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【NBA/メンフィス・グリズリーズ】完全ガイド:バンクーバー創設から Grit & Grind 、モラント時代まで

メンフィス・グリズリーズとは

メンフィス・グリズリーズ(Memphis Grizzlies)は、テネシー州メンフィスを本拠とするNBAチーム。ウェスタン・カンファレンス/サウスウェスト・ディビジョン所属で、ホームはフェデックス・フォーラム。チームカラーはメンフィス・ミッドナイトブルー、ビールストリート・ブルー、スチールグレー、ゴールド。現在はジャ・モラントジャレン・ジャクソンJr.、若手の台頭で躍動する一方、堅守速攻のアイデンティティを受け継いでいるクラブです。


起源:バンクーバー・グリズリーズ時代(1995–2001)

1995年にカナダ・バンクーバーで誕生。拡張ドラフトで戦力を集めつつ、ブライアント・リーヴスシャリーフ・アブドゥル=ラヒームマイク・ビビーら若手を軸に再建を試みましたが、ロックアウトの影響や興行不振も重なり苦戦が続きました。

メンフィス移転と初の躍進(2001–2006)

2001年にメンフィスへ移転。パウ・ガソルが新人王を獲得し、ジェリー・ウェストがGMに就任するとチームは上向きに。ヒュービー・ブラウンHCの下で2003-04に50勝、球団初のプレーオフへ到達しました。

Grit & Grind の確立(2010年代前半)

マイク・コンリー/トニー・アレン/ザック・ランドルフ/マルク・ガソルを中心に、泥臭くタフな守備とハーフコートの重戦車オフェンスでウェストの強豪に。2010-11には第8シードからスパーズを撃破2012-13は球団初のカンファレンス・ファイナル進出を果たしました。

再建から新時代へ:モラントの登場(2019–)

2019年ドラフト2位のジャ・モラントが即戦力として台頭し、新人王を獲得。2021-22には56勝で地区連覇の礎を築き、ジャレン・ジャクソンJr.DPOYに輝くなど、新生グリズリーズが確かな輪郭を見せました。

記録的勝利と試練(2021–2024)

2021年12月、OKC戦で73点差勝利というNBA記録を樹立。一方で2023-24は主力の離脱が相次ぎ、苦しいシーズンを経験。組織力の底上げと健康管理が次章のカギとなりました。


現在の注目ポイント

  • コアの成熟:モラントの創造性、ジャレンのリム守備、GGジャクソンら若手の伸びしろ。
  • ロスターの厚み:シューター/ウィングの確保とインサイドの層(例:ザック・イディーのサイズ活用)がテーマ。
  • カルチャー: Grit & Grind の精神を現代バスケットに最適化し、トランジションと外角の効率を両立。

永久欠番とレジェンド

球団の顔であるザック・ランドルフ(50)に加え、マルク・ガソル(33)、そして Grindfather ことトニー・アレン(9)の番号が称えられ、メンフィスのカルチャーを象徴する存在として記憶されています。


メンフィス・グリズリーズの見どころ

  1. 堅守速攻:ターンオーバー誘発からの速攻と、ハーフコートでのフィジカル。
  2. ホームの熱狂:フェデックス・フォーラムの 音圧 はリーグ随一。
  3. 若手のブレイク候補:GGジャクソン、サンティ・アルダマらが役割を広げられるか。

まとめ

創設からの試練を糧に、 Grit & Grind で時代を切り開いたメンフィス・グリズリーズ。新世代コアの成熟と健康を武器に、悲願のファイナル進出へ——次の一歩は、もう目の前です。

コール・アンソニーがグリズリーズと決別、バックスと契約へ!PG陣再編の鍵を握る存在に

コール・アンソニー、バックスへ電撃移籍──FA解禁で新天地を決断

2025年7月13日(現地時間)、NBA界に大きな動きが走った。メンフィス・グリズリーズに在籍していたポイントガード、コール・アンソニーが契約バイアウトを経てFA(フリーエージェント)となり、ミルウォーキー・バックスとの契約を結ぶ見通しであることが報じられた。バイアウト後の48時間 ウェイバー期間 を終え、正式な契約に進むとされている。
この報道は、ESPNの有力記者エイドリアン・ウォジナロウスキーによって伝えられ、早くもリーグ関係者やファンの間で注目を集めている。25歳という若さながら、すでに5シーズンをNBAで過ごしたアンソニーの移籍は、バックスのバックコート再編における重要なピースとなることは間違いない。

NBAキャリア6年目の現状──ドラフト15位からの道のり

コール・アンソニーは2020年のNBAドラフトにて、オーランド・マジックから1巡目15位指名を受けてプロキャリアをスタートさせた。ノースカロライナ大学での1年を経て早期エントリーを果たした彼は、得点力とスピードに優れたスコアリングPGとして注目された。
188cm・83kgとサイズこそ大柄ではないが、爆発的なドライブと難しいシュートを決める能力には定評がある。デビューシーズンから先発出場を果たし、2年目には平均16.3得点とキャリアハイを記録。その後もベンチスコアラーやリードガードとしての役割をこなしつつ、マジックの若手再建期を支えてきた。

マジック時代の成績と成長曲線

アンソニーはマジックでの5年間で合計320試合に出場し、うち129試合でスターターとして起用された。キャリア平均は24.8分出場で12.5得点、4.3リバウンド、3.8アシストというオールラウンドな数字を残している。特にピック&ロールからのスコアリング能力と、トランジション時の加速力は高く評価されていた。
直近の2024-25シーズンでは67試合に出場し、平均18.4分プレーで9.4得点、3.0リバウンド、2.9アシスト。出場時間の減少によりスタッツはやや控えめながら、ベンチからのエネルギー源として貴重な役割を果たしていた。マジックがガード陣を若返らせる中で、アンソニーはトレード要員としてグリズリーズへ移籍することとなった。

グリズリーズからのバイアウト、その背景と意味


6月のトレードによりグリズリーズへ加入したものの、アンソニーがそのままプレーすることはなかった。ジャ・モラントやマーカス・スマートといったガードがすでに複数在籍する中、アンソニーの出場機会は限定的になると見られており、双方の合意により契約を買い取る「バイアウト」に至った。
この動きは、アンソニー自身がより大きな役割を担えるチームを求めていたことを示しており、新天地を探すにあたり重要な決断だったといえる。NBAでは近年、若手のガードが育成優先で重宝される中、経験ある25歳PGの市場価値は再評価されている。

ミルウォーキー・バックスでの新たな役割とは

ヤニス・アデトクンボとデイミアン・リラードを擁するバックスにとって、アンソニーの加入はバックコートの厚みを増す好材料だ。2024-25シーズンはリラードの故障離脱が多く、ガード陣の控え層に不安があった中、スコアリング能力のあるアンソニーは 第3のガード として理想的な人材といえる。
さらに、ギャリー・トレントJr.やケビン・ポーターJr.といった攻撃型ガード陣との競争は激しくなるが、クラッチタイムのシュート力、アップテンポな展開への適応力など、アンソニーがバックスのテンポアップに貢献できる局面は多い。リラードとの併用やセカンドユニットの司令塔としての活躍が期待されている。

NBAのPG市場と将来展望──アンソニーの立ち位置


現在のNBAでは、大型ガードや2ポジション対応型のガードが主流となりつつある中で、アンソニーのような 純PG寄りのスコアラー は立場が難しくなっている。しかし、プレーオフ経験が豊富で、ローテーションプレイヤーとして確実な数字を残せる選手は重宝される傾向にある。
アンソニーにとってバックスでの一年は、キャリアを再評価させる 勝負の年 となるだろう。もしここで結果を残せれば、来季以降の中長期契約や、より大きな市場への移籍も見えてくる。逆にローテ落ちや怪我があれば、Gリーグや海外リーグへ進む可能性もゼロではない。

まとめ:GL3x3視点で見る 移籍劇 の注目ポイント

今回のコール・アンソニーの移籍劇は、3×3バスケ界にとっても無関係ではない。フィジカルとスピードを兼ね備え、個で打開できる能力を持つ彼のような選手は、FIBA 3×3でも活躍できるポテンシャルがあるからだ。将来的にNBAでポジションが限られた際、3×3へ転向するNBA経験者も増える可能性がある。
また、NBAにおける 再起を図るプレイヤーの動向 は、3×3との親和性が高く、GL3x3としても注目したいトピックだ。アンソニーの挑戦は、今後のガード市場の行方を占うひとつのモデルケースとして捉えることができるだろう。