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早稲田大学バスケットボール部が日大に101−81で快勝|20勝2敗でリーグ戦首位を確定させた理由とチームの現在地

リーグ最終節で示された早稲田大学の総合力とシーズンの集大成

2025年11月2日、日本体育大学世田谷キャンパスで行われた第101回関東大学リーグ戦の最終節において、早稲田大学は日本大学を101−81で下し、20勝2敗でリーグ首位を確定させた。全22試合という長いシーズンを戦い抜いた末に迎えた最終戦で、100点ゲームという象徴的な勝利を挙げたことは、チームが積み上げてきたスタイルと成熟度をそのまま表す結果となった。

試合当日は秋の冷たい空気が広がる中、学生・関係者・保護者らが多く詰めかけ、最終節に相応しい雰囲気に包まれていた。早稲田大学は今シーズンを通じて高い攻撃力を武器に勝利を積み重ねてきたが、この日の試合でもその強みが全面に発揮された。特に序盤は日大にリードを許しながらも、徐々にペースを引き寄せ、第2クォーター以降は主導権を完全に掌握した。22試合を戦う中で鍛えられたゲーム運びや意思統一が、最終節でしっかりと表れていた。

序盤の苦戦からの立て直し:ペースを奪うまでのプロセス

試合の立ち上がりは日大が勢いを持って入り、早稲田の守備ローテーションの隙を突く形で得点を重ねていた。インサイドアタックと外角への展開をバランス良く組み合わせ、早稲田の守備を広げる戦術が効果を発揮していた。一方の早稲田は序盤こそシュートのリズムが整わず、思うような得点ペースをつくれない時間帯が続いた。

しかし、第1クォーター中盤以降、早稲田はボールプレッシャーの強度を上げ、ペリメーターへの早い寄せとスイッチディフェンスの正確さを高めた。これにより日大の攻撃テンポが徐々に停滞し、早稲田にとって理想的な速い展開が増加。第1クォーター終盤には逆転し、その後は一度も主導権を手放さなかった。守備の修正力とチーム全体の意思統一は、今シーズンを通して積み上げてきた強みのひとつである。

第2クォーターでは早稲田のオフェンスが完全に機能し始め、ドライブからのキックアウト、スクリーナーのポップアウト、トランジションの速い展開など多彩な攻撃パターンが見られた。外角シュートの精度が上がると同時に、インサイドでもオフェンスリバウンドを確保し、日大に反撃の隙を与えない。こうした「相手のリズムを消す守備」と「自分たちの流れをつくる攻撃」が噛み合った時間帯が、最終的な100点到達につながった。

堀田の3ポイントに象徴される早稲田の攻撃哲学

この試合の中で象徴的なシーンのひとつが、堀田が沈めた3ポイントシュートである。ドライブが仕掛けられ、日大の守備がペイントに収縮した瞬間、堀田はフリーになったスペースを見逃さず、迷いなくショットを放った。これは今季の早稲田が重視してきた「スペーシングと判断の速さ」を象徴するシーンであり、チーム全体の攻撃哲学が凝縮されている。

早稲田の3ポイント攻撃は単調な形に依存しない。キャッチ&シュート、オフスクリーンからのジャンパー、トランジションでの早いリリース、ハンドオフを利用した展開、ペイントタッチからのキックアウトなど、多様なバリエーションが存在する。これは選手層の厚さとスキルの高さがあってこそ成立するもので、対策を立てる側にとっては極めて厄介な攻撃モデルだ。

また、インサイドの高さとフィジカルも大きな武器である。日大戦ではエントリーのタイミングやボールの角度を工夫し、ミスマッチを突いたインサイドアタックを効果的に展開した。インサイドが相手の守備を引き寄せることで外のスペースが生まれ、結果的に3ポイントの精度向上にもつながっている。

20勝2敗という圧倒的成績が示すシーズンの本質

22試合を戦って20勝2敗という数字は、単に「強かった」という表現では不十分である。この成績には早稲田大学がシーズンを通じて示してきた安定性、修正力、選手層の厚さ、そして精神面の強さが凝縮されている。

特に注目すべきは「勝負どころでの強さ」である。大学リーグは変則日程や相手校の情報の少なさから、準備が整いにくい状況も多く生まれる。しかし早稲田はそうした環境でも取りこぼしをほとんどせず、格上相手だけでなく、中位・下位校との試合でも集中を切らさなかった。これは単なる選手の能力差ではなく、チーム全体で勝ち切る文化が育まれている証拠である。

また、20勝2敗という数字が示すもうひとつのポイントは「攻守の再現性の高さ」である。早稲田は今季、多くの試合で80点以上を記録しながら、守備でも相手の強みを消す働きが目立った。ゾーンディフェンス、スイッチ、マンツーマンの強度調整など、多様な守備策を使い分けられる点は、全国の大学と比較してもトップクラスの完成度と言える。

日本大学が突きつけた課題と、早稲田が乗り越えた壁

日本大学は単純なスコア差以上に、早稲田にいくつかの課題を突きつけたチームでもある。序盤のハイペースな攻撃に対し、早稲田は守備ローテーションが遅れ、ペウントタッチを許す場面も少なくなかった。日大は高さとフィジカルを生かしてスコアを重ね、1巡目の大敗から修正を加えて臨んできたのは明らかである。

しかし、早稲田の真価はこの「揺さぶり」に対する対応力にあった。第1クォーターの課題を即座に修正し、プレッシャーの角度、ヘルプの距離、ボールへの寄せ方など、細部のディテールを整えていくことで試合の流れを取り戻した。これは単なる個人能力ではなく、練習や試合を通して育まれた「チームとしての守備理解」である。

日大は最後まで得点を狙い続けたが、早稲田の強度とスピードにじわじわと押され、後半はオフェンスに停滞が目立った。最終的な19点差は、ゲーム全体での積み重ねが生み出した結果である。

インカレへ向けて:求められる視点と次なる挑戦

リーグ戦を首位で終えたことによって、早稲田大学はインカレに向けた理想的なスタートラインに立った。しかし、全国大会は関東リーグよりもフィジカルとプレッシャーが強く、1つのミスや不調がそのまま敗退につながる舞台でもある。

インカレでの鍵となるのは、以下の3点だ。

1つ目は、外角シュートに過度に依存しない得点構造である。リーグ戦では3ポイントが武器となったが、インカレでは相手も対策を入れてくるため、インサイドのフィニッシュやミドルレンジの幅がより重要になる。

2つ目は、守備の強度を40分間維持すること。全国の強豪校は、序盤こそ崩れかけても終盤にかけて粘り強く盛り返してくるため、集中を途切れさせない試合運びが必要となる。

3つ目は、ベンチ層の活用である。長いトーナメントを勝ち抜くには主力の負担を軽減し、控えがプレータイムで確かな仕事をすることが求められる。リーグ戦で培った選手層の厚さは、ここで真価を発揮することになる。

大学バスケ全体の文脈で見る早稲田の存在感

早稲田大学のバスケットボールは、ここ数年で着実に進化している。現代バスケに必要なスピード、スペーシング、シュート精度、選手の多様性といった要素をバランス良く取り入れ、その総合力がリーグ戦での高勝率につながっている。

また、早稲田のバスケットには「育成」という視点も強く反映されている。複数ポジションをこなせる選手を育てる方針、試合ごとの役割分担、プレー判断の自由度を高める環境など、学生アスリートとしての成長を支える土台が整っている。これは全国の大学が参考にしたい取り組みのひとつである。

読者へのメッセージ:大学バスケの面白さと広がる可能性

早稲田大学が日大に101−81で勝利したこの試合は、単なる大量得点や首位確定という事実以上の意味を持っている。大学バスケの現在地、チーム作りの方向性、個々の選手が見せる成長の軌跡など、多くの視点から語ることができる試合だった。

この試合をきっかけに、ぜひ大学バスケの魅力を周囲と共有し、次に控えるインカレの戦いについても語り合ってほしい。大学スポーツは、選手の成長とともにチームが変化していくプロセスそのものが醍醐味であり、その瞬間を見届ける価値は大いにある。

ウインターカップ2025三重県代表:四日市メリノール学院が男女で全国へ挑む理由とチームの現在地

高校バスケの集大成「ウインターカップ」三重県代表は男女とも四日市メリノール学院に

高校バスケットボール最大の全国大会「SoftBankウインターカップ2025」。その三重県予選が11月2日に行われ、男女とも四日市メリノール学院が代表校として選出された。近年、三重県内で確かな存在感を示してきた同校だが、男女そろっての全国行きは、チームの総合力と育成の安定性を改めて証明する結果となった。

女子は110対43の圧倒的勝利。組織力とスピードが噛み合った内容

女子決勝は、四日市メリノール学院が四日市四郷高校を110対43で圧倒した。試合開始直後からトランジションが機能し、相手が守備を整える前に何度も得点を重ねる展開となった。スピード、判断、スペーシングの質が非常に高く、試合を通じて攻撃のテンポが落ちる時間帯がほとんどなかった。

特徴的だったのは、単独のエースに頼るのではなく、複数の選手が得点源となっていたことだ。外角シュートが安定しており、ドライブからのキックアウトも的確に決まり、相手守備を左右に揺さぶり続けた。守備ではボールマンへのプレッシャーとパスコースの制限が徹底され、相手のボール運びを何度も寸断した。5大会連続の全国大会進出は、こうしたチームとしての文化と育成が、継続的に結果へ結びついていることを示している。

男子は逆転勝利で代表権を獲得。後半の修正力が勝負を分ける

男子決勝では、津工業高校が前半にリードを奪い、フィジカルと高さで主導権を握った。しかし、四日市メリノール学院は後半に入ると戦術を修正し、ゲームの流れを一気に引き戻した。外角への展開を増やすことでドライブの角度を変え、相手センターの守備位置を動かしながらオフェンスのリズムを作り出していく。

第3クォーター終盤には、ハイポストを起点に外角シュートとカッティングを組み合わせるオフェンスが機能し、津工業高校の守備ローテーションを崩し始めた。守備面でもローテーションの速度を上げ、ペイント付近でのミスマッチを減らす調整が奏功。流れを完全に自分たちのものにすると、終盤には逆転に成功し、2大会ぶり3回目となる全国大会出場を決めた。

高校バスケではフィジカルで押し切る試合も少なくないが、この試合でメリノールが見せた「試合中の理解力と修正能力」は、全国でも通用する大きな武器になり得る。

四日市メリノール学院が強くなった理由と育成の質

三重県全体の競技レベルは、全国屈指の強豪地域と比べれば決して派手ではない。しかし、四日市メリノール学院はその中で安定して県上位を維持しており、チームとしての育成哲学がしっかりと根付いている。

注目される要素は以下の通りである。

育成システムの一貫性

基礎練習の徹底、ポジションごとの役割理解、そして個性を潰さず伸ばす指導が、学年をまたいで継続されている。これにより、代が変わっても一定水準以上の戦力が維持され、毎年安定した戦いぶりを見せることができている。

練習環境の進化と映像分析の活用

練習施設の充実だけでなく、試合映像を活用したフィードバックの仕組みも整っている。選手たちは自分のプレーを客観的に振り返る機会が増え、ミスの修正や強みの強化を具体的に進められるようになった。こうした環境が、チーム全体の理解度と戦術遂行力を底上げしている。

選手層の拡大と内部競争

県外からの進学者も増え、1年生から3年生まで各学年の選手層が厚くなっている。ポジション争いが自然と激しくなり、練習の強度も上がる。内部競争が生まれることで、試合終盤の集中力や勝負どころでの強さにも良い影響が出ている。

現代バスケに適応した戦術スタイル

女子は、速いトランジション、外角シュートの精度、スモールラインナップの活用が際立つ。男子は、スペースを意識したオフェンスの使い分けやスピードの緩急を重視し、ゾーンとマンツーマンを相手に応じて切り替える柔軟な守備を備えている。いずれも「走る・広げる・判断する」という現代バスケの潮流にしっかりと適応したスタイルだ。

県内全体の競技環境と全国とのギャップ

三重県は、選手人口や歴史的実績の面で、全国トップレベルの強豪地域に比べると規模で劣る部分がある。そのため、全国大会の初戦で「全国レベルのスピードやフィジカル」に戸惑うケースも少なくない。特に、

・判断の速さ
・フィジカル強度
・プレッシャー耐性

といった要素は、全国レベルとの差として表れやすいポイントだ。

しかし四日市メリノール学院は、近年の全国出場を重ねる中で、このギャップを少しずつ埋めてきた。女子はトランジションの完成度を高め、全国のテンポに対応できるだけの走力と判断を身につけている。男子も試合中の修正力やゲームコントロールの面で成長しており、「ただ出るだけ」ではなく「勝ちに行く」姿勢がはっきりと見えるようになってきた。

ウインターカップ2025で期待される戦い方と可能性

全国大会は12月23日から東京で開催される。初戦の対戦校やトーナメントの組み合わせによって勝ち上がり方は大きく変わるが、四日市メリノール学院の男女とも、ベスト16以上を狙えるだけのポテンシャルは十分に持っている。

女子は5年連続出場という経験値が大きな武器だ。大舞台の雰囲気に飲まれることが少なく、普段どおりのスピードと精度を発揮できれば、速い展開の中で主導権を握ることも可能だ。序盤からリードを奪えれば、ベスト8も視界に入ってくる。

男子は、フィジカル面で相手が上回るケースも想定されるが、津工業戦で見せたような修正力と終盤の勝負強さは全国でも通用しうる要素だ。試合の入りを落ち着いて迎え、不要な失点を抑えることができれば、強豪校相手でも接戦に持ち込める可能性は高い。

四日市メリノール学院が三重県にもたらす価値と波及効果

男女そろって全国大会に挑むという事実は、学校にとっての成果にとどまらず、三重県全体のバスケットボールにとっても大きな意味を持つ。地域の中学生にとっては、県内に魅力的な進学先があることが分かり、競技を続けるモチベーションにもつながる。

また、全国大会での経験は、指導者間の情報共有や練習方法のアップデートにも直結する。強豪校との対戦で得た学びが県内に還元されれば、長期的には三重県全体の競技レベル向上に寄与するだろう。学校内で培われた競技文化が下級生にも受け継がれていくことで、単発の“当たり年”ではなく、継続的に強いチームを作る土台が整っていく。

全国の舞台でどこまで存在感を示せるか

四日市メリノール学院の男女がそろってウインターカップに挑むことは、三重県バスケットボールにとってひとつの節目と言える。女子の安定感と男子の修正力は、いずれも全国の舞台で注目されるポイントだ。この大会でどこまで可能性を押し広げられるか、多くのバスケファンが期待を寄せている。

ウインターカップは、選手たちにとって3年間の集大成であり、次のステージへ向かうための通過点でもある。三重県代表として挑む四日市メリノール学院の戦いぶりを見届けながら、周囲の仲間やバスケ仲間と共有し、それぞれの視点からこの冬の高校バスケを楽しんでいきたい。

ウインターカップ直前の1週間で見えてきた「高校バスケの今」

ウインターカップ本戦を目前に控えたこの1週間、全国各地で代表校が決まり、高校バスケの“今”がより鮮明になってきた。宮城、京都、北海道、秋田、広島、埼玉、熊本など、地域ごとにカラーの違いがあるものの、勝ち上がった学校には共通して現代バスケに適応したプレーコンセプトが見られる。

キーワードはスピード、判断力、局所戦の強さ。この三つはすべて、3×3の普及によって育成現場に持ち込まれた考え方とも重なっている。高校バスケは今、セットオフェンス中心でじっくり攻める時代から、「速く・賢く・効率的に」攻めるスタイルへと明確に移行しつつある。

仙台大明成|宮城王者の復権と高速トランジションの完成度

宮城代表となった仙台大明成は、東北学院を89対58で圧倒し、王者としての存在感を取り戻した。明成のバスケは毎年アップデートされているが、今年のチームは特にトランジションの完成度が高い。リバウンド後、縦に走る人数が途切れず、誰がボールを持っても一気に加速できる仕組みが整っている。

高校レベルでは、トランジションの初速を全員で揃えるのは難しいが、明成は5人が同じスピード感でコートを駆け抜ける。また、1年生から実戦投入する文化が根付いており、若い選手でも判断速度が速く、3×3的な局所判断にも優れている。接触を受けても重心がぶれず、フィニッシュまで持ち込める選手が多いことも、全国トップクラスの特徴と言える。

洛南|スモールラインナップで全国を制する可能性

京都代表となった洛南は、東山との決勝を72対59で制した。かつての洛南は大型センターを起点としたスタイルが印象的だったが、現在はスモールラインナップを主体とし、5人全員がオフェンスの選択肢を持つスタイルへと完全にシフトしている。

外角シュート、ドライブ、キックアウトが連続的に展開され、相手の守備ローテーションを常に遅らせる。スイッチディフェンスの精度も非常に高く、東山のガード陣にほとんど主導権を握らせなかった。狭いスペースでの判断や、一度止まった後の即再アタックといった動きは3×3にも共通するスキルであり、洛南が本戦で勝ち進むための核となる部分だ。

札幌山の手|女子バスケを変える“高さ×機動力”の融合

北海道女子を制した札幌山の手は、190cm級センターを中心に全国でも屈指の高さを誇るチームだ。しかし、単に高さに頼るのではなく、ハイポストからの展開力やショートロールでの判断、フェイスアップから自ら仕掛ける力を備えており、欧州の女子バスケを思わせる発想が取り入れられている。

守備面でもペイントエリアを守る能力が非常に高く、相手はリングに到達する前に難度の高いショットを強いられる場面が多い。高校女子でこの“高さを戦術に落とし込む精度”を実現できているチームは限られており、優勝候補としての存在感は際立っている。

能代科学技術|伝統校の再生と現代化の両立

能代工業の後継として秋田県代表となった能代科学技術は、伝統と革新を両立させたチームだ。かつての能代工業を象徴したハードワークと走力に加え、今年の能代科技は“現代戦術のスピード感”を上乗せしている。

ウイングからの1on1でズレを作り、ピックを使わずともディフェンスを崩せるのが大きな特徴だ。ローテーションの移動距離を最小限に抑えながら素早く対応する守備も完成度が高く、3×3で求められる接触耐性やボディバランスも多くの選手に浸透している。全国大会で“台風の目”となる可能性を秘めた存在だ。

地域ごとの個性|広島皆実・昌平・九州学院

広島女子代表の皆実は、守備のエネルギーが最大の特徴だ。大会終盤でも運動量が落ちず、相手のペースをじわじわと削っていく。全国大会は一つひとつのプレーの重みが増す舞台であり、この“守備の安定感”は大きな強みとなる。

埼玉女子代表の昌平は、攻守のバランスとガード陣の判断力で全国トップクラスに位置する。速攻の完成度、3Pの精度、ハンドリングの安定感はいずれも高水準で、どんな相手にも自分たちのバスケを押し通せる柔軟性を持っている。

熊本代表の九州学院は、突出した1on1スコアラーを擁する点で異彩を放つ。複数試合で30点以上を記録するエースの存在は、全国でも希少なタイプだ。組織力と個の力のバランスが求められる全国大会で、この“突破力特化型エース”がどこまで通用するかは、大会全体の中でも大きな見どころとなる。

代表校に共通する3つの戦術潮流

今週決まった代表校のバスケットを俯瞰すると、いくつかの共通点が見えてくる。

第一に、攻守の切り替え速度の向上だ。リバウンド後3秒以内の攻撃はもはや特別な武器ではなく、全国レベルでは“標準装備”になりつつある。多くのチームが、ハーフコートでじっくり攻める時間を意図的に減らしている。

第二に、外角シュートの比重増加である。特に女子の3Pは以前よりも射程と精度が上がり、男子はスモール化の進行によって、相手ディフェンスを広げた状態から攻めるチームが増えてきた。

第三に、1on1でズレを作る能力の重要性が一段と増していることだ。3×3の普及により、局所的な判断速度や接触への強さが自然と鍛えられており、これが5人制にも還元されている。結果として、「大型選手の有無」や「セットオフェンスの完成度」だけに頼る勝ち方は成立しにくくなり、“速く・賢く・強い”攻防が勝敗を左右する時代になりつつある。

ウインターカップ本戦で注目すべきポイント

仙台大明成の高速展開、洛南の戦術的完成度、札幌山の手の高さと機動力、能代科技の伝統と現代化、昌平と皆実の安定感、そして九州学院の超個人技。それぞれの武器が全国の舞台でぶつかり合うのがウインターカップだ。

今年の全国大会は、単に強豪校が顔を揃えただけでなく、「高校バスケの戦術文化がどの段階まで進化しているのか」を確かめる場にもなる。時代が変われば勝ち方も変わる。今週決まった代表校たちが示した最新トレンドは、その変化の最前線にあると言っていい。

興味を持ったチームや選手がいれば、ぜひ家族や仲間と情報を共有しながら試合を観戦し、それぞれの視点で高校バスケの“今”を語り合ってほしい。


【執筆】GL3x3編集部(バスケ専門ニュースチーム)
国内外のバスケニュースと3×3情報を中心に発信しています。

日本のミニバスケットボール|小学生バスケの全国リーグ構造と大会体系を徹底解説

ミニバスとは

「ミニバスケットボール(通称:ミニバス)」は、日本バスケットボール協会(JBA)が主管する小学生向けの公式競技カテゴリーで、男子・女子ともに小学校6年生以下の児童を対象としている。コートサイズやボールの大きさ、試合時間などが大人用とは異なり、子どもの発達段階に合わせたルールで構成されている。

ミニバスは単なる“学校の部活動”ではなく、全国各地のクラブチーム(地域スポーツ少年団やミニバスケットボールクラブ)によって組織され、年間を通じて大会やリーグ戦が開催されている。

運営主体と組織構造

  • 主管:公益財団法人 日本バスケットボール協会(JBA)
  • 運営:各都道府県バスケットボール協会 → 地区連盟 → 登録クラブ・チーム
  • 対象:小学生(原則6年生以下)

JBA登録を行うことで、公式大会(全国大会・県大会・地区予選など)に参加できる仕組み。男女それぞれに独立した大会体系があり、全国約1万チームが活動しているとされる。

主要大会とリーグ体系

① 全国大会(頂点)

「全国ミニバスケットボール大会(JBA主催)」が、ミニバス界の最高峰大会にあたる。毎年3月に東京体育館などで開催され、各都道府県予選を勝ち抜いた代表チーム(男子47/女子47)が出場する。全国優勝は“日本一”として称えられ、選手たちの憧れの舞台となっている。

② 都道府県大会・ブロック大会

全国大会への出場をかけて、まず各地区(市区町村)で予選大会が行われ、上位チームが県大会へ進出。さらにブロック(例:関東・東海・九州など)単位の交流大会や強化合宿が行われる地域も多い。

③ 地域リーグ・ローカル大会

ミニバスでは「年間通じてのリーグ戦」というより、トーナメント形式の大会や交流戦が主流。ただし、近年は各県協会が主催する年間リーグ制度(例:県U12リーグ、地区チャレンジリーグ)を導入する動きが広がっている。選手の育成と競技機会の拡大を目的として、定期的に順位入れ替え戦やフェスティバル形式で行われる。

ルールと特徴

  • 試合時間:8分×4Q(計32分)
  • 使用ボール:5号球(女子は軽量球)
  • コートサイズ:通常より小さい(縦24m×横13m前後)
  • リング高さ:2.6m(一般用は3.05m)
  • ディフェンス:1Q~3Qはマンツーマン限定(ゾーン禁止/JBA指定)
  • 出場:原則全員出場を推奨(育成目的)

これらのルールは「育成年代としてのバスケット教育」を重視しており、個人スキルとチームプレーの基礎を身につける目的がある。ゾーンディフェンス禁止は“個で守る力の育成”を重視するJBAの方針に基づいている。

クラブと学校の関係

ミニバスは「学校部活動」ではなく「地域クラブ活動」として運営されるケースが多い。学校体育館を使用しつつ、保護者・地域コーチによる運営が一般的。中学校の部活動との接続(U12→U15育成ライン)を重視し、近年ではバスケットボールアカデミー化が進行している。

選手育成・JBA登録制度

ミニバス登録選手は、JBAの「U12カテゴリー」として全国データベースに登録される。指導者も資格(JBA公認コーチライセンス)を取得する必要があり、近年では「安全管理・教育的指導・フェアプレー教育」などが重視されている。

優秀選手は「JBA U12ナショナルトレーニングキャンプ」に選出され、全国レベルのコーチングを受ける機会もある。

近年の動向・課題

  • リーグ化の進展:2022年以降、全国的に「通年制U12リーグ」構想が拡大。勝敗だけでなく、育成・体験機会を重視する方向に。
  • 指導者の質向上:コーチライセンス制度により、技術だけでなく心理的サポート・教育的側面を重視。
  • 体罰・ハラスメント防止:JBAガイドラインに基づき、指導環境の改善が進む。
  • 保護者負担の軽減:地域連携やクラブ統合による運営効率化が課題。

まとめ

日本のミニバスケットボールは、単なるジュニア競技を超えて、将来の中学・高校・Bリーグ選手を育てる基盤として機能している。全国大会を頂点とするピラミッド型の構造に加え、地域ごとのリーグ制や育成制度が整備されつつあり、次世代のバスケット文化を支える重要なステージだ。

今後は、地域間格差の解消や通年リーグ化の推進、教育的指導の徹底が、日本バスケの底上げに直結する鍵となるだろう。

能代科学技術が1点差で涙…秋田工業が連覇でウインターカップ切符、湯沢翔北は女子2年連続出場

秋田県予選総括|伝統校・秋田工業が意地の連覇、能代科学技術は1点差に散る

10月24日から26日にかけて行われた「SoftBankウインターカップ2025 秋田県予選会」。男子は秋田工業高校が連覇を達成し、2年連続5度目の全国切符を手にした。一方、能代科学技術高校は準決勝でわずか1点差の惜敗。かつての“バスケ王国・秋田”を支えた名門同士の対決は、歴史に残る激戦となった。

準決勝:能代科学技術 68−69 秋田工業|魂の10分間、あと一歩届かず

準決勝屈指の好カードは、能代科学技術(以下・能代科技)が秋田工業に挑む形で幕を開けた。第3Q終了時点で44−55と10点ビハインド。しかし、伝統の粘りを見せた能代科技は第4Qに猛攻を開始。速攻とアウトサイドの連動で24得点を重ね、残り数秒で1点差まで迫るもタイムアップ。68−69というスコアが示すように、最後まで勝負は紙一重だった。

能代科技は世代交代を経て、かつての「能代工スタイル」を現代的に再構築中。速攻主体のバスケに3Pとスペーシングを取り入れた新チームは、敗れながらも県内で最も観客を沸かせたチームの一つだった。

決勝:秋田工業 91−73 秋田令和|序盤主導で圧倒、連覇で全国へ

勢いに乗る秋田工業は、決勝で初出場を狙う秋田令和高校と対戦。第1Qからリバウンドを支配し、守備からの速攻で一気に16点リード。チームの代名詞であるトランジション・バスケットが冴え渡り、ペイントアタックからのキックアウトでテンポよく得点を重ねた。
秋田令和も2年生エースを中心に反撃を試みるが、リバウンドとセカンドチャンスを奪えず91−73で敗退。秋田工業が2年連続5回目のウインターカップ出場を決めた。

秋田工業の強さ分析|守備から走る、再現性のあるバスケ

秋田工業は守備の再現性が高い。ハーフコートではマンツーマンを基調に、1stパスを遮断する圧力ディフェンスを徹底。リバウンド時にはウィングがすぐにコートを走り、「守って走る」→「パスで決める」までの流れがシンプルかつ速い。
特に今大会ではガード陣のディシジョンメイクが安定し、無駄なドリブルが激減。リズムを崩さないテンポコントロールが、能代科技や秋田令和を苦しめた。

伝統校の苦悩と再起:能代科学技術の新章

かつて全国制覇58回を誇る能代工業の後継校・能代科学技術。校名変更後の再建期を経て、若手中心の新体制が着実に形を作りつつある。
指導陣は「再び能代の名を全国へ」を掲げ、走力強化とスリーポイント重視のバスケへと舵を切った。惜しくもウインターカップ出場は逃したが、県内屈指の得点力と終盤の集中力は大きな成長の証だった。

女子決勝:湯沢翔北が盤石の勝利で2年連続出場

女子では、今夏インターハイ出場校の湯沢翔北高校が安定の強さを見せた。決勝の相手は秋田中央高校。湯沢翔北は序盤から主導権を握り、#5キャプテンのゲームメイクと#9フォワードのインサイド支配で危なげなく試合を展開。
最終スコアは89−62。終盤には控え選手も出場し、チーム全体の成熟度を感じさせた。前身・湯沢北高校時代を含めると、2年連続24回目の全国出場となる。

数字で見る秋田県予選2025

  • 男子優勝:秋田工業(2年連続5回目)
  • 男子準優勝:秋田令和
  • 男子準決勝敗退:能代科学技術/秋田北鷹
  • 女子優勝:湯沢翔北(2年連続24回目)
  • 女子準優勝:秋田中央

秋田工業の“再現性バスケ”がもたらす未来

秋田工業のスタイルは、個の力に頼らず「チーム全員で守り、全員で走る」。この哲学は全国舞台でも強豪に通じる。スコアだけでなく、ターンオーバー管理、オフェンスリバウンド率、ボールポゼッション率といった指標の安定こそが、強さの裏付けだ。
昨年のウインターカップでは2回戦で敗れたが、今年はベンチ層の厚みと経験値が加わり、「一戦必勝」から「上位進出」へとチームの目標は変化している。

総評:秋田のバスケ文化は“継承と挑戦”の二軸で進化中

秋田工業の守備バスケ、能代科技の再建、秋田令和の新風、湯沢翔北の女子連覇――。秋田県バスケット界は、伝統と革新が同時に存在する稀有な地域だ。
能代工の名を背負う若者たちが新しいスタイルを追求し、秋田工業が古き良きハードワークを貫く。「次の秋田」を象徴するこの競争構造こそ、全国に通じる新しい魅力である。

まとめ|1点差の悔しさは、次代への燃料に

68−69。1点の差が示したのは、勝敗以上の価値だった。能代科学技術は敗れても、その粘りと意地が会場を沸かせた。秋田工業はその挑戦を受け止め、勝者の責任として再び全国へ挑む。
秋田県のバスケットボールは、過去の栄光に甘えず、今を戦い抜く文化を育てている。ウインターカップ本戦の舞台で、秋田勢がどんな物語を描くのか――その先のドラマは、すでに始まっている。

早稲田大学、57年ぶり戴冠の衝撃|関東大学1部「昇格即優勝」を実現した攻撃的バスケットの正体

要約:昇格即優勝という歴史的達成

2025年10月26日、「第101回関東大学バスケットボールリーグ戦」1部で早稲田大学が明治大学との死闘を113–109(2OT)で制し、57年ぶり6度目のリーグ制覇を決めた。昨季は2部所属からの昇格初年度。すなわち1部復帰=即優勝という稀有な達成であり、関東の勢力図を塗り替える出来事となった。今季の早稲田を象徴するキーワードは「圧倒的な攻撃力」。リーグ平均92.1点は堂々の1位で、2位・日本体育大学(79.6点)に10点以上の差をつける破壊力を誇った。

決戦の全体像:2OTまで続いた“点の取り合い”

明治大学との優勝決定戦は、一進一退の主導権争い。規定40分では決着がつかず、延長でも攻守の応酬が途切れないまま、ダブルオーバータイムへ突入した。早稲田はオフェンスの手を緩めず、最後の数分で足元の運動量を保ったまま、ドライブ&キックトランジション3ゴール下でのフィニッシュを高い再現性で積み上げて勝機を奪った。

主役たちの数字:4人が20点超えの“多点化”

この日の早稲田は得点源が一点に偏らず、複数のカードが入れ替わり立ち替わりでゲームを押し上げた。

  • 堀 陽稀:30点 — クラッチ局面のショットセレクションが秀逸。ミドルと3Pの配合で明治のスイッチを翻弄。
  • 三浦 健一:27点 — セットの1stオプションを担い、DHO(ハンドオフ)からのストップ&ポップが冴える。
  • 松本 秦:24点 — 速攻の先導役。セカンダリブレイクでeFG%を上げる簡単な点を作った。
  • 岩屋 頼:22点 — ハイポスト起点のフェイサップが明治のヘルプタイミングをずらし、終盤の決定打へ。

4人が20点超という“多点化”は、スカウティングの的を絞らせない効果を生み、延長に入っても決定力が落ちない要因となった。

シーズンを支えた“92.1点”の中身:効率とテンポの両立

平均得点首位という結果の裏には、単なるシュート本数の増加ではなく、効率とテンポの最適化がある。ポゼッション単位でみれば、PPP(1攻撃当たり得点)はトランジション時に顕著に伸び、ハーフコートでもショットクオリティ(質)を高める原則徹底が見て取れる。具体的には、

  • ① eFG%の確保:コーナー3とリムの“2大高期待値”領域の比率を上げる。無理なミドルの削減。
  • ② TOV%の抑制:1stサイドで崩せない際の再配置(リロケート)逆サイド展開で、悪いターンオーバーを避ける。
  • ③ OREB%の選択:ラインバランスを崩さず、狙う選手を限定した“指名オフェンスリバウンド”。
  • ④ FTRの強化:ドライブでの身体の入れ方を共有し、接触の“偶然”ではなく“必然”をつくる。

この4点(いわゆるFour Factorsの骨子)によって、早稲田の攻撃は「速いだけで荒い」から「速くて正確」へ。相手が対策を施すほど、セカンダリの厚みと再現性で上書きしていった。

ゲームプラン:二段発射のトランジションと、ハーフの分岐

早稲田の特徴は、ディフェンスリバウンドから“二段発射”で加速すること。最初の波でリムランナーとウィングが走り切れない場合、2段目でドラッグスクリーンを呼び込み、遅れてきたビッグがDHOでギャップを作る。ハーフコートでは、5アウトホーンズ(Horns)のエントリーから、相手のカバー方式(ドロップ、アイス、スイッチ)に合わせて分岐。例えばスイッチにはスプリットアクション、アイスにはズーム(ピンダウン→DHO連結)で角度を変える。

明治大学の善戦:2OTまで持ち込んだ耐久力

明治は40分を超えても集中が切れず、ペイントタッチ→キックアウトの基本に忠実だった。特に第3Q以降のショートロールからの意思決定は質が高く、早稲田のヘルプローテを一時的に遅らせることに成功。最後は数本のクラッチで早稲田が上回ったが、ゲーム全体が示したのは、関東1部の競争力の高さである。

57年の空白を埋めた“現代化”:伝統と革新のハイブリッド

早稲田の復権は、偶発的な“当たり年”ではない。選手の個別スキル強化に加え、映像とアナリティクスの現場実装が加速。プレー後のフィードバックは“印象”ではなくデータ起点で行われ、シュートセレクションは定性(良い形)と定量(期待値)の両面で是正されるようになった。伝統的なハードワークの文化に、現代バスケの科学性が重層的に積み重なった結果といえる。

メディアとファンの反応:古豪復活の物語性

「昇格即優勝」「ダブルOT制覇」「57年ぶり」という強い物語性は、大学バスケの中でも抜群のニュースバリューを持つ。SNS上では、選手個々の躍動を称える声に加え、“チームとしての完成度”に注目する声も多い。単発の金星ではなく、シーズンを通じて高効率の攻撃を維持したことが、評価を底上げしている。

数字・年表(サマリー)

  • 1968年:以前のリーグ制覇から長い空白期。
  • 2024–25年:2部から1部へ昇格。
  • 2025年10月26日:明治大との2OTを制し、通算6度目の優勝。
  • シーズン平均得点:92.1点(リーグ1位)/2位との差:約+12.5点
  • 優勝決定戦の主な得点:堀30/三浦27/松本24/岩屋22。

同様の過去事例と比較:昇格組の“勝ち筋”

昇格即優勝のような極端事例は稀だが、近年の大学・社会人リーグで上位に食い込むケースの共通点は、①守備→攻撃の即時接続、②ショットの質の徹底、③交代の短縮化と5人の役割明確化だ。早稲田はこの3点を高いレベルで実行。特に②がもたらした期待値の安定が、接戦での強さにつながった。

戦術の可視化:終盤の“3つの型”

  1. ズーム・シリーズ:ピンダウン→DHOの連結でスイッチを強制、内外のミスマッチを同時に作る。
  2. ホーンズ・ツイスト:最初のP&R後にスクリーン角度を反転。ショートロールで中央に配球ラインを作る。
  3. エンドゲームATO:サイドラインからのセットでコーナーを囮に、スラムダンクカット(バックドア)を差し込む。

どの型も「最初に無理なら、作り直す」ための退路(セーフティ)があり、ターンオーバー由来の失点(ライブTO)を最小化している。

チーム・個のプロフィール:勝者を支える資質

チーム全体は走力・判断・共有の3拍子。個々で見ると、ハンドラーは0.5秒ルール(キャッチ→判断の速さ)を徹底し、ウィングはコーナーの幅を確保、ビッグはリムラン&ショートロールの二刀流。こうして“全員が主役”の舞台を整えることで、試合のどの時間帯でも役割が曖昧にならない。

リーグ全体への示唆:効率化の波と競争の質

今季の関東は、上位陣の守備の質が高い中で、早稲田が“攻撃の再現性”で抜けた。リーグ全体としては、eFG%/TOV%/OREB%/FTRといった指標が共通言語化し、「データで勝つ」文化が学生カテゴリーにも定着しつつある。コーチングも“気合い論”から“選択の最適化”に比重が移り、戦術の高度化が進んでいる。

将来展望:インカレと、その先のキャリアへ

リーグを制した早稲田の次なる焦点はインカレ(全日本大学選手権)。一発勝負のトーナメントでは、ペース管理クラッチの意思決定がさらに重要になる。今回の2OT勝利は、メンタルタフネスと選択の再現性を証明した一方、短期決戦では相手の対策速度も上がる。“2戦目の修正力”を“翌ポゼッションの修正力”に縮められるかが、全国制覇への鍵だ。また、複数選手が持つプレー強度と判断の速さは、Bリーグや3×3の舞台でも評価対象となるだろう。

読者アクション:次戦の観戦ポイント

  • コーナー3の創出数:ゲームごとに何本作れているか。
  • ライブTOの抑制:速攻に直結するミスの発生源を特定。
  • セカンドユニットの役割:ペース維持か、局面変化のスパークか。
  • クラッチのFTR:残り3分でのFT獲得に注目。

結び:古豪は“伝統×現代化”で強くなる

57年ぶりのタイトルは、単なる復活劇ではない。伝統の上に、効率・再現性・データという現代要素を重ね合わせたハイブリッドな勝利である。昇格即優勝という希少な偉業は、組織の意思と方法論が噛み合った時にのみ生まれる。早稲田大学のシーズンは、大学バスケの新たな標準を提示した。次は全国の舞台。“速く、賢く、正確に”──その合言葉が、どこまで届くのか注目だ。


スコア・個人得点などの数値は、当該試合の公表情報に基づく。本文は分析・再構成を行い、原文が推測できない程度の表現・構成変更を加えている。

中学バスケは「部活×クラブチーム」両立の時代へ|メリット・デメリットと注意点を解説

🏀 中学バスケは「部活×クラブチーム」両立の時代へ

近年の日本バスケットボール界では、中学生が学校の部活動と地域クラブチームの両方に所属するケースが増えています。
かつては「どちらか一方」しか選べないイメージがありましたが、現在はJBA(日本バスケットボール協会)も制度整備を進め、部活とクラブの両立を前提とした環境が広がりつつあります。

📈 なぜ両立が増えているのか

  • 部活動の縮小傾向:教員の働き方改革により、練習時間が制限されている。
  • クラブチームの発展:U15カテゴリーの整備で、指導体制や練習環境が充実。
  • 選手育成の多様化:レベル・志向に合わせて複数環境で練習する動きが一般化。

🤝 JBAの方針と登録ルール

JBAは「U15カテゴリー」の中で、中学校チーム・クラブチーム・Bユースチームなど複数形態の活動を認めています。
ただし、選手登録や大会参加資格については制限があるため、公式戦に出る際はどちらのチームで登録するかを明確にする必要があります。

✅ 両立のメリット

  • 練習量・経験値の向上:技術を磨く機会が増える。
  • 多様な指導方針に触れられる:学校とクラブで違う戦術・文化を学べる。
  • 広い人脈と対戦経験:地域・県外の大会に出るチャンスが増える。

⚠️ 両立のデメリット・注意点

  • 時間と体力の負担:練習・試合が重なり、疲労やケガのリスクも。
  • スケジュール調整の難しさ:学校行事・テスト期間との両立が課題。
  • 大会登録の制約:どちらのチームで出場できるかを確認しておく必要。

🩺 両立を成功させるポイント

  1. 優先順位を明確にする:大会シーズンはどちらを重視するか話し合う。
  2. 指導者・保護者と共有:スケジュールや体調をチーム間で情報共有。
  3. リカバリーを重視:睡眠・栄養・休養の管理が不可欠。
  4. ルールを確認:JBA登録や大会規定を事前にチェック。

🏀 現場のリアル

実際に多くのクラブでは「部活動と両立可能」と明記しています。たとえば、滋賀レイクスU15アルバルク東京U15などは、学校部活とクラブ活動を調整しながらの参加を推奨。
一方で、「クラブを優先」「週4回以上の活動が前提」とするチームもあり、所属先によって方針が異なるのが現状です。

💡 保護者・指導者の立場から

両立の可否を判断するうえで大切なのは、子どもの成長段階と目的を見極めること
「試合に出たい」「個人技を磨きたい」「進学を見据えたい」など目的によって、最適な環境は異なります。
また、コーチ間の連携や選手本人の意志確認も欠かせません。

🏆 まとめ:両立は 当たり前 ではないが、確実に広がっている

中学バスケの現場では、部活とクラブチームの両立はまだ地域差があります。
しかし、JBAの方針や地域クラブの拡大によって、「両立する」という選択肢が自然になりつつあるのは確かです。
大切なのは、「どちらが正しい」ではなく、その子にとってベストなバスケット環境を選ぶことです。

将来的には、学校と地域が連携した「地域移行型部活動」が本格的に進む見込み。
これからの中学バスケは、部活×クラブのハイブリッド型が主流になっていくでしょう。

小学生ミニバス交流試合に約600人集結 上越で 305cmリング&6号球 の実戦形式に挑戦

【上越妙高タウン情報|ニュース】2025年9月1日 15:23 更新

小学生ミニバス交流試合に約600人 夏休みの練習成果を発揮

8月30日(土)・31日(日)、上越市で小学生ミニバスケットボールの交流試合が開催され、県内外から男子25チーム・女子20チーム(約600人)が参加しました。主催は上越市のクラブチーム「上越ジョーズ」で、今年で第22回を迎えました。

将来を見据えた 特別ルールで実施

  • リングの高さ:通常のミニ(260cm)ではなく、一般と同じ305cm
  • 使用球:ミニより一回り大きい6号球
  • ルール:3ポイントシュートを採用

将来的なルール・規格変更も想定し、視野の拡張やシュートレンジの確保など、育成年代の強化に直結する実戦形式で行われました。

注目カード:上越ジョーズA vs BCひがしイーグルス(富山)

白ユニフォームの上越ジョーズAは、赤ユニフォームのBCひがしイーグルス(富山県)と対戦。
試合は33-39で惜敗しましたが、高さ305cmのリングと6号球という条件下で、選手たちは最後まで粘り強くプレーしました。

上越ジョーズ男子・川田 信コーチ
「高いリングで試合をすると、通常のミニの高さに戻ったときに視野が広がる。将来に向けて必ず生きる取り組みです」

上越ジョーズA キャプテン・遠藤 涼太さん
「前半は勝っていたが、後半の守り切る力が足りなかった。今日の経験を生かして、ディフェンスもシュートもできる選手になりたい」

上越ジョーズA・宮川 航さん
「いつもと違う305cmのゴール6号ボールは難しかった。大事な場面で決め切る選手になりたい」

県内外からの参加チーム

上越地域、十日町市などの県内チームに加え、富山県・福井県など県外からも多数のチームが参加。世代や地域を越えた交流の場となりました。

今後の予定

県内の多くのチームは、12月の県大会に向けて強化を継続。上越ジョーズ男子の川田コーチは「秋から冬にかけて課題を修正し、1段高いレベルを目指す」と話しています。


写真・情報提供:上越妙高タウン情報編集部(取材日:2025年8月30日・31日)

創部4年で全中男子制覇!金沢学院大附が王者撃破で初優勝、未来のスターが躍動

金沢学院大附が創部4年で全中初制覇──伝統校を破った新鋭が全国の頂点に


2025年8月24日、鹿児島県で開催された「第55回 全国中学校バスケットボール大会(全中)」男子の部において、石川県代表・金沢学院大学附属中学校(以下、金沢学院大附)が創部わずか4年で全国初優勝を成し遂げるという歴史的快挙を達成しました。

中学バスケ界では 四日市メリノール学院 や 京都精華学園 などの名門校が長年にわたって全国を席巻してきましたが、今回の大会は「伝統を打ち破る力」と「チームビルディングの新たな可能性」が強く感じられる結果となりました。

金沢学院大附の全中制覇は、中学バスケの地図を塗り替えるだけでなく、育成・組織の在り方にも一石を投じるものです。

決勝:粘る梅丘を振り切り、堂々の15点差勝利

決勝の相手は、東京都代表・世田谷区立梅丘中学校。都内の公立中学校ながらも、予選を勝ち抜いて決勝進出を果たした実力派チームです。

試合序盤は両チームともに緊張感から動きが硬く、ロースコアの立ち上がりとなりましたが、第2クォーターに入って金沢学院が一気に加速。連続得点で流れを掴むと、前半終了時点で28–17と11点リードを奪取しました。

後半は第3クォーターにさらに攻勢を強め、スコアを51–30に。最後は梅丘の粘りを封じつつ、58–43と15点差で試合を締めくくりました。大会を通じて磨かれた守備とトランジションの精度が、最後まで光った一戦となりました。

準決勝①:梅丘が名門・京都精華に逆転勝利

梅丘中は準決勝で全国常連の京都精華学園中学校と対戦。前半は36–36と互角の展開を見せ、第3Qでは京都精華が主導権を握りましたが、第4Qで梅丘が驚異の追い上げを見せて逆転に成功。最終スコア69–65で勝利を収め、東京都公立校としては異例の決勝進出を果たしました。

この試合では、野呂田桜輔が28得点9リバウンドの大暴れを見せ、鈴木志門も19得点で勝利に大きく貢献。一方、京都精華は岡修平が20得点8リバウンドと奮闘しましたが、惜しくも及びませんでした。

準決勝②:王者・四日市メリノールを完封に近い形で撃破

もう一方の準決勝は、金沢学院大附と三重県の四日市メリノール学院との一戦。相手は全中4連覇中の絶対王者であり、誰もが金沢学院の苦戦を予想していました。

しかし、金沢学院は序盤から主導権を握り、特に第2クォーターでは19–2と圧巻のディフェンスを披露。前半を39–14と大差で折り返すと、後半も安定した試合運びを見せ、最終スコア62–41と21点差の快勝で王者を撃破しました。

注目選手は矢作拓真。この試合で19得点10リバウンドのダブルダブルを記録し、攻守にわたって存在感を発揮。4連覇中の巨壁を打ち砕く立役者となりました。

育成の勝利 が見えた金沢学院の台頭

金沢学院大附は創部4年目のチーム。にもかかわらず、ここまでの急成長を遂げた背景には、「育成重視」と「チームカルチャーの徹底」があります。

石川県内でもジュニア育成に注力している金沢学院グループは、小学生年代から一貫した指導体制を敷き、スキルだけでなくチームとしての戦術理解・メンタル構築にも注力。さらに、「走る」「守る」「チームで崩す」といった基礎に忠実なバスケスタイルが、大舞台での安定感を支えていました。

GL3x3への示唆:地方からの挑戦がバスケの景色を変える

金沢学院大附の躍進は、GL3x3が目指す「地域から全国・世界へ」のビジョンとも重なります。地方発のチームが短期間で日本一に駆け上がる──その成功モデルは、3×3バスケにおける「地域クラブの躍進」や「多様な育成ルートの提示」にもつながるでしょう。

中学・高校・大学・3×3・Bリーグという 多層構造 の中で、ローカルチームが持つ可能性を最大化する施策が今後ますます重要になります。

今後への期待:中学バスケの 民主化 が進むか

今回の全中は、優勝した金沢学院大附に加え、梅丘中のような公立校も台頭。これにより、「名門私学だけが勝つ時代」から、「どの学校にもチャンスがある時代」へと変わりつつあることを証明しました。

GL3x3や地域バスケ界でも、こうした流れを受けて「育成」「地域連携」「競技のオープン化」に取り組むことが重要です。

まとめ:金沢学院大附が切り開いた 新時代 の始まり

金沢学院大附は、創部わずか4年というスピードで中学バスケの頂点に立ちました。その裏には、戦術理解・個人技・組織力・精神力のすべてを磨き上げた 育成力 があったと言えるでしょう。

四日市メリノールの連覇を阻止し、梅丘との決勝でも堂々の勝利を収めた彼らの物語は、「強さは伝統ではなく積み重ねで創れる」ことを証明しました。

中学バスケ界に新風を巻き起こした金沢学院大附。彼らが切り拓いた道の先には、全国の挑戦者たちの未来が続いていくに違いありません。

WUBS2025は高麗大学が初優勝!日本勢は日本体育大学が3位獲得、国際大学バスケの未来を示した3日間

WUBS2025が閉幕!韓国の高麗大学が初優勝、日本体育大学が銅メダル獲得

2025年8月9日〜11日の3日間、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された「World University Basketball Series 2025」(以下、WUBS2025)。世界各国から強豪大学男子バスケットボールチームが一堂に会した本大会は、韓国の高麗大学が優勝を飾り、アジア大学バスケの頂点に立ちました。

この大会は、一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟(JUBF)が主催する、単独大学による国際トーナメントで、アジアを中心とした大学スポーツの交流と競技力向上を目的としています。2022年にスタートした本シリーズは今年で第4回を迎え、年々注目度とレベルが上昇。今回は、日本を含む8チームが出場し、トーナメント方式でしのぎを削りました。

出場大学と国際色豊かなラインナップ

WUBS2025には、以下の8大学が出場しました。

  • 高麗大学(韓国)
  • デ・ラサール大学(フィリピン)
  • フィリピン大学(フィリピン)
  • 国立政治大学(チャイニーズ・タイペイ)
  • 香港大学(香港)
  • シドニー大学(オーストラリア)
  • 日本体育大学(日本)
  • 日本学生選抜(日本)

アジアの大学のみならず、オセアニアからも強豪校が参戦し、国際バスケットボールの縮図のような大会となりました。特に、日本からは大学代表の常連である日体大と、選抜メンバーで構成された「日本学生選抜」が参戦し、国内外からの注目を集めました。

初日から波乱と感動の連続、日本勢は好スタート

8月9日に行われた初戦では、日本学生選抜が香港大学を98-31と圧倒し、日体大もシドニー大学との1点差の接戦を65-64で制して勝利。両チームとも白星スタートを切り、日本の地元ファンの期待を高めました。

一方、高麗大学はフィリピン大学を75-71で退け、デ・ラサール大学は国立政治大学に89-84と競り勝ち、順当にベスト4へ進出。

準決勝は高麗大学とデ・ラサール大学が圧倒、日本勢は敗退

大会2日目となる8月10日の準決勝、日本学生選抜はデ・ラサール大学に75-88、日本体育大学は高麗大学に54-68と敗戦。日本勢は惜しくも決勝進出を逃しました。

準決勝の高麗大学は、試合開始直後から堅い守備と素早いトランジションで日本体育大学を圧倒。ムン・ユヒョンを筆頭に、リズムのあるオフェンスで終始試合をリードしました。

3位決定戦は日本対決!日体大が意地を見せ銅メダル獲得

大会最終日、3位決定戦で日本勢同士の対戦が実現。日本学生選抜を相手に、日本体育大学は序盤にリードを許すも第3クォーターで逆転。そのまま主導権を握り続け、最終スコア86-72で勝利を収め、銅メダルを獲得しました。

この試合では日体大のベンチワークと対応力が光り、最後まで足を止めない運動量で選抜チームを圧倒しました。これにより、日本勢として唯一の表彰台入りを果たしました。

決勝戦:高麗大学が宿敵・デ・ラサール大学にリベンジ

決勝戦は、昨年と同じ顔合わせとなった高麗大学とデ・ラサール大学の一騎打ち。前回はデ・ラサールが勝利を収めていましたが、今年は高麗大学が開始から主導権を握り、前半で大量リードを奪取。デ・ラサールも最終Qに猛追を見せましたが、高麗が95-85で逃げ切り、見事な雪辱を果たしました。

大会MVPは高麗大学3年のムン・ユヒョンが受賞。以下のような活躍を見せ、文句なしの評価を得ました。

  • 初戦:23得点3スティール
  • 準決勝:19得点4スティール
  • 決勝戦:21得点3アシスト

彼の献身的な守備と得点力は、まさにチームの中心として輝いていました。

日本体育大学の石川響太郎が3Pコンテスト優勝!

大会最終日には、エンターテイメント要素の一環として「3ポイントシュートコンテスト」も開催。日本体育大学の石川響太郎が見事な精度を見せ、国際舞台でのタイトルを手にしました。

3×3の要素でもある スピードと正確性 が求められるこの競技での優勝は、石川のシュート力の高さを国際的に証明する結果となりました。

試合結果まとめ(WUBS2025)

以下に、3日間にわたる全試合結果を簡潔にまとめます。

8月9日(1日目)

  • 国立政治大学 84-89 デ・ラサール大学
  • 香港大学 31-98 日本学生選抜
  • シドニー大学 64-65 日本体育大学
  • フィリピン大学 71-75 高麗大学

8月10日(2日目)

  • 国立政治大学 102-48 香港大学
  • シドニー大学 96-77 フィリピン大学
  • デ・ラサール大学 88-75 日本学生選抜
  • 日本体育大学 54-68 高麗大学

8月11日(3日目)

  • 5位決定戦:国立政治大学 77-67 シドニー大学
  • 3位決定戦:日本学生選抜 72-86 日本体育大学
  • 決勝戦:デ・ラサール大学 85-95 高麗大学

まとめ:WUBS2025はアジア大学バスケの進化を象徴

WUBS2025は、単なる大会に留まらず、大学バスケットボールの国際的な進化と新しい交流のあり方を示したイベントでした。韓国・高麗大学の躍進、日本体育大学の粘り強い戦い、個人技術の進化など、多くの示唆に富んだ3日間となりました。

GL3x3視点から見ても、こうした「単独大学チームによる国際大会」は、選手育成・スカウティング・イベント展開において大きな可能性を秘めています。今後の日本大学バスケ、そして3×3シーンにおいても、WUBSの存在は無視できないものとなるでしょう。

鳥取城北がインターハイ男子バスケ初優勝|アズカの3Pで八王子学園との接戦制す

鳥取城北がついに 日本一 へ|インターハイ決勝で強豪・八王子学園を撃破


2025年8月1日、岡山県・ジップアリーナ岡山にて「令和7年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)」男子バスケットボール競技の決勝戦が行われ、鳥取城北高校(鳥取)が八王子学園八王子高校(東京)を64−58で破り、県勢として史上初となる全国制覇を成し遂げた。

昨冬のウインターカップ準優勝に続く快進撃で 冬夏連続の決勝進出 を果たした鳥取城北。ついにその挑戦が実を結び、「初の日本一」という偉業が現実のものとなった。

試合序盤|新美鯉星の連続得点で主導権を奪う

ティップオフ直後から両者堅守のロースコアな立ち上がりとなったが、鳥取城北は新美鯉星の連続得点で流れを掴み、第1Qを19−15と4点リードで終える。

第2Qもリードを維持しつつ展開。ディフェンスのギアを上げながら、セカンドチャンスや速攻を確実に得点に結びつけた。ハーフタイム時点では29−26とわずか3点差ながら、ゲームを支配していたのは鳥取だった。

後半の攻防|アズカが攻守で躍動しリードを保つ

後半に入っても点差は拮抗。第3Qでは鳥取城北がややペースを取り戻し、17得点を重ねて46−41とリードを維持する。

この時間帯で躍動したのが、ハロルド・アズカ。3ポイントを沈めれば、守備ではブロックで相手の流れを止める。攻守両面で存在感を発揮し、決勝の舞台でリーダーシップを発揮した。

第4Qの逆転劇と勝負の分かれ目

第4Qに入ると、八王子学園八王子が反撃を開始。照井昇太朗の3Pで同点に追いつくと、花島大良のレイアップでついに52−50と逆転。

だが、そこから鳥取城北が真価を発揮。冷静にバスケットカウントを得て逆転すると、再びアズカのロングレンジからの3Pが炸裂。試合残り21秒、勝負を決定づける 値千金の一撃 で再びリードを広げ、最終スコア64−58で接戦を制した。

ヒーロー・アズカのポテンシャル|3×3への適性も

この試合最大のキーマンとなったアズカは、3P成功・ブロック・リバウンドと、現代型ビッグマンとしての高いスキルを証明。高校生離れしたサイズとシュート力は、GL3x3のようなスペース重視のゲームにも適応可能な素材であり、今後の進路やU19代表選出にも注目が集まる。

また、新美鯉星の1on1スキルやプレッシャー下での判断力、照井昇太朗のシュート力など、今大会の決勝に出場した複数選手が「3×3適性の高い素材」としてスカウト関係者の評価対象に挙がっている。

八王子学園の健闘と 東京の壁 を越えた鳥取

惜しくも敗れた八王子学園八王子高校は、準決勝で全国屈指の強豪・福岡大大濠を撃破し、2010年以来となる全国制覇を目指した。

花島や照井らの3P攻勢、地道なハードディフェンスなど、最後まで食らいつく姿勢は観客を魅了。終盤の逆転劇は見応えがあり、「東京代表の強さ」を見せつけた形だ。

一方で、鳥取城北は「東京の壁」を正面から打ち破り、地方校でも頂点を狙えるという希望を全国の高校に示す形となった。

県勢初の快挙|鳥取バスケの歴史を塗り替えた一戦

鳥取県勢としてインターハイ男子バスケ決勝進出自体が初。さらには、そのまま 優勝 を掴み取った今回の快挙は、県バスケ史に燦然と輝く金字塔といえる。

過去には地方校の躍進例として、佐賀北(2007年甲子園)、金足農業(2018年甲子園)などが知られているが、今大会の鳥取城北は「バスケ版・下剋上」の代表例となるかもしれない。

試合データ|八王子学園 vs 鳥取城北

| クォーター | 八王子学園八王子 | 鳥取城北 |
|————-|———————|————-|
| 第1Q | 15 | 19 |
| 第2Q | 11 | 10 |
| 第3Q | 15 | 17 |
| 第4Q | 17 | 18 |
| 合計 | 58 | 64 |

まとめ| 冬夏連続ファイナル を制した鳥取城北の進化

昨年の冬にウインターカップ準優勝、そして今夏インターハイでの初優勝。鳥取城北の進化は 偶然 ではなく、 必然 であることを証明した。地方発でも、戦略的な育成・実戦で鍛え抜かれた選手たちが全国制覇を成し遂げられることを世に知らしめた。

GL3x3でも、このような 地方発の才能 が活躍する事例が増えており、今回のインターハイ決勝はその布石となる。

▶GL3x3は次なるスターを発掘中! 地方の情熱がバスケ界を変える!