Wリーグ開幕直前|アンテロープス完全ガイド:平下愛佳×横山智那美の新リーダー軸、3P40%を狙う三浦舞華、196cm新戦力シュック… 4年ぶり王座奪還 ロードマップ

はじめに―― 4年ぶり王座奪還 を掲げる、新生アンテロープスの現在地

10月18日の開幕(会場:トヨタアリーナ東京)までカウントダウン。昨季5位でプレーオフ進出を逃したトヨタ自動車アンテロープス(以下、アンテ)は、悔しさを糧に「勝ち切る力」と「継続する判断」をテーマに再起動する。スタジオ出演した副キャプテンの平下愛佳、チーム最年少の横山智那美に加え、2年目組の成長曲線、復帰組・新加入の上積み、大神雄子HCの シンプルなバスケット という合言葉――今季の注目点を、選手プロフィール・背景・年表・データの観点から総覧する。読了後には、あなたも どこを見るべきか がクリアに。さあ、アンテの今季戦略を徹底解剖しよう。

2024-25総括からの反省――開幕8連敗→13勝15敗・5位の内実

昨季はロスター13人中6人が新人という若返り策の真っ只中。主力の山本麻衣らにケガが相次ぎ、開幕8連敗という極寒スタートに見舞われた。最終成績は13勝15敗で5位。内容面では接戦の落とし込みに課題を残し、終盤の 1本 をもぎ取る遂行力が一歩及ばずプレーオフ進出を逃した。
ただし、この「負けの経験」が今季の骨格を形作っている。アーリーエントリーのオコンクウォ・スーザン・アマカに続き2名が新加入。既存の若手は 痛みを知る世代 として、プレーの質と強度の両面で階段を上がった。大神HCは「何かを足すより、やるべきことをシンプルにやり切る」と繰り返し、勝利の再現性を高めるフェーズに入った。

キャプテンシーの二重奏――平下愛佳×横山智那美、言葉と所作で引っ張る

平下愛佳(SG/SF)は副キャプテンとして 静かな熱 を体現。ケガの療養期間中は片山修『豊田章男』(東洋経済新報社)を熟読し、「お客様のために常識を疑う」姿勢から、一点突破の努力論を自分の言葉に落とし込んだ。本人いわく「1つの目標へコツコツ積み上げる大切さを学んだ」。姉妹対決(トヨタ紡織=平下結貴)となる開幕カードでは、試合の 温度 を上げる先制の一撃が期待される。
横山智那美(G)は最年少ながら言葉の選び方が成熟。「トヨタの名を背負う誇り」を口にしつつ、ミスに対しては「40分の中での揺り戻しを設計する」という思考を示した。メンタルの保ち方を仕組みにまで落とせる選手は貴重だ。おしゃれ番長の裏に、ゲームの流れを数直線で捉える優等生マインドがある。

2年目の飛躍候補――三浦舞華 3P40%宣言 、小野寺佑奈 アメリカ遠征で殻破り

三浦舞華(SG)は昨季3P成功率37%。今季は明確に「40%超」を目標に掲げた。平下が「独特のリズムで守りづらい」と評する通り、キャッチ→セット→リリースの間合いが一定で揺れないのが強み。ピンダウン後のフレア、コーナーでのスタンプ、トランジションのトレイル3――打つべき場面で迷わない ショットセレクションの正直さ が、チームの得点効率を底上げする。
小野寺佑奈(G)は5月の米国遠征でWNBA王者級と対戦。「バスケって楽しい」と原点回帰できたことが最大の収穫だと言う。ネガティブを無理にポジティブに塗り替えず 受け入れる メンタル転換は、クラッチ局面での意思決定に効く。相手の 次の一手 を先に呼ぶ読み合いは、海外の強度を浴びたからこその財産だ。

復帰と新加入――永田萌絵 走る守備 ×シュック196cm 高さの理性

永田萌絵(G)は4季ぶりの復帰。韓国リーグで磨いた実戦値は、勝敗を分ける時間帯の度胸となって戻ってきた。持ち味のドライブで隙間を裂き、大神HCが掲げる「エネルギッシュなディフェンス×走るバスケ」を前線で体現する。サウナ愛を語るオフコートの整え力も、長丁場でチームを支える。
シュック・カイリー・アネット(C)は196cmの高さを携え、WNBA含む5カ国経験の 多言語ビッグ 。異文化で学んだ基礎の徹底=体の向き・手の位置・タイミングの共有は、若いロスターの規律を引き上げる。声が出せるセンターは、守備のスイッチやヘルプコールを可視化し、DREB%(守備リバウンド率)を着実に押し上げていくはずだ。

大神雄子HCのマニフェスト―― 足し算 より 引き算 。1点差ゲームの勝ち方にこだわる

大神HCはインタビューで「ゼロからではない。言い訳できない環境に自分たちを置けた。何かを加えるより シンプルに バスケットを」と明言。これは抽象ではない。
・守備:ボールマンプレッシャー→サイド封鎖→「3歩目」でDREB完了
・攻撃:1stが止まったら 即2手目 (ショートロール/ハンドオフ/スイング)
・ゲームマネジメント:ATO(タイムアウト明け)の1本目で流れを奪還
1点差を設計して勝つ 作法に、ゆらがないルールを与える。昨季の惜敗群は、再現性のあるミニ修正で勝ちに転じる余地が大きい。

戦術プランA/B――オフェンスは「2手目の速度」、ディフェンスは「DREBの二重底」

【オフェンス】
A:平下—三浦のシューター・デュオで幅をつくり、ドライブ&キックの打数を担保。横山がペースを制御し、コーナーの 沈む/上がる で相手のローテをずらす。
B:永田がハーフコートの停滞を割り、シュックがショートロールのハブ。ハイポストでボールが止まったら即ズームDHO(ドリブルハンドオフ)で連鎖を起動。
【ディフェンス】
A:オンボールの角度で相手の利き手を外に押し出す。ウイングの 早い手 でヘルプ→ローテ時間を短縮。
B:DREBの役割を「クラッシュ2/セーフ3」に固定し、速攻被弾を抑制。リム保護はシュックの縦壁+弱サイドのディグで二重底を形成。

注目個人KPI―― 何を見れば、強くなっていると分かるか を数値化

・第1Q最初の5ポゼッションで「2サイドタッチ率」=70%以上
・3P比率(平下+三浦+横山)合計でチーム総FGAの35%前後
・DREB%:リーグ平均±0 → +2.0pt(シュック加入の即効効果)
・ATO得点効率(ポイント/ポゼッション):0.9 → 1.1以上
・クラッチ(残り5分・±5点)ORtg:昨季比+5.0
この5指標は 勝ち方の再現性 を映す鏡。試合を観る ものさし として覚えておきたい。

対トヨタ紡織(開幕節)の勝ち筋――平下姉妹対決の裏で起こる三つの争点

ペイントタッチ回数:横山/永田のドライブで早い段階から守備の収縮を強要。
コーナー3の打数:三浦のトレイル3とセット連動のフレアで 置きにいく ショットを排除。
リム保護の二重底:シュックの縦壁+ウイングの早いディグで相手のファウルドローを抑制。
姉妹対決の華やかさの裏で、実務的に勝敗を分けるのはこの三点だ。

選手プロフィール早見(抜粋)

平下愛佳|SG/SF…副キャプテン。読書家。判断の質でチームを整える 静のリーダー 。
横山智那美|G…最年少。ミスの巻き返しを40分単位で設計する 優等生マインド 。
三浦舞華|SG…3P37%→今季40%目標。独特のリズムでキャッチ&シュートの達人。
小野寺佑奈|G…WNBA王者級との対戦で覚醒。受容のメンタルでクラッチの視野が広い。
永田萌絵|G…韓国帰りの勝負師。走る守備とドライブ。サウナで身体も整う。
シュック・カイリー・アネット|C…196cm。多国籍経験の 声が出るビッグ 。規律のアンカー。

年表で振り返る 再起動 の歩み

・2024-25:新人6人を擁して開幕8連敗→13勝15敗/5位
・2025-春:アーリーエントリーの経験蓄積/若手の起用継続
・2025-夏:米国遠征(WNBAチームと対戦)で小野寺らが刺激受領
・2025-初秋:永田が4季ぶり復帰、196cmのシュック合流
・2025-10月:大神HCが シンプルに勝つ 方針を再宣言→開幕へ

リーグ全体のトレンドとアンテの立ち位置――「高さ×外角×走力」の三すくみ

Wリーグは全体に「高さで押すチーム」「外角の雨で崩すチーム」「走力で押し切るチーム」が共存する三すくみ構造。アンテはシュックの加入で 高さ の項目が強化され、平下—三浦の外角、永田—横山の走力が噛み合えば三角形が完成する。要は、どのタイプが相手でも 勝ち筋を持ち込める 総合力に近づくということだ。

メディア&ファンの反応――「言葉が整っている」「顔が上がっている」

生配信のチャット欄には大神HCが18本投げ込み、選手を鼓舞。「いい笑顔」「その通り」といった短い言葉でも、チームの空気は熱を帯びた。ファンは「若いのに落ち着いてる」「コメントがクリア」と言葉のプロ意識を高評価。プレーのみならず、言葉と態度で 勝ち方 を共有できるのが今季のチーム文化だ。

開幕前チェックリスト――初戦で ここ を見れば、強くなったかが分かる

1)第1Qの2サイドタッチ率(70%超なら内容良好)
2)コーナー3の試投数(三浦の設計打ちが見られるか)
3)DREB%の上振れ(シュックの寄与が即出る指標)
4)ATO1本目の結果(仕込みの質)
5)クラッチのターンで誰が 最初に言葉を発するか (ゲームの主語)

ブースターへの提案――アリーナの楽しみ方 3つのコツ

・早め入場で選手の声出しを観測(シュックのコールワークは観る価値大)
・ウォームアップのコーナー定点観測(三浦のフォーム・リズムを事前把握)
・ハーフタイムはスタンプラリー&応援グッズのチェック(来場特典はお早めに)
18・19日は両日12:00ティップオフ。18:05からは男子・アルバルク東京の試合も。1日通しで トヨタのスポーツ を堪能できる。

結論―― 足し算ではなく、引き算 で王座へ。アンテの勝ち筋はもう見えている

若さゆえの不安定さは 規律 でならされ、経験不足は 言葉 で埋まる。平下の知と情のリーダーシップ、横山の設計思考、三浦の3P、永田のドライブ、シュックの声と高さ――各ピースがシンプルな約束事でつながれば、1点差勝利は積み上がる。
開幕カードは、昨季の惜敗を 勝ち切る チームに生まれ変わったかを測る最初のテスト。
さあ、トヨタアリーナ東京で 新生アンテロープス の連勝スタートを、あなたの声で後押ししよう。
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