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小西聖也|洛南から関学、そしてBリーグへ──アシスト王が導く“チームを生かす”バスケット

関西が育んだ司令塔、小西聖也とは

小西聖也(こにし せいや、1999年12月28日生まれ)は、大阪府出身のプロバスケットボール選手。身長184cm・体重79kgのガードとして、B3リーグ・さいたまブロンコスに所属している。高校時代は全国屈指の強豪・洛南高校、大学では関西学院大学で活躍し、学生時代から“アシストマスター”として知られた存在だ。

彼のプレースタイルを一言で表すなら「ゲームメイカー」。スピードや得点力だけでなく、味方を生かす判断力に長け、試合の流れを読む力は同世代でも群を抜いていた。関西学院大学在学中には、関西学生リーグで複数のアワードを受賞。2019年度の関西新人戦ではMIP賞とアシスト王を同時受賞し、2021年度にはリーグ優秀選手賞とアシスト王の二冠を達成している。

高校時代:洛南高校で磨かれた基礎力

洛南高校時代、小西は全国屈指の強豪環境で“チームを動かすガード”としての土台を築いた。徹底したディフェンス意識、規律あるオフェンス、そして味方との連携を重視する洛南バスケットの哲学が、彼のプレーメイク能力を支えている。
得点に走るよりも、味方を活かし試合をコントロールする姿勢は、すでに高校時代から明確だったという。

大学時代:関西学院大学で開花した視野と創造性

関西学院大学に進学後、小西はチームの司令塔として着実に存在感を高めた。アシストの精度とリズムを操る能力に加え、リーダーシップと冷静な試合運びが評価され、チームの中心としてリーグ上位進出を牽引。
特に2021年シーズンには、関西学生リーグで平均アシスト数トップを記録し、「関西学生リーグ優秀選手賞」と「アシスト王」をダブル受賞する快挙を達成。大学バスケ界でも屈指のゲームコントローラーとして知られるようになった。

プロ入り:京都ハンナリーズでの挑戦

2022年1月、小西はB1の京都ハンナリーズと特別指定選手契約を締結。大学在学中ながらプロの舞台に立ち、スピードと視野を武器に限られた出場時間の中でも確かなインパクトを残した。
卒業後は正式に京都とプロ契約を結び、B1リーグでの経験を重ねていく。ハンナリーズでは控えガードとしての役割を担いながらも、トランジションの起点やチームオフェンスのテンポメイクに貢献。シーズンを重ねるごとに成長を見せた。

京都時代の彼を知る関係者は、「彼は派手さよりも堅実さ。状況を読み、最もチームが得点しやすい形を作るタイプ」と評している。コート上での落ち着きと判断力は、若手選手として際立っていた。

2025年:さいたまブロンコスで新たなステージへ

2025年6月、小西はB3リーグ・さいたまブロンコスへの移籍を発表。京都で培った経験をもとに、チームの司令塔として新たな挑戦をスタートさせた。ブロンコスは若手育成とスピーディなバスケを掲げるクラブであり、小西の“パスとリズム”を重視するスタイルとは相性が良いとされている。
加入発表時、チーム公式サイトでは「視野の広さとリーダーシップで、チームに新しい風を吹き込んでくれる」と期待の声が寄せられた。

プレースタイル分析:判断力とテンポコントロール

小西の最大の強みは「判断の速さ」と「テンポのコントロール」。ピック&ロールでの読み、キックアウトパスの精度、ドライブからのディッシュなど、現代的なガードに求められるスキルを高水準で備えている。
また、チームメイトの特徴を理解してパスを配る“チームファースト”の姿勢も特徴的だ。自らが得点するよりも、チームが効率よく機能することを優先するタイプであり、試合終盤には確実に試合のリズムを掌握する。

一方で、B1での経験を経て課題として挙げられたのは、フィジカル強度とディフェンス面での安定感。だが、184cmというサイズと体の強さを活かした守備力も徐々に評価を上げており、ブロンコスでは攻守両面での貢献が期待されている。

関西出身ガードの系譜と未来

関西学院大学出身のプロバスケ選手は、かつてに比べて増加傾向にある。小西もその一人として、大学バスケからプロへの“関西ルート”を切り開いた存在だ。彼の活躍は、後輩たちにとっても大きな刺激となっている。
また、洛南高校出身のプロガードとしては、並里成や寺園脩斗といった先輩たちの系譜にも連なる。チームを支配する司令塔としての資質は、世代を超えて継承されている。

SNSとセルフブランディング

小西はInstagram(@se__________ya)やX(@0101sssss)でも積極的に情報発信を行っており、ファンとの距離が近い選手としても知られる。練習風景やチームメイトとの交流、試合後コメントなどを通じて、飾らない人柄が多くの支持を集めている。
3×3やストリートカルチャーとも親和性が高い彼のプレースタイルは、今後GL3x3などのエンターテインメント型バスケとの接点を持つ可能性もある。

まとめ:アシストでチームを動かす“静かな革命家”

小西聖也は、決して派手なタイプではない。しかし、彼のプレーには「チームを整える力」と「仲間を輝かせる技術」がある。
アシストという見えにくい数字の中に、彼の哲学が息づいている。チームの呼吸を合わせ、リズムを生み出すそのスタイルは、まさに“静かなる革命”。
さいたまブロンコスでの新章は、彼のキャリアをさらに成熟させ、日本バスケット界に新たなタイプのリーダー像を提示するだろう。