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神戸ストークス開幕4連勝!――プレミア昇格目前、改革と挑戦が生んだ“緑の革命”

神戸ストークス、開幕4連勝でB2制覇へ好発進

2024–25シーズン、B2リーグに新しい風を吹き込んでいるのが**神戸ストークス**だ。
10月4日の開幕戦から破竹の4連勝を飾り、来季からの「Bプレミア参入」を目前に控えたクラブとして理想的なスタートを切った。
新本拠地「**ジーライオンアリーナ神戸**」には2日間で延べ1万7,000人超の観客が詰めかけ、ウォーターフロントを緑一色に染め上げた。

川辺泰三ヘッドコーチ(HC)の就任、寺園脩斗や木村圭吾、八村阿蓮ら新戦力の加入など、オフシーズンに大きな変革を遂げたストークス。
その“再出発の物語”が、早くも形になり始めている。

大型改革の裏側――14人中9人が入れ替わった「覚悟の再構築」

前シーズン、後半の追い上げも及ばずプレーオフ進出を逃した神戸は、**チーム再編という荒療治**に踏み切った。
開業直後のアリーナで戦ったロスター14人のうち、残留はわずか5人。
9人が退団するという大規模な人事刷新により、クラブは「Bプレミア昇格にふさわしいチーム」をゼロからつくり上げる決断を下した。

この背景には、クラブが掲げる「ストークスプライド」という理念がある。
“走り、戦い、地域とともに成長する”という哲学のもと、**スピードと強度を兼ね備えたチームバスケット**を標榜。
新任の川辺HCは「勝つだけでなく、“どう戦うか”を形にしたい」と語り、開幕戦からその姿勢がプレーに表れていた。

新司令塔・寺園脩斗、チームを動かす「走るキャプテン」

B1レバンガ北海道から移籍してきた**寺園脩斗(PG)**は、加入1年目にしてキャプテンを任された。
開幕から2試合連続で6アシストを記録し、攻守両面でチームを牽引。
「皆が同じ方向を向けるようにコミュニケーションを取っている」と語る通り、試合中も声を絶やさず、チームのリズムを作る。

川辺HCが重視する“インテンシティ(プレー強度)”を誰よりも体現し、攻撃では1on1で状況を打開。守備では前線からプレッシャーをかけ続け、**新生ストークスのエンジン**として機能している。
キャリア8年目のベテランとしての安定感と、リーダーとしての熱量。その両立が、チームの融合を加速させている。

木村圭吾&八村阿蓮――新加入コンビが放つ“勢いの光”

寺園と並んで注目されるのが、**木村圭吾(SG)**と**八村阿蓮(SF)**の新加入コンビだ。
木村は古巣・福井ブローウィンズ戦で3Pを13本中6本沈める活躍。第4Qの勝負どころで流れを変える一撃を連発し、チームに勢いをもたらした。
一方の八村は、開幕2試合連続で11得点をマーク。第4Qで同点に追いつくシュートを沈め、逆転のフリースローを決めるなど勝負強さを見せた。

両者に共通するのは、**「チームの課題を自分の役割で埋める意識」**。
木村は「流れを作るために打つべき場面では迷わない」と語り、八村は「自分たちで流れを取り戻せたことが大きい」と成長を実感している。

生え抜きの金田龍弥、先輩たちとの競争で進化を誓う

チームの中核として期待される**金田龍弥(SF)**も、競争を前向きに捉える。
「B1で厳しい経験を積んだ選手が多く、より高いレベルを要求される。その環境が自分の成

【Bリーグ/鹿児島レブナイズ】B2西地区で台風の目に―昇格復帰2年目の現状と課題、戦術、歴史、データで読み解く「レブナイズの現在地」

鹿児島レブナイズがB2西地区で台風の目に―昇格復帰2年目の現状と課題、戦術、歴史、データで読み解く「レブナイズの現在地」

鹿児島レブナイズはB.LEAGUEのB2リーグ西地区に所属するプロバスケットボールクラブ。ホームは鹿児島市の西原商会アリーナで、2024-25にB3からの昇格即西地区2位(37勝23敗)と躍進、クォーターファイナルで敗退しつつも復帰初年としては上々の出発を切った。2025-26はフェルナンド・カレロ・ヒルHCの継続指揮、編成部門の強化、そしてアリーナ施策の深化を軸に「定着と上積み」を狙うシーズンだ。本稿ではニュース、背景、ロスター、戦術、データ、文化・地域発信までを横断し、百科型×分析型の観点からレブナイズの現在地を立体的に整理する。

ニュース概要

2025年秋時点での主なトピックは以下の通り。

  • B2復帰2年目に突入:2024-25は西2位(37勝23敗/得点4,934・失点4,713・点差+221)でQF敗退。昇格初年度としては十分な競争力を示した。
  • 指揮官:スペイン出身のフェルナンド・カレロ・ヒルが続投。アシスタントに伊藤治矢、アルナウ・ピナ・ラゴ(S&C)ら専門スタッフを配置。
  • 主な戦力:221cmのマット・ハームス(2024-25 Avg. Blocks 2.2でB2ブロック王)、アンソニー・ゲインズ・ジュニア(Bリーグ・オールスター ダンクコンテスト優勝)、帰化枠のジュフ・伴馬、攻守に献身的なウィング飴谷由毅、テンポを作る兒玉貴通ほか。
  • 編成/運営:GMに篠原滋が就任(前:岩手GM)。アカデミー統括はクラブ初の永久欠番「41」松崎圭介が担う。
  • 集客:B3時代からの企業版ふるさと納税の活用や市民招待で裾野を拡大。B.ONE基準(平均2,400人以上)を満たす土台を整えた。

主要キーワード(鹿児島レブナイズ/B2リーグ/西原商会アリーナ/フェルナンド・カレロ・ヒル)は本稿全体で繰り返し参照し、SEO上の文脈を通底させる。

背景と歴史的文脈

レブナイズの源流は県内の教員クラブ鹿児島教員レッドシャークス。2008年にレノヴァ鹿児島としてJBL2に参戦し、地域に根ざしたクラブ運営を続けてきた。2016年、B.LEAGUE発足に伴う商標対応で現名称「鹿児島レブナイズ」へ。B2初年度(2016-17)は体制構築の遅れもあり7勝53敗で最下位、経営難も重なってB2ライセンス不交付→B3降格という苦渋を味わう。

しかし、2017-18以降は新運営会社への移行、地元企業・自治体との関係再構築、クラウドファンディングや企業版ふるさと納税の活用などで財務を立て直し、競技面ではHC交代と補強を繰り返しながら徐々に勝率を回復。2021-22(B3)34勝13敗2022-23(B3)41勝11敗2023-24(B3)41勝11敗で準優勝→B2昇格と右肩上がりに転じ、2024-25でB2西2位に躍進した。クラブの文化的資産であるれぶにゃん、チアREIBESの発信も地域浸透に寄与。昇格後も“地域密着×勝負の現場”の両立を進めている。

選手・チームのプロフィール

2025-26の登録は流動的だが、コアの考え方は明快だ。以下は役割ベースのプロファイル(身長・体重等は公表値に準ずる)。

  • マット・ハームス(C):221cmのリムプロテクター。Drop主体のカバレッジでペイント期待失点を圧縮。オフェンスはダイブ&プットバックが主武器。
  • アンソニー・ゲインズJr.(SG/SF):アスレチックウィング。トランジションとハーフコートのアタックでFT Rateを引き上げる。肘位置のアイソレーションも強み。
  • 飴谷由毅(SG/SF):キャッチ&シュート、ディフレクション、ヘルプ責任の明確化によりラインナップのバランサーとして機能。
  • 兒玉貴通(PG):ペースコントロールとハーフコートの整理。BLOB/SLOB後のATOを丁寧に遂行。
  • 三森啓右/遠藤善/藤田浩司:ローテーションの厚みを担う。3&Dやオフボール・カッティングでスペーシングを担保。
  • (随時)特別指定・育成枠:2024-25は井上大道の加入が話題化。将来資産の育成と勝負の両立を図る。

フロントは篠原滋GMの下で「B2上位~昇格戦線で戦えるロスター密度」をKPI化。アカデミーは松崎圭介が統括し、底層からのタレントパイプライン強化を進める。

試合・出来事の詳細

2024-25のシーズンは、外部下馬評「下位予想」を覆す開幕4連勝で波に乗った。中盤は上位勢との連戦で失速も、要所で白星を拾い37勝23敗。特筆は守備の粘りとクラッチ局面の遂行で、終盤のゲームマネジメントは前年B3プレーオフの経験値が糧となった。途中でカイル・リチャードソンの移籍がありながらも、ジェームズ・エニスの獲得、若手の台頭で戦力の地殻変動をプラスに転換。アンソニー・ゲインズJr.がダンクコンテスト優勝という話題を提供し、チームの露出は全国区へ広がった。

ホームの西原商会アリーナでは、価格階層の最適化や体験型の演出を強化。市民招待・学校招待と合わせて「初めて来場したライト層→2度目の来場→会員化」への導線作りを丁寧に積み上げた。B2プレーオフの壁は破れなかったが、“一過性の躍進”ではなく“土台を作った”という評価が妥当だ。

戦術・技術・スタイル分析

フェルナンド・カレロ・ヒルHCのベースは「組織ディフェンス→速い切り返し」。以下のように数式化できる。

  1. 守備カバレッジ:ペイント保護を最優先。Drop/ICEを軸にしつつ、相手のシューター配置次第ではShow→RecoverSwitch Lateで変化を付ける。ハームスのリムプロテクトでAt Rim FG%を下げ、ウィークサイドのタグとXアウトをリズム化。
  2. DREB%→トランジション:DREB%(守備リバウンド率)をリーグ中央値+2ptに置き、ディフェンスからの0-6秒の攻撃回数を増やす。ゲインズJr.のランニングレーン確保が鍵。
  3. ハーフコートO:Spain PnR、Horns Twist、Chicago Actionを日替わりで。肘位置のハイポ対面からハームスのショートロールにcorner liftを連動し、コーナー3の期待値を引き上げる。
  4. クラッチの定型化:終盤のATO(タイムアウト明けセット)でBLOB/SLOBのPPPを1.00超へ。ボール保持は兒玉、決定打はゲインズJr.か、角度次第で飴谷のキャッチ&シュートに寄せる。

ポイントは「やらないことを決める」整理。早打ちの低効率3無理筋のアイソ連打オフェンスリバウンド過多による戻り遅れなど、負け筋を削り、守備→走るの再現性で勝率を安定させる設計だ。

ファン・メディア・SNSの反応

鹿児島レブナイズのホームは“家族で行ける非日常”」という声が増えた。れぶにゃんの演出はSNS映えし、来場者のUGC(ユーザー生成コンテンツ)を誘発。B3時代からの「市民招待」文脈がB2でも活き、“フルハウスの日の音圧”は明確にホームアドバンテージを作る。メディアの論調は「昇格直後に2位は上出来」「POの壁をどう破るか」に収斂。熱量は高いが、勝敗のリアリズムを求める声も増え、勝ち切り力への期待が強い。

データ・記録・統計情報

直近主要シーズンのスナップショット:

シーズン 所属 順位・成績 指揮官 トピック
2016-17 B2西 6位 7勝53敗 鮫島俊秀 初年度・経営難→B3降格
2021-22 B3 34勝13敗(4位) P.クルニッチ 競技・運営とも持ち直し
2022-23 B3 41勝11敗(4位) P.クルニッチ PO QF敗退も地力向上
2023-24 B3 41勝11敗(3位・準優勝) F.カレロ・ヒル B2昇格
2024-25 B2西 2位 37勝23敗 F.カレロ・ヒル 点差+221、QF敗退

個人系では、マット・ハームスがB2のブロック王(2.2/試合)アンソニー・ゲインズJr.ダンクコンテスト優勝。チームの勝ちパターンは、DREB%の優位→速攻点、FT獲得、クラッチのTOV抑制という整理に還元できる。

リーグ全体への影響と比較分析

B2西は上位の完成度が高く、“勝率.600前後の密集ゾーン”で星の貸し借りが激しい。昇格候補の共通項は、①ホーム勝率.700付近、②クラッチPPPの黒字(1.02以上)、③失点の中央値比-2~-4に守備効率を収める、の3点。レブナイズは西原商会アリーナの熱量で①は現実的、②③はハームスの存在×ファウルマネジメント、そしてゲインズJr.のFT Rate次第で到達可能だ。

比較対象として、同じく地方都市をベースにB2で存在感を強めたクラブは、“やらないことの明文化”“控えの継戦力”で勝率を底上げした。鹿児島はローテ8~9人目のディフェンス強度を落とさず、15~28分帯の失点を詰められるかがカギになる。B.ONE要件(平均入場2,400以上)を満たし続けることで編成予算の継続的な厚みも見込め、競技と事業の正の循環を作りやすい。

今後の展望とまとめ

短期KPI(~第12節)

  • DREB%:リーグ中央値+2.0pt(セカンドチャンス失点の抑制)
  • クラッチTOV%:9.9%以下(取りこぼし減)
  • ホーム勝率:.700以上(アリーナ効果を最大化)
  • BLOB/SLOB PPP:1.00→1.05(ATOの定型化)

中期KPI(~第30節)は、ゲインズJr.のFT Rate+0.03、飴谷のCorner 3成功率35%台維持、ハームスのファウルコントロール(PF/36を3.5以下)で守備の柱を崩さないこと。編成では、プラスマイナスが黒字のラインアップを3種類以上持つ(相手プロファイル別の勝ち筋の使い分け)。

結論:鹿児島レブナイズはB2リーグ西地区で「守備の再現性」「クラッチの定型化」「ホームの熱量」を組み合わせ、“昇格直後のサプライズ”から“安定して勝ち切る常連”への移行点に立っている。西原商会アリーナを満たす声援は勝率に直結する。この記事が役立ったと感じたら、試合予定を家族・友人に共有し、次のホームゲームに誘ってほしい。スタンドの一体感こそ、鹿児島の最大の武器だ。

【Bリーグ/愛媛オレンジバイキングス】徹底解説:サイボウズ子会社化と新ロスターで挑むB2西地区、低迷脱出への鍵【2025-26最新版】

愛媛オレンジバイキングスは、B2西地区での巻き返しを至上命題に掲げるクラブだ。bj創設期の大分ヒートデビルズから長い変遷を経て、愛媛一本化後は地域密着と競技力強化の両立に挑んできた。2024-25はリーグワースト級の「30連敗」を含む5勝55敗と厳しい成績だったが、2025年6月にはサイボウズの資本参画(議決権ベース50.15%)が決定。経営基盤の転換点を迎え、2025-26シーズンはペナ・ガルセス・マヌエルHCの下でロスターを再編し、マイケル・パーカーミッチェル・ワットマット・ハームスらサイズと経験を兼ね備える布陣で上位との差の可視化と短期改善を狙う。本稿では、ニュース要点、歴史的文脈、人物像、戦術・データ、他事例比較、将来展望までを一気通貫で編集し、検索・保存に耐える“百科型リライト”として整理する。

ニュース概要

2025-26開幕を前に、愛媛オレンジバイキングスは経営・編成の両面で大きく動いた。トピックは次の3点だ。

  • 資本・ガバナンス:2025年6月25日、運営会社がサイボウズの連結子会社に。議決権50.15%取得によりコーポレート体制が刷新され、中期投資の意思決定と人材採用の柔軟性が増す。
  • ロスター:主将は俊野佳彦。名将に仕えた実績豊富なマイケル・パーカーの加入(PF/43歳)でロッカールームの規律を強化。インサイドは2.21mのマット・ハームス(C)と、欧州で実績のあるミッチェル・ワット(C/PF)でサイズを確保。
  • ベンチ:ペナ・ガルセス・マヌエルHCギレルモ・サンチェス・ダサACによる欧州色の濃い戦術再構築。ハーフコート効率とリバウンドセキュリティを最優先テーマに置く。

会場は松山市総合コミュニティセンターを軸に県内分散開催の歴史を持つ。チームカラーは「オレンジ」。クラブ名は県産みかんと瀬戸内水軍文化に由来し、地域性の強いブランディングを継承している。

背景と歴史的文脈

2005年、bjリーグ初年度に大分ヒートデビルズとして誕生。資金難と再編を複数度乗り越えながら存続し、2015-16は愛媛と大分のダブルフランチャイズ、2016-17から愛媛オレンジバイキングスへ改称・一本化した。Bリーグ移行後はB2西地区を主戦場とし、2017-18の33勝27敗(得点王タプスコット)や2019-20の24勝23敗で勝ち越しを記録した一方、2020年代に入ると指揮官交代や主力離脱、パンデミックや登録の遅れなど複合要因で波が大きくなった。

特に2024-25はシーズン序盤から歯車が噛み合わず、リーグワースト級の30連敗を計上。最終成績は5勝55敗、得失点差-1,130で西地区最下位・リーグ最下位を喫した。ただし個人ではCのナイジェル・スパイクスがリバウンド王(12.00)を獲得するなど、断片的な強みは確認できた。

クラブ長期史では、bj期のアップダウン(2006-07 3位、2008-09 15連敗、2013-14運営引き継ぎ等)と、Bリーグ期の地域密着・育成路線の試行錯誤が交錯する。2025年のサイボウズ子会社化は、この長いボラティリティの終止符を目指す構造転換と言える。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターの編成思想は「経験×サイズ×規律」。主な顔ぶれと役割は以下の通り。

  • PF 3 マイケル・パーカー(43)2.00m:Bリーグを代表する万能型フォワード。ボールに寄る感度とヘッジ→リカバリーの速さで守備の“共通速度”を上げる。終盤のフリースロー獲得やルーズボール確保も武器。
  • C 16 マット・ハームス(28)2.21m:圧倒的サイズのリムプロテクター。ドロップ守備の後退ラインを下げ、ドライバーの角度を限定。ハイローのフィニッシュで効率の良い2点を積む。
  • C/PF 50 ミッチェル・ワット(35)2.08m:欧州仕込みのハイポストパサー。ショートロールからコーナー、ダイブ、リフトの三択を創出し、攻撃の停滞を防ぐ。
  • SG 13 俊野佳彦(33/C)1.88m:キャプテン。2線の読みと寄せで失点期待値を下げる。クラッチではPnRからのプルアップで時間を止められる。
  • PG 2 古野拓巳(32)1.78m:ゲームテンポの調整役。セットアップとエントリーの丁寧さはリーグ上位。エンドゲームのA/TO安定化に直結。
  • PG 21 伊藤良太(33)PG 0 奥田雄伍(26):セカンドユニットの推進力。早い時間帯の0度ドライブで相手BIGを走らせる。
  • SF/PF 44 シャキール・ハインズ(32)2.01m:スイッチ耐性の高いフォワード。DREB→自走の一次攻撃も可能。
  • PF 65 玉木祥護(29)1.95m:フィジカルスクリーンとショートコーナーのミドル。2ndユニットの“整流”役。
  • SG/SF 1 林瑛司(28)SG 17 武内理貴(23)SG 20 原田大和(23):ウイングの運動量枠。トランジション3とカッティングでスペーシングを維持。
  • SG 6 平凌輝(特・22):サイズのある特別指定。終盤の守備交代要員としても有用。

ベンチはペナ・ガルセス・マヌエルHCがゲームモデルを再定義し、ギレルモ・サンチェス・ダサACと役割を細分化。GMは西井辰朗。フロント~現場の意思疎通を強め、ロスターの「役割の重複」を減らす狙いだ。

試合・出来事の詳細

直近3シーズンの主なイベントを時系列で整理する。

  • 2023-24:22勝38敗(西7位)。指揮官交代を経て全体12位で残留。組み合わせ次第で競るが、終盤のミス連鎖が課題。
  • 2024-25:開幕以降の噛み合わせ不良から30連敗5勝55敗、最下位。一方でCの個人成績は光り、ディフェンスリバウンドとブロックに可能性が残った。
  • 2025-26:サイボウズ子会社化を受け、規律・サイズ・経験で“再発防止”の設計。ハームス+ワットのBIG&BIG、あるいはパーカーを交えたBIG&SKILLで、ハーフコート効率の底上げを図る。

ホームは松山市総合コミュニティセンター(通称コミセン)を中心に、県内複数会場を活用。来場導線やファミリー層への訴求は継続中で、演出・MC・パフォーマンスクルーによる一体感づくりも資産である。

戦術・技術・スタイル分析

守備(ハーフコート):基本はドロップ+Nailヘルプ。ハームスがリム下を抑え、ウイングはPOA(Point of Attack)でドライブ角を限定する。ベースライン破綻時はLow-Manが早めにタグ、バックサイドはX-outでコーナーを救う。スイッチは相手が5アウトでペリメータ優位を作る局面に限定し、ワットを中心にサイズミスマネジメントを徹底。

守備(トランジション):ファーストバックの基準を「ボールサイド角度」に統一。2人目がリム守備、3人目がコーナーのパスライン遮断。ここでの“役割の迷い”を消すだけで、被3P試投を2~3本削れる計算だ。

攻撃(ハーフコート):一次はハイPNR(古野-ワット/ハームス)、二次はショートロール→ハンドオフ連鎖で守備の足を止める。ホーンズ・ツイストエレベーターで俊野のC&S、パーカーのフラッシュを引き出す終盤セットを用意。ショットプロファイルは「リム+コーナー3」に寄せ、ミドルはゲーム支配用の“保険”として設計する。

攻撃(トランジション):DREB後4秒以内の一次攻撃を推奨。ハインズのレーンラン、奥田・伊藤の早いエントリーで相手ビッグを走らせ、次の守備での足を削る。コーナーフィルは原田・林が担当し、ディープ2の打ち切りを抑制。

スペシャルシチュエーション:ATO(タイムアウト後)はパーカーのブラインドスクリーン→ゴーストで誤認識を誘発。サイドラインアウトはスタック→バックドアでリム到達を優先。エンドラインはボックス→ベースラインスクリーンでハームスの高さを活用する。

ファン・メディア・SNSの反応

2024-25の連敗時期には厳しい声が多かったが、若手の奮闘やCポジションのリバウンド支配にはポジティブな反応が目立った。2025年の資本参画発表後は、「経営の不確実性が下がった」「長期投資が可能に」といった期待感が広がり、チケット購入・グッズ需要にも反映。SNSでは#OrangeVikingsや地域タグと結びついたUGC(来場レポ、親子観戦記、アリーナ飯紹介)が増加傾向だ。

データ・記録・統計情報

  • B2近年成績:2016-17(29-31)、2017-18(33-27)、2018-19(20-40)、2019-20(24-23・打切)、2020-21(17-38)、2021-22(22-25)、2022-23(26-34)、2023-24(22-38)、2024-25(5-55)
  • 連勝・連敗記録:B2連勝8(2016-17、2019-20)。B2連敗30(2024-25)。
  • 主な個人タイトル:B2得点王(2017-18、2019-20:タプスコット)、B2アシスト王(2021-22:俊野達彦)、リバウンド王(2024-25:ナイジェル・スパイクス)
  • ショットプロファイル仮説:2024-25は被トランジション3増、DREB%低位、A/TO悪化が重なり「悪循環」。2025-26はBIGの併用でDREB%改善を優先、ペースを下げてもeFG%最大化を狙う。

リーグ全体への影響と比較分析

昇格志向のB2西地区では、近年大型の2枚使い+ペリメータ守備の規律が勝ち筋になっている。滋賀・熊本・佐賀(昇格前)などは、サイズとランニング、そしてクラッチのA/TO安定化で上位圏を確保した。愛媛オレンジバイキングスは2025-26にハームス×ワット×パーカーでその系譜に寄せ、ハーフコートの守備期待値をまず下げる方針。これにより、オフェンスが“普通”でも競り合いに持ち込める局面が増える。

一方で、2ビッグは「ペリメータでのカバー範囲の狭さ」「トランジション対応の遅延」という副作用を持つ。対策はウイングの先回り(林・原田・武内)とPGのファーストバック優先順位の明確化。走られるリスクを分散し、ハーフで勝負する土台を作ることが中位線への最短路だ。

今後の展望とまとめ

2025-26の実務KPIは以下の通りに置きたい。

  1. DREB%改善:リーグ平均比+3pt(ハームスとワットの同時起用時)。
  2. 被トランジション3抑制:試投本数を1試合あたり-2本。
  3. A/TO(クラッチ):最終5分接戦でのターンオーバー比率10%未満。
  4. ラインナップ効率:BIG&BIG時のNetRtgを±0以上に、BIG&SKILL時は+3以上を目標。
  5. コーナー3の生成:試投比率をチーム全3PAの22~25%に最適化。

若手の台頭は不可欠だ。特別指定の平凌輝、運動量のある原田・武内・林のウイング群が、守備の先回りとトランジション加速を支えれば、ベテラン依存のリスクは下がる。アカデミー(U15)・スクールとトップの導線を可視化し、県内バスケ文化の“面”を広げることも、中長期の勝ちに直結する。

最後に――愛媛オレンジバイキングスの再起は、クラブだけでなく地域の誇りを再点火するプロジェクトだ。この記事が役立ったら、ぜひ共有し、戦術・育成・経営の最適解について議論してほしい。あなたの声が、オレンジの帆を再び前へ進める風になる。

【Bリーグ/バンビシャス奈良】とは何者か|B2西地区の現在地と2025-26ロースター徹底分析【ロートアリーナ奈良/クラブ史・戦術・統計】

ニュース概要

バンビシャス奈良は、奈良県奈良市をホームタウンとするB.LEAGUEのB2西地区クラブである。2025年10月12日時点の更新情報によれば、2025-26シーズンに向けて石橋晴行が3季ぶりにヘッドコーチへ復帰し、ジェイミン・ブレイクフィールド(PF)、坂口竜也(SG/SF)、相馬卓弥(SG)、ジョーダン・ダラス(F/C)、ヴャチェスラフ・ペトロフ(F/C)、間山柊(SF/PF)らが新加入した。一方、林瑛司スティーブン・ジマーマンキャメロン・ジャクソン三森啓右シャキール・ハインズが退団。直近3季の成績は2023-24:24勝36敗、2024-25:26勝34敗と、B2西の中位圏で推移しており、今季はロースター刷新と指揮官交代で競争力の底上げを狙う。ホームはロートアリーナ奈良、チームカラーはバンビシャスレッド、サプライヤーはSQUADRA。ユニフォームスポンサーには大和ハウス工業、ロート製薬、奈良市・奈良県などが名を連ねる。

背景と歴史的文脈

バンビシャス奈良は2013年創設。bjリーグ参入を経て、2016年のB.LEAGUE発足時にB2へ所属した。チーム名は「Be ambitious(大志を抱け)」と「Bambi(子鹿)」を掛け合わせた造語で、奈良らしいアイデンティティを帯びる。創設前史には、2005年に立ち上がった「奈良にプロバスケットボールチームをつくる会」の活動があり、2012年の参入認可によってプロ化への道が開いた。

Bリーグ移行後は、地域密着と競技力の両立に挑戦してきたが、B2西での順位は中下位で推移するシーズンが続いた。運営法人は株式会社バンビシャス奈良。奈良県初の団体球技プロクラブとして、地域の活性化や次世代の目標創出を掲げ、複数会場(奈良市・橿原・五條など)での開催経験を重ねながら、現在はロートアリーナ奈良がホームの核となっている。クラブのビジュアル面では、太陽光と山々、覚醒する鹿をモチーフとしたロゴ、そしてマスコットシカッチェ、チアチームBamVenusがブランドの物語を担う。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロースターは、ボールプレッシャーを担うベテランガードと、サイズ・アウトサイドレンジ・機動力を兼備したフォワード/センターをミックスした「再構築型」だ。

  • ガード陣:小林遥太(PG/178cm)、大塚勇人(PG/173cm)、中谷衿夢(PG/178cm)。サイズは大きくないが、経験値と気配りのあるゲームメイクが持ち味。ターンオーバー抑制とゲームテンポ管理で勝利期待値を押し上げる。
  • ウイング:古牧昌也(SG/186cm)、坂口竜也(SG/SF/182cm)、相馬卓弥(SG/182cm)、石井峻平(SG/187cm)、本多純平(SF/190cm)。3&D的役割を担い、弱サイドのタッチ数を増やすことでショットクオリティの底上げが可能。
  • ビッグ/フォワード:ジェイミン・ブレイクフィールド(PF/203cm)、イデムディア・オサセレ(PF/193cm)、ジョーダン・ダラス(F/C/208cm)、ヴャチェスラフ・ペトロフ(F/C/204cm)、間山柊(SF/PF/195cm)。ストレッチ要素のあるPFと、サイズのあるCの共存で、PnRの多様化とリム保護が両立しやすい。

ベンチにはアスレティックトレーナー野尻浩司宮本タオ、S&Cコーチ鎌塚裕也が並び、コンディショニングの整備も進む。運営面では、サプライヤーSQUADRA、スポンサーに大和ハウス工業ロート製薬宏和化成工業所阪奈中央病院奈良市/奈良県など、地域と企業のネットワークが見て取れる。

試合・出来事の詳細

直近のB2成績推移は以下の通り。

  • 2016-17:24勝36敗(中地区4位)
  • 2017-18:19勝41敗(西6位)
  • 2018-19:22勝38敗(西4位)
  • 2019-20:18勝29敗(西5位/打ち切り)
  • 2020-21:20勝38敗(西7位)
  • 2021-22:9勝45敗(西7位)
  • 2022-23:18勝42敗(西6位)
  • 2023-24:24勝36敗(西6位)
  • 2024-25:26勝34敗(西5位)

2024-25はアウェイ16勝14敗と健闘し、課題だったロードの不安定さに改善の兆しが見えた。一方ホームは10勝20敗で、ホームコートアドバンテージの最大化が未達。2025-26はロースターの再編とHC復帰により、ホーム勝率の底上げを最優先テーマに据えたい。

開催面では、bj期から奈良市・橿原・大和郡山・五條などでの開催を重ね、現在はロートアリーナ奈良を主軸に据える。2020-21以降の中止・代替試合の経験は、運営の標準化とBCP(事業継続計画)のアップデートを促した。

戦術・技術・スタイル分析

バンビシャス奈良の現実的な勝ち筋は、「守備の再整備→トランジションの再現性→ハーフコートの型」という順序で積み上げることだ。

  • 守備:基本はPnRのドロップ+ボールサイドナビゲート。ペトロフ/ダラスのサイズでペイントを抑止し、コーナー3被弾率DREB%をKPI化。スイッチは相手ハンドラーのレンジ/パス精度次第で限定運用。
  • トランジション:リバウンド確保→2タッチ目で前進。押し切れなければ早期にHorns/5-outへ移行してショットクオリティを担保。「良い早打ち」を定義し、ミドルレーンの強引な早打ちを抑制。
  • ハーフコート:ブレイクフィールドのピック&ポップ、ペトロフのショートロール、ダラスのディープロールを使い分ける。弱サイドは45度のシェイク/リロケートでキックアウト導線を短縮し、古牧・相馬・石井のC&S効率を引き上げる。
  • ファウルマネジメント:ビッグの縦の接触とハンズチェックを削減し、ボーナス到達時間(各Q)が早まらないようにラインナップ管理。

総じて、2025-26の奈良は「サイズの恩恵を守備起点で享受し、攻撃はペイントタッチ→キックアウトの設計で効率化する」ことが肝となる。

ファン・メディア・SNSの反応

クラブの物語性は強い。シカッチェの地域活動、BamVenusの演出、奈良市・奈良県とのパートナー掲出は、SNSでの可視化に親和的だ。近年はアウェイの健闘や地元出身選手の活躍が話題化しやすく、ロートアリーナ奈良での体験設計(導線・グルメ・グッズ)に関するユーザー投稿も増えている。今季は「#GoBambi」「#Bambitious」等のハッシュタグを軸に、来場動機の多層化とエンゲージメントの定着が期待される。

データ・記録・統計情報

レギュラーシーズンの通史を見ると、B2での勝率は.167〜.433のレンジで推移。2019-20以降は打ち切りやコロナ禍の影響もあり、完成度が分断されやすい状況が続いた。チームの構造課題は「守備効率の不安定さ」と「ホームでの再現性」。2024-25の点差-246、失点4,811は、リム保護とセカンドチャンス抑止の重要性を裏付ける。

個人タイトルでは、bj期に鈴木達也がアシスト王(2014-15/2015-16)を獲得。B2では横江豊が2019-20にベストFT%を記録。クラブの歴史はエリート型ではないが、役割特化型の人材が機能したときには連勝を作る手応えが示されている。

運営財務では、公開情報上、2019年売上高約2.59億円、2023年純損失▲4,751万円・総資産1.13億円など、地方クラブの持続可能性に向けた経営改善フェーズにある。スポンサー構成に自治体が入る点は、公共性と地域貢献の期待値が高いことの表れで、観客動員・グッズ・スクールなど複線的収益の磨き込みが重要だ。

リーグ全体への影響と比較分析

B2西は、サイズとトランジションの両立、3Pアテンプト比率とペイントタッチのバランス設計が求められるリーグ。奈良は2025-26において、サイズ×規律×ショット選択の3点セットをどれだけ日常化できるかが順位を左右する。類似の懸案を抱えたクラブは、守備の当たり前(タグ・ボックスアウト・コーナーの優先順位)を徹底して改善スピードを上げている。奈良も同様に、DREB%・被コーナー3%・TOV%といった即効性のある指標にフォーカスし、ホームでの“勝ちパターン”を固定化する必要がある。

ブランド面では、シカッチェ/BamVenusを核にした体験設計はB2でも上位の完成度に伸びしろがある。演出テンプレートの標準化、キッズ・学校連携、地域の祭事・観光資産との組み合わせ(奈良公園・寺社仏閣・地場グルメ等)は、来場の“理由”を増殖させ、スポンサーアクティベーションと直結しうる。

今後の展望とまとめ

バンビシャス奈良の2025-26は、石橋晴行HCの下で「守備の原則→トランジション→ハーフコートの型」という順で積み上げる現実路線を歩むことになる。KPIは次の通りだ。

  1. DREB%の底上げ被コーナー3%の抑制:失点連鎖を断ち、接戦の土台を作る。
  2. TOV%削減:ベテランガードの判断で終盤のミスを最小化し、ポゼッション価値を最大化。
  3. ペイントタッチ→キックアウトの徹底:ブレイクフィールド、ペトロフ、ダラスのスクリーン多様性を生かす。
  4. ホーム勝率の改善:ロートアリーナ奈良の演出・導線・販売を標準化し、体験価値と勝率の相関を強める。

クラブの理念「地域で共有できるプロスポーツ文化の創造」は、競技と街の双方で成果を測る長期戦だ。奈良の歴史資産とスポーツを結び直す試みは、B2の枠を超えた地域プロジェクトでもある。次のホームゲーム日程を確認し、ロートアリーナ奈良でバンビシャス奈良の現在地を体感してほしい。感じた一言をSNSで共有すれば、それ自体がチームの力になる。「共有・応援・議論」を通じて、奈良の赤(バンビシャスレッド)をともに育てよう。

【Bリーグ/神戸ストークス】B2最新レポート:GLION ARENA KOBE本格稼働と川辺泰三新体制、“STORKS PRIDE”で挑む2025-26再上昇戦略

神戸ストークスB2最新レポート:GLION ARENA KOBE本格稼働と川辺泰三新体制、“STORKS PRIDE”で挑む2025-26再上昇戦略

神戸ストークスはB.LEAGUEのB2リーグ西地区に所属するクラブで、2025-26シーズンはGLION ARENA KOBE(収容10,168)を本拠に本格稼働。新ヘッドコーチに川辺泰三、GMに九里大和が就き、チームスローガン「STORKS PRIDE -You Show Up!!-」を掲げて再出発した。前々季に平均入場3,047人、シーズン合計91,421人と動員で存在感を示した神戸だが、直近2季はプレーオフを逃している。2025-26はロスターの半数以上を入れ替え、八村阿蓮寺園脩斗笹倉怜寿ヨーリ・チャイルズラウル・アルキンズら主力級を軸に、守備強度と終盤の遂行力で“勝ち切るチーム”への変貌を狙う。

ニュース概要

2025年10月、B2西地区で神戸ストークスは新体制の下、開幕節(10/4-5、GLION ARENA KOBE)を連勝スタート。クラブは以下のトピックを同時に進めている。

  • ヘッドコーチ交代:川辺泰三(前FE名古屋)が就任。AC兼通訳は東頭俊典
  • フロント再編:GMに九里大和。編成・開発・医科学の連携を強化。
  • 主力補強:八村阿蓮(PF/SF)、寺園脩斗(PG)、笹倉怜寿(PG)、木村圭吾(SG)、ヨーリ・チャイルズ(PF)、ラウル・アルキンズ(SF)ほか。
  • アリーナ:GLION ARENA KOBEが通年運用へ。可変照明とセンターハングビジョンで演出強化。
  • カルチャー:「ストークスプライド」(ボールプレッシャー/リバウンド&ルーズボール/ポジションファイト&オンコートトーク)を徹底。
  • ユニフォーム・パートナー:胸シン・エナジー、左肩上組、背面全国福利厚生共済会SAN NEXUS、パンツ神戸トヨペットほか。サプライヤーはPASS THE ROCK

主要キーワード(神戸ストークス / B2リーグ / GLION ARENA KOBE / 川辺泰三)は、本稿の各節で具体的データとともに検証する。

背景と歴史的文脈

ストークスは2011年に兵庫ストークスとして始動。JBL2優勝(2012-13)で存在感を示し、その後西宮ストークスを経て、2023-24に神戸へ移転・改称した。B2では2016-17で43勝17敗・B2優勝→B1昇格を実現した一方、B1では1季で降格。以降は昇格圏に迫る年と停滞する年を繰り返してきた。

リーグ構造の変遷やアリーナ要件の高度化はクラブ運営に大きな影響を与えた。神戸移転後は観客動員の急伸とともに“都市型クラブ”としてのブランドを築き、2025年のGLION ARENA KOBE本格稼働が競技力・収益の両輪を押し上げる前提となっている。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスター(抜粋/ポジション別の役割)

  • PG:寺園脩斗/笹倉怜寿/野溝利一…プルアップ3、アドバンスドエントリー、エンドゲームのA/TO管理。寺園はP&Rでのポケットパス巧者、笹倉はサイズと守備、野溝はテンポチェンジで差異化。
  • ウィング:ラウル・アルキンズ/木村圭吾/道原紀晃/谷直樹…アルキンズはペイントタッチ創出とスイッチ耐性、木村はキャッチ&シュートとストレートラインドライブ、道原・谷はゲームIQとクラッチの安定剤。
  • フォワード:八村阿蓮/金田龍弥/中島三千哉…八村は4番起用のトレイル3&ショートロール、金田はコーナー3とローテーションの早さ、中島はセカンドユニットの潤滑油。
  • ビッグ:ヨーリ・チャイルズ/アイザック・バッツ…チャイルズはPnRロール・リムラン・DREB%で即効性、バッツはハーフコートでの堰き止め役と置き型ポスト。

スタッフは川辺泰三HCの下、AC兼通訳に東頭俊典、ACに下地流星方城素和、スキル開発にマーク貝島が入る。フロントの九里大和GMは編成と開発のPDCAを高速化し、負傷リスク・疲労指標を含む“パフォーマンスKPI連動型ローテーション”を志向する。

試合・出来事の詳細

直近3季の概況:

  • 2023-24:29勝31敗(西5位)。神戸移転初年は入場者数が急伸。91,421人(平均3,047)でB2最多入場記録を複数回更新。競技面は接戦落としが目立ちPO逸。
  • 2024-25:25勝35敗(西6位)。開幕直後こそ上位浮上も、故障者続出と連敗が重なり失速。2季連続でPOに届かず、2部リーグでの最低勝率を更新。
  • 2025-26:開幕節は福井に連勝。GLION ARENA KOBEでは可動席と音響演出を活用し、試合体験を強化。大阪・関西万博会場でのライブビューイングも実施され、「街×アリーナ」の連動を加速させる。

ユニフォームはサプライヤーPASS THE ROCK。胸シン・エナジー、左肩上組、背面全国福利厚生共済会/SAN NEXUS、パンツ神戸トヨペット/KPMG/デジアラHD/オイシス/ベスティ/東伸産業と、地場・全国区企業のバランスが良い。

戦術・技術・スタイル分析

川辺HCの掲げる「STORKS PRIDE」はスローガンにとどまらず、戦術KPIに落とし込まれている。基調は以下の3本柱。

  1. Ball Pressure(ボールプレッシャー):ハーフコート開始1タッチ目から圧力。ウィングでサイドラインを“3rdディフェンダー”化し、弱サイドのタグ→ローテの定型を高速化。相手TOV%の押し上げと、走る回数の増加を狙う。
  2. Rebound & Loose(リバウンド/ルーズ)DREB%はリーグ中央値+2ptをノルマ化。2.9人リバウンド(ボールサイド3人での箱作り)を徹底し、セカンドチャンスの抑制と自軍のEarly Offenseのトリガーに。
  3. Position Fight & Talk(ポジションファイト&トーク):ミスマッチ解消の合言葉をショートコード化(例:“Blue”=早いダブル→Xアウト)。ラインナップ毎に“序・破・急”の役割を共有する。

オフェンスはチャイルズのドラッグスクリーンや八村のトレイル3、アルキンズのペイントタッチでアドバンテージを作り、45度キックアウト→再P&Rで連鎖。寺園・笹倉はSpain PnRのバックスクリーン角度を変えてスイッチミスを誘発する。終盤はBLOB/SLOBのセット(“Horns Twist”、“Stack Rip”等)を定型化し、ATO得点で上積みを狙う。

ファン・メディア・SNSの反応

神戸移転後は「アリーナ体験が目的地になる」という評価が定着。GLION ARENA KOBEの演出、コートサイドの視界、音響の一体感はSNSで拡散されやすく、ビジュアル重視の発信(入場動画、ハイライト短尺)が高いエンゲージメントを獲得している。開幕節の連勝に対し、地元メディアは「守備の強度と厚み」「終盤の意思決定改善」を評価。ベリーグッドマン制作の応援歌「コウノトリ」はコール&レスポンスが明快で、試合展開を後押しする“第6の男”として機能している。

データ・記録・統計情報

過去シーズンの主要戦績(B2/B1)

シーズン リーグ 地区 成績 備考/HC
2016-17 B2 43勝17敗(地区1位) 天日哲也AC体制、B2優勝→B1昇格
2017-18 B1 西 12勝48敗(17位) 残留PO敗退→B2降格
2020-21 B2 西 40勝18敗(地区1位) QF敗退
2021-22 B2 西 36勝19敗(3位) QF敗退
2022-23 B2 29勝31敗(3位) 3位決定戦勝利(年間3位)
2023-24 B2 西 29勝31敗(5位) 動員増でクラブ史に残るシーズン
2024-25 B2 西 25勝35敗(6位) 連敗と故障が響く

個人タイトルでは、トレイ・ポーター(22-23ブロック王)、チョンディー・ブラウン(24-25得点王)など、ポジションの異なるスコアラー/リムプロテクターを要し、補強の方向性は一貫して“ゴール下の強度と決定力”に置かれてきた。2025-26はその系譜上に、ヨーリ・チャイルズの機動力とアイザック・バッツの重量感を共存させる。

リーグ全体への影響と比較分析

B2リーグ西地区で上位へ食い込む条件は明確だ。①守備効率(DefRtg)をリーグ中央値比-2~-4、②クラッチのTOV%を一桁台に、③ホーム勝率.650前後――この3条件がそろえば、年間勝率.600近辺まで自然と押し上がる。神戸はアリーナ効果によりホームの笛・勢いを取り込みやすく、FT Rate(自)を微増させる余地がある。さらに、寺園×笹倉の二枚看板はペースと計算の切替が可能で、終盤の「ボールを落ち着かせる」局面と「走り切る」局面の両方に対応できる。

過去の昇格候補クラブの共通項は、“自分たちが勝てるゲームの型”を序盤で確立し、“勝ち筋以外を削る潔さ”を持ったことだ。神戸ストークスのSTORKS PRIDEはこの哲学に近い。無理なハイペース志向を避け、DREB%とトランジションDのルール徹底で「負けにくさ」を先に担保する――この逆算がB2では効く。八村の4番運用は、相手のビッグを外へ引き出し、チャイルズのロール空間を広げる副次効果を生む点でも合理的だ。

今後の展望とまとめ

短期KPI(~第15節)

  • DREB%:リーグ中央値+2.0pt(セカンドチャンス失点の抑制)
  • クラッチTOV%:9.9%以下(終盤の取りこぼし減)
  • ホーム勝率:.650以上(アリーナ体験×演出の相乗効果)
  • BLOB/SLOB PPP:0.95→1.05(プレイブック定型化)

中期KPI(~第30節)は、八村のアテンプト配分の最適化(ペイント:ミドル:3P=40:30:30目安)、アルキンズのFT獲得(FT Rate+0.03)、寺園/笹倉の2ガード時NetRtgの黒字維持が焦点。ロスターの健康管理・ファウルマネジメントをトリガーに、アウェイの1勝を確実に拾う設計へ移行したい。

収益面では、GLION ARENA KOBEのキャパを活かし、価格階層・企画席・ホスピタリティの可変運用で客単価×稼働率の同時最適化を進める。地域連携(学校招待/万博会場LV/港湾エリア連動)を通じて新規→ライト→コアへのファン育成ラインを太くし、シーズン後半の勝負どころでホームコート・アドバンテージを最大化することが昇格レースの前提条件となる。

結論:神戸ストークスはB2リーグ西地区において、「守備の再現性」「終盤の定型化」「ホームの熱量」を鍵に、2025-26で再上昇のフェーズへ入った。川辺泰三の下、STORKS PRIDEが実装されたとき、神戸は“勝ち切る”姿へ最短距離で近づく。この記事が有益だと感じた読者は、周囲にGLION ARENA KOBEの試合日程を共有し、会場の一体感づくりに参加してほしい――あなたの一声が勝率を変える

【Bリーグ/ベルテックス静岡】が目指す「NOBRAKE!」の現実解:昇格2年目のチーム作りとデータで読む勝ち筋

本稿はベルテックス静岡(B2リーグ西地区)の最新動向を、ニュース、歴史、戦術、統計を横断して再編集した“百科型リライト”である。主要キーワードであるベルテックス静岡B2リーグ西地区をタイトル・見出し・冒頭・結論に自然に配置し、速報性だけでなく検索に耐える知識資産としての読み物を目指す。

ニュース概要

2025-26シーズンのテーマはスローガン「NOBRAKE!」森高大ヘッドコーチの体制2年目を迎えたベルテックス静岡は、前年の34勝26敗(勝率.567)で西3位、B2プレーオフクォーターファイナル(QF)敗退からの上積みを狙う。今季は橋本竜馬(PG)クリス・エブ・ンドウ(PF)ティム・シュナイダー(PF/C)林翔太郎(SF)上村大佐(SF)らが新加入。静岡市中央体育館をホームアリーナに、県武道館(藤枝)や各市体育館での分散開催の経験を資産化しつつ、昇格2年目(B2在籍3季目)の競争に挑む。

背景と歴史的文脈

クラブは2018年、株式会社VELTEXスポーツエンタープライズの設立を起点に始動。Bリーグの下部に位置づけられるB3の準加盟を経て、2019-20にB3参戦。チーム名は一般公募により「VELTEX」(頂点=VERTEXをもじる)に決定し、のちに現在のベルテックス静岡に統一。ロゴは富士山×ゴールネットの“swish”をモチーフとし、「日本一を目指す」という地域アイデンティティを可視化した。

競技面の歩みは明快だ。2019-20:13勝26敗で船出。2020-21:28勝12敗2021-22:35勝10敗と勝率を伸ばし、2022-23:41勝11敗(B3準優勝)でB2昇格を獲得。B2初年度の2023-2429勝31敗(西4位、全体8位)でQF敗退。2024-2534勝26敗(西3位、全体6位)と勝率を改善し、連続QF進出を果たした。マスコットはUMAをモチーフにしたベルティ。ユニフォームサプライヤーは近年ミズノ×TRES体制で安定している。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターの構成は「経験×機動力×ストレッチ」。ポジション別に整理する。

  • ガード橋本竜馬(PG/178cm)はゲームマネジメントとクラッチの駆け引きに長ける司令塔。柏倉哲平(PG)鍋田隆征(PG)がテンポを変えるセカンドユニットを構成し、橋本尚明(SG)サイモン拓海(SG)が外角とハンドオフ起点を担う。
  • フォワード増田啓介(SF)林翔太郎(SF)上村大佐(SF)はウィングディフェンスとトランジションの主役。バローン・マーテル(PF)はフィジカルでリム周りを押す。
  • ビッグティム・シュナイダー(205cm)はストレッチ4/5としてPnP(ピック&ポップ)とDHO(ハンドオフ)のハブに適性。アンガス・ブラント(208cm)はペイントの大黒柱で、加納誠也(PF)がインサイドの潤滑油。新戦力のクリス・エブ・ンドウ(199cm)はフロントコートの運動量を底上げする。

ベンチには、大石慎之介スコット・ヤング菊地敦友らAC陣、S&Cは窪田邦彦が名を連ね、データと現場の橋渡しを行う。クラブカラーはベルテックスオレンジ/ネイビー/ホワイト。公式ファンクラブはベルスター、チアチームはVELUNA

試合・出来事の詳細

直近の2シーズンを俯瞰する。

シーズン リーグ 成績 地区順位 プレーオフ 主なトピック
2023-24 B2 西 29勝31敗(.483) 4位 QF敗退(A千葉に連敗) 昇格初年でPO進出。ホーム17勝13敗と地元で勝ち越し。
2024-25 B2 西 34勝26敗(.567) 3位 QF敗退 ロード18勝12敗とアウェイ改善。地区内22勝14敗で競り勝つ。

2024-25は地区内対戦22勝14敗が順位を押し上げた決定因子。ホームのショットプロファイルはペイントアタック→キックアウトの比重が増し、コーナー3の生成が安定。終盤はクラッチにおけるTO%抑制が奏功し、ポゼッション価値の揺らぎを小さくできた。

戦術・技術・スタイル分析

(1)ハーフコート・オフェンス:DHO×PnPの二軸
森HCのアタックプランは、DHO(ドリブル・ハンドオフ)→サイドピックでサイドを歪ませ、シュナイダーのピック&ポップでヘルプ深度を試す構造が中核。橋本竜馬のPNR舵取りは、相手ビッグのカバレッジ(Drop/ICE/Show)に応じてショートロール⇄スキップパスを使い分ける。ウィングは45度のスタント対策として45カット→コーナーフィルをルール化し、「ペイント接触→コーナー3」の第一原理を徹底する。

(2)ディフェンス:ベースDrop+スイッチの限定採用
リム保護はブラントシュナイダーでDropをベースにしつつ、ハンドラーがプルアップ巧者の相手にはタッチショウを混ぜる。ウィングはトップロック→トレイル誘導ミドルラインを消す。コーナータグは距離を短く設定し、ロータグ→Xアウトの二手目を省エネ化してファウルと回転距離を同時に抑える。終盤の限定スイッチは1-4まで、5番はDrop継続の“ハイブリッド”でミスマッチの連鎖を遮断する。

(3)リバウンド&トランジション:2リバウンドルール
ORB(オフェンスリバウンド)追跡は原則2人まで、残りは即時リトリートのKPI運用。奪えば0-7秒の早い判断を容認し、3PAr(3P試投比率)を底上げして期待値を稼ぐ。橋本→林/増田のウィング走サイモンのトレーラー3が速攻の決め筋。

ファン・メディア・SNSの反応

昇格初年度のPO進出で地元露出が拡大し、2024-25はロード勝率の改善が話題化。SNSでは「竜馬のゲームメイク」「ティムのPnP」「ベルティの演出」といった競技+エンタメの両面が語られ、来場体験のレビューが増加。議論の焦点は、クラッチ時のラインナップ最適化2ndユニットのTO%相手ショットメーカーへのカバレッジ選択など、より“通”なテーマへ移っている。

データ・記録・統計情報

公開の勝敗・順位データから、成長カーブと現状位置を整理する。

# リーグ 勝率 地区 総合 PO
4 2019-20 B3 13 26 .333 10位
5 2020-21 B3 28 12 .700 4位
6 2021-22 B3 35 10 .778 3位
7 2022-23 B3 41 11 .788 3位 準優勝→B2昇格
8 2023-24 B2西 29 31 .483 4位 8位 QF敗退
9 2024-25 B2西 34 26 .567 3位 6位 QF敗退

特筆すべきはアウェイ18勝12敗(2024-25)という伸長。ロードで勝てるチームはPOの再現性が高く、接戦勝率の改善に直結する。ホームは演出面(チアVELUNA、マスコットベルティ)と相まって観客動員の安定が強みで、クラブ価値の底面を支える。

リーグ全体への影響と比較分析

B2西地区の上位は、総じて3PArの確保・ターンオーバー抑制・リム保護の一貫性に優れる。ベルテックス静岡はシュナイダーのストレッチとブラントのポスト・リムプロテクトという“役割の明瞭化”で、設計的に上位の要件を満たしうる。比較対象として、昇格直後に「DHO×PnP×コーナー3」を定着させて勝率を伸ばしたB2クラブの成功例がいくつかある。彼らに共通するのは、①終盤の固定セット(Spain PnR/Hornsツイスト)②2ndユニットのKPI運用(TO%、ORB%、FTr)③カバレッジの対戦別テンプレ化だ。静岡も「原則の固定化」を推し進めるほど、接戦勝率は上がるはずだ。

今後の展望とまとめ

2025-26のポイントは次の三つに収斂する。

  1. クラッチ設計の固定化Spain PnR/Iverson→サイドPNRの2本柱を終盤ATOの標準に。橋本の判断速度を活かし、コーナー3の創出を第一原理化。
  2. 守備ルールの省エネ化:ベースDrop+限定スイッチ。ロータグ距離の短縮とXアウトの簡素化でファウルとヘルプ距離を同時に削る。
  3. 2ndユニットのKPI設計TO%・ORB%・3PArを週次レビューで“数字の約束”に。ラインナップ別のポゼッション価値を見える化し、起用判断をデータと接続する。

スローガン「NOBRAKE!」を現実にするのは、猛進ではなく反復可能な原則だ。ベルテックス静岡B2リーグの西地区で安定的に上位へ食い込むためのピース(DHO×PnP、コーナー3、Dropの省エネ運用)は、ロスターとコーチングの両輪で揃いつつある。次の一歩は、接戦の1〜2本を取り切る仕組みの定着だ。

本稿が示した論点(戦術提案・データKPI・会場体験)は、ファンの声でさらに磨かれる。記事の共有や観戦レポート、ラインナップ案の投稿で議論に参加してほしい。「ベルテックス静岡」「B2リーグ」「西地区」のキーワードで、静岡のバスケシーンを一緒に押し上げよう。#VELTEX #NOBRAKE

【Bリーグ/福井ブローウィンズ】完全ガイド:B3優勝→B2東地区4位の躍進、マテオ・ルビオ体制の戦術とロスター分析【2025-26最新版】

本稿は福井ブローウィンズの最新動向を、ニュースの要点、歴史的文脈、戦術・データ分析、地域との関係性まで横断して再編集した長編解説である。キーワード福井ブローウィンズを冒頭に置き、2023-24のB3優勝(46勝4敗・ホーム26勝0敗)から、B2昇格初年度の2024-25(33勝27敗・東地区4位、QF敗退)を経て、2025-26に始動したマテオ・ルビオ体制の狙いを読み解く。クラブの設立経緯、ブランド、アリーナ運用、マスコット、そしてロスター構成がどのように勝率へ還元されているかを、データと比較の両面から検証する。

ニュース概要

福井ブローウィンズは、2023-24シーズンのB3で46勝4敗(勝率.920)、ホーム26勝0敗の圧倒的成績で優勝し、B2昇格を決めた。昇格初年度の2024-25(スローガン:NOW OR NEVER)では、33勝27敗(勝率.550)で東地区4位、プレーオフ準々決勝(QF)で敗退しつつも、上位定着の“入口”に立った。2025-26は、ヘッドコーチがマテオ・ルビオに交代(スタッフに中堀純希、クラウディオ・ホルケラ)。主軸にはライアン・ケリー(2.11m)ペリー・エリス(2.02m)満田丈太郎(主将)、ゲームメイクの細谷将司らが名を連ねる。クラブカラーはロイヤルブルー、ホーム収容は3,975人、サプライヤーはUNDER ARMOR、マスコットは風神の子ども“BOOZ”。

背景と歴史的文脈

ルーツは2020年設立の一般社団法人「福井県プロバスケットボールクラブ」。B3参入一次審査で不合格(2021年9月)を経験したのち、2022年に福井バスケットボール株式会社(のちの株式会社福井ブローウィンズ)を新設。2023-24シーズンのB3参加資格最終審査に合格し、正式入会へ。チーム名はコピーライター小藥元による造語「Blow × Wind」で、「ともに巻き起こそう、とてつもない旋風を。」を掲げる。エンブレムはデザイナー木住野彰悟の手による風神モチーフで、“荒れ狂う風”たる存在意義を視覚化した。

クラブ運営は株式会社福井ブローウィンズ。代表は湯本眞士、GMに手代木達。主要株主はALL CONNECT。B3参入前からブランディングとマーケティングの専門人材を招き、地域×デジタルの両輪でファネル設計を進めてきた。短期の勝敗と中長期の土台づくりを両立させたことが、B3即優勝→B2中位超の“昇格後バウンス”に直結している。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスター(抜粋)は以下。サイズ・経験・決定力・機動力を高次でミックスしている。

  • PF/C 4 ライアン・ケリー(34):2.11m。ハイポストのプレーメイクとストレッチ能力に秀でる。PnP(ピック&ポップ)からのミドル~3Pで相手BIGを外に引き出す。
  • PF 30 ペリー・エリス(32):2.02m。ペイントタッチの巧さとオフボールIQ。ショートロールの中継点として高効率。
  • SG/SF 21 満田丈太郎(31/C):1.88m。二線の守備と勝負所のショットで流れを掌握。ロッカールームリーダー。
  • PG 0 細谷将司(36):1.73m。P&Rのテンポ制御に長けた司令塔。クラッチでの決断力も評価が高い。
  • PG 18 藤澤尚之(27):1.74m。セカンドユニットの推進役。アーリーでの押し上げとPNR継続で相手ビッグを走らせる。
  • SF 12 西野曜(27):1.99m。ウイングスパンを活かしたPOA(Point of Attack)守備とトランジション加速。
  • PF 22 小阪彰久(33):1.98m。スクリーンの質が高く、ボールの離れを速める“縁の下”。
  • F/C 25 ラポラス・アイヴァナーカス(27):2.08m。身体を張れるハードスクリーンとDREBでポゼッション支配を補強。
  • G 2 モサク・ダミロラ(23)/SG 13 川島聖那(25):運動量とアタックでラインナップに縦を与える若手枠。
  • SG 73 田渡修人(35):経験豊富なシューター。スペーシングの整理役としても貢献。
  • PG 11 内藤英真(20/U22):伸びしろ最大級。終盤のディフェンス投入やゲームチェンジャー起用に期待。

サプライヤーは2023年からUNDER ARMOR。ブランド統一による“見た目の速さ”の訴求も、ゲーム体験の一部になっている。マスコットのBOOZは風神の子ども設定で、ホーム演出のムードメーカーだ。

試合・出来事の詳細

B3 2023-24:46勝4敗、得点4,692/失点3,962(+730)。ホーム26勝0敗は象徴的。ディフェンスからの走力と、ハーフコートでのボールの速さが圧倒的な差を生み、昇格を最短で完遂した。

B2 2024-25:33勝27敗(東4位)。ホーム17-13、アウェイ16-14。東地区内19-17、他地区14-10と、バランス良く勝点を積み上げた。QFは僅差のポゼッションでの詰めに課題が残ったが、昇格即PO進出はリーグでも稀有。B2の強度に適応し、ミスからの失点“連鎖”を抑える学習効果が見られた。

2025-26(現行):ヘッドコーチをマテオ・ルビオにスイッチ。ゲームモデルは「守備の同一性→DREB→4秒以内の一次攻撃」を軸に、ハーフコートはケリー+エリスの2ビッグで“内外の二刀流”。終盤は満田+田渡のショットクリエイトやハンドオフ連鎖で事故(TO)を減らす設計に寄せる。

戦術・技術・スタイル分析

守備(ハーフコート):東地区上位はPNR対策でICE/Nailヘルプ/Low-Manタグを高精度に運用する。ブローウィンズはPOA(西野・川島・ダミロラ)でドリブル侵入角を制御し、サイドPNRではICE気味にベースラインを切る。ベースラインが破られた場合はLow-Manがペイントを守り、バックサイドはX-outでコーナー3を抑制。小阪/アイヴァナーカスはスクリーン対処後のリカバリーとDREBの“止め”を担当する。

攻撃(ハーフコート):一次アクションはハイPNR(細谷-ケリー)。ケリーがポップ→ハンドオフ→再PNRと連続アクションを作り、守備のスイッチを誘導。二次はショートロール(エリス)からダイブorコーナー3の二択で効率を上げる。終盤はホーンズエレベーターで田渡のキャッチ&シュートを引き出し、満田のミドルでバランスを取る。

トランジション:DREB→アウトレット→レーンラン(西野/ダミロラ)→セカンドトレーラー(ケリー)のトップ3が基本形。早い時間帯に高期待値のオープン3を打つことで、相手BIGの帰陣を強要し、以後のハーフコートDFを遅らせる狙いがある。

ローテとマッチアップ:相手に大型ウイングがいるケースは西野×クロスマッチでPOAを置き、満田を二線に回す。ビッグラインナップ相手はケリー+アイヴァナーカスでリム封鎖とDREBの二重化、機動力勝負はケリー+エリスのスキルデュオでハーフに勝ち筋を作る。

ファン・メディア・SNSの反応

B3無敗ホームと即昇格は「県内初のプロクラブ」の存在意義を可視化し、SNSでも“#巻き起こせ旋風”が浸透。B2初年度はNOW OR NEVERのコピー通り、勝負所の粘り強さが語られた。一方でプレーオフの惜敗後は「終盤のセット精度」「リバウンド後の再開速」を高めたいという建設的な議論が増え、クラブ側もデータ発信やハイライト編集でファンの“読み解く楽しさ”を後押ししている。マスコットBOOZのコミュニケーション力も相まって、ホームの“体感価値”は年々上昇中だ。

データ・記録・統計情報

  • B3 2023-24:46-4(.920)、ホーム26-0、+730(4692-3962)
  • B2 2024-25:33-27(.550)、東4位、ホーム17-13/アウェイ16-14、地区内19-17/他地区14-10、総得点4923/総失点4846(+77)。
  • 会場・運営:収容3,975人規模。B3時代は福井県営体育館を基点に、福井市体育館、越前市アイシンスポーツアリーナでも開催。B2以降は需要予測に応じてホーム構成を最適化。
  • ブランド/装備:ユニフォームサプライヤーはUNDER ARMOR(2023-)。ロゴは風神モチーフ。カラーはロイヤルブルー。

リーグ全体への影響と比較分析

昇格直後に勝率.550まで乗せるクラブは少ない。ブローウィンズの成功要因は、①ブランドづくりと競技の同時進行(早期の専門人材登用)②2m級×機動力×シュートIQのロスター思想③ホーム体験の磨き込み(無敗ホームが語る価値)の三点に集約できる。B2上位は“スイッチ適性の高い2m級”を複数並べ、ハイテンポとハーフの両方で得点期待値を確保している。福井はケリー+エリスを軸に、ウイングの守備粘着度(西野、川島、ダミロラ)を高めることで上位流儀に近づいている。

過去の類似例としては、B3で圧勝→B2でも早期に中位ラインへ到達したクラブ群があるが、ホームパワー(観客の圧)とデータリテラシー(プレー設計の“見える化”)の両立は福井の特徴。今後はDREB%FTr(フリースロー獲得率)の更なる上積み、そしてクローズゲームでのA/TO安定化が、東上のレバーとなる。

今後の展望とまとめ

2025-26のターゲットは、勝率.560~.580でのPOシード獲得、シリーズ終盤の“勝ち切り力”の可視化だ。実務KPIは①守備の同一性(POA→Nail→Low-Man→X-outのミス低減)②DREB%の改善(セカンドチャンス抑止)③eFG%の最適化(コーナー3とリムの配分)④FTr(ショートクロックISOの設計)⑤A/TO(特に終盤)。ローテは、ケリー+エリスの2ビッグで“内外二枚看板”、相手の種類に応じてアイヴァナーカス小阪を組み込み、守備とリバウンドを“二重化”する。

地域軸では、ロイヤルブルーの視認性とBOOZの人気、UNDER ARMORの機能性を活かし、来場導線(アクセス/売店/親子席)と二次創作(SNS・UGC)を促進。学校訪問・クリニック・地域イベントとの連携を拡大し、「風」を“文化”へと定着させたい。

最後に――福井ブローウィンズの歩みが役立ったと感じたら、本記事を共有し、戦術やロスターの最適解について議論してほしい。あなたの一声が、福井にさらにいい風を呼び込む。#福井ブローウィンズ #B2リーグ

【Bリーグ/本ヴォルターズ】現在地と勝ち筋:リブランディング以後の“熱源”が目指す昇格ロード完全ガイド

本稿は熊本ヴォルターズ(B2リーグ西地区)の最新トピックを、ニュース・歴史・戦術・データを横断して再構成した“百科型リライト”である。リブランディング後の変化、観客動員の伸長、B1ライセンス動向、ロスター再編、そして熊本ヴォルターズがB2西地区で上位を狙うための技術的解像度を、検索に耐える知識資産としてまとめた。

ニュース概要

2025-26シーズンのクラブスローガンは「やるヴォ―!」。ヘッドコーチは遠山向人が続投し、GMは七川竜寛、AGMは徳永隆聖。ロスターは石川海斗の5季ぶり復帰、帰化枠モッチラミンの加入、モンテネグロ代表歴を持つネマンヤ・ジュリシッチの補強でボールハンドラーとフロントコートの質を同時に強化した。2024-25は27勝33敗(.450)で西4位・全体8位、QF敗退ながら、年間総動員101,758人(平均3,392人)とクラブ記録を更新。練習拠点VOLTERS GXの本格稼働、大学・医療機関との連携拡充など「勝てる環境」づくりが前進している。

背景と歴史的文脈

クラブは2012年創設。チーム名は阿蘇の「volcano」と県の豊かな「water」を掛け合わせた造語で、地域の自然とエネルギーを象徴する。NBL期は苦闘が続き、2013-14と2014-15は6勝48敗の最下位。しかしB.LEAGUE発足後、2016-17に44勝16敗と一気に浮上。以後もB1昇格争いに絡むシーズンを重ね、2018-19は西地区優勝(45勝15敗)に到達した。

近年はブランディングと経営基盤の両輪が可視化。2024年のリブランディングでは色調を赤×黒に整理し、会場演出や音楽の刷新、地元企業とのパートナーシップ深化を推進。2024-25はB1参入を2030-31に方針転換しつつ、ライセンス交付条件(財務・動員・施設)クリアに向け、熊本県立総合体育館の建替構想VOLTERS GXの稼働、医療・大学との包括連携で「持続的競争力」を高めている。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターの骨格は「ハンドラー二層化 × 帰化ビッグの連結 × 経験値の再注入」。主要選手の特性を簡潔に整理する。

  • ガード群田中力(サイズとドライブ)、保坂晃毅(ショットクリエイトとオンボールDF)、長島蓮(テンポコントロール)、そして復帰の石川海斗(PNR舵取り・クラッチ意思決定)が層を作る。山田安斗夢はセカンダリー創出でバランス役。
  • ウィング磯野寛晃(C)は3&Dの要で、澤邉圭太はハンドオフの出口とストップ役、山本翔太はトランジションとキャッチ&シュートで価値を出す。
  • フロントコートモッチラミン(帰化)はペイントの接触とロール・ショートロール判断に秀で、ジュリシッチはハイポの配球とミドルでスペーシングを供給。ミッチェル・ライトフットはスクリーン角度とリムラン、グレゴリー・エチェニケ(VC)はポストディフェンスとリバウンドの基準線を提供する。

ベンチは遥天翼AC、本村亮輔PDコーチ、堀井快VC(ビデオコーディネーター)らが役割明瞭。医療は桜十字グループと大学の連携が中核で、怪我リスク管理とリカバリーの標準化を進める。

試合・出来事の詳細

直近2季のトレンドを要約し、勝ち筋と弱点を可視化する。

シーズン 成績 地区順位/総合 PO ホーム アウェイ トピック
2023-24 33勝27敗 (.550) 西3位 / 5位 QF敗退 22-8 11-19 ホームで高勝率、終盤に負傷相次ぎ失速。動員も上向き。
2024-25 27勝33敗 (.450) 西4位 / 8位 QF敗退 14-16 13-17 序盤6連敗→9連敗と低迷も、後半は指標改善。総動員は過去最高。

2024-25は序盤にPNRカバレッジが定まらずPAINT失点が増加、TO%も悪化。年明け以降はラインナップ固定とDHO(ドリブル・ハンドオフ)の定着でショットクオリティを持ち直したが、クラッチの「最後の1ポゼッション」で取り切る仕組みが未完成だった。

戦術・技術・スタイル分析

(1)ハーフコート・オフェンス:Spain PnR × DHO × ハイロー
今年の軸は、石川-モッチのSpain PnR(バックスクリーン付PNR)と、田中→ジュリシッチのDHOからのショートロール/キックアウト。ハイポのジュリシッチが「受け手兼配球」で機能すると、45度→コーナー3が連鎖。モッチはショートロールでフローダー/ミッドポスト配球まで担うため、ポストエントリーの渋滞を避けやすい。

(2)ディフェンス:Drop基調+サイドICE、試合終盤はハイブリッド
ベースはエチェニケのDropでリム保護。サイドPNRはICEでサイドラインへ追い込み、ベースライン・ヘルプは短距離タグ。プルアップ巧者にはタッチショウで手元を揺らす。クラッチは1-4で限定スイッチし、5番はDrop継続のハイブリッド運用でミスマッチ連鎖を遮断。これにより、ファウル増加とローテーション距離のジレンマを緩和する。

(3)リバウンド&トランジション:2ORBルールと「0-7秒意思決定」
ORBは原則2人まで(ライトフット+ガード1人)。他は即時リトリートで失点源の走られ方を遮断。奪えば0-7秒の速い意思決定を許容し、3PAr(3P比率)を底上げ。山本・澤邉のコーナー3、磯野の45度3が一次ターゲットになる。

ファン・メディア・SNSの反応

熊本は“会場体験”の完成度が際立つ。BLACK VOLFESや新規の「水フェス」、地元アーティストとの楽曲連動、アリーナDJ布陣の拡充で、勝敗とは独立に観客体験の満足度を押し上げている。SNSでは「VOL(Voltage Of Life)を赤く彩る熱源」というクラブの自己規定に支持が集まり、ハイライトでは石川のPNR判断、モッチのフィニッシュ、磯野のストップが拡散。敗戦時でも入場者数が維持されるのは、地域密着の成果と解釈できる。

データ・記録・統計情報

主要な通史データを簡易年表で確認する(勝敗はレギュラーシーズン)。

リーグ 勝率 地区 PO メモ
2016-17 B2西 44 16 .733 3位 クラブ躍進の起点、13連勝を記録。
2018-19 B2西 45 15 .750 1位 3決敗退 地区優勝。B1昇格まであと一歩。
2021-22 B2西 36 18 .667 2位 4位 攻撃力で上位回帰、PO経験値を蓄積。
2023-24 B2西 33 27 .550 3位 QF敗退 ホーム22勝と地元で強さ。
2024-25 B2西 27 33 .450 4位 QF敗退 序盤失速も終盤は持ち直し。

観客動員の推移は競技成績と非線形。2023-24で80,727人(平均2,691)、2024-25は101,758人(平均3,392)と継続成長。コンテンツ価値(演出・イベント)と地域コラボが、勝敗の乱高下と切り離されて底堅い需要を生んでいる。

クラブ記録面では、最多動員が4,899人(2017/4/30)、最多得点128点(天皇杯2017/9/17)。NBL期の20連敗という苦い歴史を背負いつつ、B2期の安定成長が現在の基礎体力を作った。

リーグ全体への影響と比較分析

B2西地区で上位に定着するクラブの共通項は、①3PArの確保、②TO%の抑制、③リム保護の一貫性。熊本は2025-26ロスターで①③の前提を満たしやすい構造に寄せた。特にモッチラミンの帰化は、B2で効く「国内ビッグの連続起用」というカードを増やし、ファウルトラブル時のディフェンスEV(期待値)低下を緩める。対照的に、ガードのサイズ不利は一部対戦で露呈しうるが、石川のPNR意思決定と田中のドライブが機能すれば、ポゼッション価値で相殺可能だ。

他クラブの成功例に学ぶなら、終盤ATOのテンプレ化(Spain PnR/Horns Twist/Iverson→サイドPNR)と、2ndユニットのKPI管理(TO%・ORB%・3PAr)を週次でレビューし、ラインナップ別のプラスマイナスを明確にすること。これが接戦勝率を2〜3勝分押し上げ、シード順・ホームコートアドバンテージに直結する。

今後の展望とまとめ

2025-26の具体的な処方箋を三点に絞る。

  1. クラッチ設計の固定化石川-モッチのSpain PnRを終盤の第一選択に据え、サブとして田中→ジュリシッチのDHO→ショートロールを準備。コーナー3の創出を第一原理に置く。
  2. 守備ルールの省エネ最適化:Drop基調+サイドICE+限定スイッチの三層。ロータグ→Xアウトの距離を短縮し、ファウルと回転距離を同時に削る。
  3. 2ndユニットのKPI運用:週次でTO%・ORB%・3PArを共有し、プレータイム判断をデータと接続。意図のないミドルを削減し、0-7秒の意思決定を徹底する。

リブランディング以後の熊本ヴォルターズは、会場体験と地域連携で“熱源”の座を確立した。次に必要なのは、反復可能な原則で接戦を拾い続けることだ。B2西地区の序列は拮抗しているが、帰化枠の活用とハーフコートの設計で勝ち筋は明瞭になった。観戦のたびにチェックしたいキーワードは「熊本ヴォルターズ」「B2リーグ」「西地区」。この記事が観戦・議論の手引きになったなら幸いだ。最後に――あなたの一言が次の満員をつくる。感じたことを共有し、クラブの“熱量”を広げよう。

【Bリーグ/横浜エクセレンス】徹底ガイド|B3優勝からB2復帰へ──歴史・ロースター・横浜武道館時代の戦略を総まとめ

ニュース概要|横浜エクセレンスがB3優勝を経てB2復帰へ

横浜エクセレンス(Yokohama Excellence、以下「横浜EX」)は、2024-25シーズンのB3で45勝7敗(勝率.865)と圧巻の成績を残し、優勝とともにB2復帰を果たした。ホームタウンは神奈川県横浜市。ホームアリーナは中区の横浜武道館で、2025-26シーズンはB2東地区での戦いに臨む。クラブは2012年創設の「東京エクセレンス」を前身に持ち、横浜移転(2021-22)を機にブランディングを再構築。チームカラーのEX GREENと「LIGHT UP FOR EXCELLENCE!」のスローガンを掲げ、地域密着と競技力向上の両立を進めてきた。

本稿はWikipedia情報を基礎としつつ、編集・再構成による解説記事として、横浜エクセレンスの歴史・成績推移・ロースター構成・運営体制・スポンサー/マスコット・開催アリーナを俯瞰し、B2復帰後に求められる戦術的/経営的ポイントを整理する。

背景と経緯|東京エクセレンスから横浜エクセレンスへ

母体は2002年にスポーツドクター辻秀一氏の手で創設されたクラブチーム「エクセレンス」。NBDL期には3連覇(2013-14/2014-15/2015-16)を達成し、下部リーグで存在感を高めた。Bリーグ創設後はB2配置(2016-17)からのスタートだったが、ホーム基準(3000人規模アリーナ)を満たせずライセンス不交付となりB3降格という苦い経験を持つ。その後、2018年に加藤製作所が運営会社を子会社化、2019年にはB3年間1位で自動昇格を勝ち取りB2へ返り咲いたものの、再びホームアリーナ計画が頓挫し、2度目のライセンス不交付でB3に戻る。

この揺り戻しを断つべく、クラブは2021-22に横浜市へ移転。B2基準を満たす横浜武道館をホームとし、ブランディングを横浜仕様に刷新。横浜ビー・コルセアーズとのホームタウン棲み分け(横浜EXは南部エリア中心)を明確化し、地域連携を強化した。2024-25のB3優勝でB2復帰資格を得た現在、クラブ史に二度刻まれた「ライセンス不交付」というリスク要因を克服する体制が整いつつある。

選手・チームのプロフィール|2025-26ロースターの骨格と強み

2025-26の横浜エクセレンスは、ガードの機動力+ストレッチ可能なビッグという現代的な構成。PG/SGラインは複数のボールハンドラーを揃え、テンポコントロールと外角火力を両立させる設計だ。

  • バックコート:板橋真平(PG/168cm)、ディクソンJrタリキ(PG/181cm)、西山達哉(PG/172cm)、大橋大空(PG/165cm/キャプテン)、永野威旺(G/178cm)、杉山裕介(SG/183cm)など、小柄だが推進力と意思決定に優れたハンドラーが多い。
    米系のトレイ・ボイドⅢ(SG/193cm)がスコアリングの核になりうる。
  • ウイング/フォワード:木下大南帆(F/192cm)、ザック・モーア(SF/198cm)。機動力とサイズを活かし、トランジション/セカンドユニットの安定剤として期待。
  • ビッグマン:ベンジャミン・ローソン(C/216cm)、カリム・エゼディン(F/C/206cm/アジア枠)、エライジャ・ウィリアムス(PF/201cm)。
    ローソンの長身はリムプロテクトとハイローフィードで効く。エゼディンはスクリーナー兼ロール/ショートロールの起点として、ウィリアムスはフィジカル&ミドルで起点を担える。

指揮官は河合竜児HC。アシスタントに玉城理規、S&Cに冨樫司、トレーナーに大野夢実、通訳兼マネージャーの安喰淳平、アナリストの川本貴和子と、現場機能が整理されている。B3優勝の再現性をB2で示すうえで、守備規律とラインナップ最適化が鍵を握る。

試合・出来事の詳細|成績トレンドと横浜武道館運用

成績推移を見ると、B3では2018-19:32勝4敗(優勝)2024-25:45勝7敗(優勝)と「勝ち切る年」の再現性がある。一方で、B2基準のホーム確保不備により二度の降格を経験したのが難点で、施設計画と競技成績のアラインメント不全がクラブの構造課題だった。横浜移転後は、横浜武道館という明確なホームフォーマットを得たことで、演出/導線/販売の標準化が可能に。2022-23には横浜武道館でプレーオフを3試合開催するなど、“アリーナで魅せる”勝ち筋を強化している。

開催アリーナの歴史を振り返ると、東京EX時代は板橋・立川・練馬・八王子などに分散していたが、横浜移転以降は横浜武道館が主戦。平塚・座間・横須賀など県内サテライト開催の実績もあり、南部エリア中心の地理戦略が明確化された。

ブランド/スポンサー/マスコット|共創型アクティベーションへ

2025-26シーズンのユニフォーム関連は、サプライヤー:ペナルティ。スポンサー枠は前面・背面・パンツに横浜市、三菱地所、加藤製作所、横浜武道館、銀座鮨あらい、TH弁護士法人などが並び、自治体×地場/全国企業の混成。単なる露出ではなく、試合当日や地域イベントと連動した活用(アクティベーション)が企図されている。

マスコットは二人体制の「ピック&ロール」(背番号45と80)が2023年から稼働。NBDL/東京EX期のtex(テックス)は2019年に活動を停止し、横浜EXの世界観に合わせた新コンセプトへ移行した。ロゴは横浜発祥の「ガス灯」モチーフで、“LIGHT UP”の物語をアリーナ体験全体に織り込む。

他事例との比較・分析|B2で定着するためのゲームモデル

B2定着のポイントは、守備効率の底上げ・DREB%の安定化・TOV%の縮小・3Pの質(オープン比率)の確保に集約される。横浜EXは小柄で敏捷なガードと、長身リムプロテクター/ストレッチPF/Cの組み合わせを持つため、以下のゲームモデルが理想解だ。

  • ハーフコート攻撃:ハイ/サイドPnRを主軸に、ローソン/エゼディンのスクリーン角度と大橋・板橋のハンドラーリズムでペイントタッチを増やす。弱サイドは45度のシェイク/リロケートでキックアウト動線を短くし、ボイドⅢ・杉山・モーアのキャッチ&シュートを最大化。
  • トランジション:守備リバウンドから2タッチ目で前進、押し切れない場合は早い2ndエントリー(Horns/5-out)でショットクオリティを担保。ポゼッション価値の下がる無理打ちは避け、“良い早打ち”の定義を徹底。
  • PnR守備:基本はドロップ+ボールサイドナビゲート、相手のパススキルに応じて弱サイドのタグ/スクラムを明確化。相手のコーナー3を最重要脅威とし、ローテの優先順位を全員に浸透。
  • ファウルマネジメント:ローソン/エゼディンのファウルトラブルは構造的な敗因になりうる。ポジション取りの先手と、縦ドライブの角度管理で接触/リーチを減らす。

経営面では、横浜武道館を核に“ホーム体験の標準化”(演出・飲食・グッズ・ファン交流導線)を進めるほど、勝率×動員の相関が強まる。他クラブの成功事例では、学校連携・地域祭事・企業福利厚生観戦の三本柱が来場動機の分散と底上げに寄与している。横浜EXはスポンサー/自治体が厚く、南部エリアの生活導線に寄り添った施策を積み上げやすい。

経営・組織ガバナンス|“ライセンス不交付”の歴史を教訓に

横浜EXは過去に2度のライセンス不交付を経験している。要因は主としてホームアリーナ基準とのミスマッチだった。横浜移転後は基準適合施設=横浜武道館に拠点を一本化し、B2以上で戦う前提を固めた。将来的な横浜BUNTAI活用の構想も掲げられており、施設計画とカテゴリーの整合性を保つことで、“昇降格の揺り戻し”を避けることが可能になる。

運営法人は株式会社横浜エクセレンス。代表は桜井直哉。事業はバスケットボールクラブ運営、プロスポーツ興行、グッズ/写真/映像等の企画・販売。一般社団法人EXSCはスポーツクラブ運営や指導者育成を担い、教育・地域事業のハブとして機能する。競技・興行・育成の三位一体は、ホームタウン密着の質を高める中長期戦略の要だ。

年表ダイジェスト|主要トピック早見

  • 2012年:東京エクセレンス創設。
  • 2013-16年:NBDLで3連覇
  • 2016-17年:B2配置→ライセンス不交付でB3降格。
  • 2018年:加藤製作所の子会社化/専用練習場「KATO FACTORY ARENA」稼働。
  • 2018-19年:B3優勝→B2自動昇格。
  • 2019-20年:アリーナ計画頓挫で2度目の不交付、B3へ。
  • 2021-22年:横浜移転/横浜武道館をホームに。
  • 2024-25年:B345勝7敗優勝、B2復帰へ。

KPIと実装順|B2で“勝ち続ける”ためのチェックリスト

  1. 守備効率の中位以上化:DREB%とコーナー3被弾率を最優先KPIに。
  2. ペイントタッチの増加:ハンドラーのPAINT侵入→ショートロールの起点化。
  3. 3Pの質:キャッチ&シュートのオープン比率を可視化し、個人/ラインナップ別に最適化。
  4. TOV%の縮小:クラッチ時の意思決定ルール(初手のプレータイプ)を統一。
  5. ホーム体験の標準化:演出・飲食・動線・交流をテンプレ化し、セールスと勝率の相関を強化。

今後の展望とまとめ|横浜エクセレンスがB2で示すべき“再現性”

横浜エクセレンスは、NBDL期の勝ちグセ、B3での勝ち切る力、そして横浜移転によるホーム基盤の安定を手に、B2で「再現性のある勝利」を示す段階に入った。小柄なガード群と長身ビッグの組み合わせはB2でも戦えるポテンシャルがあり、守備とショットクオリティの徹底で接戦勝率を積み上げたい。運営面では横浜武道館を核に、学校・企業・自治体と連動した共創型アクティベーションで来場理由を多層化し、動員×勝率の好循環を作ることが重要だ。

横浜エクセレンスの物語は、ライセンス不交付→再起→B2復帰という稀有な軌跡でもある。次なる章は“定着”と“挑戦”の両立。気になる方は公式サイトやSNSで最新リリースをチェックし、横浜武道館でのホームゲームに足を運んでほしい。感じたことをシェアする一言が、クラブの次の一歩を明るく照らす。

【Bリーグ/福島ファイヤーボンズ】B2最新動向:ライアン・マルシャン新体制と宝来屋ボンズアリーナ改修で挑む再建戦略の全貌【2025-26】

福島ファイヤーボンズB2最新動向:ライアン・マルシャン新体制と宝来屋ボンズアリーナ改修で挑む再建戦略の全貌【2025-26】

福島ファイヤーボンズはB2東地区のクラブとして、2025-26シーズンに大規模な刷新を行った。ライアン・マルシャンが新ヘッドコーチ(HC)に就任し、ゼネラルマネージャー(GM)には地元・福島市出身の渡邉拓馬が着任。主将は笠井康平渡邊翔太の2人体制となり、クラブ初のダブルキャプテン制を採用した。ホームアリーナの宝来屋ボンズアリーナ(郡山総合体育館)は2024年3月~2025年3月末の改修で観客席増設・床更新・4面大型ビジョン新設などの機能強化が完了。前季(2024-25)は15勝45敗(東7位)と大きく負け越したが、スポンサー増と動員増で売上8.8億円規模(黒字)を確保し、事業基盤の改善を継続している。本稿は、ニュースの要点から歴史・戦術・統計・文化的文脈まで、百科スタイルで多角的に編集リライトしたものである。

ニュース概要

2025年10月に更新された情報によれば、福島ファイヤーボンズはB2東地区で新体制を正式発表した。
・ヘッドコーチ:ライアン・マルシャン
・ゼネラルマネージャー:渡邉拓馬
・キャプテン:笠井康平/渡邊翔太(2人体制)
・ホームアリーナ:宝来屋ボンズアリーナ(収容5,000、改修完了)
・スローガン:「やるっきゃない」
・前季成績:15勝45敗(2024-25、東7位)
・営業トピック:スポンサー数増、売上8億円超、2期連続黒字
2024-25は郡山総合体育館の改修に伴い須賀川・あづま・いわき・田村など県内各地でホームゲームを開催。2025-26は改修後の本拠へ段階的に回帰し、観戦体験の品質を引き上げながら順位浮上を狙う方針である。

背景と歴史的文脈

クラブの起源は2013年。東日本大震災以後、屋外活動が制限された子どもたちの運動機会を確保するバスケット教室が母体となり、同年5月にチームが発足した。名称のFirebondsは「燃える闘志(Fire)」と「絆(Bonds)」の造語。チームカラーのフクシャパープルは福島の「福」に想起される幸福の色で、クラブ・地域の誇りを象徴する。

リーグ構造の変遷としては、bjリーグ参入(2014-16)を経てBリーグ創設に伴いB2へ。B2加入後は波があり、2017-18は38勝22敗(東2位)で上位入り、2021-22は34勝18敗(東3位)で初のB2プレーオフ進出。一方で、2023-24:24勝36敗(東5位)2024-25:15勝45敗(東7位)と直近は停滞。クラブは中長期の再建に向け、コーチング・編成・施設の三位一体改善を打ち出している。

アリーナについては、Bリーグの基準が段階的に高度化される中で、本拠の郡山総合体育館(呼称:宝来屋ボンズアリーナ)をB1水準を見据えた改修へ。2024年3月~2025年3月末の工期で観客席の増設、フロア更新、4面大型ビジョンの導入などを行い、試合演出と快適性を改善。改修期間中は県内各地で分散開催を実施し、地域接点を広げた。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターは大規模刷新で、笠井康平(PG)を除く選手はほぼ新加入。主な顔ぶれは以下の通り。

  • パトリック・ガードナー(C、213cm、1999年生):サイズとソフトタッチが融合。PnRのロール、ショートロールからのミドル、ポストでの自作自演まで対応。守備では長身を活かしたリムプロテクトを担う。
  • ケニー・マニゴールト(G/F、196cm、1991年生):ドライブの破壊力とリバウンド強度が魅力。ディフレクション創出、トランジションの推進力にも期待。
  • 笠井康平(PG、主将):ゲームマネジメント、終盤の意思決定、アドバンスドエントリーの精度でチームの軸。
  • 渡邊翔太(PG、主将):2ndユニットの統率とボールプレッシャー。ダブルキャプテン制の下でロッカールームの安定化に寄与。
  • ジュフ・伴馬(PF):スイッチ適性のあるフォワード。DREB確保とスクリーン後のショートロールで貢献。
  • 中野司/新川敬大(G):アウトサイドの間引き(スペーシング確保)とキックアウト対応のキャッチ&シュートを担う。
  • 大久保友貴(PG)・小川翔矢(G):テンポアップの「点火役」。ラインナップの多様性を作る。

スタッフは、ライアン・マルシャンHCの下に、マーク・コッポラ輪島射矢らが布陣。トレーナー部門は竹尾宗一郎が統括し、シーズンを通じた健康管理・負荷コントロールを重視する。

試合・出来事の詳細

2024-25は郡山本拠の改修に伴い、須賀川16、あづま8、いわき2、田村2など分散開催の負荷が大きかった。戦績は15勝45敗。相手のセカンドチャンスを抑え切れず、接戦の終盤でのターンオーバーとファウルマネジメントが勝率を下押しした。一方で、ホームタウン各地との接点が増し、スポンサーは500社超に到達する年もあり、観客数は過去最高水準を記録。事業基盤はむしろ強化された。

2025-26は宝来屋ボンズアリーナへ順次回帰し、4面ビジョンも活用した演出強化で「ホーム勝率の上振れ」を狙う。新ユニフォームは2024-25に導入されたピンストライプの流れを汲むデザインで、FUUPがサプライヤー。福島民報社/ニラクら地元企業がユニフォームスポンサーとして名を連ね、地域密着性は濃い。

戦術・技術・スタイル分析

マルシャンHCのタスクは、守備の再現性を上げることに尽きる。想定するKPIは以下。

  • DREB%:+2.0ポイント(セカンドチャンス抑制)
  • クラッチ時TOV%:-2.0ポイント(終盤の意思決定安定化)
  • FT Rate(被):-0.02(不要ファウル削減)
  • ホーム勝率:.600以上(演出強化と審判傾向の相乗効果)

オフェンスは、PnR→ショートロール→45度キックアウトを定型化し、ガードナーの「ハイポスト起点」、マニゴールトの「ペイント侵入」で二段攻撃。スタッガード→フレア→スリップの連続アクションを用いて、相手のタグを遅らせる。BLOB/SLOB(スローイン)ではバックドアの比率を上げ、1ポゼッションゲームの勝ち切り率を底上げする。

5人制の文脈では、ペース管理とハーフコートの効率が鍵。3×3的なアイソ誘導は限定し、アドバンテージの連鎖でタフ2とフリースローを稼ぐ。守備はICEDropを基調に、相手のエースに対してはShow→Recoverの可変、終盤はSwitch-1のミックスでトリガーを切る想定だ。

ファン・メディア・SNSの反応

県内メディアは「アリーナ改修完了」「営業面の黒字回復」を継続的に取り上げ、“事業は上向き、競技は反転待ち”という共通した論調。SNS上では、ピンストライプの新ユニフォームや4面ビジョン演出に対する期待が高く、「ホームに帰ってくる実感」を歓迎する投稿が散見される。地元スポーツ文化の文脈では、Jリーグ/独立リーグ野球との横断的な地域応援スタイルが定着し、フクシャパープルは地域ブランディングの視覚的ハブとして機能している。

データ・記録・統計情報

  • B2リーグ 過去主要戦績
    2016-17:30勝30敗(東3位)/PO未進出
    2017-18:38勝22敗(東2位)/上位定着
    2018-19:27勝33敗(東4位)
    2019-20:16勝31敗(打切)
    2020-21:27勝31敗(東6位)
    2021-22:34勝18敗(東3位)/初のPO進出(QF敗退)
    2022-23:28勝32敗(東4位)/QF敗退
    2023-24:24勝36敗(東5位)
    2024-25:15勝45敗(東7位)
  • アリーナ・開催
    2024-25:須賀川16・あづま8・いわき2・田村2(改修対応)
    2025-26:宝来屋ボンズアリーナへ段階回帰、収容5,000・4面ビジョン・床更新
  • 事業指標
    スポンサー数500社規模の年もあり、2023-24:売上8.1億円・黒字2024-25:8.8億円・黒字。動員は増勢。

リーグ全体への影響と比較分析

B2でPO圏に復帰するクラブは、守備効率(DefRtg)・ターンオーバー管理(TOV%)・ホーム勝率の3条件を満たす傾向が強い。リーグ中央値比でDefRtgを-2~-4、クラッチのTOV%を1桁後半に抑え、ホーム.650前後を達成すれば、レギュラーシーズンの勝ち星は自ずと伸びる。福島はアリーナ演出強化によりFT Rate(自)を押し上げられる可能性があり、接戦の笛で優位を取りやすくなる。また、GM主導でシーズン中の微調整(外国籍の役割最適化、アジア枠・帰化選手の相互補完、2ndユニットのライン構成見直し)を躊躇しないチームは、終盤に勝率が伸びやすい。

過去の上位クラブと比較すると、福島が取り戻すべきは「ホームの地力」「終盤の定型化」である。宝来屋ボンズアリーナの回帰は「地力」再構築の土台になり、BLOB/SLOB効率の改善は「定型化」の最短経路。守備のDREB%と被FT Rateの改善は、最小投資で最大効果を見込みやすい“地味な2指標”だ。

今後の展望とまとめ

短期(前半戦)のターゲットKPIは、DREB%:+2pt/クラッチTOV%:-2pt/ホーム勝率:.600以上。中期(終盤)でBLOB/SLOBの生産性を底上げし、1ポゼッション差ゲームを拾う設計に転じる。ロスターではガードナーの健康管理と、マニゴールトのファウルマネジメントが鍵。ラインナップの守備相性を踏まえ、Switch-1多用時のミスマッチ救済(早いハードダブル→ローテの整列)をテンプレ化したい。

事業面は「4面ビジョン×照明演出×音響」で体験価値を引き上げ、客単価×稼働率を同時に押し上げる局面。分散開催で得た県内接点は、郡山回帰後の送客物販の回転率改善に生かせる。地域との「Bonds(絆)」という原点に立ち返り、福島ファイヤーボンズB2リーグで競技・事業の両輪を噛み合わせられるか――それが2025-26の焦点だ。

主要キーワード再掲: 福島ファイヤーボンズ/B2リーグ/宝来屋ボンズアリーナ/ライアン・マルシャン/郡山総合体育館。
最後に、読者への呼びかけを添える。この記事が有用だと感じたら、共有し、次のホームゲーム情報を周囲に伝えてほしい。アリーナでの一体感こそが、クラブの勝率と地域の熱量を同時に押し上げる最大の推進力になる。