。

地域軸では、ロイヤルブルーの視認性とBOOZの人気、UNDER ARMORの機能性を活かし、来場導線(アクセス/売店/親子席)と二次創作(SNS・UGC)を促進。学校訪問・クリニック・地域イベントとの連携を拡大し、「風」を“文化”へと定着させたい。

最後に――福井ブローウィンズの歩みが役立ったと感じたら、本記事を共有し、戦術やロスターの最適解について議論してほしい。あなたの一声が、福井にさらにいい風を呼び込む。#福井ブローウィンズ #B2リーグ

【Bリーグ/徳島ガンバロウズ】2025-26完全ガイド|メディアドゥ発・地方創生クラブの挑戦とB3躍進の全貌

徳島県初のプロバスケットボールクラブ誕生

徳島ガンバロウズ(Tokushima Gambarous)は、2022年に創設された徳島県初のプロバスケットボールチームであり、現在B3リーグに所属している。クラブを運営するのは株式会社がんばろう徳島。親会社には電子書籍取次大手のメディアドゥが名を連ね、地方創生とスポーツビジネスの融合を体現する新興クラブとして注目を集めている。チームカラーは水色と黄色、ホームアリーナは徳島市立体育館およびとくぎんトモニアリーナ。スローガンは「がんばろう、徳島。」——クラブ名自体が地域に根ざしたメッセージである。

創設までの経緯と背景

徳島にプロバスケットボールチームを創る構想は2019年に動き出した。バスケットボール指導者の若松直樹氏が中心となり、社会人チーム「徳島ワイルドリバース」を設立。しかし、B3参入に必要な7,000万円の資金を調達できず、活動は停滞していた。転機となったのは2022年、徳島県出身でメディアドゥ創業者の藤田恭嗣氏が参画したこと。資金問題が解消し、同年1月14日にチーム設立を正式発表。4月1日には、メディアドゥを筆頭に徳島ゆかりの23社が出資する運営法人「株式会社がんばろう徳島」が発足した。

この法人はワイルドリバースを母体としつつ支援体制を拡充し、新チーム「徳島ガンバロウズオルト(ALT)」として地域リーグに参入。B3基準に適応可能な選手を選抜して本チーム契約へと移行する構造を取った。創設からわずか1年でB3参入を実現したのは、地元企業と自治体、バスケットボール協会の三位一体の連携が背景にある。

B3リーグ参入と初年度の躍進

2023-24シーズン、徳島ガンバロウズはB3デビューイヤーながら31勝21敗(勝率.596)で5位と好成績を収め、プレーオフではセミファイナル進出を果たした。初代ヘッドコーチにはアメリカ出身のデマーカス・ベリー、GMにはザック生馬を招聘。岡山から獲得した若狭功希が契約第1号選手となり、既存メンバーと地域リーグ出身者を融合したロスターを構築した。

B3屈指のフィジカルバスケットを展開し、攻撃的なプレースタイルでファンを魅了。平均得点4,370点、失点4,157点、得失点差+213というスタッツは新規参入チームとしては異例の高水準であった。ホームゲームでは観客動員数を着実に伸ばし、徳島バスケ文化の新しい象徴として地域メディアの露出も急増した。

2024-25シーズン:成績と課題

2年目の2024-25シーズンは、25勝27敗(勝率.481)で9位。プレーオフ進出を逃す結果に終わった。攻撃の中心であった外国籍選手の負傷や、終盤のディフェンス調整の遅れが響いた格好だ。それでも得点3,979点、失点4,131点と試合内容は拮抗。課題は主に以下の3点と分析される。

  1. リバウンド・セカンドチャンスの減少(OR%がリーグ中位)
  2. 終盤のターンオーバーとペースコントロールの不安定化
  3. ペイント内でのフィジカルマッチアップへの対応不足

一方で、チーム全体の成長曲線は明確で、ローカルスポンサー・自治体連携の増加、ファンイベントの拡充など、運営面の基盤強化が進んだシーズンでもあった。

2025-26シーズンロスターと新体制

2025-26シーズンの徳島ガンバロウズは、指揮官に小林康法HCを迎え、新たなフェーズへ。アシスタントコーチは久川貴之と月野雅人。チームリーダーである塚本雄貴(C)を中心に、経験豊富な国内勢と高い身体能力を誇る外国籍選手を組み合わせたロスター構成となっている。

  • 主力外国籍選手:ルーズベルト・アダムス(フィリピン代表歴)、テイブリオン・ドーソンライアン・ローガンクリス・マクラフリン
  • 日本人主力:塚本雄貴綱井勇介鶴田美勇士森山修斗
  • 若手・育成枠:松本礼太青山晃也デイビッド・コンゴロー(留学実績枠)

チーム平均身長は1.93mとB3上位水準。インサイド陣の層が厚く、特にコンゴロー(2.06m)とマクラフリン(2.08m)のツインタワー構成は守備・リムプロテクト面での鍵を握る。フィリピン特別枠のアダムスはスラッシャー型ウイングとして機動力を補い、国内ガード陣との連携による速攻パターンが期待される。

ホームアリーナと地域連携

ホームは「とくぎんトモニアリーナ」を中心に、「アスティとくしま」「アミノバリューホール」「藍住町体育館」「うだつアリーナ」など県内複数会場を併用。2024-25シーズンではホーム26試合中14試合をとくぎんで開催。徳島全域を“ホームタウン”と捉える分散開催は、地域密着を重視するBリーグ戦略のモデルケースとも言える。

また、マスコットの「チェック&バロウ」は犬をモチーフとしたペアキャラクター。キャプテン役のチェックとムードメーカーのバロウが、試合前イベントやSNSコンテンツでクラブの親しみやすさを演出している。

戦術とチームスタイル

小林HCの指導方針は「守備からのトランジション」。ペースを落とさず、攻守の切り替えを最短化するバスケットを志向。スクリーン後のリロケートやキックアウトの精度を上げ、3Pとペイントアタックのバランスを整えることが目標だ。また、外国籍選手の個人技に依存せず、塚本・綱井らのゲームメイク力を活かすチームバスケへの移行もテーマとして掲げられている。

地域発クラブの価値と今後の展望

徳島ガンバロウズの特徴は、単なるスポーツチームにとどまらず、「地方発の社会実験モデル」としての側面を持つことにある。メディアドゥのDX(デジタルトランスフォーメーション)ノウハウを生かし、電子書籍・NFT・ライブ配信などを通じて新たなファン接点を創出。地域の子どもたちに向けた「バスケを軸とした学び・交流・キャリア教育」プログラムも拡充中だ。

中期目標はB2昇格、長期的には四国4県を巻き込んだ「Shikoku Basketball Belt(仮称)」構想の形成。B3での競技基盤を強化しつつ、地域経済・文化のハブとしての役割を広げていく方針である。

まとめ:徳島から全国へ、“がんばろう”のその先へ

創設からわずか数年でB3有数の存在感を放つ徳島ガンバロウズ。2025-26シーズンは、競技・経営・地域貢献の三軸でさらに飛躍が期待される。地方発クラブの理想像として、徳島モデルが全国のローカルバスケットボールに与える影響は大きい。読者の皆さんも、ガンバロウズのホームゲームで、“がんばろう”が現実を変えていく瞬間を体感してほしい。

【Bリーグ/本ヴォルターズ】現在地と勝ち筋:リブランディング以後の“熱源”が目指す昇格ロード完全ガイド

本稿は熊本ヴォルターズ(B2リーグ西地区)の最新トピックを、ニュース・歴史・戦術・データを横断して再構成した“百科型リライト”である。リブランディング後の変化、観客動員の伸長、B1ライセンス動向、ロスター再編、そして熊本ヴォルターズがB2西地区で上位を狙うための技術的解像度を、検索に耐える知識資産としてまとめた。

ニュース概要

2025-26シーズンのクラブスローガンは「やるヴォ―!」。ヘッドコーチは遠山向人が続投し、GMは七川竜寛、AGMは徳永隆聖。ロスターは石川海斗の5季ぶり復帰、帰化枠モッチラミンの加入、モンテネグロ代表歴を持つネマンヤ・ジュリシッチの補強でボールハンドラーとフロントコートの質を同時に強化した。2024-25は27勝33敗(.450)で西4位・全体8位、QF敗退ながら、年間総動員101,758人(平均3,392人)とクラブ記録を更新。練習拠点VOLTERS GXの本格稼働、大学・医療機関との連携拡充など「勝てる環境」づくりが前進している。

背景と歴史的文脈

クラブは2012年創設。チーム名は阿蘇の「volcano」と県の豊かな「water」を掛け合わせた造語で、地域の自然とエネルギーを象徴する。NBL期は苦闘が続き、2013-14と2014-15は6勝48敗の最下位。しかしB.LEAGUE発足後、2016-17に44勝16敗と一気に浮上。以後もB1昇格争いに絡むシーズンを重ね、2018-19は西地区優勝(45勝15敗)に到達した。

近年はブランディングと経営基盤の両輪が可視化。2024年のリブランディングでは色調を赤×黒に整理し、会場演出や音楽の刷新、地元企業とのパートナーシップ深化を推進。2024-25はB1参入を2030-31に方針転換しつつ、ライセンス交付条件(財務・動員・施設)クリアに向け、熊本県立総合体育館の建替構想VOLTERS GXの稼働、医療・大学との包括連携で「持続的競争力」を高めている。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターの骨格は「ハンドラー二層化 × 帰化ビッグの連結 × 経験値の再注入」。主要選手の特性を簡潔に整理する。

  • ガード群田中力(サイズとドライブ)、保坂晃毅(ショットクリエイトとオンボールDF)、長島蓮(テンポコントロール)、そして復帰の石川海斗(PNR舵取り・クラッチ意思決定)が層を作る。山田安斗夢はセカンダリー創出でバランス役。
  • ウィング磯野寛晃(C)は3&Dの要で、澤邉圭太はハンドオフの出口とストップ役、山本翔太はトランジションとキャッチ&シュートで価値を出す。
  • フロントコートモッチラミン(帰化)はペイントの接触とロール・ショートロール判断に秀で、ジュリシッチはハイポの配球とミドルでスペーシングを供給。ミッチェル・ライトフットはスクリーン角度とリムラン、グレゴリー・エチェニケ(VC)はポストディフェンスとリバウンドの基準線を提供する。

ベンチは遥天翼AC、本村亮輔PDコーチ、堀井快VC(ビデオコーディネーター)らが役割明瞭。医療は桜十字グループと大学の連携が中核で、怪我リスク管理とリカバリーの標準化を進める。

試合・出来事の詳細

直近2季のトレンドを要約し、勝ち筋と弱点を可視化する。

シーズン 成績 地区順位/総合 PO ホーム アウェイ トピック
2023-24 33勝27敗 (.550) 西3位 / 5位 QF敗退 22-8 11-19 ホームで高勝率、終盤に負傷相次ぎ失速。動員も上向き。
2024-25 27勝33敗 (.450) 西4位 / 8位 QF敗退 14-16 13-17 序盤6連敗→9連敗と低迷も、後半は指標改善。総動員は過去最高。

2024-25は序盤にPNRカバレッジが定まらずPAINT失点が増加、TO%も悪化。年明け以降はラインナップ固定とDHO(ドリブル・ハンドオフ)の定着でショットクオリティを持ち直したが、クラッチの「最後の1ポゼッション」で取り切る仕組みが未完成だった。

戦術・技術・スタイル分析

(1)ハーフコート・オフェンス:Spain PnR × DHO × ハイロー
今年の軸は、石川-モッチのSpain PnR(バックスクリーン付PNR)と、田中→ジュリシッチのDHOからのショートロール/キックアウト。ハイポのジュリシッチが「受け手兼配球」で機能すると、45度→コーナー3が連鎖。モッチはショートロールでフローダー/ミッドポスト配球まで担うため、ポストエントリーの渋滞を避けやすい。

(2)ディフェンス:Drop基調+サイドICE、試合終盤はハイブリッド
ベースはエチェニケのDropでリム保護。サイドPNRはICEでサイドラインへ追い込み、ベースライン・ヘルプは短距離タグ。プルアップ巧者にはタッチショウで手元を揺らす。クラッチは1-4で限定スイッチし、5番はDrop継続のハイブリッド運用でミスマッチ連鎖を遮断。これにより、ファウル増加とローテーション距離のジレンマを緩和する。

(3)リバウンド&トランジション:2ORBルールと「0-7秒意思決定」
ORBは原則2人まで(ライトフット+ガード1人)。他は即時リトリートで失点源の走られ方を遮断。奪えば0-7秒の速い意思決定を許容し、3PAr(3P比率)を底上げ。山本・澤邉のコーナー3、磯野の45度3が一次ターゲットになる。

ファン・メディア・SNSの反応

熊本は“会場体験”の完成度が際立つ。BLACK VOLFESや新規の「水フェス」、地元アーティストとの楽曲連動、アリーナDJ布陣の拡充で、勝敗とは独立に観客体験の満足度を押し上げている。SNSでは「VOL(Voltage Of Life)を赤く彩る熱源」というクラブの自己規定に支持が集まり、ハイライトでは石川のPNR判断、モッチのフィニッシュ、磯野のストップが拡散。敗戦時でも入場者数が維持されるのは、地域密着の成果と解釈できる。

データ・記録・統計情報

主要な通史データを簡易年表で確認する(勝敗はレギュラーシーズン)。

リーグ 勝率 地区 PO メモ
2016-17 B2西 44 16 .733 3位 クラブ躍進の起点、13連勝を記録。
2018-19 B2西 45 15 .750 1位 3決敗退 地区優勝。B1昇格まであと一歩。
2021-22 B2西 36 18 .667 2位 4位 攻撃力で上位回帰、PO経験値を蓄積。
2023-24 B2西 33 27 .550 3位 QF敗退 ホーム22勝と地元で強さ。
2024-25 B2西 27 33 .450 4位 QF敗退 序盤失速も終盤は持ち直し。

観客動員の推移は競技成績と非線形。2023-24で80,727人(平均2,691)、2024-25は101,758人(平均3,392)と継続成長。コンテンツ価値(演出・イベント)と地域コラボが、勝敗の乱高下と切り離されて底堅い需要を生んでいる。

クラブ記録面では、最多動員が4,899人(2017/4/30)、最多得点128点(天皇杯2017/9/17)。NBL期の20連敗という苦い歴史を背負いつつ、B2期の安定成長が現在の基礎体力を作った。

リーグ全体への影響と比較分析

B2西地区で上位に定着するクラブの共通項は、①3PArの確保、②TO%の抑制、③リム保護の一貫性。熊本は2025-26ロスターで①③の前提を満たしやすい構造に寄せた。特にモッチラミンの帰化は、B2で効く「国内ビッグの連続起用」というカードを増やし、ファウルトラブル時のディフェンスEV(期待値)低下を緩める。対照的に、ガードのサイズ不利は一部対戦で露呈しうるが、石川のPNR意思決定と田中のドライブが機能すれば、ポゼッション価値で相殺可能だ。

他クラブの成功例に学ぶなら、終盤ATOのテンプレ化(Spain PnR/Horns Twist/Iverson→サイドPNR)と、2ndユニットのKPI管理(TO%・ORB%・3PAr)を週次でレビューし、ラインナップ別のプラスマイナスを明確にすること。これが接戦勝率を2〜3勝分押し上げ、シード順・ホームコートアドバンテージに直結する。

今後の展望とまとめ

2025-26の具体的な処方箋を三点に絞る。

  1. クラッチ設計の固定化石川-モッチのSpain PnRを終盤の第一選択に据え、サブとして田中→ジュリシッチのDHO→ショートロールを準備。コーナー3の創出を第一原理に置く。
  2. 守備ルールの省エネ最適化:Drop基調+サイドICE+限定スイッチの三層。ロータグ→Xアウトの距離を短縮し、ファウルと回転距離を同時に削る。
  3. 2ndユニットのKPI運用:週次でTO%・ORB%・3PArを共有し、プレータイム判断をデータと接続。意図のないミドルを削減し、0-7秒の意思決定を徹底する。

リブランディング以後の熊本ヴォルターズは、会場体験と地域連携で“熱源”の座を確立した。次に必要なのは、反復可能な原則で接戦を拾い続けることだ。B2西地区の序列は拮抗しているが、帰化枠の活用とハーフコートの設計で勝ち筋は明瞭になった。観戦のたびにチェックしたいキーワードは「熊本ヴォルターズ」「B2リーグ」「西地区」。この記事が観戦・議論の手引きになったなら幸いだ。最後に――あなたの一言が次の満員をつくる。感じたことを共有し、クラブの“熱量”を広げよう。

【Bリーグ/横浜エクセレンス】徹底ガイド|B3優勝からB2復帰へ──歴史・ロースター・横浜武道館時代の戦略を総まとめ

ニュース概要|横浜エクセレンスがB3優勝を経てB2復帰へ

横浜エクセレンス(Yokohama Excellence、以下「横浜EX」)は、2024-25シーズンのB3で45勝7敗(勝率.865)と圧巻の成績を残し、優勝とともにB2復帰を果たした。ホームタウンは神奈川県横浜市。ホームアリーナは中区の横浜武道館で、2025-26シーズンはB2東地区での戦いに臨む。クラブは2012年創設の「東京エクセレンス」を前身に持ち、横浜移転(2021-22)を機にブランディングを再構築。チームカラーのEX GREENと「LIGHT UP FOR EXCELLENCE!」のスローガンを掲げ、地域密着と競技力向上の両立を進めてきた。

本稿はWikipedia情報を基礎としつつ、編集・再構成による解説記事として、横浜エクセレンスの歴史・成績推移・ロースター構成・運営体制・スポンサー/マスコット・開催アリーナを俯瞰し、B2復帰後に求められる戦術的/経営的ポイントを整理する。

背景と経緯|東京エクセレンスから横浜エクセレンスへ

母体は2002年にスポーツドクター辻秀一氏の手で創設されたクラブチーム「エクセレンス」。NBDL期には3連覇(2013-14/2014-15/2015-16)を達成し、下部リーグで存在感を高めた。Bリーグ創設後はB2配置(2016-17)からのスタートだったが、ホーム基準(3000人規模アリーナ)を満たせずライセンス不交付となりB3降格という苦い経験を持つ。その後、2018年に加藤製作所が運営会社を子会社化、2019年にはB3年間1位で自動昇格を勝ち取りB2へ返り咲いたものの、再びホームアリーナ計画が頓挫し、2度目のライセンス不交付でB3に戻る。

この揺り戻しを断つべく、クラブは2021-22に横浜市へ移転。B2基準を満たす横浜武道館をホームとし、ブランディングを横浜仕様に刷新。横浜ビー・コルセアーズとのホームタウン棲み分け(横浜EXは南部エリア中心)を明確化し、地域連携を強化した。2024-25のB3優勝でB2復帰資格を得た現在、クラブ史に二度刻まれた「ライセンス不交付」というリスク要因を克服する体制が整いつつある。

選手・チームのプロフィール|2025-26ロースターの骨格と強み

2025-26の横浜エクセレンスは、ガードの機動力+ストレッチ可能なビッグという現代的な構成。PG/SGラインは複数のボールハンドラーを揃え、テンポコントロールと外角火力を両立させる設計だ。

  • バックコート:板橋真平(PG/168cm)、ディクソンJrタリキ(PG/181cm)、西山達哉(PG/172cm)、大橋大空(PG/165cm/キャプテン)、永野威旺(G/178cm)、杉山裕介(SG/183cm)など、小柄だが推進力と意思決定に優れたハンドラーが多い。
    米系のトレイ・ボイドⅢ(SG/193cm)がスコアリングの核になりうる。
  • ウイング/フォワード:木下大南帆(F/192cm)、ザック・モーア(SF/198cm)。機動力とサイズを活かし、トランジション/セカンドユニットの安定剤として期待。
  • ビッグマン:ベンジャミン・ローソン(C/216cm)、カリム・エゼディン(F/C/206cm/アジア枠)、エライジャ・ウィリアムス(PF/201cm)。
    ローソンの長身はリムプロテクトとハイローフィードで効く。エゼディンはスクリーナー兼ロール/ショートロールの起点として、ウィリアムスはフィジカル&ミドルで起点を担える。

指揮官は河合竜児HC。アシスタントに玉城理規、S&Cに冨樫司、トレーナーに大野夢実、通訳兼マネージャーの安喰淳平、アナリストの川本貴和子と、現場機能が整理されている。B3優勝の再現性をB2で示すうえで、守備規律とラインナップ最適化が鍵を握る。

試合・出来事の詳細|成績トレンドと横浜武道館運用

成績推移を見ると、B3では2018-19:32勝4敗(優勝)2024-25:45勝7敗(優勝)と「勝ち切る年」の再現性がある。一方で、B2基準のホーム確保不備により二度の降格を経験したのが難点で、施設計画と競技成績のアラインメント不全がクラブの構造課題だった。横浜移転後は、横浜武道館という明確なホームフォーマットを得たことで、演出/導線/販売の標準化が可能に。2022-23には横浜武道館でプレーオフを3試合開催するなど、“アリーナで魅せる”勝ち筋を強化している。

開催アリーナの歴史を振り返ると、東京EX時代は板橋・立川・練馬・八王子などに分散していたが、横浜移転以降は横浜武道館が主戦。平塚・座間・横須賀など県内サテライト開催の実績もあり、南部エリア中心の地理戦略が明確化された。

ブランド/スポンサー/マスコット|共創型アクティベーションへ

2025-26シーズンのユニフォーム関連は、サプライヤー:ペナルティ。スポンサー枠は前面・背面・パンツに横浜市、三菱地所、加藤製作所、横浜武道館、銀座鮨あらい、TH弁護士法人などが並び、自治体×地場/全国企業の混成。単なる露出ではなく、試合当日や地域イベントと連動した活用(アクティベーション)が企図されている。

マスコットは二人体制の「ピック&ロール」(背番号45と80)が2023年から稼働。NBDL/東京EX期のtex(テックス)は2019年に活動を停止し、横浜EXの世界観に合わせた新コンセプトへ移行した。ロゴは横浜発祥の「ガス灯」モチーフで、“LIGHT UP”の物語をアリーナ体験全体に織り込む。

他事例との比較・分析|B2で定着するためのゲームモデル

B2定着のポイントは、守備効率の底上げ・DREB%の安定化・TOV%の縮小・3Pの質(オープン比率)の確保に集約される。横浜EXは小柄で敏捷なガードと、長身リムプロテクター/ストレッチPF/Cの組み合わせを持つため、以下のゲームモデルが理想解だ。

  • ハーフコート攻撃:ハイ/サイドPnRを主軸に、ローソン/エゼディンのスクリーン角度と大橋・板橋のハンドラーリズムでペイントタッチを増やす。弱サイドは45度のシェイク/リロケートでキックアウト動線を短くし、ボイドⅢ・杉山・モーアのキャッチ&シュートを最大化。
  • トランジション:守備リバウンドから2タッチ目で前進、押し切れない場合は早い2ndエントリー(Horns/5-out)でショットクオリティを担保。ポゼッション価値の下がる無理打ちは避け、“良い早打ち”の定義を徹底。
  • PnR守備:基本はドロップ+ボールサイドナビゲート、相手のパススキルに応じて弱サイドのタグ/スクラムを明確化。相手のコーナー3を最重要脅威とし、ローテの優先順位を全員に浸透。
  • ファウルマネジメント:ローソン/エゼディンのファウルトラブルは構造的な敗因になりうる。ポジション取りの先手と、縦ドライブの角度管理で接触/リーチを減らす。

経営面では、横浜武道館を核に“ホーム体験の標準化”(演出・飲食・グッズ・ファン交流導線)を進めるほど、勝率×動員の相関が強まる。他クラブの成功事例では、学校連携・地域祭事・企業福利厚生観戦の三本柱が来場動機の分散と底上げに寄与している。横浜EXはスポンサー/自治体が厚く、南部エリアの生活導線に寄り添った施策を積み上げやすい。

経営・組織ガバナンス|“ライセンス不交付”の歴史を教訓に

横浜EXは過去に2度のライセンス不交付を経験している。要因は主としてホームアリーナ基準とのミスマッチだった。横浜移転後は基準適合施設=横浜武道館に拠点を一本化し、B2以上で戦う前提を固めた。将来的な横浜BUNTAI活用の構想も掲げられており、施設計画とカテゴリーの整合性を保つことで、“昇降格の揺り戻し”を避けることが可能になる。

運営法人は株式会社横浜エクセレンス。代表は桜井直哉。事業はバスケットボールクラブ運営、プロスポーツ興行、グッズ/写真/映像等の企画・販売。一般社団法人EXSCはスポーツクラブ運営や指導者育成を担い、教育・地域事業のハブとして機能する。競技・興行・育成の三位一体は、ホームタウン密着の質を高める中長期戦略の要だ。

年表ダイジェスト|主要トピック早見

  • 2012年:東京エクセレンス創設。
  • 2013-16年:NBDLで3連覇
  • 2016-17年:B2配置→ライセンス不交付でB3降格。
  • 2018年:加藤製作所の子会社化/専用練習場「KATO FACTORY ARENA」稼働。
  • 2018-19年:B3優勝→B2自動昇格。
  • 2019-20年:アリーナ計画頓挫で2度目の不交付、B3へ。
  • 2021-22年:横浜移転/横浜武道館をホームに。
  • 2024-25年:B345勝7敗優勝、B2復帰へ。

KPIと実装順|B2で“勝ち続ける”ためのチェックリスト

  1. 守備効率の中位以上化:DREB%とコーナー3被弾率を最優先KPIに。
  2. ペイントタッチの増加:ハンドラーのPAINT侵入→ショートロールの起点化。
  3. 3Pの質:キャッチ&シュートのオープン比率を可視化し、個人/ラインナップ別に最適化。
  4. TOV%の縮小:クラッチ時の意思決定ルール(初手のプレータイプ)を統一。
  5. ホーム体験の標準化:演出・飲食・動線・交流をテンプレ化し、セールスと勝率の相関を強化。

今後の展望とまとめ|横浜エクセレンスがB2で示すべき“再現性”

横浜エクセレンスは、NBDL期の勝ちグセ、B3での勝ち切る力、そして横浜移転によるホーム基盤の安定を手に、B2で「再現性のある勝利」を示す段階に入った。小柄なガード群と長身ビッグの組み合わせはB2でも戦えるポテンシャルがあり、守備とショットクオリティの徹底で接戦勝率を積み上げたい。運営面では横浜武道館を核に、学校・企業・自治体と連動した共創型アクティベーションで来場理由を多層化し、動員×勝率の好循環を作ることが重要だ。

横浜エクセレンスの物語は、ライセンス不交付→再起→B2復帰という稀有な軌跡でもある。次なる章は“定着”と“挑戦”の両立。気になる方は公式サイトやSNSで最新リリースをチェックし、横浜武道館でのホームゲームに足を運んでほしい。感じたことをシェアする一言が、クラブの次の一歩を明るく照らす。

【Bリーグ/福島ファイヤーボンズ】B2最新動向:ライアン・マルシャン新体制と宝来屋ボンズアリーナ改修で挑む再建戦略の全貌【2025-26】

福島ファイヤーボンズB2最新動向:ライアン・マルシャン新体制と宝来屋ボンズアリーナ改修で挑む再建戦略の全貌【2025-26】

福島ファイヤーボンズはB2東地区のクラブとして、2025-26シーズンに大規模な刷新を行った。ライアン・マルシャンが新ヘッドコーチ(HC)に就任し、ゼネラルマネージャー(GM)には地元・福島市出身の渡邉拓馬が着任。主将は笠井康平渡邊翔太の2人体制となり、クラブ初のダブルキャプテン制を採用した。ホームアリーナの宝来屋ボンズアリーナ(郡山総合体育館)は2024年3月~2025年3月末の改修で観客席増設・床更新・4面大型ビジョン新設などの機能強化が完了。前季(2024-25)は15勝45敗(東7位)と大きく負け越したが、スポンサー増と動員増で売上8.8億円規模(黒字)を確保し、事業基盤の改善を継続している。本稿は、ニュースの要点から歴史・戦術・統計・文化的文脈まで、百科スタイルで多角的に編集リライトしたものである。

ニュース概要

2025年10月に更新された情報によれば、福島ファイヤーボンズはB2東地区で新体制を正式発表した。
・ヘッドコーチ:ライアン・マルシャン
・ゼネラルマネージャー:渡邉拓馬
・キャプテン:笠井康平/渡邊翔太(2人体制)
・ホームアリーナ:宝来屋ボンズアリーナ(収容5,000、改修完了)
・スローガン:「やるっきゃない」
・前季成績:15勝45敗(2024-25、東7位)
・営業トピック:スポンサー数増、売上8億円超、2期連続黒字
2024-25は郡山総合体育館の改修に伴い須賀川・あづま・いわき・田村など県内各地でホームゲームを開催。2025-26は改修後の本拠へ段階的に回帰し、観戦体験の品質を引き上げながら順位浮上を狙う方針である。

背景と歴史的文脈

クラブの起源は2013年。東日本大震災以後、屋外活動が制限された子どもたちの運動機会を確保するバスケット教室が母体となり、同年5月にチームが発足した。名称のFirebondsは「燃える闘志(Fire)」と「絆(Bonds)」の造語。チームカラーのフクシャパープルは福島の「福」に想起される幸福の色で、クラブ・地域の誇りを象徴する。

リーグ構造の変遷としては、bjリーグ参入(2014-16)を経てBリーグ創設に伴いB2へ。B2加入後は波があり、2017-18は38勝22敗(東2位)で上位入り、2021-22は34勝18敗(東3位)で初のB2プレーオフ進出。一方で、2023-24:24勝36敗(東5位)2024-25:15勝45敗(東7位)と直近は停滞。クラブは中長期の再建に向け、コーチング・編成・施設の三位一体改善を打ち出している。

アリーナについては、Bリーグの基準が段階的に高度化される中で、本拠の郡山総合体育館(呼称:宝来屋ボンズアリーナ)をB1水準を見据えた改修へ。2024年3月~2025年3月末の工期で観客席の増設、フロア更新、4面大型ビジョンの導入などを行い、試合演出と快適性を改善。改修期間中は県内各地で分散開催を実施し、地域接点を広げた。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターは大規模刷新で、笠井康平(PG)を除く選手はほぼ新加入。主な顔ぶれは以下の通り。

  • パトリック・ガードナー(C、213cm、1999年生):サイズとソフトタッチが融合。PnRのロール、ショートロールからのミドル、ポストでの自作自演まで対応。守備では長身を活かしたリムプロテクトを担う。
  • ケニー・マニゴールト(G/F、196cm、1991年生):ドライブの破壊力とリバウンド強度が魅力。ディフレクション創出、トランジションの推進力にも期待。
  • 笠井康平(PG、主将):ゲームマネジメント、終盤の意思決定、アドバンスドエントリーの精度でチームの軸。
  • 渡邊翔太(PG、主将):2ndユニットの統率とボールプレッシャー。ダブルキャプテン制の下でロッカールームの安定化に寄与。
  • ジュフ・伴馬(PF):スイッチ適性のあるフォワード。DREB確保とスクリーン後のショートロールで貢献。
  • 中野司/新川敬大(G):アウトサイドの間引き(スペーシング確保)とキックアウト対応のキャッチ&シュートを担う。
  • 大久保友貴(PG)・小川翔矢(G):テンポアップの「点火役」。ラインナップの多様性を作る。

スタッフは、ライアン・マルシャンHCの下に、マーク・コッポラ輪島射矢らが布陣。トレーナー部門は竹尾宗一郎が統括し、シーズンを通じた健康管理・負荷コントロールを重視する。

試合・出来事の詳細

2024-25は郡山本拠の改修に伴い、須賀川16、あづま8、いわき2、田村2など分散開催の負荷が大きかった。戦績は15勝45敗。相手のセカンドチャンスを抑え切れず、接戦の終盤でのターンオーバーとファウルマネジメントが勝率を下押しした。一方で、ホームタウン各地との接点が増し、スポンサーは500社超に到達する年もあり、観客数は過去最高水準を記録。事業基盤はむしろ強化された。

2025-26は宝来屋ボンズアリーナへ順次回帰し、4面ビジョンも活用した演出強化で「ホーム勝率の上振れ」を狙う。新ユニフォームは2024-25に導入されたピンストライプの流れを汲むデザインで、FUUPがサプライヤー。福島民報社/ニラクら地元企業がユニフォームスポンサーとして名を連ね、地域密着性は濃い。

戦術・技術・スタイル分析

マルシャンHCのタスクは、守備の再現性を上げることに尽きる。想定するKPIは以下。

  • DREB%:+2.0ポイント(セカンドチャンス抑制)
  • クラッチ時TOV%:-2.0ポイント(終盤の意思決定安定化)
  • FT Rate(被):-0.02(不要ファウル削減)
  • ホーム勝率:.600以上(演出強化と審判傾向の相乗効果)

オフェンスは、PnR→ショートロール→45度キックアウトを定型化し、ガードナーの「ハイポスト起点」、マニゴールトの「ペイント侵入」で二段攻撃。スタッガード→フレア→スリップの連続アクションを用いて、相手のタグを遅らせる。BLOB/SLOB(スローイン)ではバックドアの比率を上げ、1ポゼッションゲームの勝ち切り率を底上げする。

5人制の文脈では、ペース管理とハーフコートの効率が鍵。3×3的なアイソ誘導は限定し、アドバンテージの連鎖でタフ2とフリースローを稼ぐ。守備はICEDropを基調に、相手のエースに対してはShow→Recoverの可変、終盤はSwitch-1のミックスでトリガーを切る想定だ。

ファン・メディア・SNSの反応

県内メディアは「アリーナ改修完了」「営業面の黒字回復」を継続的に取り上げ、“事業は上向き、競技は反転待ち”という共通した論調。SNS上では、ピンストライプの新ユニフォームや4面ビジョン演出に対する期待が高く、「ホームに帰ってくる実感」を歓迎する投稿が散見される。地元スポーツ文化の文脈では、Jリーグ/独立リーグ野球との横断的な地域応援スタイルが定着し、フクシャパープルは地域ブランディングの視覚的ハブとして機能している。

データ・記録・統計情報

  • B2リーグ 過去主要戦績
    2016-17:30勝30敗(東3位)/PO未進出
    2017-18:38勝22敗(東2位)/上位定着
    2018-19:27勝33敗(東4位)
    2019-20:16勝31敗(打切)
    2020-21:27勝31敗(東6位)
    2021-22:34勝18敗(東3位)/初のPO進出(QF敗退)
    2022-23:28勝32敗(東4位)/QF敗退
    2023-24:24勝36敗(東5位)
    2024-25:15勝45敗(東7位)
  • アリーナ・開催
    2024-25:須賀川16・あづま8・いわき2・田村2(改修対応)
    2025-26:宝来屋ボンズアリーナへ段階回帰、収容5,000・4面ビジョン・床更新
  • 事業指標
    スポンサー数500社規模の年もあり、2023-24:売上8.1億円・黒字2024-25:8.8億円・黒字。動員は増勢。

リーグ全体への影響と比較分析

B2でPO圏に復帰するクラブは、守備効率(DefRtg)・ターンオーバー管理(TOV%)・ホーム勝率の3条件を満たす傾向が強い。リーグ中央値比でDefRtgを-2~-4、クラッチのTOV%を1桁後半に抑え、ホーム.650前後を達成すれば、レギュラーシーズンの勝ち星は自ずと伸びる。福島はアリーナ演出強化によりFT Rate(自)を押し上げられる可能性があり、接戦の笛で優位を取りやすくなる。また、GM主導でシーズン中の微調整(外国籍の役割最適化、アジア枠・帰化選手の相互補完、2ndユニットのライン構成見直し)を躊躇しないチームは、終盤に勝率が伸びやすい。

過去の上位クラブと比較すると、福島が取り戻すべきは「ホームの地力」「終盤の定型化」である。宝来屋ボンズアリーナの回帰は「地力」再構築の土台になり、BLOB/SLOB効率の改善は「定型化」の最短経路。守備のDREB%と被FT Rateの改善は、最小投資で最大効果を見込みやすい“地味な2指標”だ。

今後の展望とまとめ

短期(前半戦)のターゲットKPIは、DREB%:+2pt/クラッチTOV%:-2pt/ホーム勝率:.600以上。中期(終盤)でBLOB/SLOBの生産性を底上げし、1ポゼッション差ゲームを拾う設計に転じる。ロスターではガードナーの健康管理と、マニゴールトのファウルマネジメントが鍵。ラインナップの守備相性を踏まえ、Switch-1多用時のミスマッチ救済(早いハードダブル→ローテの整列)をテンプレ化したい。

事業面は「4面ビジョン×照明演出×音響」で体験価値を引き上げ、客単価×稼働率を同時に押し上げる局面。分散開催で得た県内接点は、郡山回帰後の送客物販の回転率改善に生かせる。地域との「Bonds(絆)」という原点に立ち返り、福島ファイヤーボンズB2リーグで競技・事業の両輪を噛み合わせられるか――それが2025-26の焦点だ。

主要キーワード再掲: 福島ファイヤーボンズ/B2リーグ/宝来屋ボンズアリーナ/ライアン・マルシャン/郡山総合体育館。
最後に、読者への呼びかけを添える。この記事が有用だと感じたら、共有し、次のホームゲーム情報を周囲に伝えてほしい。アリーナでの一体感こそが、クラブの勝率と地域の熱量を同時に押し上げる最大の推進力になる。

【Bリーグ/パスラボ山形ワイヴァンズ】現在地と再起動ロードマップ:B2リーグで勝つための戦術・歴史・データ総覧

本稿はパスラボ山形ワイヴァンズをめぐる最新の状況を「ニュース×歴史×戦術×統計」の視点で再構成した編集型リライトである。キーワードであるパスラボ山形ワイヴァンズ/B2リーグ/東地区を要所に配置し、速報を“百科化”して長期的に読まれる知識資産へと転換する。

ニュース概要

2025-26シーズン、B2リーグ東地区パスラボ山形ワイヴァンズは、昨季(2024-25)の24勝36敗(勝率.400)・東5位・全体11位からの再浮上を志向する。指揮は石川裕一ヘッドコーチが3季目に入り継続。ホームは引き続き山形県天童市・山形県総合運動公園総合体育館を軸に、山形市総合スポーツセンター体育館、南陽市民体育館、上山市の三友エンジニア体育文化センターなど県内複数会場での開催歴を持つ。ロスターはシャキール・ドアソン(C)ジェームズ・ベル(SF)ノア・ウォーターマン(F)らサイズとレンジを兼備した布陣に、村上慎也(PG)白戸大聖(SG)ら既存コアを組み合わせる構図だ。

背景と歴史的文脈

クラブのルーツは、栃木ブレックスの下部組織「TGI D-RISE」に遡る。2013年にNBDL参入が承認され、株式会社パスラボの設立(同年)を経て、2014-16のNBDL期にはロゴを東北芸術工科大学の学生チーム「ASSIST」が制作するなど、地域由来のブランディングを積み上げてきた。2016年、国内トップリーグの統合によりB.LEAGUEが発足。山形はB2東地区参入となり、当初ホームだった山形市から収容規模要件(B1昇格を見据えた5,000人級)を満たすべく、天童市の山形県総合運動公園総合体育館へ主会場をシフトした。

競技面では、2019-20に成績不振で最下位(8勝39敗)、2020-21は東西2地区制の下で31勝29敗(東5位)と勝ち越し、クラブ史上初のプレーオフ進出(QF敗退)を達成。2023-2410連勝を含む31勝29敗(東3位・全体6位)でPO到達も、2024-2524勝36敗(東5位)と後退した。制度面では、B1/B2ライセンス要件(アリーナ、財務、ユース、地域連携等)がクラブ運営の羅針盤になっており、山形は興行・育成・成績の三方向で積み上げが続く段階にある。

選手・チームのプロフィール

2025-26開幕時点ロスター(抜粋)は以下の通り。

  • シャキール・ドアソン(C/213cm):リムプロテクトとポストプレーが主武器。サイズでペイントに存在感。
  • ジェームズ・ベル(SF/196cm):ウィングからのショットクリエイトとキャッチ&シュート。終盤の得点源候補。
  • ノア・ウォーターマン(F/211cm):ストレッチ力。ハイポップからの3Pとドライブでスペースを広げる。
  • 村上慎也(PG)中田嵩基(PG):テンポ管理とP&R起点。ゲームメイクの安定がチーム効率を左右。
  • 白戸大聖(SG):3&Dロール。POA(Point of Attack)でのボール圧とコーナー3の両立。
  • 広瀬翔一(C/201cm):スクリーン&リムラン、フィジカルコンタクトでセカンドユニットの核。
  • 佐藤巧(SF/195cm):サイズのある日本人ウィング。守備ローテの要として伸長が期待。

クラブアイデンティティはウェイクンバイオレットと、愛称ワイヴァンズ(ワイバーンに由来)。マスコットはヴァンゴー(背番号850)。運営は株式会社パスラボで、ホームタウンは2016年に山形市から天童市へ公式に移行した。地域全体を活動圏とし、複数市町の体育館で開催実績を持つ“分散型ホーム”の色合いも強い。

試合・出来事の詳細

直近2季の推移を俯瞰する。

シーズン 成績 地区順位 特記事項
2023-24 31勝29敗 東3位 クラブ新の10連勝、PO進出(3位決定戦でA千葉に連敗)
2024-25 24勝36敗 東5位 クラッチでのTO増、3P量の揺らぎ、守備効率が伸び悩み

2024-25のゲーム像は、守備は一定に保ちつつ、ハーフコートのショット品質が安定しないという課題が顕著だった。終盤のクラッチではスイッチ対応に遅れ、ショットクロック残10秒以降のタフショット比率が上昇。3Pアテンプト(量)の揺らぎがeFG%の変動を増幅し、接戦勝率を押し下げた。一方、中盤に見られた2ndユニットのハードショウ→ローテーション完遂や、トランジション3(特に右45度とコーナー)の成功例には、改善の種が残る。

戦術・技術・スタイル分析

(1)ハーフコート・オフェンス:山形はP&Rを軸に、ショートロールの配球ハイポップの射程を織り交ぜたい。具体的には、ドアソンのディープダイブを囮に、ウォーターマンの5-Out気味の間取り(ハイポップ)弱サイドのスタントを誘発。45度のスタント対策として、「45カット→コーナーフィル」のルール化を徹底すると、コーナー3とペイントアタックの選択肢が増える。終盤のATO(タイムアウト後セット)では、Horns→Spain PnRIversonカット→サイドPnRの2本柱を固定し、意思決定の属人性を減らすのが定石。

(2)ディフェンス:ベースはDropとICEの併用でリム保護を優先。相手のハンドラー資質に応じ、ウィングのトップロック→トレイル誘導中へのドライブ線を外へ逃がす。コーナータグの距離を短く保ち、ロータグ→Xアウトの2手目を省エネ化すると、ファウルとヘルプ距離の両面で効率が上がる。セカンドユニットのスイッチ切替(1-4スイッチ、5番はDrop継続)は、ミスマッチ対応のリスク管理として有効。

(3)リバウンドとトランジション:ORB%の過剰追求はトランジションDを破綻させやすい。2人まで突っ込む/3人は即時帰陣の原則で、相手のアーリーオフェンスを抑制。奪ったら0-7秒ルールで早い判断のショットを容認し、3PAr(3P試投比率)を底上げする。

ファン・メディア・SNSの反応

クラブ新の10連勝を記録した2023-24には、県内メディアの露出増とSNS流通の加速が顕著だった。「天童の熱量」「地方からB2を変える」といった文脈で共有が進み、ホームの一体感がクラッチ局面の後押しとなった一方、2024-25の不振局面では「終盤の設計」「3Pの量と質」に議論が集中。建設的な指摘(ラインナップ最適化、若手の守備ルール適用)が多く、ファンベースの成熟がうかがえる。

データ・記録・統計情報

公式発表のシーズン勝敗と順位から、近年のトレンドを要約する。

  • 2019-20:8勝39敗(東6位)—最下位で苦戦。
  • 2020-21:31勝29敗(東5位・全体8位)—初のPO(QF敗退)。
  • 2021-22:19勝33敗(東5位)。
  • 2022-23:26勝34敗(東6位)。
  • 2023-24:31勝29敗(東3位・全体6位)—10連勝でPO進出。
  • 2024-25:24勝36敗(東5位・全体11位)。

ホーム会場の分散開催は、山形県総合運動公園総合体育館(天童)を軸に、山形市総合スポーツセンター体育館南陽市民体育館上山市(三友エンジニア体育文化センター)などで実績がある。B1昇格要件に直結するのは平均入場者数・施設基準・財務健全性等で、成績面と両輪での強化が続く。

リーグ全体への影響と比較分析

B2リーグ東地区の上位チームは、概して3Pアテンプトの安定供給・リム保護の一貫性・セカンドユニットのKPI管理(TO%、ORB%、3PAr)を押さえている。山形はサイズ(ドアソン、ウォーターマン)×レンジ(ウォーターマン、白戸)×ハンドル(村上、中田)の資源を持ち、「資源はある、設計次第」というフェーズに入った。過去類例として、B2でハーフコート設計を固定し、3PArを中位以上へ引き上げたクラブは、接戦勝率の反転とともにPO圏へ復帰する傾向が強い。山形が同軌道に乗るためには、終盤の固定セット(Spain/Iverson)守備のルール明確化(ICE/Dropのスカウティング適用)が不可欠だ。

今後の展望とまとめ

2025-26のパスラボ山形ワイヴァンズは、(A)3Pボリュームの安定化、(B)クラッチ設計の固定化、(C)セカンドユニットのKPI管理で勝ち筋を太くできる。戦術的には、5-Out寄りの間取りショートロール→角チェン→コーナー生成を徹底し、守備はリム保護とXアウトの省エネ化でファウルと失点効率を抑える。興行・育成・財務の三層強化は、B1ライセンス回復・昇格を見据えた土台作りとして引き続き重要だ。

キーワード「パスラボ山形ワイヴァンズ」「B2リーグ」「東地区」の文脈で、本稿が示したのは“資源から再現性へ”の道筋である。読者のみなさんの視点(戦術提案、若手起用の意見、会場体験のレポート)をぜひ共有してほしい。#山形ワイヴァンズのタグで議論を広げ、次の1ポゼッションの質を、地域の知恵で底上げしていこう。

【Bリーグ/岩手ビッグブルズ】復興の象徴からB2再挑戦へ──盛岡発・地域密着クラブの軌跡と現在地

ニュース概要

岩手県盛岡市を拠点とするプロバスケットボールクラブ「岩手ビッグブルズ」は、2025–26シーズンよりB2東地区での戦いに再び挑む。
2010年に設立された同クラブは、bjリーグ参入から15年の節目を迎え、地域とともに歩む姿勢を貫いてきた。
2024–25シーズンにはB3リーグで37勝15敗と安定した成績を残し、プレーオフ3位決定戦に勝利して1年でB2昇格を果たした。
今季は「ONE GO WITH US」をスローガンに掲げ、再び上位進出を目指している。

背景と歴史的文脈

岩手ビッグブルズの歩みは、震災からの復興とともに語られる。
2011年3月、東日本大震災の直後にbjリーグへの参入を正式決定した同クラブは、「復興のシンボル」として県民とともに歩み続けてきた。
創設初期は桶谷大ヘッドコーチのもとでチームが躍進し、2014–15シーズンには19連勝を記録。bjリーグ有明ファイナルズにも出場した。
B.LEAGUE発足後はB2からスタートするも、2017–18に成績不振でB3降格。しかし、その後も地域密着型の経営方針を貫き、2022–23シーズンにB3優勝・B2昇格を達成した。

選手・チームのプロフィール

チーム名「ビッグブルズ」は、本州最大の県土「BIG」と、県の象徴でもある牛「BULL」を組み合わせた造語。
カラーは「ブルズレッド(情熱)」「アイアンマリンブルー(南部鉄器と三陸の海)」「ヘリテイジゴールド(世界遺産・平泉)」の3色で構成される。
ホームアリーナは盛岡タカヤアリーナ(収容5,058人)。練習拠点として2021年に「矢巾町岩手ビッグブルズアリーナ」も整備された。
運営会社は株式会社岩手ビッグブルズ(代表取締役:水野哲志)。2025–26シーズンのヘッドコーチは鈴木裕紀が務め、吉田優麿・山宮厳己がアシスタントを務める。

試合・出来事の詳細

2024–25シーズン、ビッグブルズはB3リーグで攻守のバランスを高め、シーズン通算37勝をマーク。
特に外国籍選手クレイ・マウンスの存在感は圧倒的で、得点・リバウンド・スティールすべてでチームを牽引。
最終節の新潟戦(2025年5月19日)ではクラブ史上最多となる4,255人の観客が詰めかけ、B2復帰を決定づける勝利を挙げた。
シーズン中には「Red Charm(公式チア)」や「ぶるぞー(マスコット)」のパフォーマンスも好評で、盛岡全体が熱狂の渦に包まれた。

戦術・技術・スタイル分析

鈴木裕紀HCは「堅守速攻」を基本哲学とし、プレッシングディフェンスから速い展開に持ち込む3ガードシステムを導入。
特にトランジションの徹底とローテーションディフェンスの完成度がB3では突出していた。
また、センター後藤翔平とフォワードのノア・ガーリーを中心に、ピック&ロールを軸にしたセットオフェンスを多用。
一方で課題は3P成功率の安定性とセカンドユニットの得点力であり、B2上位進出にはさらなる攻撃オプションの拡充が求められる。

ファン・メディア・SNSの反応

地元メディアでは「ブルズの快進撃」「盛岡に再び熱狂が戻った」と報じられ、SNSでもファンが#GoBullsや#RedCharmで投稿を拡散。
盛岡タカヤアリーナには家族連れの観客が増加し、チームは「地域共創型エンタメ」としての価値を確立しつつある。
また、音楽演出では盛岡出身バンドSBEが手掛ける「BRAVE IT OUT」が恒例テーマソングとして定着している。

データ・記録・統計情報

岩手ビッグブルズの主要記録は以下の通り。

  • 1試合最多得点:111(2012/12/8 vs埼玉)
  • 1試合最少失点:45(2025/2/9 vs金沢)
  • 最多連勝:19(2014–15)
  • 最多連敗:24(2017–18)
  • 日本人選手最多得点:46(青木龍史、2021/3/21 vs静岡)

さらに、過去の個人表彰では以下の実績を残す。

  • 2022–23 年間MVP:クリスチャン・ドゥーリトル
  • 2023–24 スティール王:ケルヴィン・マーティン
  • 2024–25 ベスト5・スティール王:クレイ・マウンス

リーグ全体への影響と比較分析

B.LEAGUEにおける岩手の存在は、地域密着型クラブのモデルケースとして注目されている。
bjリーグ時代から「地方都市でもプロクラブは成立する」という理念を体現してきた。
他地域のクラブ、たとえば秋田ノーザンハピネッツや青森ワッツと比較しても、地域貢献活動の密度は群を抜く。
震災後から継続する被災地訪問や「そなえてバスケ」などの防災教育プログラムは、全国のクラブにも波及している。
その姿勢は「勝利」と「社会的意義」を両立するクラブ運営の理想形といえる。

今後の展望とまとめ

2025–26シーズンの岩手ビッグブルズは、B2残留と上位進出を同時に狙う。
中心選手のマウンス、関屋心、後藤翔平らを軸に、堅実な守備とスピードバスケで挑戦を続ける見込みだ。
また、チーム創設15周年を迎える今年、クラブは「地域との共創」「子どもたちへの教育支援」「スポーツ×防災」の3本柱を強化すると発表。
盛岡をはじめとする岩手全体が、再び「ブルズ・レッド」に染まるシーズンとなりそうだ。
今後もB.LEAGUE全体の中で、地方都市から全国を盛り上げる存在として注目が集まる。