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【NBA/ポートランド・トレイルブレイザーズ】完全ガイド:’77優勝から再建まで【歴史・主な選手・最新情報】

ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trail Blazers)は、オレゴン州ポートランドを本拠地とするNBAチーム。ウェスタン・カンファレンス/ノースウェスト・ディビジョン所属。ホームはモダ・センター、チームカラーは赤・黒・白。オーナーはジョディ・アレン、ヘッドコーチはチャウンシー・ビラップス


歴史ハイライト

創設〜初優勝(1970–1977)

  • 1970年に新規参入。チーム名は 一歩先を切り拓く を意味する「Trail Blazers」。
  • 1976-77、ビル・ウォルトンモーリス・ルーカスらで初のNBA優勝(ファイナルMVPはウォルトン)。

ドレクスラー時代(1983–1995)

  • クライド・ドレクスラーを中心に強豪化。1990年1992年NBAファイナル進出

ジェイル・ブレイザーズ と再編(後半90s〜2000s)

  • 豪華布陣で西の脅威となるも、プレーオフで苦戦。コート外のトラブルも重なり再編へ。

ロイ〜オルドリッジ期(2006–2011)

  • ブランドン・ロイラマーカス・オルドリッジで再浮上。度重なる負傷により伸び悩む。

リラード時代(2012–2023)

  • デイミアン・リラードCJ・マッカラムらで安定的にPO進出。2019年西決勝へ。

再建〜新コア形成(2023–)

  • 大型トレードで再建を本格化。スクート・ヘンダーソンドノバン・クリンガンシェイドン・シャープら若手中心にチーム作り。
  • 2024-25は36勝46敗。その後はデニ・アヴディアの加入やベテラン起用を交え、次シーズンに向けた体制構築を進める動きが報じられた。

主な実績

  • NBA優勝:1回(1977)
  • ファイナル進出:3回(1977, 1990, 1992)
  • ディビジョン優勝:6回(1978, 1991, 1992, 1999, 2015, 2018)

レジェンド/象徴的選手(抜粋)

  • ビル・ウォルトン(C):’77優勝の大黒柱、殿堂入り。
  • クライド・ドレクスラー(G/F):90年代初頭の看板スター、殿堂入り。
  • ブランドン・ロイ(G):復権期のエース。
  • デイミアン・リラード(G):2010年代以降のフランチャイズ・プレイヤー。

永久欠番(抜粋)

1(創設オーナー・ラリー・ワインバーグ)/13(デイブ・ツワージク)/14(ライオネル・ホリンズ)/15(ラリー・スティール)/20(モーリス・ルーカス)/22(クライド・ドレクスラー)/30(ボブ・グロス/テリー・ポーター)/32(ビル・ウォルトン)/36(ロイド・ニール)/45(ジェフ・ペトリー)ほか。
※NBA全体でビル・ラッセルの「6」は永久欠番。


現在のトピック(2025年時点)

  • 若手コア(ヘンダーソン/シャープ/クリンガン/アヴディア)とベテランのバランスを模索。
  • ビラップスHCの下、守備・サイズアップ・判断力の向上がテーマ。

基本データ

  • 本拠地:オレゴン州ポートランド
  • アリーナ:モダ・センター
  • チームカラー:赤/黒/白
  • ヘッドコーチ:チャウンシー・ビラップス
  • 公式サイト:nba.com/blazers

デイミアン・リラード、トレイルブレイザーズと再契約|NBAスターが 第2章 に挑む理由と背景とは

リラードが帰ってきた|ブレイザーズとの3年契約で 第2章 が始動


2025年7月17日(米国時間)、NBAのスターガード、デイミアン・リラードが、かつてキャリア最初の11年間を過ごしたポートランド・トレイルブレイザーズと再び契約を交わしたというニュースが全米を駆け巡った。契約内容は3年4200万ドル(約62億円)で、2027–28シーズンがプレイヤーオプションとなっており、さらにトレード拒否権も盛り込まれている。これは現役NBA選手の中でもレブロン・ジェームズとリラードの2人のみが持つ特権であり、彼にとってこの契約がいかに特別であるかを物語っている。

怪我と手術、そして決断:バックス時代の終焉

リラードは2023年にブレイザーズからミルウォーキー・バックスへ移籍し、ヤニス・アデトクンボとのスーパーデュオとして注目を集めた。しかしバックスでの2年間は、思うような結果を残すことができなかった。

さらに2025年プレーオフ1回戦では、左足のアキレス腱を断裂。5月に手術を受け、シーズン残りを欠場することとなった。34歳という年齢を考えると、この大怪我はキャリアの転機であり、リハビリとその後の復帰に対する慎重な判断が求められた。

その後、7月7日にバックスとのバイアウトが成立。リラードは残りの契約金、約1億1300万ドル(約167億円)を今後5年間で分割して受け取る形となり、完全FA(フリーエージェント)として市場に出ることとなった。

家族と共に過ごす時間、そして「ホーム」への想い


リラードがポートランドを「ホーム」と呼ぶのには理由がある。彼の家族、特に子どもたちが今もポートランドで生活しており、地元コミュニティとも深いつながりを持っている。彼はかつて「自分のバスケットボール人生はポートランドと共にあった」と語っていたほどで、その帰還は感情的な意味でも極めて大きなものである。

今回の再契約について、リラード自身はSNS上にブレイザーズのロッカールームの動画を投稿。ロッカーには現役選手たちの名前が並ぶ中、自身の名前が刻まれたロッカーが映し出された。この映像は瞬く間に拡散され、ファンやメディアから大きな反響を呼んだ。

チーム再建とリラードの役割

ポートランド・トレイルブレイザーズは現在、若手中心の再建期に突入しており、シャーデン・シャープ、スクート・ヘンダーソンといった新星たちが台頭してきている。そうした中でのリラード復帰は、単なる 感情的再会 に留まらない。彼の存在は、チームの精神的支柱としても、若手育成のロールモデルとしても、極めて重要な意味を持つ。

また、2023年の3チーム間トレードでバックスに移籍したリラードの見返りとして、ブレイザーズにはドリュー・ホリデーやディアンドレ・エイトンが加入。その後ホリデーはセルティックスに移籍したものの、今オフにブレイザーズへ復帰し、東京五輪で共に金メダルを獲得したリラードと再びチームメイトとなる。

リラードとホリデーという経験豊富なベテランが同時に在籍することにより、チームの競争力は一段と高まると見られている。

NBA史に残るブレイザーズでの記録

リラードがポートランドで築き上げた記録は、まさにフランチャイズの歴史そのものだ。通算得点1万9376点、3ポイント成功数2387本、フリースロー成功数4427本はすべてチーム最多記録。また、何度も「デイム・タイム」と呼ばれるクラッチタイムに劇的なショットを沈めてきたことで、ファンの記憶に強く刻まれている。

2019年のプレーオフ1回戦での ウェイブ・バイ・ショット ──サンダー戦でのブザービーター3ポイント──は、今もNBA史に残る名場面として語り継がれている。

他チームのオファーを退けて選んだ「愛着」

今オフ、リラードには複数のNBAチームからオファーが届いていた。いずれもミッドレベル・エクセプション(年収約1300万ドル)あるいは最低保証額での契約であり、特にプレイオフ常連の強豪チームが関心を示していた。

しかしリラードは、復帰後のプレーを家族のそばで行いたいという意思を強く持っていた。また、アキレス腱断裂という重傷を負ったことを考慮すれば、自身のリズムでリハビリができる環境、そしてチームとの信頼関係が重要だった。

その点でポートランド以上に理想的な選択肢はなく、彼にとってブレイザーズとの契約は 第二のキャリアの出発点 となる決断だった。

将来展望:第2幕に期待される役割


今後のリラードの役割は、従来のスコアラーという枠を超えたものになる可能性が高い。リハビリを経て2026年以降に本格復帰する予定であるが、その頃にはブレイザーズの若手たちもさらに成長しているだろう。

彼のバスケットIQとリーダーシップは、選手としての貢献だけでなく、ベンチワークやロッカールームの統率にも発揮されると見られている。NBAにおいて、プレイヤーとしてだけでなくメンターとしての存在価値も高まってきている近年、リラードのような人物は再建中のチームにとって不可欠な資産だ。

メディア・ファンの反応とポートランドの熱狂

リラードの復帰は瞬く間にバスケットボールファンの間で話題となり、SNS上では「Welcome Home, Dame」「Dame Time is back」のハッシュタグがトレンド入りした。現地ポートランドでは、リラードの復帰を祝うファンイベントも計画されており、彼の影響力が地域コミュニティに根付いていることを示している。

地元紙『The Oregonian』も「これは単なる再契約ではなく、ポートランドの希望の灯が戻ってきた瞬間だ」と報じるなど、リラードの存在がどれほど大きなものであるかが浮き彫りになった。

マイルズ・ターナーがバックス移籍!リラード解雇の背景に2つのアキレス腱断裂の悲劇

マイルズ・ターナーがミルウォーキー・バックスと大型契約を締結

2025年7月2日、ミルウォーキー・バックスがフリーエージェント(FA)となっていたビッグマン、マイルズ・ターナーと契約を締結したことが明らかになりました。現地メディア『ESPN』の記者シャムズ・シャラニアによれば、契約内容は4年総額1億700万ドル(約153億円)で、最終年となる2028-29シーズンはプレイヤーオプションが付帯しています。

ターナーはこれまでインディアナ・ペイサーズ一筋でプレーしてきた中心選手であり、今回の移籍はリーグ全体に衝撃を与えるニュースとなりました。

ペイサーズ残留を望んだターナー、チームの方針転換で決断


ターナーは2015年NBAドラフトで全体11位指名を受け、ペイサーズに入団。以降10シーズンにわたり同チームで活躍し、2019年・2021年にはリーグのブロック王に輝いた実績を持ちます。守備においては屈指の存在感を放ち、「ペイント内の番人」として高く評価されてきました。

そんなターナー自身は、ペイサーズ残留を強く希望していたとされますが、主力ガードであるタイリース・ハリバートンがアキレス腱断裂という重傷を負い、長期離脱が確定。これを受けて球団は再編とラグジュアリータックスの回避を優先し、方針を転換。ターナーとの再契約交渉は打ち切られる形となり、FA市場での移籍が現実となりました。

ターナーの加入でフロントライン強化を図るバックス

ターナーが加わることで、バックスのフロントコートはさらに強固なものとなります。彼のリムプロテクト能力やピック&ロールへの対応力、さらには3ポイントシュートも放てる現代型センターとしての万能性は、ヤニス・アデトクンボとの共存にも適しており、大きな武器となるでしょう。

バックスは2024-25シーズンに『NBAカップ』を制覇するなど高い競争力を誇りましたが、さらなるタイトル獲得を目指してロスターの再構築を急いでいます。その中心に据えられるのが、ターナーの存在というわけです。

リラード解雇の衝撃:アキレス腱断裂が引き金に


今回のターナー獲得にあたり、バックスはキャップスペース確保のため、デイミアン・リラードを解雇するという衝撃的な決断を下しました。2023年にポートランド・トレイルブレイザーズからバックスに移籍したリラードは、加入直後からアデトクンボとともにチームの中核を担い、『NBAカップ』制覇にも貢献しました。

しかし、2025年3月に深部静脈血栓症と診断され離脱。その後プレーオフ第1ラウンドで復帰するも、第4戦でアキレス腱を断裂するという不運に見舞われました。これにより長期離脱が決定的となり、バックスは将来を見据えた戦略として彼を放出する判断を下したとされています。

リラードとの契約残額は5年分割で支払いへ

リラードとの契約はまだ2年1億1300万ドル(約162億円)分が残っており、バックスはこの金額を今後5年間にわたって分割して支払うことになりました。サラリーキャップに対する影響を抑えつつ、戦力の若返りと再構築を進める方針が浮き彫りとなった形です。

一方で、リラード自身が完全復活した際には再びリーグのトップレベルで活躍する可能性も高く、今後の去就にも大きな注目が集まっています。

2人のビッグネームに共通するアキレス腱断裂という不運

今回の動きで特筆すべきは、マイルズ・ターナーとデイミアン・リラード、そしてタイリース・ハリバートンといった主力選手たちが相次いでアキレス腱断裂という重傷に見舞われたことです。この“負傷ドミノ”が、チーム編成に大きな影響を与え、連鎖的にFA市場やキャップ運用にまで影響を及ぼしました。

いずれの選手もチームの中心であり、かつてのNBAを牽引してきたスターであるだけに、その離脱と移籍劇はファンにとっても衝撃的な出来事でした。

バックスの今後は?アデトクンボ&ターナー新体制に注目

リラードを放出し、マイルズ・ターナーという新たなピースを得たバックスは、ヤニス・アデトクンボを中心に新たな体制を構築しようとしています。サイズと機動力を兼ね備えたターナーは、ディフェンスの要として機能することが期待されており、攻守両面での相乗効果が注目されます。

また、若手選手の成長も重要な要素となりそうです。ターナーの加入によって、内外でのバランスが整い、より多様な戦術が可能になると見られています。

スター選手の去就がチームの命運を左右する時代へ


今回の一連の動きは、現代NBAにおいてスター選手の去就がいかにチームの将来を左右するかを如実に示した例となりました。1つの負傷が複数の移籍・解雇・契約構造にまで波及するという現象は、今後も続く可能性があります。

ミルウォーキー・バックスとマイルズ・ターナーの新たな挑戦、そしてリラードの再起に、多くのバスケットファンが注目する2025−26シーズンとなりそうです。