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【NBA/シカゴ・ブルズ】 完全ガイド|ジョーダン時代の 二度のスリーピート から現在(2025-26)までの歴史・栄誉・ロスター

シカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)は1966年創設。イースタン・カンファレンス中部(セントラル)所属で、1990年代に2度のスリーピートで計6度優勝を達成した 王朝 の象徴的フランチャイズだ。本稿では、創設からMJ王朝、ローズ期、再建を経た現在のチームまで、歴史・戦術・データ・人物像の4軸で凝縮解説する。

超速サマリー(3行)

  • タイトル:優勝6回(’91–’93, ’96–’98)—すべてマイケル・ジョーダン在籍期。
  • 本拠地:イリノイ州シカゴ/ユナイテッド・センター(収容20,917)。
  • 現在地:若返りと再編の過渡期。コア候補はコービー・ホワイト、パトリック・ウィリアムズ、マタス・ブゼリスら。

基本情報(クイックリファレンス)

  • チームカラー:赤・黒・白
  • オーナー:ジェリー・ラインズドルフ
  • GM:マーク・エバーズリー / HC:ビリー・ドノバン
  • Gリーグ:ウィンディシティ・ブルズ

年代記ハイライト

1966–1980:定着と基盤づくり

第3のシカゴ球団 として誕生。レッド・カー初代HC、70年代はジェリー・スローン、ボブ・ラブらで土台形成。

1984–1998:ジョーダン王朝の誕生と完成

1984年にマイケル・ジョーダン指名。’87年にスコッティ・ピッペン、ホーレス・グラントが加わり骨格が整う。’89年にフィル・ジャクソンがHCとなりトライアングル・オフェンスを実装、’91–’93で初のスリーピート。ジョーダンの短期引退を経て、デニス・ロッドマン加入で守備とリバウンドが強化され、’96–’98に史上屈指の 再スリーピート を達成。

1999–2008:解体と長い再建

王朝解体後はドラフトを軸にリセット。タイソン・チャンドラー、エディ・カリー、ルオル・デン、カーク・ハインリックらで再起を探るも、頂点争いには届かず。

2008–2016:デリック・ローズ期— 守備のブルズ 復権

地元出身のローズを1位指名。トム・シボドーHC体制の強靭な守備でリーグ最上位勝率を記録、史上最年少MVPも誕生。ただし度重なる負傷で 未完のロマン に。

2017–現在:バトラー放出→若返り→再構築

ジミー・バトラー退団で再建へ。ブーチェビッチ、デローザンらの短期強化を経て、若手中心の再スタートに舵。現行ロスターはサイズとスキルの同居を志向する。

MJ王朝 を支えた3つの構造

  1. トライアングルの原理:スペーシング+ポスト起点の決定権分散。誰が撃っても理に適う設計で終盤の再現性を担保。
  2. ディフェンスの機動力:ピッペンの万能性とロッドマンのリバウンドでターンオーバー→速攻の量産。
  3. クラッチの 演出 :終盤にMJへ収束しつつ、パクソン/カーの逆サイド解放で必勝パターンを複線化。

現行ロスターの読み解き(役割/適性)

  • コービー・ホワイト(G):ショットメイクとP&Rの両立で1番の攻撃期待値を押し上げる軸。
  • パトリック・ウィリアムズ(F):3&Dの大型ウィング。指名当初の ジャンボウィング像 を攻守で体現したい。
  • ニコラ・ブーチェビッチ(C):ハイポスト配球とポップでハーフコートの間接加点に寄与。
  • マタス・ブゼリス(F):サイズ×ハンドル×射程。中長期のビルドの核候補。
  • アヨ・ドスンム/トレ・ジョーンズ(G):POA守備と運搬で土台の安定化。終盤の意思決定の質が鍵。
  • ジョシュ・ギディー(G):セカンダリーの創造性。ハンドオフ連鎖とショートロール読みで攻撃の 余白 を作る。

いまのブルズはどう勝つ?(戦術メモ)

  • ハーフコート:ブーチェビッチのハイポスト起点+ハンドオフで連続優位を創る。角を空け、ウィングのドライブラインを確保。
  • 守備:POA(ボールに対する1線)とウィークサイドのタグ(ロールカバー)を徹底。ディフレクションで走る口実を増やす。
  • 終盤設計:ホワイトのプルアップ重力を 餌 に、逆サイドのスタッガー→ピンインで高確率ショットを演出。

名選手と 物語の継承

  • マイケル・ジョーダン:6度の優勝、数々の伝説。競争文化の礎
  • スコッティ・ピッペン:万能性の原型。スイッチ守備の概念を前倒しで実装。
  • デニス・ロッドマン:外連味を超えたリバウンドの科学
  • デリック・ローズ:最年少MVP。 もし健康なら… を今も語らせる唯一無二のスター。

アリーナ&カルチャー

ユナイテッド・センターは ジ・イントロ (A.カルブリッシのテーマ)や旗掲揚の演出で知られる 儀式性の高いホーム 。赤と黒の視覚体験は今もNBA屈指。

これからの論点(2025視点)

  1. 二枚看板の創出:ホワイト+(ブゼリス/P.ウィリアムズ)の相互補完をどこまで加速できるか。
  2. 2WAYウィングの厚み:POレベルで30分超を任せられるサイズ守備の層を増やす。
  3. 3Pボリュームの平時化:シーズンからアタック&キックの習慣を高め、終盤の選択肢を確保。

年表ミニ

  • 1966:創設。
  • 1984:ジョーダン指名。
  • 1991–1993:初スリーピート。
  • 1996–1998:再スリーピート、王朝完成。
  • 2008:ローズ指名(後に最年少MVP)。
  • 2010年代後半:再建へ。
  • 2020年代:若返りと再構築の過渡期。

FAQ

Q. なぜ王朝後は優勝がない?
A. 王朝の再現性(システム×人材×文化)を同時に満たすのは難しく、ケガやタレント曲線のズレも重なったため。

Q. 直近で必要な補強は?
A. 2WAYウィングの即戦力と、終盤でボールを預けられる第2の創造源(大型ハンドラー/プレメイキング4番)。

まとめ:ブルズが教える3つの原理

  1. 構造は資産:トライアングルに学ぶ 誰でも機能する仕組み 。
  2. 守備は伝統:王朝もローズ期も、勝ち筋の根は守備にあった。
  3. 物語の更新: MJの記憶 を今の勝ち方に翻訳することが、次の優勝への最短路。

次の観戦ポイント:ホワイトのプルアップ→ブーチェビッチのハイポスト連携、P.ウィリアムズの指名防衛、ブゼリスの成長曲線。 赤黒の儀式 はまだ続く。