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早稲田大学バスケットボール部が日大に101−81で快勝|20勝2敗でリーグ戦首位を確定させた理由とチームの現在地

リーグ最終節で示された早稲田大学の総合力とシーズンの集大成

2025年11月2日、日本体育大学世田谷キャンパスで行われた第101回関東大学リーグ戦の最終節において、早稲田大学は日本大学を101−81で下し、20勝2敗でリーグ首位を確定させた。全22試合という長いシーズンを戦い抜いた末に迎えた最終戦で、100点ゲームという象徴的な勝利を挙げたことは、チームが積み上げてきたスタイルと成熟度をそのまま表す結果となった。

試合当日は秋の冷たい空気が広がる中、学生・関係者・保護者らが多く詰めかけ、最終節に相応しい雰囲気に包まれていた。早稲田大学は今シーズンを通じて高い攻撃力を武器に勝利を積み重ねてきたが、この日の試合でもその強みが全面に発揮された。特に序盤は日大にリードを許しながらも、徐々にペースを引き寄せ、第2クォーター以降は主導権を完全に掌握した。22試合を戦う中で鍛えられたゲーム運びや意思統一が、最終節でしっかりと表れていた。

序盤の苦戦からの立て直し:ペースを奪うまでのプロセス

試合の立ち上がりは日大が勢いを持って入り、早稲田の守備ローテーションの隙を突く形で得点を重ねていた。インサイドアタックと外角への展開をバランス良く組み合わせ、早稲田の守備を広げる戦術が効果を発揮していた。一方の早稲田は序盤こそシュートのリズムが整わず、思うような得点ペースをつくれない時間帯が続いた。

しかし、第1クォーター中盤以降、早稲田はボールプレッシャーの強度を上げ、ペリメーターへの早い寄せとスイッチディフェンスの正確さを高めた。これにより日大の攻撃テンポが徐々に停滞し、早稲田にとって理想的な速い展開が増加。第1クォーター終盤には逆転し、その後は一度も主導権を手放さなかった。守備の修正力とチーム全体の意思統一は、今シーズンを通して積み上げてきた強みのひとつである。

第2クォーターでは早稲田のオフェンスが完全に機能し始め、ドライブからのキックアウト、スクリーナーのポップアウト、トランジションの速い展開など多彩な攻撃パターンが見られた。外角シュートの精度が上がると同時に、インサイドでもオフェンスリバウンドを確保し、日大に反撃の隙を与えない。こうした「相手のリズムを消す守備」と「自分たちの流れをつくる攻撃」が噛み合った時間帯が、最終的な100点到達につながった。

堀田の3ポイントに象徴される早稲田の攻撃哲学

この試合の中で象徴的なシーンのひとつが、堀田が沈めた3ポイントシュートである。ドライブが仕掛けられ、日大の守備がペイントに収縮した瞬間、堀田はフリーになったスペースを見逃さず、迷いなくショットを放った。これは今季の早稲田が重視してきた「スペーシングと判断の速さ」を象徴するシーンであり、チーム全体の攻撃哲学が凝縮されている。

早稲田の3ポイント攻撃は単調な形に依存しない。キャッチ&シュート、オフスクリーンからのジャンパー、トランジションでの早いリリース、ハンドオフを利用した展開、ペイントタッチからのキックアウトなど、多様なバリエーションが存在する。これは選手層の厚さとスキルの高さがあってこそ成立するもので、対策を立てる側にとっては極めて厄介な攻撃モデルだ。

また、インサイドの高さとフィジカルも大きな武器である。日大戦ではエントリーのタイミングやボールの角度を工夫し、ミスマッチを突いたインサイドアタックを効果的に展開した。インサイドが相手の守備を引き寄せることで外のスペースが生まれ、結果的に3ポイントの精度向上にもつながっている。

20勝2敗という圧倒的成績が示すシーズンの本質

22試合を戦って20勝2敗という数字は、単に「強かった」という表現では不十分である。この成績には早稲田大学がシーズンを通じて示してきた安定性、修正力、選手層の厚さ、そして精神面の強さが凝縮されている。

特に注目すべきは「勝負どころでの強さ」である。大学リーグは変則日程や相手校の情報の少なさから、準備が整いにくい状況も多く生まれる。しかし早稲田はそうした環境でも取りこぼしをほとんどせず、格上相手だけでなく、中位・下位校との試合でも集中を切らさなかった。これは単なる選手の能力差ではなく、チーム全体で勝ち切る文化が育まれている証拠である。

また、20勝2敗という数字が示すもうひとつのポイントは「攻守の再現性の高さ」である。早稲田は今季、多くの試合で80点以上を記録しながら、守備でも相手の強みを消す働きが目立った。ゾーンディフェンス、スイッチ、マンツーマンの強度調整など、多様な守備策を使い分けられる点は、全国の大学と比較してもトップクラスの完成度と言える。

日本大学が突きつけた課題と、早稲田が乗り越えた壁

日本大学は単純なスコア差以上に、早稲田にいくつかの課題を突きつけたチームでもある。序盤のハイペースな攻撃に対し、早稲田は守備ローテーションが遅れ、ペウントタッチを許す場面も少なくなかった。日大は高さとフィジカルを生かしてスコアを重ね、1巡目の大敗から修正を加えて臨んできたのは明らかである。

しかし、早稲田の真価はこの「揺さぶり」に対する対応力にあった。第1クォーターの課題を即座に修正し、プレッシャーの角度、ヘルプの距離、ボールへの寄せ方など、細部のディテールを整えていくことで試合の流れを取り戻した。これは単なる個人能力ではなく、練習や試合を通して育まれた「チームとしての守備理解」である。

日大は最後まで得点を狙い続けたが、早稲田の強度とスピードにじわじわと押され、後半はオフェンスに停滞が目立った。最終的な19点差は、ゲーム全体での積み重ねが生み出した結果である。

インカレへ向けて:求められる視点と次なる挑戦

リーグ戦を首位で終えたことによって、早稲田大学はインカレに向けた理想的なスタートラインに立った。しかし、全国大会は関東リーグよりもフィジカルとプレッシャーが強く、1つのミスや不調がそのまま敗退につながる舞台でもある。

インカレでの鍵となるのは、以下の3点だ。

1つ目は、外角シュートに過度に依存しない得点構造である。リーグ戦では3ポイントが武器となったが、インカレでは相手も対策を入れてくるため、インサイドのフィニッシュやミドルレンジの幅がより重要になる。

2つ目は、守備の強度を40分間維持すること。全国の強豪校は、序盤こそ崩れかけても終盤にかけて粘り強く盛り返してくるため、集中を途切れさせない試合運びが必要となる。

3つ目は、ベンチ層の活用である。長いトーナメントを勝ち抜くには主力の負担を軽減し、控えがプレータイムで確かな仕事をすることが求められる。リーグ戦で培った選手層の厚さは、ここで真価を発揮することになる。

大学バスケ全体の文脈で見る早稲田の存在感

早稲田大学のバスケットボールは、ここ数年で着実に進化している。現代バスケに必要なスピード、スペーシング、シュート精度、選手の多様性といった要素をバランス良く取り入れ、その総合力がリーグ戦での高勝率につながっている。

また、早稲田のバスケットには「育成」という視点も強く反映されている。複数ポジションをこなせる選手を育てる方針、試合ごとの役割分担、プレー判断の自由度を高める環境など、学生アスリートとしての成長を支える土台が整っている。これは全国の大学が参考にしたい取り組みのひとつである。

読者へのメッセージ:大学バスケの面白さと広がる可能性

早稲田大学が日大に101−81で勝利したこの試合は、単なる大量得点や首位確定という事実以上の意味を持っている。大学バスケの現在地、チーム作りの方向性、個々の選手が見せる成長の軌跡など、多くの視点から語ることができる試合だった。

この試合をきっかけに、ぜひ大学バスケの魅力を周囲と共有し、次に控えるインカレの戦いについても語り合ってほしい。大学スポーツは、選手の成長とともにチームが変化していくプロセスそのものが醍醐味であり、その瞬間を見届ける価値は大いにある。

早稲田大学、57年ぶり戴冠の衝撃|関東大学1部「昇格即優勝」を実現した攻撃的バスケットの正体

要約:昇格即優勝という歴史的達成

2025年10月26日、「第101回関東大学バスケットボールリーグ戦」1部で早稲田大学が明治大学との死闘を113–109(2OT)で制し、57年ぶり6度目のリーグ制覇を決めた。昨季は2部所属からの昇格初年度。すなわち1部復帰=即優勝という稀有な達成であり、関東の勢力図を塗り替える出来事となった。今季の早稲田を象徴するキーワードは「圧倒的な攻撃力」。リーグ平均92.1点は堂々の1位で、2位・日本体育大学(79.6点)に10点以上の差をつける破壊力を誇った。

決戦の全体像:2OTまで続いた“点の取り合い”

明治大学との優勝決定戦は、一進一退の主導権争い。規定40分では決着がつかず、延長でも攻守の応酬が途切れないまま、ダブルオーバータイムへ突入した。早稲田はオフェンスの手を緩めず、最後の数分で足元の運動量を保ったまま、ドライブ&キックトランジション3ゴール下でのフィニッシュを高い再現性で積み上げて勝機を奪った。

主役たちの数字:4人が20点超えの“多点化”

この日の早稲田は得点源が一点に偏らず、複数のカードが入れ替わり立ち替わりでゲームを押し上げた。

  • 堀 陽稀:30点 — クラッチ局面のショットセレクションが秀逸。ミドルと3Pの配合で明治のスイッチを翻弄。
  • 三浦 健一:27点 — セットの1stオプションを担い、DHO(ハンドオフ)からのストップ&ポップが冴える。
  • 松本 秦:24点 — 速攻の先導役。セカンダリブレイクでeFG%を上げる簡単な点を作った。
  • 岩屋 頼:22点 — ハイポスト起点のフェイサップが明治のヘルプタイミングをずらし、終盤の決定打へ。

4人が20点超という“多点化”は、スカウティングの的を絞らせない効果を生み、延長に入っても決定力が落ちない要因となった。

シーズンを支えた“92.1点”の中身:効率とテンポの両立

平均得点首位という結果の裏には、単なるシュート本数の増加ではなく、効率とテンポの最適化がある。ポゼッション単位でみれば、PPP(1攻撃当たり得点)はトランジション時に顕著に伸び、ハーフコートでもショットクオリティ(質)を高める原則徹底が見て取れる。具体的には、

  • ① eFG%の確保:コーナー3とリムの“2大高期待値”領域の比率を上げる。無理なミドルの削減。
  • ② TOV%の抑制:1stサイドで崩せない際の再配置(リロケート)逆サイド展開で、悪いターンオーバーを避ける。
  • ③ OREB%の選択:ラインバランスを崩さず、狙う選手を限定した“指名オフェンスリバウンド”。
  • ④ FTRの強化:ドライブでの身体の入れ方を共有し、接触の“偶然”ではなく“必然”をつくる。

この4点(いわゆるFour Factorsの骨子)によって、早稲田の攻撃は「速いだけで荒い」から「速くて正確」へ。相手が対策を施すほど、セカンダリの厚みと再現性で上書きしていった。

ゲームプラン:二段発射のトランジションと、ハーフの分岐

早稲田の特徴は、ディフェンスリバウンドから“二段発射”で加速すること。最初の波でリムランナーとウィングが走り切れない場合、2段目でドラッグスクリーンを呼び込み、遅れてきたビッグがDHOでギャップを作る。ハーフコートでは、5アウトホーンズ(Horns)のエントリーから、相手のカバー方式(ドロップ、アイス、スイッチ)に合わせて分岐。例えばスイッチにはスプリットアクション、アイスにはズーム(ピンダウン→DHO連結)で角度を変える。

明治大学の善戦:2OTまで持ち込んだ耐久力

明治は40分を超えても集中が切れず、ペイントタッチ→キックアウトの基本に忠実だった。特に第3Q以降のショートロールからの意思決定は質が高く、早稲田のヘルプローテを一時的に遅らせることに成功。最後は数本のクラッチで早稲田が上回ったが、ゲーム全体が示したのは、関東1部の競争力の高さである。

57年の空白を埋めた“現代化”:伝統と革新のハイブリッド

早稲田の復権は、偶発的な“当たり年”ではない。選手の個別スキル強化に加え、映像とアナリティクスの現場実装が加速。プレー後のフィードバックは“印象”ではなくデータ起点で行われ、シュートセレクションは定性(良い形)と定量(期待値)の両面で是正されるようになった。伝統的なハードワークの文化に、現代バスケの科学性が重層的に積み重なった結果といえる。

メディアとファンの反応:古豪復活の物語性

「昇格即優勝」「ダブルOT制覇」「57年ぶり」という強い物語性は、大学バスケの中でも抜群のニュースバリューを持つ。SNS上では、選手個々の躍動を称える声に加え、“チームとしての完成度”に注目する声も多い。単発の金星ではなく、シーズンを通じて高効率の攻撃を維持したことが、評価を底上げしている。

数字・年表(サマリー)

  • 1968年:以前のリーグ制覇から長い空白期。
  • 2024–25年:2部から1部へ昇格。
  • 2025年10月26日:明治大との2OTを制し、通算6度目の優勝。
  • シーズン平均得点:92.1点(リーグ1位)/2位との差:約+12.5点
  • 優勝決定戦の主な得点:堀30/三浦27/松本24/岩屋22。

同様の過去事例と比較:昇格組の“勝ち筋”

昇格即優勝のような極端事例は稀だが、近年の大学・社会人リーグで上位に食い込むケースの共通点は、①守備→攻撃の即時接続、②ショットの質の徹底、③交代の短縮化と5人の役割明確化だ。早稲田はこの3点を高いレベルで実行。特に②がもたらした期待値の安定が、接戦での強さにつながった。

戦術の可視化:終盤の“3つの型”

  1. ズーム・シリーズ:ピンダウン→DHOの連結でスイッチを強制、内外のミスマッチを同時に作る。
  2. ホーンズ・ツイスト:最初のP&R後にスクリーン角度を反転。ショートロールで中央に配球ラインを作る。
  3. エンドゲームATO:サイドラインからのセットでコーナーを囮に、スラムダンクカット(バックドア)を差し込む。

どの型も「最初に無理なら、作り直す」ための退路(セーフティ)があり、ターンオーバー由来の失点(ライブTO)を最小化している。

チーム・個のプロフィール:勝者を支える資質

チーム全体は走力・判断・共有の3拍子。個々で見ると、ハンドラーは0.5秒ルール(キャッチ→判断の速さ)を徹底し、ウィングはコーナーの幅を確保、ビッグはリムラン&ショートロールの二刀流。こうして“全員が主役”の舞台を整えることで、試合のどの時間帯でも役割が曖昧にならない。

リーグ全体への示唆:効率化の波と競争の質

今季の関東は、上位陣の守備の質が高い中で、早稲田が“攻撃の再現性”で抜けた。リーグ全体としては、eFG%/TOV%/OREB%/FTRといった指標が共通言語化し、「データで勝つ」文化が学生カテゴリーにも定着しつつある。コーチングも“気合い論”から“選択の最適化”に比重が移り、戦術の高度化が進んでいる。

将来展望:インカレと、その先のキャリアへ

リーグを制した早稲田の次なる焦点はインカレ(全日本大学選手権)。一発勝負のトーナメントでは、ペース管理クラッチの意思決定がさらに重要になる。今回の2OT勝利は、メンタルタフネスと選択の再現性を証明した一方、短期決戦では相手の対策速度も上がる。“2戦目の修正力”を“翌ポゼッションの修正力”に縮められるかが、全国制覇への鍵だ。また、複数選手が持つプレー強度と判断の速さは、Bリーグや3×3の舞台でも評価対象となるだろう。

読者アクション:次戦の観戦ポイント

  • コーナー3の創出数:ゲームごとに何本作れているか。
  • ライブTOの抑制:速攻に直結するミスの発生源を特定。
  • セカンドユニットの役割:ペース維持か、局面変化のスパークか。
  • クラッチのFTR:残り3分でのFT獲得に注目。

結び:古豪は“伝統×現代化”で強くなる

57年ぶりのタイトルは、単なる復活劇ではない。伝統の上に、効率・再現性・データという現代要素を重ね合わせたハイブリッドな勝利である。昇格即優勝という希少な偉業は、組織の意思と方法論が噛み合った時にのみ生まれる。早稲田大学のシーズンは、大学バスケの新たな標準を提示した。次は全国の舞台。“速く、賢く、正確に”──その合言葉が、どこまで届くのか注目だ。


スコア・個人得点などの数値は、当該試合の公表情報に基づく。本文は分析・再構成を行い、原文が推測できない程度の表現・構成変更を加えている。