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【Bリーグ/パスラボ山形ワイヴァンズ】現在地と再起動ロードマップ:B2リーグで勝つための戦術・歴史・データ総覧

本稿はパスラボ山形ワイヴァンズをめぐる最新の状況を「ニュース×歴史×戦術×統計」の視点で再構成した編集型リライトである。キーワードであるパスラボ山形ワイヴァンズ/B2リーグ/東地区を要所に配置し、速報を“百科化”して長期的に読まれる知識資産へと転換する。

ニュース概要

2025-26シーズン、B2リーグ東地区パスラボ山形ワイヴァンズは、昨季(2024-25)の24勝36敗(勝率.400)・東5位・全体11位からの再浮上を志向する。指揮は石川裕一ヘッドコーチが3季目に入り継続。ホームは引き続き山形県天童市・山形県総合運動公園総合体育館を軸に、山形市総合スポーツセンター体育館、南陽市民体育館、上山市の三友エンジニア体育文化センターなど県内複数会場での開催歴を持つ。ロスターはシャキール・ドアソン(C)ジェームズ・ベル(SF)ノア・ウォーターマン(F)らサイズとレンジを兼備した布陣に、村上慎也(PG)白戸大聖(SG)ら既存コアを組み合わせる構図だ。

背景と歴史的文脈

クラブのルーツは、栃木ブレックスの下部組織「TGI D-RISE」に遡る。2013年にNBDL参入が承認され、株式会社パスラボの設立(同年)を経て、2014-16のNBDL期にはロゴを東北芸術工科大学の学生チーム「ASSIST」が制作するなど、地域由来のブランディングを積み上げてきた。2016年、国内トップリーグの統合によりB.LEAGUEが発足。山形はB2東地区参入となり、当初ホームだった山形市から収容規模要件(B1昇格を見据えた5,000人級)を満たすべく、天童市の山形県総合運動公園総合体育館へ主会場をシフトした。

競技面では、2019-20に成績不振で最下位(8勝39敗)、2020-21は東西2地区制の下で31勝29敗(東5位)と勝ち越し、クラブ史上初のプレーオフ進出(QF敗退)を達成。2023-2410連勝を含む31勝29敗(東3位・全体6位)でPO到達も、2024-2524勝36敗(東5位)と後退した。制度面では、B1/B2ライセンス要件(アリーナ、財務、ユース、地域連携等)がクラブ運営の羅針盤になっており、山形は興行・育成・成績の三方向で積み上げが続く段階にある。

選手・チームのプロフィール

2025-26開幕時点ロスター(抜粋)は以下の通り。

  • シャキール・ドアソン(C/213cm):リムプロテクトとポストプレーが主武器。サイズでペイントに存在感。
  • ジェームズ・ベル(SF/196cm):ウィングからのショットクリエイトとキャッチ&シュート。終盤の得点源候補。
  • ノア・ウォーターマン(F/211cm):ストレッチ力。ハイポップからの3Pとドライブでスペースを広げる。
  • 村上慎也(PG)中田嵩基(PG):テンポ管理とP&R起点。ゲームメイクの安定がチーム効率を左右。
  • 白戸大聖(SG):3&Dロール。POA(Point of Attack)でのボール圧とコーナー3の両立。
  • 広瀬翔一(C/201cm):スクリーン&リムラン、フィジカルコンタクトでセカンドユニットの核。
  • 佐藤巧(SF/195cm):サイズのある日本人ウィング。守備ローテの要として伸長が期待。

クラブアイデンティティはウェイクンバイオレットと、愛称ワイヴァンズ(ワイバーンに由来)。マスコットはヴァンゴー(背番号850)。運営は株式会社パスラボで、ホームタウンは2016年に山形市から天童市へ公式に移行した。地域全体を活動圏とし、複数市町の体育館で開催実績を持つ“分散型ホーム”の色合いも強い。

試合・出来事の詳細

直近2季の推移を俯瞰する。

シーズン 成績 地区順位 特記事項
2023-24 31勝29敗 東3位 クラブ新の10連勝、PO進出(3位決定戦でA千葉に連敗)
2024-25 24勝36敗 東5位 クラッチでのTO増、3P量の揺らぎ、守備効率が伸び悩み

2024-25のゲーム像は、守備は一定に保ちつつ、ハーフコートのショット品質が安定しないという課題が顕著だった。終盤のクラッチではスイッチ対応に遅れ、ショットクロック残10秒以降のタフショット比率が上昇。3Pアテンプト(量)の揺らぎがeFG%の変動を増幅し、接戦勝率を押し下げた。一方、中盤に見られた2ndユニットのハードショウ→ローテーション完遂や、トランジション3(特に右45度とコーナー)の成功例には、改善の種が残る。

戦術・技術・スタイル分析

(1)ハーフコート・オフェンス:山形はP&Rを軸に、ショートロールの配球ハイポップの射程を織り交ぜたい。具体的には、ドアソンのディープダイブを囮に、ウォーターマンの5-Out気味の間取り(ハイポップ)弱サイドのスタントを誘発。45度のスタント対策として、「45カット→コーナーフィル」のルール化を徹底すると、コーナー3とペイントアタックの選択肢が増える。終盤のATO(タイムアウト後セット)では、Horns→Spain PnRIversonカット→サイドPnRの2本柱を固定し、意思決定の属人性を減らすのが定石。

(2)ディフェンス:ベースはDropとICEの併用でリム保護を優先。相手のハンドラー資質に応じ、ウィングのトップロック→トレイル誘導中へのドライブ線を外へ逃がす。コーナータグの距離を短く保ち、ロータグ→Xアウトの2手目を省エネ化すると、ファウルとヘルプ距離の両面で効率が上がる。セカンドユニットのスイッチ切替(1-4スイッチ、5番はDrop継続)は、ミスマッチ対応のリスク管理として有効。

(3)リバウンドとトランジション:ORB%の過剰追求はトランジションDを破綻させやすい。2人まで突っ込む/3人は即時帰陣の原則で、相手のアーリーオフェンスを抑制。奪ったら0-7秒ルールで早い判断のショットを容認し、3PAr(3P試投比率)を底上げする。

ファン・メディア・SNSの反応

クラブ新の10連勝を記録した2023-24には、県内メディアの露出増とSNS流通の加速が顕著だった。「天童の熱量」「地方からB2を変える」といった文脈で共有が進み、ホームの一体感がクラッチ局面の後押しとなった一方、2024-25の不振局面では「終盤の設計」「3Pの量と質」に議論が集中。建設的な指摘(ラインナップ最適化、若手の守備ルール適用)が多く、ファンベースの成熟がうかがえる。

データ・記録・統計情報

公式発表のシーズン勝敗と順位から、近年のトレンドを要約する。

  • 2019-20:8勝39敗(東6位)—最下位で苦戦。
  • 2020-21:31勝29敗(東5位・全体8位)—初のPO(QF敗退)。
  • 2021-22:19勝33敗(東5位)。
  • 2022-23:26勝34敗(東6位)。
  • 2023-24:31勝29敗(東3位・全体6位)—10連勝でPO進出。
  • 2024-25:24勝36敗(東5位・全体11位)。

ホーム会場の分散開催は、山形県総合運動公園総合体育館(天童)を軸に、山形市総合スポーツセンター体育館南陽市民体育館上山市(三友エンジニア体育文化センター)などで実績がある。B1昇格要件に直結するのは平均入場者数・施設基準・財務健全性等で、成績面と両輪での強化が続く。

リーグ全体への影響と比較分析

B2リーグ東地区の上位チームは、概して3Pアテンプトの安定供給・リム保護の一貫性・セカンドユニットのKPI管理(TO%、ORB%、3PAr)を押さえている。山形はサイズ(ドアソン、ウォーターマン)×レンジ(ウォーターマン、白戸)×ハンドル(村上、中田)の資源を持ち、「資源はある、設計次第」というフェーズに入った。過去類例として、B2でハーフコート設計を固定し、3PArを中位以上へ引き上げたクラブは、接戦勝率の反転とともにPO圏へ復帰する傾向が強い。山形が同軌道に乗るためには、終盤の固定セット(Spain/Iverson)守備のルール明確化(ICE/Dropのスカウティング適用)が不可欠だ。

今後の展望とまとめ

2025-26のパスラボ山形ワイヴァンズは、(A)3Pボリュームの安定化、(B)クラッチ設計の固定化、(C)セカンドユニットのKPI管理で勝ち筋を太くできる。戦術的には、5-Out寄りの間取りショートロール→角チェン→コーナー生成を徹底し、守備はリム保護とXアウトの省エネ化でファウルと失点効率を抑える。興行・育成・財務の三層強化は、B1ライセンス回復・昇格を見据えた土台作りとして引き続き重要だ。

キーワード「パスラボ山形ワイヴァンズ」「B2リーグ」「東地区」の文脈で、本稿が示したのは“資源から再現性へ”の道筋である。読者のみなさんの視点(戦術提案、若手起用の意見、会場体験のレポート)をぜひ共有してほしい。#山形ワイヴァンズのタグで議論を広げ、次の1ポゼッションの質を、地域の知恵で底上げしていこう。

【Bリーグ/岩手ビッグブルズ】復興の象徴からB2再挑戦へ──盛岡発・地域密着クラブの軌跡と現在地

ニュース概要

岩手県盛岡市を拠点とするプロバスケットボールクラブ「岩手ビッグブルズ」は、2025–26シーズンよりB2東地区での戦いに再び挑む。
2010年に設立された同クラブは、bjリーグ参入から15年の節目を迎え、地域とともに歩む姿勢を貫いてきた。
2024–25シーズンにはB3リーグで37勝15敗と安定した成績を残し、プレーオフ3位決定戦に勝利して1年でB2昇格を果たした。
今季は「ONE GO WITH US」をスローガンに掲げ、再び上位進出を目指している。

背景と歴史的文脈

岩手ビッグブルズの歩みは、震災からの復興とともに語られる。
2011年3月、東日本大震災の直後にbjリーグへの参入を正式決定した同クラブは、「復興のシンボル」として県民とともに歩み続けてきた。
創設初期は桶谷大ヘッドコーチのもとでチームが躍進し、2014–15シーズンには19連勝を記録。bjリーグ有明ファイナルズにも出場した。
B.LEAGUE発足後はB2からスタートするも、2017–18に成績不振でB3降格。しかし、その後も地域密着型の経営方針を貫き、2022–23シーズンにB3優勝・B2昇格を達成した。

選手・チームのプロフィール

チーム名「ビッグブルズ」は、本州最大の県土「BIG」と、県の象徴でもある牛「BULL」を組み合わせた造語。
カラーは「ブルズレッド(情熱)」「アイアンマリンブルー(南部鉄器と三陸の海)」「ヘリテイジゴールド(世界遺産・平泉)」の3色で構成される。
ホームアリーナは盛岡タカヤアリーナ(収容5,058人)。練習拠点として2021年に「矢巾町岩手ビッグブルズアリーナ」も整備された。
運営会社は株式会社岩手ビッグブルズ(代表取締役:水野哲志)。2025–26シーズンのヘッドコーチは鈴木裕紀が務め、吉田優麿・山宮厳己がアシスタントを務める。

試合・出来事の詳細

2024–25シーズン、ビッグブルズはB3リーグで攻守のバランスを高め、シーズン通算37勝をマーク。
特に外国籍選手クレイ・マウンスの存在感は圧倒的で、得点・リバウンド・スティールすべてでチームを牽引。
最終節の新潟戦(2025年5月19日)ではクラブ史上最多となる4,255人の観客が詰めかけ、B2復帰を決定づける勝利を挙げた。
シーズン中には「Red Charm(公式チア)」や「ぶるぞー(マスコット)」のパフォーマンスも好評で、盛岡全体が熱狂の渦に包まれた。

戦術・技術・スタイル分析

鈴木裕紀HCは「堅守速攻」を基本哲学とし、プレッシングディフェンスから速い展開に持ち込む3ガードシステムを導入。
特にトランジションの徹底とローテーションディフェンスの完成度がB3では突出していた。
また、センター後藤翔平とフォワードのノア・ガーリーを中心に、ピック&ロールを軸にしたセットオフェンスを多用。
一方で課題は3P成功率の安定性とセカンドユニットの得点力であり、B2上位進出にはさらなる攻撃オプションの拡充が求められる。

ファン・メディア・SNSの反応

地元メディアでは「ブルズの快進撃」「盛岡に再び熱狂が戻った」と報じられ、SNSでもファンが#GoBullsや#RedCharmで投稿を拡散。
盛岡タカヤアリーナには家族連れの観客が増加し、チームは「地域共創型エンタメ」としての価値を確立しつつある。
また、音楽演出では盛岡出身バンドSBEが手掛ける「BRAVE IT OUT」が恒例テーマソングとして定着している。

データ・記録・統計情報

岩手ビッグブルズの主要記録は以下の通り。

  • 1試合最多得点:111(2012/12/8 vs埼玉)
  • 1試合最少失点:45(2025/2/9 vs金沢)
  • 最多連勝:19(2014–15)
  • 最多連敗:24(2017–18)
  • 日本人選手最多得点:46(青木龍史、2021/3/21 vs静岡)

さらに、過去の個人表彰では以下の実績を残す。

  • 2022–23 年間MVP:クリスチャン・ドゥーリトル
  • 2023–24 スティール王:ケルヴィン・マーティン
  • 2024–25 ベスト5・スティール王:クレイ・マウンス

リーグ全体への影響と比較分析

B.LEAGUEにおける岩手の存在は、地域密着型クラブのモデルケースとして注目されている。
bjリーグ時代から「地方都市でもプロクラブは成立する」という理念を体現してきた。
他地域のクラブ、たとえば秋田ノーザンハピネッツや青森ワッツと比較しても、地域貢献活動の密度は群を抜く。
震災後から継続する被災地訪問や「そなえてバスケ」などの防災教育プログラムは、全国のクラブにも波及している。
その姿勢は「勝利」と「社会的意義」を両立するクラブ運営の理想形といえる。

今後の展望とまとめ

2025–26シーズンの岩手ビッグブルズは、B2残留と上位進出を同時に狙う。
中心選手のマウンス、関屋心、後藤翔平らを軸に、堅実な守備とスピードバスケで挑戦を続ける見込みだ。
また、チーム創設15周年を迎える今年、クラブは「地域との共創」「子どもたちへの教育支援」「スポーツ×防災」の3本柱を強化すると発表。
盛岡をはじめとする岩手全体が、再び「ブルズ・レッド」に染まるシーズンとなりそうだ。
今後もB.LEAGUE全体の中で、地方都市から全国を盛り上げる存在として注目が集まる。

【Bリーグ/青森ワッツ】再起の道:B2残留と経営刷新、ロスター再構築までを徹底分析

本稿は青森ワッツの最新動向を「ニュース+歴史+統計+戦術」の観点から編集再構成したロングフォーム解説である。キーワード青森ワッツを冒頭に明示し、2023-24から2025-26に至る経営と競技の両面の変化、B2リーグ東地区での立ち位置、ロスター刷新の意図、戦術的なアップデート、そして地域と文化の接点までを俯瞰する。速報を百科化し、検索と保存に耐える知識資産として読めることを目指す。

ニュース概要

2024年2月、経営参画を表明していた外部企業が破産手続に入り、クラブは債務超過と資金繰りの不安を公表。シーズン中の活動停止の懸念すら浮上した。しかし2024年4月23日、資産管理会社グループ(メルコグループ)が新オーナー企業となり資金を投入。これによりB2ライセンスの交付が決定し、継続参戦が確定した。競技面では2023-24に30勝30敗(東4位)で2季連続プレーオフに進んだが、2024-25は終盤に9連敗を含む失速で22勝38敗・東6位。2025-26は大島洋介HCが続投し、ラシャード・ケリー、マックス・ヒサタケ、鍵冨太雅らのコアを残しつつ、ティム・ダルガー、ワン ウェイジャ、ミサカボ・ベニ、浅井修伍、岡部雅大らを新加入させ、守備強度とウイングの多機能性を高める再設計に踏み切った。

背景と歴史的文脈

クラブは2012年創設。bjリーグ末期に参入準備が進み、2013-14から本格稼働。Bリーグ創設後はB2東地区に定着し、地域密着の旗印のもと、ホーム会場を青森市や八戸市など県内に広く展開してきた。マスコットクイッキー・デッチ、チアBlue Ringsは、ホームゲーム演出のみならず地域イベント出演やチア普及活動で地元との接点を広げている。

成績の推移を見ると、B2初年度(2016-17)は29勝31敗で東4位。2017-18~2021-22の間は低迷期が長く、特に2021-22は5勝47敗と苦しんだ。一方、2022-23は28勝32敗でワイルドカードからBリーグ発足後初のプレーオフ進出。2023-24は30勝30敗(東4位)で2季連続のポストシーズンに到達し、上昇基調を示した。

ただし、2023年夏の経営参画発表から2024年2月の破産開始決定まで、財務の不確実性が競技の足元を揺らした。最終

B2奈良が米国出身のビッグマン2名を獲得!ダラス&ブレイクフィールドが描く新シーズンの挑戦とは?

バンビシャス奈良が米国出身の実力派ビッグマンをダブル補強

B2リーグ所属のバンビシャス奈良が、2025-26シーズンに向けてチームのインサイドを強化すべく、2人のアメリカ出身ビッグマンを新たに迎え入れることを発表しました。ジョーダン・ダラス(28歳)とジェイミン・ブレイクフィールド(24歳)という、年齢・経歴ともに異なる二人の選手がどのように奈良の戦力として機能するかに注目が集まっています。

ジョーダン・ダラス:欧州で実績を積んだ208cmの万能ビッグマン

ジョーダン・ダラスは、シアトル大学出身で、身長208cm・体重108kgという恵まれた体格を持つパワーフォワード兼センターです。大学卒業後、ヨーロッパの中堅リーグでプロキャリアをスタートし、デンマークやチェコ、ドミニカ共和国など複数国を渡り歩きながら経験を積んできました。

特に2024-25シーズンに在籍したチェコリーグでは、1試合平均12.5得点、8.3リバウンド、1.1アシストという安定感あるスタッツを記録。リムプロテクターとしての能力に加え、攻守の切り替えにも強みを持っており、インサイドの起点として期待がかかります。

ヨーロッパでは語学習得や文化適応にも積極的に取り組み、チーム内のコミュニケーションを円滑にするタイプと知られており、奈良でもその人間性が活きると見られています。

ジェイミン・ブレイクフィールド:NCAAスイート16経験の新星フォワード

一方、24歳のジェイミン・ブレイクフィールドは、NCAAディビジョン1のミシシッピ大学でプレー。最終学年の2024-25シーズンには、36試合に出場して11.1得点、4.3リバウンド、1.8アシストを記録しました。チームをNCAAトーナメント「スイート16(ベスト16)」に導くなど、注目の活躍を見せた選手です。

203cm・103kgというサイズに加え、パワーとスキルを兼ね備えたモダンタイプのパワーフォワードであり、ペリメーターシュートにも長けています。Bリーグでのプレーは初めてとなるものの、大学での実戦経験は豊富で、即戦力としての期待が高まります。

チーム関係者によれば、ブレイクフィールドは「とにかくバスケに真面目で研究熱心」なタイプ。フィルムスタディを欠かさず、チームの戦術理解度の高さにも定評があり、プロ初年度ながら ゲームIQ の高さも大きな武器となりそうです。

本人コメント:日本での挑戦に対する意気込み

ジョーダン・ダラスは以下のようにコメントしています。

「バンビシャス奈良の一員になれることをとても嬉しく思います。日本についてはこれまでに良い評判をたくさん聞いてきましたし、そんな国でバスケットをプレーできることを誇りに思っています。この機会を与えてくれたクラブ関係者の皆さんに心から感謝します。チームメイト、そしてファンの皆さんに会える日を心待ちにしています」。

ジェイミン・ブレイクフィールドも初のプロ契約にあたり、次のようにコメントを寄せました。

「日本に来るのがずっと夢でした。その日本でプロキャリアをスタートできるなんて、まさに夢がかなった気分です。奈良という美しい街で、バスケットに全力を尽くし、最高のシーズンを送れるよう全力で挑みたいと思います」。

チーム構成と期待される役割

2024-25シーズン、バンビシャス奈良はB2西地区で中位に留まり、昇格プレーオフ進出を逃しました。その中で最も顕著な課題とされたのが、インサイドの層の薄さとフィジカル面での戦力差です。特にリバウンドやペイント内の得点で後手に回る場面が多く、試合の主導権を握れないことがありました。

今回のダラスとブレイクフィールドの加入により、高さと強さ、さらにはスキルを兼ね備えたビッグマン2名が加わることで、インサイドの厚みが飛躍的に増すことが見込まれています。ダラスにはディフェンスの要としてペイントエリアを守る役割が、ブレイクフィールドにはストレッチ4としての得点力とスペースメイクが期待されるでしょう。

地域密着 と 外国籍選手の融合 に挑む奈良の育成方針

バンビシャス奈良はBリーグ設立当初から 地域密着 を掲げて活動してきたクラブです。奈良県出身の選手育成、学校訪問やクリニックなど地道な普及活動にも力を入れており、外国籍選手に対しても積極的に地域文化への理解を促す施策を講じています。

チーム内の日本人選手には若手が多く、経験値に課題がある一方、今回のように国際経験が豊富な外国籍選手を招くことで、ロッカールーム内での学び合いやスキル共有が活性化することも狙いの一つです。とりわけブレイクフィールドのようなプロ1年目の選手が 地域と共に育つ 姿勢を見せることは、クラブ理念にも合致しています。

Bリーグにおける外国籍ビッグマン補強のトレンド

2025年夏、Bリーグ全体では外国籍ビッグマンの補強が活発に進められています。B1長崎ヴェルカはアキル・ミッチェルを獲得、B2神戸にはヨーリ・チャイルズが加入、B3立川にはLJ・ピークが移籍するなど、ポジション問わず 即戦力 外国籍選手を求める流れが加速しています。

その背景には、2026年に向けてBプレミア昇格を視野に入れた各クラブの競争力強化、さらにグローバル化が進む中での市場価値上昇への対応などがあります。バンビシャス奈良もその流れに乗る形で、戦力の底上げを急ピッチで進めている印象です。

今後の展望と奈良の挑戦

2025-26シーズンのB2リーグは、新設Bプレミアを見据えた正念場の年。各クラブとも昇格を目指す中で、バンビシャス奈良は「まずは地区上位確保」が至上命題となります。その鍵を握るのが、今回獲得した2人のビッグマン。彼らのフィット次第で、チームのプレースタイルは大きく変化する可能性があります。

奈良という土地が持つ独特の温かさと、選手たちのプロフェッショナリズムが融合することで、地元のファンとの絆もより強固になるでしょう。ダラスとブレイクフィールド、2人の新戦力はただの補強選手ではなく、クラブと地域の未来をつなぐ 象徴的な存在 となる可能性を秘めています。

ライジングゼファー福岡、4選手と契約継続を発表!主将・寒竹「福岡一丸で前に進む」

福岡が主力4選手との契約延長を発表、2025−26シーズンへ向け再始動

B2リーグ西地区に所属するライジングゼファー福岡は、2025年6月27日、4名の選手と来季に向けた契約を更新したと公式サイトで発表しました。契約継続が決定したのは、西川貴之、會田圭佑、村上駿斗、そしてキャプテンの寒竹隼人。福岡の基盤を支える中心メンバーが、引き続き同クラブでプレーを続けることになります。

ベテランから中堅まで、多彩な戦力が来季も健在

今回発表された4名はいずれも各ポジションで実績を残してきた選手たち。彼らの継続は、福岡にとって大きな戦力維持となります。

西川貴之:安定のスコアラーとして58試合連続先発


北海道出身で33歳となる西川貴之は、196cm・90kgのスモールフォワード。2014年にプロキャリアをスタートさせた彼は、レバンガ北海道、三河、三遠、茨城、佐賀、大阪と複数チームを渡り歩き、2024−25シーズンから福岡に加入しました。

初年度から全58試合に先発出場し、平均8.8得点・1.6リバウンド・2.3アシストを記録。アウトサイドシュートやディフェンスでの貢献も大きく、今季のチームに欠かせない存在となっていました。

會田圭佑:経験豊富なPGが全試合出場


30歳の會田圭佑は183cm・83kgのポイントガード。明治大学を経て2016−17シーズンに青森でプロデビュー後、三河、京都などでも活躍してきました。2023−24シーズンから福岡に加わり、全60試合に出場。平均4.1得点・1.3リバウンド・1.7アシストという安定した成績を残しました。

試合の流れを読み取る力と、終盤での勝負強さが光る會田は、来季も司令塔としてチームのリズムを作ることが期待されます。

村上駿斗:スラムダンク奨学生出身のマルチガード


山形県出身の村上駿斗は185cm・85kgのコンボガード。スラムダンク奨学生としてアメリカで研鑽を積み、プロ入り後は山形、広島、滋賀を経て2023−24シーズンに福岡へ復帰。今季は全60試合に出場し、平均3.2得点・1.2リバウンド・1.4アシストを記録しました。

冷静な判断力と堅実なプレーで、ベンチから試合の流れを変える存在として重要な役割を担ってきた村上。来季はさらに攻撃面での活躍も期待されています。

寒竹隼人:主将として精神的支柱に、地元福岡での挑戦継続


現在38歳の寒竹隼人は、福岡県出身のスモールフォワード(194cm・89kg)。2009年に拓殖大学からアルバルク東京(旧トヨタ自動車)でプロキャリアを開始。その後、島根、大阪、琉球、仙台などを渡り歩き、2023年に地元福岡へ加入しました。

キャプテンとして迎えた今季は58試合に出場し、平均2.7得点・0.7リバウンドをマーク。数字以上にロッカールームでの存在感やリーダーシップで、若手の模範となる立場としてチームを支えました。

4選手が語る「福岡への想い」と新シーズンへの意気込み

4人はそれぞれ、契約継続にあたりコメントを発表。クラブに対する感謝と、来季に懸ける意志を語っています。

  • 西川貴之:「応援してくださる皆さまの声援に結果で応えたい。来季こそ恩返しのシーズンに」
  • 會田圭佑:「今季の悔しさをバネに、成長した姿を見せられるよう努力を続けたい」
  • 村上駿斗:「再び福岡のコートに立てることをうれしく思います。熱い応援をお願いします」
  • 寒竹隼人:「『福岡一丸』の思いを胸に、皆と同じ方向を向いて戦い抜きたい」

チーム再建と未来に向けたキーパーソンたち

今回契約を更新した4名は、得点力、ゲームメイク、リーダーシップと、それぞれ異なる強みを持ち、福岡の成長に欠かせない存在です。2024−25シーズンはプレーオフ進出を逃した福岡ですが、主力の残留により土台は固まりました。

今後は補強戦略や若手育成も含めた全体設計が注目される中、ベテランと中堅選手が融合した福岡のチーム作りが、どこまで完成度を高めていけるか。2025−26シーズンに向けて、ライジングゼファー福岡の挑戦はすでに始まっています。