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【NBA/ニューヨーク・ニックス】完全ガイド|歴史・優勝回数・名選手・最新ロスターと成績【2025】

ニューヨーク・ニックスとは?――世界都市を拠点にするNBAの象徴

ニューヨーク・ニックス(New York Knicks/New York Knickerbockers)は、1946年創設のNBA最古参クラブの一つであり、発足以来ずっとニューヨーク市マンハッタンを本拠にしてきた稀有な存在です。アリーナは「世界で最も有名なアリーナ」と称されるマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)。チームカラーは青・オレンジを基調とし、スパイク・リーら著名人がコートサイドを彩る ニューヨークの顔 でもあります。ニックスは1970年と1973年に優勝、NBAファイナル進出は通算8度。世界的ブランド力と巨大市場の追い風を受け、2020年代に入っても球団価値はNBAトップクラスと目されます。

チーム名の由来とアイデンティティ

「Knickerbockers(ニッカーボッカーズ)」は植民地期のオランダ系移民文化に端を発する語で、膝下丈のズボン=ニッカボッカーズに由来します。オランダ人が開拓した港湾都市ニューヨークの歴史的文脈を踏まえ、チームは 古き良きニューヨーク の象徴を継承。クラシックな語感と現代的なポップカルチャーの交差点に立つブランド・ストーリーは、スポーツを超えた都市文化の一部となっています。

年代史①:創設~黎明(1946–1960s)

ニックスはNBAの前身BAAに1946年から参加。1950年代初頭には3年連続でNBAファイナルへ進出するなど、中堅から強豪へと駆け上がりました。しかし60年代前半は勝率が4割を下回るシーズンもあり、チームは過渡期を迎えます。その潮目を変えたのが、ウィリス・リード、ビル・ブラッドリーの加入、そしてのちにレジェンドとなるウォルト・フレイジャー/デイブ・ディバッシャーの合流、レッド・ホルツマンHCの就任でした。堅守と高いバスケットIQを土台に、 気品ある強さ の核が形成されます。

年代史②:黄金期(1969–1973)―― ディフェンスと共有知 の体現

1969–70シーズン、リーグ最高の60勝22敗で突入したプレーオフを制し、宿敵レイカーズとの死闘を4勝3敗で制覇。負傷を押して第7戦に入場したウィリス・リードの姿は、ニューヨーク・スポーツ史における象徴的光景として刻まれています。72–73シーズンもファイナルでレイカーズを撃破し、球団2度目の王座。ウォルト・フレイジャーのゲームメイク、アール・モンローの技巧、ブラッドリーとディバッシャーのスマートな連携、ホルツマンの指揮。ボールと判断が滑らかに循環する 共有知のバスケットボール は、今なお語り継がれる美学です。

年代史③:低迷と再浮上の胎動(1970s後半–1980s)

黄金期ののちチームは揺り戻しを経験。80年代中盤にかけてプレーオフと再建を行き来しますが、1985年ドラフト1位でフランチャイズの礎となるパトリック・ユーイングを指名。ここから 90年代ニックス の骨格が整い始めます。ディフェンス・リバウンド・フィジカリティというニューヨーク的価値観が、徐々に形を帯びていきました。

年代史④:ユーイング時代と90年代の激闘(1991–2000)

パット・ライリーHCが就任すると、ニックスは徹底した守備アイデンティティを確立。チャールズ・オークリー、ジョン・スタークス、後にマーク・ジャクソン、デレック・ハーパー、ラトレル・スプリーウェルらが硬派な色を濃くし、マイケル・ジョーダン率いるブルズ、レジー・ミラー擁するペイサーズ、ライリーの移ったヒートなど、宿命的ライバルとの死闘を繰り広げます。1994年はファイナルでロケッツに惜敗、ロックアウト短縮の1999年は第8シードから史上初のファイナル進出(対スパーズ)。タイトルには届かなかったものの、MSGの熱狂とともに 戦うニックス は時代の顔でした。

年代史⑤:2000年代の迷走と大再建(2001–2010)

2000年代は高額契約の積み上がりやロスターのミスマッチで苦戦。アイザイア・トーマス体制ではスター選手を集めるも連携が噛み合わず、ピッチ外の騒動も重なり信頼を失います。2008年以降、フロント刷新とサラリー是正に舵を切り、2010年代に向けて再出発。アマーレ・スタウダマイアー、そして2011年にはカーメロ・アンソニーを獲得し、MSGにスターの輝きが戻っていきました。

年代史⑥:カーメロの時代から ユニコーン へ(2011–2018)

2012–13は54勝でディビジョン優勝を果たし、久々の強豪復活を印象付けます。一方で体制の不整合やトライアングル導入の軋轢などで長期安定には至らず、2015年のドラフトでクリスタプス・ポルジンギス( ユニコーン )を指名して再建へ。ポルジンギスは期待以上のインパクトを残すも重傷で長期離脱、後に移籍。フランチャイズは スター依存 から 持続する構造 への転換を迫られます。

年代史⑦:現代の礎――シボドー体制と再台頭(2020–)

2020–21にトム・シボドーHCが就任すると、守備組織とハードワークの文化が再インストールされ、ジュリアス・ランドルがMIP級の大躍進。2022年にはジェイレン・ブランソンをFAで獲得し、ゲームコントロールと勝負強さが大幅に向上。2022–23は47勝、2023–24は50勝を達成し、いずれもプレーオフ・シリーズを白星で飾るなど 競争力ある常勝ライン へ返り咲きました。怪我人続出の逆風もあったものの、ロッカールームの結束と補強戦略の整合性は、2010年代の教訓を踏まえた成熟の証といえます。

最新トピック(2025年更新):ロスターの厚みと星の配置

2025年10月時点の情報では、ブランソンがエースとして攻撃の舵を取り、3&Dの精鋭OG・アヌノビー、ウィングの万能型ミカル・ブリッジズ、泥臭さと勝負所での強さを併せ持つジョシュ・ハートが脇を固めます。さらにカール=アンソニー・タウンズの加入により、ペイント内外での多面的なスコアリングとスペーシングが可能に。ミッチェル・ロビンソンのリム守備、マイルズ・マクブライドのオンボールプレッシャー、ベテランの機動投入など、戦い方の 手数 は過去数年で最も豊富です。ドラフト権保有ではジェームズ・ナジ、ロカス・ヨクバイティスらの権利も把持し、即戦力と将来資産のバランスを取るポートフォリオが構築されています。

アリーナ/ビジネス面:MSGという 舞台 、ブランドという 資産

MSGは単なるホームアリーナではなく、パフォーマンスの舞台であり、都市の社交場でもあります。コートサイドの景観、演出、音響、そして勝負所で湧き上がる独特のどよめき――これらの体験価値は、チケット・スポンサー・放映権に波及し、球団価値の継続的な上昇を後押し。ニューヨークという市場規模と国際的発信力、そして長い歴史が、スポーツ・エンタメとしての 総合的な強さ を下支えしています。

名選手・永久欠番:伝統の系譜

永久欠番としてフレイジャー(#10)、バーネット(#12)、モンローとマグワイア(#15)、リード(#19)、ディバッシャー(#22)、ブラッドリー(#24)、ユーイング(#33)、そしてHCホルツマンの「613」(勝利数)など、勝利の記憶と人物像が番号に刻まれています。ファンは背番号を通じて時代と物語を共有し、若い世代の選手は 背中の物語 を知ることでクラブ文化を継承します。

データで知るニックス:主要実績(抜粋)

・優勝:2回(1970、1973)
・NBAファイナル進出:8回(1951、1952、1953、1970、1972、1973、1994、1999)
・ディビジョン優勝:8回(1953、1954、1970、1971、1989、1993、1994、2013)
・プレーオフ通算成績:勝率ほぼ5割の激戦史(相手は常に強豪ぞろい)
こうした数値は 数多の名勝負を演じてきたフランチャイズ であることを物語ります。

戦術とチーム作り:現代ニックスの勝ち筋

シボドー体制の核は、①守備の規律(タグ・ローテーションの徹底とボールプレッシャー)、②リバウンド執着、③ハーフコートでのシンプルな優位創出(PnRからのショートロール、ドライブ&キック、ウィングのスイッチ耐性)です。ブランソンの意思決定とエンドゲームのショットメイクはリーグ屈指。アヌノビーとブリッジズは相手の主力ウィングへ多様にマッチし、KATの外弾とハイポスト・タッチはスペースを拡張。ハートの 何でも屋 としての価値はトランジションと50–50ボールに顕著で、ローテーション全体のエナジーを底上げします。総じて 守って走れるが、詰めではブランソンの創造性に寄せられる ――これが近年の勝ち筋の輪郭です。

フロントの方針:短期競争力 × 中長期の柔軟性

大型補強と若手育成を二項対立で捉えず、ドラフト権・権利保有選手・交換可能資産を適度にプールしつつ、人的補強は 守備の適合・メンタルの堅牢さ・役割受容性 を最重視。ニューヨーク市場は常に スターの磁力 を持ちますが、近年のニックスはスターの足し算ではなく ケミストリーの掛け算 で勝ち星を拾うアプローチへ移行。これにより、怪我やコンディションの変動があっても勝率を維持しやすいチーム構造が出来つつあります。

主要人物のプロフィール(抜粋)

ジェイレン・ブランソン(G):強心臓のプルアップ、オフェンス・ファウルを誘う身体の使い方、クラッチ局面の駆け引きが光るエース。
OG・アヌノビー(F):エリート3&D。1~4番を幅広く止めるスイッチ耐性と、要所のコーナー3で価値を最大化。
ミカル・ブリッジズ(F): アイアンマン の稼働率と二次創造を担えるウィング。ボールの行き場を作るセカンドハンドラー適性も。
カール=アンソニー・タウンズ(F/C):ストレッチ5/4として希少な射程と効率を備え、PnPやトレイル3でスペースを広げる。
ジョシュ・ハート(G/F):リバウンドとトランジションの推進役。ミスマッチ狙いのポストアップや中距離も要所で効く。

同時代の比較:東の強豪相関図

セルティックスやバックスが完成度の高いスター編成で頂点を争う一方、ニックスは 深さと適合性 で対抗。シクサーズやキャブスとはガード主導の攻撃力と守備の規律で拮抗し、ヒートとはカルチャーの強度勝負に。頼り切らず、分散しすぎず――このバランス感覚が、東の混戦で勝ち抜く鍵となります。

ファンとメディアの視点:MSGの熱量が与える 上振れ

ニューヨークのメディア環境は厳しくもあり、選手・スタッフに高い説明責任を求めます。他方、MSGの雰囲気は選手を もう一段上 に押し上げるブーストとなり、若手や新加入選手が大舞台で花開くシーンも多い。負のスパイラルも起こりうるが、噛み合えば爆発的な上振れを生む――それがニックスというクラブの特性です。

年表(抜粋)

1946:創設/MSGをホームに活動開始
1969–73:黄金期、2度の優勝(1970・1973)
1994:ユーイング時代の頂点へ、ファイナルで惜敗
1999:第8シードから史上初のファイナル進出
2012–13:54勝でディビジョン制覇
2020–:シボドー就任、守備カルチャー再構築/ブランソン加入で再浮上
2024–25:ウィング強化とサイズの多様化で上位争い

ニックス あるある Q&A

Q:なぜ常に注目度が高い?
世界都市ニューヨークの市場規模、MSGのブランド、歴史の厚みが理由。勝敗を超えた物語性が常に話題を生みます。
Q:どんなチームがニックスらしい?
堅守・リバウンド・フィジカルと、勝負所のスター性。90年代の記憶と現代の効率性を融合した 気骨あるスマート が理想像。
Q:今後の補強ポイントは?
健康と稼働率の担保、プレーオフの半コートでの もう一手 。シューティングとサイズ、守備の多用途性を維持しつつ、終盤のクリエイションを複線化できるピースが鍵です。

将来展望:頂を見据える 次の一歩

東の上位は僅差で、怪我やロードマネジメント、相性が勝敗を分けます。ニックスが頂点へ迫るためには、①ヘルスケアとローテーション管理の精緻化、②終盤戦術の多様化(ブランソン依存の適度な緩和)、③ベンチユニットの再現性確保、④若手と権利保有選手の価値最大化が重要。MSGの熱量を追い風に、 守って勝つ だけでなく 巧みに勝つ 選択肢を積み増せれば、1973年以来の歓喜は現実味を帯びます。

まとめ:伝統と現在進行形の交差点

ニックスは歴史の重みと現在進行形の挑戦が重なる希有なフランチャイズです。黄金期の記憶、90年代の激闘、現代の再起――そのすべてが ニューヨークらしさ の物語を紡いでいます。今季以降、もしあなたがMSGで立ち上がる瞬間があるなら、それは単なる勝利ではありません。都市、文化、世代が重なる 物語の更新 に立ち会うということ。さあ、次の一章へ――Let’s Go Knicks.

馬場雄大がNBAサマーリーグで5得点の鮮烈アピール|ニックスで限られた出場時間でも存在感

限られたプレータイムで印象的な活躍を見せた馬場雄大


2025年7月14日(現地時間13日)、アメリカ・ラスベガスで行われた「NBA 2K26 SUMMER LEAGUE 2025」の試合において、ニューヨーク・ニックス所属の馬場雄大が出場し、限られた2分50秒の出場時間で5得点というインパクトあるプレーを披露した。対戦相手はボストン・セルティックス。20点差を追う最終クォーターでの出場ながら、馬場は登場直後に相手のターンオーバーから速攻を決め、続いてドライブからファウルを誘発してフリースローで加点。さらにトランジションから再度のレイアップを沈め、攻守で密度の高いパフォーマンスを見せた。

馬場のこの活躍は、試合展開や点差に左右されない彼の集中力とメンタルの強さを証明するものであり、サマーリーグという アピールの場 において高く評価されるポイントとなる。

サマーリーグとは何か?馬場が目指す「次のステージ」

NBAサマーリーグは、新人選手や若手プレイヤー、Gリーグ所属選手、フリーエージェントたちがNBA契約を勝ち取るための大事な試合の場である。ここで結果を出せば、開幕ロスター入りの可能性はもちろん、2ウェイ契約やGリーグ再契約といったさまざまなチャンスが広がる。

馬場は、2024年シーズンにGリーグではなく実際にNBAのロスターに登録され、メンフィス・グリズリーズで22試合に出場した経験を持つ。その実績に加え、3×3バスケや日本代表としての国際経験も豊富。サマーリーグでの好パフォーマンスは、彼の次なる契約獲得への布石となるだろう。

馬場雄大のこれまでのキャリアと挑戦


馬場は富山県出身の28歳。筑波大学卒業後、アルバルク東京でプロキャリアをスタートし、Bリーグでの躍進を経て、アメリカへ挑戦の舞台を移した。2019年にはGリーグのテキサス・レジェンズに加入し、ディフェンスやトランジションのスピードを武器に、コーチ陣からも一定の評価を受けた。

その後、オーストラリアNBLのメルボルン・ユナイテッドにも所属し、チャンピオンチームの一員としてプレー。日本代表としてもオリンピック出場を果たしており、3×3日本代表でも活躍した経歴がある。日本バスケットボール界の 二刀流 とも呼ばれ、その守備範囲の広さと経験は貴重だ。

NBA入りへの挑戦、過去の苦闘と現在の地盤

馬場は過去数年、何度もNBAの門を叩いてきたが、そのたびにキャンプでのカットやロスター漏れといった厳しい現実を突きつけられてきた。それでも挑戦を諦めなかったのは、彼の中に「世界最高峰で自分を試したい」という明確なビジョンがあったからだ。

今回のニックスでのサマーリーグ参戦は、2024–25シーズンのNBA出場を経て、再びNBAへの 本契約 を狙う大きなチャンスとなっている。実績を積んだ今だからこそ、評価される準備が整っている。

ニックス内の評価と今後の展望

今回のボストン戦ではケビン・マッカラーJr.が30得点と大活躍。ビッグマンのアリエル・フクポルティも9得点13リバウンドとアピールを果たしたが、馬場のように 限られた時間で結果を出す というタイプの選手は、ベンチ深くまで競争が激しいNBAにおいて貴重な存在となりうる。

さらに、3×3でも有用なスペース把握能力や機動力、そして「勝利のために体を張れる」姿勢が評価されれば、今後NBAロスター入りだけでなく、他チームからのオファーや海外トップリーグへの移籍の道も現実味を帯びてくる。

日本代表としての存在感と3×3界への影響

馬場は、5人制だけでなく3×3バスケでも代表経験があり、国際大会での実績を持つ数少ない日本人選手だ。2024年のオリンピックでは、平均得点20.3点・7.7アシストという驚異的な数字を残しており、得点力とプレーメイキングを兼ね備えた貴重な存在となっている。

3×3バスケにおいても、彼のスピードとディフェンス力は即戦力レベル。今後GL3x3や他の3×3リーグからもアプローチがある可能性は十分にある。

まとめ|「結果を出す」男・馬場雄大の挑戦は続く


今回のサマーリーグ第2戦での馬場雄大の5得点は、単なる数字以上の意味を持つ。2分50秒という限られた時間で、自分の持ち味を最大限に発揮し、チームに流れを呼び込もうとする姿勢は、まさにプロフェッショナルそのものだ。

サマーリーグでの次戦は7月16日(現地15日)に行われるブルックリン・ネッツ戦。この試合で再び出場機会を得られれば、さらに自分の価値を示す場となるだろう。

彼の挑戦は、まだ終わらない。そしてそれは、世界を目指すすべての日本人バスケットボール選手たちにとっても、大きな希望の象徴となっている。

■試合結果
ニューヨーク・ニックス 81-94 ボストン・セルティックス
NYK|18|12|23|28|=81
BOS|27|15|29|23|=94

マイク・ブラウンがニックス新HCに就任|4度の優勝経験を持つ名将が名門復活を託される

名将マイク・ブラウン、ニューヨーク・ニックス新HCに正式就任

2025年7月8日(日本時間)。ニューヨーク・ニックスは、トム・シボドー前ヘッドコーチの後任として、マイク・ブラウン氏を新たな指揮官に迎え入れたことを正式に発表した。近年プレーオフ進出の常連となりつつあるニックスにとって、さらなる飛躍を目指す体制変更の一環であり、注目を集めている。

チャンピオンシップ4度経験の 勝者の哲学

ブラウン氏は、アシスタントコーチとして過去4度のNBA優勝を経験している名将だ。2003年にはサンアントニオ・スパーズで、2017、2018、2022年にはゴールデンステイト・ウォリアーズで優勝メンバーとしてベンチに立った。これらの経験を通して、優勝に必要な要素を熟知している点が最大の魅力だ。

ニックスのバスケットボール運営部代表レオン・ローズ氏も、「マイクはこのスポーツにおいて大舞台で何度もコーチしてきました。彼が我々の組織へチャンピオンシップの経歴を持ち込むことになります」と新体制への期待を語った。

復活請負人 としてのキャリアと実績

マイク・ブラウンは55歳。ヘッドコーチとしてはクリーブランド・キャバリアーズ(2005〜2010, 2013)、ロサンゼルス・レイカーズ(2011〜2012)、サクラメント・キングス(2022〜2024)で采配を振るった。

とくに注目すべきは、キャブス時代にレブロン・ジェームズを擁してプレーオフ常連へと導き、2008-09シーズンにはリーグ最優秀コーチ賞(COY)を受賞。さらに2022-23シーズンには、サクラメント・キングスを実に17年ぶりのプレーオフ進出へと牽引し、自身2度目のCOYを獲得した。

通算成績と勝率から見える 勝てるコーチ

これまでのヘッドコーチとしての通算成績は、レギュラーシーズン758試合で454勝304敗(勝率59.9%)、プレーオフでは90試合で50勝40敗(勝率55.6%)と、どのチームでも安定した結果を残している。

特にプレーオフでの勝率は半数を上回っており、大舞台での采配力が光る。ニックスが狙う「1973年以来となるリーグ制覇」を実現するには、まさにうってつけの人物といえる。

シボドー体制からの転換とロスターの刷新

前任のトム・シボドーHCは、ディフェンスに軸を置いた堅実なバスケットで近年のニックスを再建した功績を持つが、戦術面での柔軟性を欠くという批判もあった。

その点、ブラウンはスモールボール、3P重視、ボールムーブ重視といった現代バスケへの適応力に長けており、若手とベテランを融合させる育成型のコーチングも高く評価されている。

今オフには、ガードのジョーダン・クラークソン(前ジャズ)や、フォワードのガーション・ヤブセレ(前レアル・マドリード)を獲得し、ジェイレン・ブランソン、カール・アンソニー・タウンズ、ミケル・ブリッジズら既存主力との相乗効果が期待される。

2024-25シーズン:カンファレンス・ファイナル進出の背景

2024-25シーズンのニックスは、東カンファレンスで快進撃を見せた。ブランソンとタウンズを中心に、OG・アヌノビー、ミケル・ブリッジズ、ジョシュ・ハートらが高い守備力と機動力を発揮。チームは2000年以降で初めてカンファレンス・ファイナルに進出する快挙を達成していた。

その一方で、ファイナル進出はならず、あと一歩のところで涙を飲んだ。新指揮官ブラウンの就任は、「優勝へのラストピース」としての意味合いを持っている。

ファンとメディアの反応:「ついに勝てるチームになる」

今回のブラウン招聘について、現地ニューヨークメディアやNBAファンからは好意的な反応が相次いでいる。SNSでは「ようやくニックスにも勝者のメンタリティが入る」「カンファレンスファイナル以上を狙える」といった声が広がっている。

また、ブラウンはこれまでにも選手からの信頼が厚く、特にディフェンス意識の浸透や若手の育成に実績があることから、ドラフト加入の若手やロールプレイヤーにも良い影響が期待される。

今後の展望:50年ぶりのタイトル奪還へ

1973年を最後にリーグ優勝から遠ざかっているニックスにとって、今がまさに 勝負の時 である。主力の成長と補強、そしてブラウン新HCの采配が噛み合えば、2025-26シーズンは東の覇権を争う存在になるだろう。

また、ブラウンがもたらす戦術の多様性と、戦力の底上げは、長期的な強豪チームとしての基盤づくりにもつながる。今後数年のニックスからは目が離せない。

まとめ:マイク・ブラウンの加入が意味するもの

優勝経験と実績を兼ね備えたマイク・ブラウンの就任は、ニックスにとって次なるステージへの大きな一歩だ。ブランソンやタウンズを軸としたロスターの成熟度に、勝利へのメンタリティと戦術的修正力が加わることで、ファンが待ち望む「タイトル奪還」も現実味を帯びてくる。

2025-26シーズン、ブラウンHCの手腕が試される時がいよいよ訪れる。

【NBA移籍】ジョーダン・クラークソンがジャズ退団へ|ニックスと契約合意間近

ジョーダン・クラークソンがユタ・ジャズを退団|FAで新天地へ

2025年7月1日(現地時間6月30日)、NBA屈指のスコアラーであるジョーダン・クラークソンが、ユタ・ジャズとの契約をバイアウト(買い取り)により終了し、完全フリーエージェント(FA)となることが報じられた。新天地としては、ニューヨーク・ニックスとの契約が最有力と見られている。

クラークソンは長年にわたりジャズの得点源として活躍し、特にベンチからの出場で存在感を放ってきた。今回のFA化は、ニックスのセカンドユニット強化の鍵を握る大きな動きとして注目されている。

ジョーダン・クラークソンとは?プレースタイルと実績

現在33歳のジョーダン・クラークソンは、身長190cm・体重87kgのコンボガード。ガードとしてはサイズに恵まれ、爆発的な得点力と瞬発力を武器とするスコアラー型プレイヤーだ。

2020–21シーズンにはNBA最優秀シックスマン賞を受賞。その実績は伊達ではなく、ベンチスタートながら試合の流れを変えるインスタントオフェンスとしてリーグ屈指の評価を得ている。

2024–25シーズンの主なスタッツ(ジャズ)

  • 出場試合数:37試合
  • 平均得点:16.2点
  • 平均リバウンド:3.2本
  • 平均アシスト:3.7本
  • 3ポイント成功率:36.2%(平均2.3本成功)

試合数こそ限られていたものの、シュート効率とプレーメイクの両面で安定感のある成績を残している。

ベンチからの得点力はリーグ随一

NBAのスタッツメディア『StatMuse』によると、クラークソンは2020年以降、ベンチ出場で通算4,589得点を記録。これは同期間のベンチスコアランキングでリーグ1位に相当する数字であり、2位のマリーク・モンク(3,882点)を大きく上回る。

この記録が示す通り、ベンチにいるだけでチームの攻撃力が飛躍的に向上するのがクラークソンの強みだ。

新天地はニックスへ|ブランソン&ブリッジズとの共演に期待

ESPNの報道によれば、クラークソンはニューヨーク・ニックスとの契約が間近に迫っており、すでに交渉は最終段階に入っている模様。

今季のニックスは、ジェイレン・ブランソンや新加入のミケル・ブリッジズなどを中心にプレーオフ進出を狙うチーム編成を進行中。クラークソンの加入により、ベンチユニットの得点力と経験値が大幅にアップする見込みだ。

特にブランソンが先発として大量の得点を担う中、クラークソンが交代で試合のテンポを変える“第2の火力”として機能すれば、ニックスはより柔軟で厚みのある攻撃オプションを手にすることになる。

キャリアの再構築か?クラークソンが狙うもう一花

クラークソンはロサンゼルス・レイカーズでキャリアをスタートさせ、その後キャブス、ジャズと移籍を重ねてきた。ジャズ在籍中は約6年間にわたり中心選手として信頼を集め、2020–21のシックスマン賞受賞もその集大成だった。

しかし、ジャズは現在再建モードに入りつつあり、クラークソンのような即戦力型スコアラーよりも若手中心の育成へと舵を切っている。そうしたチーム方針の変化を受け、今回のバイアウトに至ったと見られる。

新たに加入が見込まれるニックスでは、プレーオフ進出はもちろん、チャンピオンシップを狙う上で重要な「勝てるベテラン」としての役割が期待されている。

まとめ|ジョーダン・クラークソン、勝負の1年へ

ベンチから試合を決められる数少ないスコアラー、ジョーダン・クラークソン。彼の退団はジャズにとって一つの時代の終わりを意味し、ニックスにとっては再びプレーオフ上位進出を狙う大きな材料となる。

「シックスマンの代名詞」とも言えるクラークソンの新たな挑戦が、どのような結果を生むのか。今後の動向から目が離せない。