Bリーグ」タグアーカイブ

群馬クレインサンダーズがベテランSFテレンス・ウッドベリーを獲得|38歳の熟練スコアラー「群馬のためにすべてを捧げたい」

群馬に新戦力、テレンス・ウッドベリーが加入

B1リーグの群馬クレインサンダーズは11月7日、テレンス・ウッドベリーとの2025–26シーズン契約合意を発表した。203cm・103kgのスモールフォワード兼パワーフォワードで、38歳を迎えた今もなお高い得点力とバスケットボールIQを誇る熟練プレイヤーだ。

豊富なキャリアと実績、Bリーグを熟知するベテラン

ジョージア大学出身のウッドベリーは、2012年に日本でのキャリアをスタート。これまで琉球ゴールデンキングス、滋賀レイクスターズ(現・滋賀レイクス)、浜松・東三河フェニックス(現・三遠ネオフェニックス)、バンビシャス奈良、熊本ヴォルターズ、香川ファイブアローズ、信州ブレイブウォリアーズと渡り歩き、日本バスケ界を熟知してきた。

直近の2024–25シーズンでは信州ブレイブウォリアーズで49試合に出場し、平均17.1得点・6.0リバウンド・2.5アシストを記録。さらに3P成功率39.7%という高精度を誇り、アウトサイドからの安定したスコアリングでチームの主軸として存在感を示した。

クラブコメント「リーダーシップと経験がチームに力を」

群馬クレインサンダーズは公式リリースで次のようにコメントを発表した。

「ウッドベリー選手は長年にわたり日本でプレーし、高いスキルと豊富な経験を持つ選手です。これまで培ってきたバスケットボールIQ、チームプレーへの理解、そしてリーダーシップは、我々に大きな力を与えてくれると信じています。クラブとしても、彼が最高のパフォーマンスを発揮できるよう全力でサポートして参ります」

経験豊富なウッドベリーの加入は、今季リーグ中位で奮闘する群馬にとって貴重なテコ入れとなる。特にインサイド外の両エリアで得点を狙えるオフェンス力、若手に声をかけるリーダーシップが期待されている。

本人コメント「このチームのためにすべてを捧げる」

ウッドベリー本人も群馬の一員としての意気込みを語った。

「群馬クレインサンダーズファミリーに加わり、この素晴らしい組織とコミュニティを代表してプレーできることを光栄に思います。
バスケットボールは私に多くのものを与えてくれました。今シーズン、チームが新たな高みに到達できるよう、自分のすべてを捧げたいと思います。
ファンの皆さんのサポートが私たちの力になります。一緒に特別な時間を作り上げ、心に残るシーズンにしましょう」

戦術的展望|群馬が求める“安定感と勝負強さ”

ウッドベリーのプレースタイルは、柔軟なポストアップとスムーズなジャンプショットが特徴。3Pシュート、フェイダウェイ、そしてハーフコートでのスペーシング能力に長け、特に終盤のクラッチタイムでの冷静な判断力が光る。
近年の群馬は、トランジション主体の速いバスケットを展開する一方、終盤のオフェンス停滞が課題とされてきた。経験豊富なウッドベリーは、そうした場面でオフェンスの軸としてチームを落ち着かせる存在になるだろう。

ベテラン×若手融合のキーマンに

今季の群馬は、若手の台頭とともにチーム全体の平均年齢が下がっている。そこに38歳のウッドベリーが加わることで、練習・試合の両面で“経験の共有”が進むことは間違いない。
彼の言葉通り、「群馬のためにすべてを捧げる」という姿勢が、クラブ全体の精神的支柱となる可能性も高い。

GL3x3視点|3×3に通じる“万能型フォワード”の価値

3×3の文脈で見ても、ウッドベリーのプレーは非常に示唆的だ。203cmながらハンドリングと外角シュートを兼備し、1on1でも2on2でも戦える“ポジションレス・フォワード”。
このタイプの選手は、スイッチ対応ディフェンスペース&スペース型オフェンスに不可欠であり、3×3バスケの現代戦術にも通じる。群馬での彼のプレーは、若手選手にとっても3×3的バスケIQを学ぶ教材となるだろう。

まとめ|群馬が迎えた“成熟のピース”

リーグでのキャリア10年以上、7クラブを渡り歩いたベテランが再びB1の舞台へ。
チームが次のステージへ進むために必要なのは、派手な補強ではなく「経験と安定」。ウッドベリーの加入はまさにその象徴だ。
勝敗を分けるのは得点だけではない。彼の冷静な判断、若手を導く声、そしてファンとの一体感――それが群馬クレインサンダーズをもう一段上へ引き上げる。

A千葉・大塚裕土が現役引退を表明|キャリア16年、B1昇格に導いたキャプテンがコートを去る

38歳、大塚裕土が今季限りで現役引退を発表

B.LEAGUE・A千葉のキャプテン、大塚裕土(38歳)が2025–26シーズン限りで現役を引退することを発表した。長年にわたり日本バスケットボール界を支え続けたシューターが、ついにキャリアの幕を下ろす。A千葉は公式リリースで「クラブ創設からの歩みを共にしたリーダーとして、チーム文化を築いた功績は計り知れない」とコメント。ファンやチームメイトからも惜別の声が相次いでいる。

青森から全国へ――16年のキャリアを振り返る

大塚は青森県出身。北陸高校から東海大学へ進学し、大学時代から正確な3ポイントシューターとして注目を集めた。2010年にリンク栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)でプロキャリアをスタート。以降、レバンガ北海道、秋田ノーザンハピネッツ、富山グラウジーズなど複数クラブを渡り歩き、経験とリーダーシップを磨いてきた。

どのチームでも彼の代名詞は「クラッチシューター」だった。試合終盤、わずかな隙を逃さず決めるコーナースリー。チームが苦しい時こそ落ち着いてプレーを整える姿勢は、後輩たちの手本となった。

A千葉での集大成:キャプテンとしてB1昇格を実現

2022年にA千葉へ加入。ベテランとしてチームに合流した大塚は、わずか3年でチームをB1昇格へと導いた。若手主体のチームをまとめ上げ、キャプテンとして試合外でもリーダーシップを発揮。2024–25シーズンにはA千葉がクラブ史上初のB1ステージに到達し、その精神的支柱として大塚の存在は不可欠だった。

プレータイムが減少しても、彼の役割はむしろ増していた。練習中の指導、ベンチでの声掛け、そして試合後のレビュー――すべてにおいてチーム文化の根を育てる人物だった。A千葉の若手選手は「大塚さんがいたからこそB1に行けた」と口を揃える。

3ポイントの名手、そして“文化を作るリーダー”

通算3ポイント成功数はB.LEAGUE歴代でも上位に位置し、キャリア成功率も40%を超える精度を誇る。だが、数字以上に評価されたのは「チームの空気を変える力」だ。コート内外での冷静な判断、指導者へのフィードバック、ファンとの距離の近さ――彼は単なる選手ではなく、組織をつなぐ“橋渡し役”だった。

特に2023–24シーズンのプレーオフでは、出場時間わずか10分ながらも2本の重要な3Pを沈め、試合の流れを変えた。会場が一瞬静まり返り、その後歓声に包まれたあのシーンは、A千葉ファンの記憶に深く刻まれている。

本人コメント:「ここまで続けられたのは支えてくれた人たちのおかげ」

引退発表に際し、大塚はクラブ公式サイトを通じて次のようにコメントした。

「ここまで16年間、プロとしてプレーを続けられたのは、家族、仲間、そしてファンの皆さんの支えがあったからこそです。A千葉でキャプテンとしてB1の舞台に立てたことは、僕のバスケット人生の誇りです。これからは、選手としてではなく、次の形でバスケットボールに恩返ししていきたいと思います。」

ファン・メディア・選手からの惜別の声

SNS上では「大塚キャプテンありがとう」「あなたの3Pで何度救われたか分からない」「A千葉の魂」といった感謝のメッセージが相次いだ。かつてのチームメイト・富樫勇樹(千葉J)は「大塚さんの声がチームを整えていた。リーダーとは何かを教えてくれた人」とコメント。各地のクラブ関係者からも「現場に“文化”を残した数少ない選手」として称賛の声が寄せられている。

引退後の展望:指導者・フロント・解説者…次のステージへ

今後については明言されていないが、A千葉関係者によると「クラブ内で何らかの形で関わり続ける可能性がある」という。これまでの経験と人望を考えれば、指導者・フロントスタッフ・メディア解説など、いずれの道にも適性があるだろう。本人も「バスケから離れるつもりはない」と話しており、次世代の育成に携わる未来が期待されている。

まとめ:A千葉の象徴が残したもの

大塚裕土のキャリアは、数字では語りきれない価値に満ちている。3ポイントの美しさだけでなく、チームを導く姿勢、仲間への思いやり、そしてバスケットボールという文化への誠実な愛。彼が残したのは、勝利以上の“哲学”だ。

38歳でコートを去るその背中は、若い世代にとって「プレーで語るリーダーシップとは何か」を教える教材となる。大塚裕土――その名はA千葉の歴史と共に、これからも日本バスケの記憶に刻まれ続ける。

Bリーグを支えるスタッフの待遇問題を直視せよ|島田慎二が語った「サラリーキャップの本質」と“トリクルダウン”戦略のリアル

イントロダクション|「スターの年俸」と「現場の現実」のギャップ

選手の年俸は見出しになる。しかし、ゲームを成立させるのはレフェリー、チア、会場運営、広報、演出、配信、搬入・撤収といった“非スター”の人たちだ。
Bリーグのポッドキャスト『島田のマイク』第260回では、リスナーから寄せられた「スタッフ待遇」への率直な疑問――「選手に1億円を払えるなら、支える人にも然るべき賃金を」――に対し、島田慎二チェアマンが、2026–27シーズンから本格運用される新制度『B.革新』の中核であるサラリーキャップの本質を語った。論点は単純な“上げる・下げる”ではない。戦力均衡→リーグ価値の向上→投資の広がり→現場への波及という循環をどう実装するか、である。

問題提起|現場から上がった3つのシグナル

  • レフェリーの過重負担:人数不足に起因する長距離移動・審判数不足・睡眠不足。
  • チアの兼業常態:リハ・本番・移動・SNS発信まで求められる一方、報酬は地域・クラブ間でばらつき。
  • 会場運営のボランティア依存:ファン体験の要なのに、責任・拘束時間に対し金銭対価が追いつかない。

これらは「一部クラブの課題」ではなく、リーグ全体の構造問題である。ゆえに解決も、個社の気合いではなく、制度設計と収益構造の更新で臨むべきテーマだ。

サラリーキャップの本質|“上限を上げない理由”という戦略

島田氏は「いたずらに上限を引き上げないで耐えている」と明言した。背景には次の現実がある。

  • 上位クラブの上限到達:すでに複数のB.PREMIER(Bプレミア)参入クラブが選手総年俸8億円の制度上限域に到達している。
  • ボトムの現実:一方で大半のクラブは5億円未満。ボトムアップが追いつかない中で上限だけ上げても、格差と赤字が拡大し、持続性を損なう。

戦力均衡がもたらすのは単なる“横並び”ではない。ゲームの不確実性が上がることで「どの試合も面白い」状態が増え、視聴・来場・スポンサーすべての価値が底上げされる。結果として資金が“上から下へ”ではなく、リーグ全体へと広がる――これが島田氏のいうトリクルダウンのエンジンだ。

数字で読む「分配の論理」|なぜ“今は”上限インフレが最適解ではないのか

仮に上限を10億、12億と段階的に引き上げたとしよう。追従できるのは一部の資本力クラブに限られ、勝敗の固定化「勝てない側の観客離れ」を招く。結果、リーグの“平均価値”は伸びず、むしろ現場の待遇に回るお金は細る。
逆に、上限を据え置きつつボトムを引き上げる(収益の再分配・配分ルール・メディア価値の拡大)ことで、王者以外の市場価値が上がりやすくなる。ここにスタッフ待遇改善のファイナンス源泉が生まれる。

現場のアップデート|レフェリー、チア、会場スタッフの“いま”

  • レフェリー:プロ審判は9人→来季20人体制への拡大を予定。「プロとして食べていける枠組み」を拡充し、報酬と稼働の安定化を進める。
  • チア:クラブごとの財務事情に左右されやすい現状を踏まえ、外部委託・地元企業連携・IP活用など、収益とギャラの源泉を多層化する動きが拡大。
  • 会場運営:ボランティア常態の見直しとして、有償化・交通費支給・ポイント制(物販・チケット還元)などのハイブリッド設計が各地で始動。

ポイントは、「コスト」から「投資」への視点転換だ。ファン体験(入退館、導線、音響、照明、演出、売店、動線案内、清掃)の質が収益に直結する以上、会場を回す人材はチームの中核資産である。

国際比較とBリーグ流の最適化|“背伸び”ではなく“設計”で勝つ

NBA/NFLのような巨大市場は、リーグプールやメディア収入の桁が違う。そこでのサラリーキャップやレベニューシェアを単純移植しても成立しない。Bリーグは日本の市場規模・企業文化・地域構造を前提に、メディア×配信×地域スポンサーの三層で稼ぐ“ラミネート型”モデルが現実的だ。
この土台が安定すれば、非選手の報酬テーブル(レフェリー、チア、運営、演出、データ、メディカル、セキュリティ)の統一基準づくりにも踏み込める。いずれは「役割別・技能別の推奨単価レンジ」をリーグが示し、最低品質保証を実現する未来も見える。

反論とリスクに答える|「まずスタッフに分配すべき」へのカウンター

反論A:「今すぐスタッフの賃金を上げるべき」
回答:賛成。ただし、恒常費の増加は資金源とセット。単年度の寄付やスポットでの補填は、翌年の縮小ショックを生みかねない。ゆえに、戦力均衡→価値上昇→持続的収益という順序が重要。

反論B:「上限を広げればスターが来て、全体が潤う」
回答:スター獲得は重要だが、勝敗の固定化は中位・下位の熱量をそぎ、リーグ平均の価値を押し下げる。Bリーグは“厚みのある競争”でリテンションを高める局面にある。

年表で整理|B.革新と待遇改善の歩み(要点)

  • ~2024:サラリーキャップ設計を公表、B.PREMIER参入条件の明文化が進む。
  • 2025:上位クラブで総年俸上限接近、ボトムの多くは5億円未満の現実が顕在化。
  • 2026–27:本格運用期へ。戦力均衡の増幅メディア価値の再評価で分配余地の拡張を狙う。
  • 同時進行:プロレフェリー9→20人体制へ。チア・運営の外部委託/地域連携のモデル化が加速。

実務に落とす|クラブが今日からできる“待遇の作法”チェックリスト

  1. 職務定義:レフェリー・チア・会場・演出・データに対し、職務範囲と成果定義を明文化。
  2. 有償ポリシー:無償・謝礼・有償の基準を公表。移動・食事・交通の実費は原則支給
  3. 稼働設計:拘束時間の“見えない延長”(早出/撤収/待機/SNS)を工数に算入
  4. 育成ライン:審判/演出/オペ/配信の研修→アシスタント→リードの昇格と昇給ルート。
  5. 複線収益:出演/演出/配信/EC/イベントの成果連動スキーム(歩合・マージン・二次利用料)。

ビジネスへの横展開|“安全運転の知恵”は組織運営にも効く

本エピソード後半で触れられたドライバーの危険予測は、ビジネスのリスク共有と同型だ。
経験→知識化→共有→標準化の循環を回し、「誰がその場に立っても同じ危機感で動ける」状態を作る。これは審判割当、導線誘導、トラブル時の再現性に直結する。現場知を言語化し、人に依存しない運営を設計することが、待遇改善(人を増やす・休ませる)の前提になる。

GL3x3視点の提案|“役割から思考へ”の人材設計

3×3はオールスイッチ+ペース&スペースの競技。運営も同じく、兼務可能なスキルセット(演出×配信、審判×テーブル、広報×データ)を“スモールローテ”で回す設計が効果的だ。
報酬は固定+出来高+スキル認定で、育成=昇給が一目で分かるテーブルを公開。「次のスキルで〇円アップ」を明示すれば、離職率低下と内製化が進む。
リーグ横断では、審判・演出・配信のプール制を整備し、需給の季節変動を相互補完。結果として、個人の年収平準化クラブの人件費最適化が同時に進む。

結論|待遇は「最後に回すもの」ではなく、「設計の最初に置くもの」

サラリーキャップは“節約のため”ではない。面白さを最大化して価値を広げるための制度だ。価値が広がれば、現場に回るお金は必ず増える。
その日を待つだけでなく、今日からできる待遇の作法を積み上げよう。
スターの輝きも、審判の笛も、チアの笑顔も、会場の導線も、ひとつのエコシステムの中にある。
「選手が稼ぎ、現場が報われ、ファンが誇れる」――その順番を、制度と実務で同時に実現する。Bリーグの次の10年は、そこから始まる。

近藤崚太(さいたまブロンコス)|“無所属の崖っぷち”から這い上がった3&Dの矜持と再起の軌跡

イントロダクション:崖っぷちからの帰還

「21-22シーズンの開幕までに契約が決まらなければ、バスケットは一切やめる」。そう腹を括った無所属の一年(2020-21)を経て、3ポイントシューターとして再浮上し、いまB3・さいたまブロンコスの背番号22を背負うのが近藤崚太だ。高校は浜松商業、大学は常葉大学。プロの門を叩いたのは2019年の特別指定(三遠ネオフェニックス)から。そこから静岡、長崎、東京Z、香川を渡り歩き、2025-26に埼玉へ。紆余曲折のキャリアは、ひとりの“3&D(3ポイント&ディフェンス)”型ウイングが、結果と自分のスタイルを同時に磨き上げてきた証左である。

プロフィール:基本情報とプレースタイルの要点

  • 氏名:近藤 崚太(こんどう りょうた)
  • 生年月日:1996年8月12日(29歳)
  • 出身:静岡県湖西市
  • 身長/体重:190cm / 85kg
  • ポジション:シューティングガード(SG)
  • 現所属:B3 さいたまブロンコス(No.22)

プレースタイルは端的に“3&D”。キャッチ&シュートのテンポが速く、0.5秒の意思決定で放つ高確率のスポットアップと、ライン際のリロケートで射程を確保するのが武器だ。守備ではウイング周辺のナビゲート、ボールに対するアグレッシブなコンテスト、ヘルプ・スクラムの判断が光る。ボール支配時間は長くないが、スペーサーとしての価値を最大化し、オフェンスの幅を拡張するタイプである。

キャリア年表:停滞と加速の繰り返し

  • 2019(特別指定):三遠ネオフェニックスに登録。トップのスピード感に触れたが、出場は1試合にとどまる。
  • 2019-20:ベルテックス静岡(B3)でプロキャリア本格始動。平均7.8点、3P% .346。試合経験と役割の輪郭を獲得。
  • 2020-21:無所属。契約が決まらない現実と向き合い、引退も覚悟。トレーニングと待機の狭間で“やるか、やめるか”の自分に決着をつける。
  • 2021-22:長崎ヴェルカ(B3)に加入。1試合10本の3P成功という象徴的な爆発で、優勝とB2昇格に貢献。
  • 2022-23:長崎(B2)。度重なるケガで出場は21試合・平均1.8点。悔しさを抱えつつ、再構築の年。
  • 2023-24:アースフレンズ東京Z(B3)へ。平均8.9点、3P% .383、FT% .811と効率の良さを回復。
  • 2024-25:香川ファイブアローズ(B3)。出場51試合、3P% .321ながらFG% .500、FT% .878。起用法の変化にも順応。
  • 2025-26:さいたまブロンコス(B3)。“必要なところに、必要なシュートを”打てるウイングとしての完成形を目指す。

スキルディテール:シュートメカニクスと守備の骨格

オフェンス:最大の強みはキャッチ&シュート。ボール準備(ショットポケット)からの一連の動作がスムーズで、出し手の視野を狭めないパッシングラインに位置取るセンスがある。コーナーでのショートクロースアウト攻め(ワンドリ・ミドルレンジ、またはショートロールマンへのキック)は、“打つと見せて追い越す”二択で的を絞らせない。ベースラインドリフトのタイミングも良好で、ボールサイドの渋滞を避けながら射程を確保できる。

ディフェンス:オンボールではファーストステップの抑制、ナッジ程度の身体接触でドライブラインをずらす。オフボールではトップサイド・ボトムサイドの優先順位を理解し、ナビゲート+ショルダーファイトでの追従に長ける。パスラインのベタつきすぎを避けるタイプで、スティールよりも“遅らせて助ける”遅延守備を重視する。

“無所属の一年”が与えた意味:意志決定の質と危機管理

2020-21の無所属期間は、単にキャリアが止まった時期ではない。いつ声がかかるかわからない状況でコンディションを維持し続けたことは、結果に直結しにくい努力を積み上げるメンタルの養成だった。そこからの長崎加入、そして記憶に残る10本の3Pは、準備と機会が交差した瞬間である。危機をくぐった選手は、判断の“怖さ”に鈍感にならない。必要なところで打つ勇気を持ち、必要のないところでは控える慎重さも併せ持つ――近藤のシュート選択には、そのバランス感覚が宿る。

数字で読む価値:効率・役割・ラインナップ適合

  • 東京Z(2023-24):FG .485 / 3P .383 / FT .811、PPG 8.9、先発35/38。高いスターター稼働率と効率を両立。
  • 香川(2024-25):FG .500 / 3P .321 / FT .878。3P精度は揺れたが、総合効率(TS%)はFTの優秀さが補填
  • 長崎(2021-22, B3):PPG 7.5、3P .333。“大当たりの日”の天井値を証明(10本成功)。

役割適合としては、ハイボリュームの一次創出者の隣で価値が跳ねるタイプ。ボールスクリーナーを介したズームアクション(DHO+ピンダウン)やスプリットに絡むと、ディフェンスのヘルプ優先順位を乱し、コーナーのクリーンルックを獲得しやすい。ラインナップ設計では、ペイントタッチ役×近藤×ショートロールで配球できるビッグの三位一体が機能する。

メンタルとルーティン:ゲン担ぎは“整える”作法

学生時代のルーティンとして「前夜はカレー」「会場入りは右足のかかとから」といったゲン担ぎをしていたという。迷信と侮るなかれ。ルーティンは状態を可視化する装置であり、平常心を再現する手順書でもある。無所属・ケガ・役割変動――環境が揺れるときほど、一定の行動がパフォーマンスの基準点になる。近藤のメンタルは、経験則と手順によって“揺れ幅”を制御してきた。

周辺人物・コミュニティ:愛称「コン太」と“遊んでくれる人”

愛称は「コン太」。ベルテックス静岡のマスコット・ベルティからは「会場で一番遊んでくれる人」と言われるムードメーカーでもある。3&Dは往々にして“地味な貢献”が多いが、人の輪をつくる空気もまた、チームの不可視の勝因だ。勝敗は技術と戦術だけで説明できない。人間関係の密度が、守備の一歩・カバーの0.2秒・声かけの厚みを変える。

さいたまブロンコスでの期待値:必要なところで必要な一撃を

ブロンコスで求められるのは、ショットセレクションの厳密さウイング守備の安定供給だ。終盤のクラッチでは、相手がペイントを絞った瞬間のコーナー/45度での決定力が勝負を分ける。セカンドユニットでは、ディフェンス→早い3Pの2本柱で一気に流れを変える役回りも視野に入る。守備では、相手のスペインPNRズームに対するコミュニケーション主導のナビゲート役が最適解だ。

比較事例:同型プレーヤーと強み・弱みの棚卸し

  • 強み:キャッチ&シュートの速さ、フリースロー精度、オフボールの位置取り、守備の“遅らせる”知恵。
  • 課題:ハンドラーとしての創出量、オフスクリーン後のワンドリ・プルアップの再現性、3P精度の年次波。
  • 改善仮説:ホーンズ・フレアダブルドラッグ背抜けへ関与を増やし、着地姿勢からのワンドリを“逃げ道”でなく“選択肢”に昇華させる。

データ断章:3P試投と効率の相関(概念メモ)

3P%は前後の試合で振れやすい。一方で「良いミス」(ショットクオリティが高い外れ)は、次のポゼッション価値を上げる。コーナーのクリーンルックを量産し続ける設計――たとえば、ドライブ→ベースラインドリフト→キックアウトの自動化は、選手の波を戦術で平滑化する方法だ。近藤はその“自動化”の受け手として、マクロにチームの効率を上げる。

メディア・ファンの反応:懐に入るタイプのプロ

ファンコミュニケーションの距離が近く、現場では子どもたちに囲まれるタイプ。メディア受けする華やかさより、会場に行くと好きになる選手という文脈だ。無所属、ケガ、役割の揺れ――物語性をまとった選手は、地域密着のBリーグにおいてクラブの“物語装置”でもある。さいたまで新章を迎え、勝つこと語り継がれることの両立に挑む。

3×3視点の応用:共創・心理的安全性・0.5秒

3×3では、3&Dの“D”に当たる的確なコンテストと、トランジションでの即断即決の3Pが価値を持つ。少人数ゆえに、ミスを責めない心理的安全性が意思決定の速度を上げ、0.5秒ルール(打つ・ドライブ・パスを0.5秒で決める)の実装率が勝率に跳ね返る。近藤の資質は、3×3のズームDHOゴーストスクリーンにおいても威力を発揮しやすい。

将来展望:完成形は“静かなフィニッシャー”

キャリアの成熟期に入る29歳。爆発力の“日替わり”ではなく、必要十分の一撃を静かに積み上げる安定解を磨きたい。年間を通じて3P% .370前後を維持し、クラッチの期待値ショットを落とさない。守備ではファウル管理とポジショニングの精緻化を進め、±0を+2に変える職人仕事を増やす。チームがプレーオフを狙うには、こうした“静かな積み増し”が最短距離だ。

まとめ:必要な瞬間に、必要な距離から

近藤崚太の価値は、派手なボリュームでは測れない。必要な瞬間に、必要な距離からシュートを放ち、守備で相手のテンポを“遅らせる”。無所属の一年、ケガの季節、役割の揺れ――それらをくぐって残ったのは、自分の仕事を知ること仲間の仕事を助けることだ。さいたまブロンコスで迎える新章、コーナーと45度の沈黙が、ときにアリーナを揺らす歓声へと変わる。最後に残るのは、数字と、仲間の信頼と、コートに刻まれた一発の3ポイントだ。

読者アクション

  • 試合会場では近藤のオフボールの動きに注目してみよう。コーナーでのリロケート、ベースラインドリフトは“通の見どころ”。
  • 配信観戦ではクラッチタイムのポゼッション選択をチェック。打つか、止めるか、パスか――0.5秒の決断が勝敗を分ける。
  • ブロンコスのファンは、#コン太の一撃でSNSに勝負の3Pを共有し、チームの物語を一緒に紡ごう。

デビン・オリバー(Devin Oliver)徹底解説|欧州制覇から再来日まで──さいたまブロンコスが得た万能フォワード

欧州を渡り歩いたスコアラー、デビン・オリバーの軌跡

デビン・ミカエル・オリバー(Devin Michael Oliver、1992年7月2日生)は、アメリカ・ミシガン州カラマズー出身のプロバスケットボール選手。203cm・102kgのサイズを誇り、フォワードとしてインサイドでもアウトサイドでもプレーできる万能型プレイヤーだ。2025年シーズンからB3リーグ・さいたまブロンコスに加入し、日本バスケット界への“再来日”を果たしている。

デイトン大学時代:堅実さと知性を兼ね備えた学生エース

オリバーはNCAAの名門・デイトン大学(Dayton Flyers)で4年間プレー。2013–14シーズンには平均11.2得点、7.4リバウンド、2.3アシストを記録し、チームの主力として全米トーナメント出場にも貢献した。身体能力だけでなく、状況判断とスペーシングの巧みさが評価され、卒業後はNBAドラフト外ながらも欧州のクラブから高い注目を集めた。

欧州キャリア:スロベニアで開花した“勝者のDNA”

プロ入り後、オリバーはベルギー、イスラエル、フランス、ドイツ、トルコ、スロベニアといった複数の国でキャリアを重ねた。中でもスロベニアの名門クラブKKオリンピア時代(2016–2018)は輝かしい成功を収め、チームを2度のリーグ制覇に導くとともに、2017年・2018年の連続でリーグファイナルMVPを受賞。さらにスロベニアスーパーカップでも優勝・MVPを獲得し、欧州トップレベルでも通用するプレイヤーとして名を上げた。

フランス・トルコでの経験:多様な戦術に適応する柔軟性

2018–19シーズンにはフランスのナンテール92でプレー。国内リーグ25試合で平均9.8得点・5.0リバウンドを記録し、ユーロカップでも10試合に出場した。翌年のトルコ・ビュユクチェクメジェ(Büyükçekmece Basketbol)では、平均12.7得点・7.0リバウンド・スリーポイント成功率37.9%という安定した数字を残し、欧州中堅クラブの主力として確固たる地位を築いた。

日本初上陸:仙台89ERSと横浜ビー・コルセアーズでの挑戦

2021年6月、オリバーはB.LEAGUEの仙台89ERSと契約し、日本でのキャリアをスタート。チームの得点源として活躍し、翌2022年には横浜ビー・コルセアーズに移籍。B1昇格後の横浜で背番号15を背負い、若手中心のチームに安定感と経験をもたらした。特にディフェンスリバウンドからの速攻展開や、3Pライン外でのストレッチ能力はチーム戦術に不可欠な要素となった。

台湾リーグ挑戦:グローバルプレイヤーとしての新境地

2024年には台湾T1リーグの「台北戦神(Taipei Mars)」と契約。東アジア圏でのプレー経験を広げ、アジアのファン層を拡大させた。台湾でのプレーではフィジカルに加え、チームメイトとの連携力・リーダーシップが評価され、リーグを代表する外国籍選手の一人として存在感を示した。

再来日:さいたまブロンコスが獲得した“大人のフォワード”

2025年6月、B3リーグのさいたまブロンコスがデビン・オリバーの加入を正式発表。クラブは「経験・実績・人格を兼ね備えたリーダー」として高く評価しており、若手育成とチーム再建の軸として期待を寄せている。
オリバー自身も「日本は第2のホーム。ブロンコスの未来をともに築きたい」とコメント。仙台・横浜での経験を経て、再び日本バスケット界に帰ってきた。

プレースタイル:多機能フォワードの真骨頂

オリバーの最大の特徴は、アウトサイドシュートとリバウンドの両立だ。3Pライン外からの正確なジャンプショットに加え、フィジカルを生かしたポストプレーや、速攻時のトレーラーとしての走力にも定評がある。また、ポジション4(PF)と3(SF)の両方をこなす柔軟性があり、相手チームにとってミスマッチを作る存在として重宝される。

守備面ではリバウンド後のトランジション対応が早く、チームディフェンス全体を整える“つなぎ役”としても機能。試合中の判断力が高く、コーチの戦術意図を理解して体現するタイプの選手である。

ブロンコスでの期待:若手育成と勝利文化の再構築

ブロンコスは2025–26シーズンからの新体制で、クラブ全体の再建を目指している。オリバーはスコアラーとしての役割だけでなく、若手へのメンタリング、チームカルチャーの醸成にも関与すると見られている。
B3リーグは年々競争が激化しており、昇格を狙うクラブにとって「安定して勝てる外国籍選手」は欠かせない存在。オリバーの加入は、まさにその課題を埋めるピースとなる。

人物像:冷静沈着なリーダータイプ

オリバーはプレー中も感情を大きく表に出さないタイプで、試合を通じて安定したパフォーマンスを発揮する。大学時代からチームメイトやコーチからの信頼が厚く、異国のリーグでも周囲と良好な関係を築く適応力を持つ。
またSNSではファンとの交流も積極的で、家族やチームメイトを大切にする姿勢が多くの支持を集めている。

数字で見るデビン・オリバーのキャリア

  • プロキャリア開始:2014年(ベルギー・リンブルフ・ユナイテッド)
  • 通算プレー国:8か国(ベルギー・イスラエル・フランス・ドイツ・スロベニア・トルコ・台湾・日本)
  • スロベニアリーグ優勝:2回(2017・2018)
  • スロベニアリーグMVP:2回(2017・2018)
  • 日本リーグ所属クラブ:仙台89ERS、横浜ビー・コルセアーズ、さいたまブロンコス

まとめ:欧州仕込みの万能戦士が日本の舞台に再上陸

デビン・オリバーは、得点力・経験・人格の三拍子が揃ったフォワードとして、さいたまブロンコスの中心選手になる可能性を秘めている。欧州で培った勝者のメンタリティ、アジア各国で磨いた適応力、そして日本バスケットへの深い理解。それらすべてを兼ね備えた彼の存在は、ブロンコスの未来にとって欠かせないピースだ。
B3リーグの頂点を目指すチームにとって、オリバーの再来日は“戦力補強”であると同時に、“カルチャーアップデート”の象徴でもある。

多嶋朝飛|冷静な司令塔がB3さいたまブロンコスへ新天地:小柄なリーダーが示す「判断力のバスケット」

多嶋朝飛、新章へ──B3さいたまブロンコスで再スタート

1988年10月8日生まれ、北海道帯広市出身のポイントガード・多嶋朝飛が、2025–26シーズンよりB3リーグ・さいたまブロンコスに加入した。長年にわたりB1・B2の舞台でプレーしてきたベテラン司令塔が、キャリア15年目にして新たな挑戦へと歩みを進める。冷静なゲームメイクと高精度なシュートで知られる彼の加入は、ブロンコスにとって大きな戦力補強となる。

北陸高校から東海大学へ──学生時代に磨かれた「リーダーシップ」

帯広大空中学校から北陸高校(福井)に進学し、全国トップクラスの高校バスケットで経験を積んだ多嶋。東海大学進学後は、関東大学リーグで優勝選手賞・MIPを受賞し、その卓越したバスケットIQと判断力で評価を高めた。特に「状況を読む力」に優れ、プレー選択の的確さとチームを落ち着かせる統率力は、すでに学生時代から際立っていた。

プロキャリアの始まり:リンク栃木ブレックスでの挑戦

2011年、リンク栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)と育成契約を結び、プロキャリアをスタート。JBL登録を経て、育成リーグTGI D-RISEでも経験を積んだ。スピードと冷静さを兼ね備えたプレーで評価を受け、翌年には本契約を勝ち取るなど、地道な努力で階段を上っていった。

地元・北海道での黄金期:レバンガ北海道の象徴的存在に

2013年、地元・北海道のクラブであるレバンガ北海道に移籍。以降8シーズンにわたりチームを支え、ファンから絶大な支持を集めた。173cmという小柄な体格ながら、鋭いドライブイン、約9割の成功率を誇るフリースロー、そして試合終盤のクラッチプレーでチームを引っ張る姿は、北海道バスケットの象徴とも言われた。甘いルックスとスマートな立ち振る舞いも相まって、女性ファンを中心に人気を集めた。

移籍を重ねて磨かれた「ゲームマネジメント能力」

2021年には茨城ロボッツへ、2023年には大阪エヴェッサ、そして2024年には仙台89ERSへと移籍。各チームで異なる戦術や選手層の中で、試合のテンポを読む能力やリーダーシップをさらに進化させた。試合の流れを読み取り、必要なときにスコアを狙い、仲間を活かすプレーを展開。どのチームでも「戦術理解力の高さ」と「信頼される司令塔」として評価を得ている。

さいたまブロンコス加入の背景:リーダーシップの継承と再生の象徴

2025年6月、さいたまブロンコスが正式に多嶋朝飛との契約を発表。クラブは近年、地域密着型チームとして再構築を進めており、経験豊富なリーダーの存在が不可欠とされていた。多嶋の加入は、若手育成とチーム文化の再構築を象徴する動きだ。クラブは「彼の冷静さと勝負勘が、チームに安定と自信をもたらす」とコメントしている。

プレースタイル:小柄ながらも戦略的な司令塔

173cm・73kgとBリーグでは小柄な部類に入る多嶋だが、そのプレーは極めて戦略的。スピードを活かしたドライブ、タイミングを見極めたピック&ロール、そして正確なジャンプショットでディフェンスを翻弄する。また、試合中の表情を崩さず、ミスをしても感情を表に出さないメンタリティは、若手選手の模範でもある。

認知判断力の高さが生む“静のバスケ”

多嶋の最大の強みは、「認知判断力の高さ」にある。プレー中、彼は常に相手のディフェンスのズレを観察し、ワンテンポ先の選択を行う。コート上での“静のバスケ”とも言われるスタイルは、派手さよりも合理性を重んじ、効率的にチャンスを作り出す。これは現代バスケットが求める「思考するポイントガード」の理想像そのものだ。

数字で見る多嶋の安定感

キャリア通算では平均得点7点前後、アシスト3本台をキープ。スリーポイント成功率は35%前後、フリースロー成功率は90%近くに達する。特筆すべきはターンオーバー率の低さで、1試合あたり1.2回前後と非常に安定している。これらのデータが示すように、派手さではなく「確実性」でチームに貢献するタイプの選手だ。

B3リーグの視点から見る多嶋加入の意義

B3リーグは現在、若手育成と地域活性化を両立させるプラットフォームとして機能している。その中で、B1・B2経験豊富な多嶋の存在は、リーグ全体のレベルアップにも寄与する。試合の質を高め、観客動員やメディア露出にも好影響を与えることが期待されている。さいたまブロンコスにとっては、単なる補強ではなく「チーム哲学の核」となる人物の獲得といえる。

ファンの声とメディアの反応

加入発表直後、SNSでは「多嶋選手のバスケIQをブロンコスの若手に伝えてほしい」「まだまだトップレベルで見たい」といったコメントが多数寄せられた。Bリーグ公式アカウントでも「経験と知性の融合」と紹介され、注目度の高さを証明した。彼の“静かなリーダーシップ”がどのようにチームを変えるのか、多くのファンが期待を寄せている。

まとめ:冷静さと知性で導くベテランPGの新章

多嶋朝飛のキャリアは、常に「考えるバスケット」とともにあった。サイズのハンディを克服し、知性と判断力で勝負してきた彼にとって、さいたまブロンコスでの挑戦は「経験の伝承」と「再出発」の両面を持つ。B3という新しい舞台で、彼がどのようにチームと自身を進化させていくのか──そのプレーは、若手育成と日本バスケの成熟を象徴するものになるだろう。

琉球ゴールデンキングスに激震|ケヴェ・アルマが「個人的な事情」で契約解除、平均11得点の主力が電撃退団

衝撃の発表|ケヴェ・アルマがシーズン途中で退団

10月27日、琉球ゴールデンキングスはケヴェ・アルマ選手との2025–26シーズン契約を双方合意の上で解除したと発表した。理由は「個人的な事情」とされ、本人のプライバシーに関わるため詳細は非公表。開幕から7試合に出場していた主力の突然の離脱は、クラブとファンに大きな衝撃を与えている。

アルマのプロフィールと経歴

アルマは1999年生まれの26歳、身長206cm・体重107kgのパワーフォワード/センター。バージニア工科大学(Virginia Tech)を卒業後、メンフィス・グリズリーズでNBAサマーリーグに参戦。2022–23シーズンに新潟アルビレックスBBでプロキャリアをスタートさせ、その後韓国リーグを経て2024–25シーズンから琉球に加入した。

持ち味は、高い身体能力とスピードを併せ持つモダン型ビッグマン。インサイドでのフィジカルプレーに加え、トランジションでの走力やショートレンジのジャンパーでも得点を重ねることができる。琉球加入後は序盤から主力として起用され、ここまでの7試合で平均11.0得点・4.1リバウンド・1.3アシストを記録。第5節までチームの攻守を支える存在だった。

欠場から契約解除までの経緯

10月22日の試合を最後に「個人的な事情」により欠場が続いていたアルマ。クラブは当初、「チームのサポートを受けながら状況を見守る」としていたが、最終的に双方の合意により契約を終了する形となった。琉球はリリースで次のようにコメントしている。

「本人の意向とプライバシーを尊重し、詳細につきましては公表を控えさせていただきます」

チームへの影響|リムプロテクトとペイント得点の再構築が急務

アルマの離脱は、琉球にとってインサイドのローテーション再編を迫る出来事だ。現在5勝4敗で西地区6位につけるチームにおいて、彼はリムプロテクトとリバウンド面で重要な役割を担っていた。平均11得点という数字以上に、「縦の圧力」=ゴール下での存在感が攻守両面に影響を与えていた。

今後は、アレックス・カークとジャック・クーリーの2枚看板を中心に、セカンドユニットや若手の活用によるローテーションの再構築が課題となる。特に、脇真大や岸本隆一らが外角からスペーシングを作り、カークのハイローやクーリーのセカンドチャンスを支える形が増えると見られる。

戦術的視点|“サイズよりも展開”への転換点

アルマ退団によって、琉球はこれまでの「インサイド主導」から「スピードと展開重視」の方向へ舵を切る可能性がある。EASL(東アジアスーパーリーグ)との並行スケジュールもあり、疲労軽減とラインナップ柔軟化の両立が求められる。クーリーとカークを同時起用する時間帯を限定し、4アウト1インまたは5アウトシステムでペースを上げる構成が増えるだろう。

守備面では、リムプロテクトの低下を補うためにゾーンシェーディング(ペイント優先の位置取り)を多用し、ローテーションのミスを減らす運用が想定される。

ファン・関係者の反応

SNS上では「本人の事情を尊重したい」「彼の未来を応援したい」という声と同時に、「戦力的には大きな痛手」「シーズン中の交代は想定外」といったコメントが相次いでいる。多くのファンが、アルマの真摯なプレー姿勢と人柄を称える投稿を残しており、彼が短期間でチームに溶け込んでいた証拠でもある。

今後の焦点|代替補強と若手の台頭

琉球フロントは代替外国籍選手のリサーチを進めているとみられる。候補としては、機動力のあるストレッチビッグや、守備特化型のエナジータイプが挙げられる。また、脇真大や平良宗龍といった国内選手のステップアップにも期待がかかる。彼らがどこまで“穴”を埋められるかが、シーズン中盤戦のカギになる。

3×3的視点|“役割より思考”の流動性が問われる

GL3x3的な視点で見れば、今回の件は「チームがサイズや役割に依存せず、思考と連携で補うフェーズ」に移ったとも言える。オールスイッチ守備やペースアップ戦術は、3×3の世界では常識。琉球もこの変化を通じて、より多様でスピーディーなバスケットに進化する可能性がある。

まとめ|“別れ”の痛みと前進への再設計

ケヴェ・アルマの退団は、琉球ゴールデンキングスにとって戦力的にも精神的にも大きな損失だ。しかし、同時にチームの再設計を促す契機にもなりうる。「サイズの優位」から「判断の優位」へ。彼の残したエネルギーを糧に、琉球がどのように形を変えていくのか――その“進化の過程”が、これからのB1西地区を占う注目ポイントとなる。

B.LEAGUE新リーグ構造「B.Premier/B.One/B.Next」徹底解説|2026年始動の3部制が描く日本バスケの未来

新リーグ構造「B.Premier/B.One/B.Next」とは

B.LEAGUEは2026年シーズンから、日本バスケットボール界のさらなる競争力強化を目的として、新たな3部制リーグ構造「B.Premier(プレミア)」「B.One(ワン)」「B.Next(ネクスト)」を正式に導入する。この再編は、リーグ創設から10年を迎える節目にあたるタイミングで実施され、クラブ経営の持続性・選手のキャリア形成・ファン体験の質を同時に高めることを狙いとしている。

B.Premier:トップ16クラブによる“国内最高峰”リーグ

「B.Premier」は、B.LEAGUEの最上位カテゴリーとして位置づけられる。参加クラブは16チーム前後を想定し、経営基盤・施設基準・競技成績など、厳格なライセンス条件を満たす必要がある。プレミアリーグでは、世界基準に合わせたアリーナ整備(収容1万人規模、ホスピタリティエリア完備など)が求められ、放映権・スポンサー収益の分配もグローバルモデルを参考に再構築される予定だ。

このカテゴリーでは「国際競争力」がキーワードになる。B.PremierクラブはEASL(東アジアスーパーリーグ)やFIBAの国際大会出場を前提に編成され、日本のクラブがアジアを代表する存在になることを目指している。選手年俸の上限緩和や外国籍枠の柔軟化なども検討されており、エンターテインメント性と競技性を両立する“アジア最強リーグ”が構想されている。

B.One:昇格を狙う実力派クラブの舞台

「B.One」は現行のB1・B2の中間にあたる新カテゴリーで、地域密着と成長意欲を両立するクラブが集う。経営規模は中堅クラスながら、スポーツビジネスとして持続的に発展できる体制を備えることが条件とされる。B.Oneのクラブは年間成績・ライセンス評価に基づいてB.Premier昇格を目指す一方、下位チームはB.Nextへの降格の可能性もある。

この2部リーグは「競争と育成のハイブリッドゾーン」と位置づけられ、若手選手の台頭や地域スポーツの発展に寄与する。リーグとしても、放送露出やSNS発信を強化し、ファンとの接点を増やす施策が導入予定。B.Oneは今後、B.LEAGUE全体の中核を担う“発展リーグ”として機能していくことになる。

B.Next:地域クラブ・新興勢力の登竜門

「B.Next」は、将来的なプロ参入を目指す地域クラブや新興チームが所属する育成型リーグである。クラブ経営の安定性よりも「地域活動」「若手育成」「運営の透明性」といった社会的価値を重視している点が特徴だ。大学・実業団・クラブチームがここに参加し、一定の成績・基準を満たすことでB.One昇格のチャンスを得る。

この仕組みは、欧州サッカーリーグに近いピラミッド構造を取り入れたものであり、全国各地に存在する地域クラブがプロのステージを目指す道を開く。今後は「クラブライセンス制度」により、財務・施設・ガバナンス・地域活動などを総合評価する仕組みが整備される見込みだ。

昇降格とドラフト制度の導入

新リーグでは、成績と経営基準を両軸にした昇降格システムが導入される。これにより、単なる勝敗だけでなく、クラブ運営の質や地域貢献度も競争要素として評価されるようになる。また、2026年からはB.LEAGUE初の「ドラフト制度」もスタート予定。これは育成リーグや大学・U18カテゴリーから優秀選手を公平に分配する仕組みで、各クラブのスカウティング偏在を是正し、若手選手のキャリア形成をサポートする目的がある。

ドラフトは当初、B.NextおよびB.Oneクラブを中心に実施され、将来的にはB.Premierでも拡張される見込み。リーグ全体での人材流動性を高め、国内選手の成長サイクルを整える狙いがある。

ライセンス制度の再構築

B.LEAGUEはすでにクラブライセンス制度を導入しているが、2026年からは新三部制に合わせて基準を全面的に見直す。これまでの「B1/B2/B3ライセンス」は廃止され、「Premier」「One」「Next」に対応する3段階の評価体制へ移行。施設・財務・人材・地域貢献・マーケティングなどの観点から多面的に審査される。

特にB.Premierでは、1万人規模のアリーナや年間予算10億円以上といった高水準の条件が求められ、持続可能な経営モデルを持つクラブだけが参入できる。これにより、B.LEAGUE全体の経営健全化とプロスポーツビジネスの信頼性向上が期待されている。

B.LEAGUE再編がもたらす意義

この3部制改革は単なる組織再編ではなく、日本バスケットボールの「産業化」への大きな一歩である。競技面では、昇降格とドラフトを通じて緊張感と公平性が生まれ、選手はより高いレベルを目指すモチベーションを得る。経営面では、ライセンス制度がクラブのガバナンスを改善し、スポンサーや地域との信頼関係を強化する。

さらに、B.Nextによって地域クラブや育成世代が体系的に上位リーグとつながる構造が生まれ、日本全国で「バスケットボールが産業として循環する仕組み」が整備される。リーグ全体でのメディア露出拡大、国際大会との連携、アリーナエンタメの進化なども期待されており、日本バスケが次のステージへ進むための礎となる改革だ。

まとめ:2026年、日本バスケの新時代へ

B.LEAGUEの新リーグ構造「B.Premier/B.One/B.Next」は、単なる名称変更ではなく、競技・経営・育成を一体化させた包括的な改革である。2026年の開幕に向けて、各クラブは新基準に対応した体制づくりを進めており、日本のバスケットボールは今、かつてない規模で進化の時を迎えている。国内最高峰のプレミア、地域発展を担うワン、そして未来を育てるネクスト──三層の循環が、日本のバスケの未来を形づくることになる。

Bリーグ新カテゴリ「Bワン」に25クラブ参入決定、Bネクストはわずか3クラブに【2026-27シーズン】

2026-27シーズン、Bリーグは3カテゴリー体制に移行

Bリーグは2025年10月21日、2026-27シーズンに向けたクラブライセンスの判定結果を発表し、従来のB1・B2・B3の3カテゴリー制から、新たに「Bプレミア」「Bワン」「Bネクスト」の構成へ移行する方針が明らかになった。

この改革は「B.革新(ビーかくしん)」と銘打たれ、Bリーグの次世代構想の要として推進されている。

「Bワン」所属クラブは25、仮入会枠が多数を占める

新カテゴリー「Bワン」には以下の3クラブが正式ライセンス交付を受けて参入する:

  • ファイティングイーグルス名古屋
  • 熊本ヴォルターズ
  • 鹿児島レブナイズ

さらに、以下の22クラブは「Bワン仮入会クラブ」として登録された:

  • 青森ワッツ、岩手ビッグブルズ、山形ワイヴァンズ、福島ファイヤーボンズ、越谷アルファーズ、さいたまブロンコス
  • 東京ユナイテッド、アースフレンズ東京Z、立川ダイス、八王子ビートレインズ、横浜エクセレンス、新潟アルビレックスBB
  • 金沢武士団、福井ブローウィンズ、岐阜スゥープス、ベルテックス静岡、バンビシャス奈良、トライフープ岡山
  • 徳島ガンバロウズ、香川ファイブアローズ、愛媛オレンジバイキングス、ライジングゼファー福岡

これにより、実質的なBワン参入クラブ数は25に達し、新体制の中核を担う存在として注目される。

仮入会制度の背景:プレミア昇格クラブ増加による調整

今回、仮入会制度が急遽導入された背景には、Bプレミアのライセンス交付クラブが当初の18から26クラブに増加した影響がある。これにより、Bワンの構成が手薄になることが予想された。

島田慎二チェアマンは記者会見で次のように語った:

「地方創生リーグを目指すBリーグにおいて、Bワンは中核となる層。クラブの成長を促すため、Bワン参入を一時的に認める仮入会制度を設定しました」

「Bネクスト」はわずか3クラブ、審議中1クラブ

一方で、最下位カテゴリとなる「Bネクスト」への正式参入が決まったのは、以下の3クラブにとどまった:

  • しながわシティバスケットボールクラブ
  • ヴィアティン三重
  • 山口パッツファイブ

さらに、「湘南ユナイテッドBC」は債務超過および資金繰りの問題により、2025年10月30日の臨時ライセンス判定で継続審議される。

島田チェアマンはこの結果に対し、「複雑な思いはある」としながらも、「Bワン参入を目指した努力の証」として、Bネクストの再編成と活性化への意欲を示した。

注目点:3×3クラブとの連携・将来的なライセンス連動の可能性

今後の注目点として、5人制クラブと3×3クラブの連携によるライセンス制度の拡張や、地域密着型クラブの育成モデルとの接続も視野に入る。特に、GL3x3のようなエンタメ系3×3リーグがBネクストカテゴリとの連動を図ることで、新たなバスケ文化の創出に貢献する可能性がある。

Bリーグ新時代の幕開け、47都道府県プロクラブ構想も推進

Bリーグはこの構造改革と並行して「47都道府県プロクラブ構想」を打ち出しており、各地域におけるクラブ創設・拡充も加速中。地方自治体や民間企業と連携しながら、全国規模でのバスケ熱の醸成に向けて動き出している。

新たな3カテゴリ制によって、「プロの夢」がさらに多くの地域と選手に開かれる2026-27シーズンのBリーグ。その行方から目が離せない。

Bリーグ初のドラフト制度とは?|2026年から始まる新たな選手獲得システムを徹底解説

なぜドラフト制度を導入するのか

Bリーグが2026年から導入を予定しているドラフト制度は、クラブ間の戦力不均衡を是正し、リーグ全体の盛り上げと若手育成の土台を強化する目的がある。強豪クラブに有望選手が偏る傾向を抑え、どのクラブにも優秀な選手獲得のチャンスを与えることで「どのチームにも優勝の可能性がある」リーグを目指している。

制度の概要(対象選手・方式・スケジュール)

対象選手

対象は高校3年生から大学4年生、プロ2年目までの日本人選手(見做し日本人を含む)。海外大学(NCAAなど)在学中の日本人選手も制度上の対象に含まれる。既にプロ契約済みの選手は対象外となる場合もある。

指名方式と順位

指名方式は「ウェーバー方式(前シーズン下位クラブが先に指名)」を基本とし、初年度は抽選形式、2年目以降は成績に応じた順位配分制に移行する予定。

スケジュール

志望届受付は9〜12月、ユース優先交渉期間は12月1日まで。第1回ドラフト会議は2026年1月29日(木)、TOKYO DOME CITY HALLで開催予定。

クラブ・選手への影響と課題

選手への影響

プロ入りのロードマップが明確になり、若手が将来を見据えて準備しやすくなる。海外大学在籍者も含まれるため、グローバルなキャリア選択肢が広がる。

クラブへの影響

戦力均衡化が進むことでリーグ全体の競争力が上がり、観客やスポンサーの関心も高まる。また、ユース部門の整備がより重要視される。

課題

指名先が希望と異なる可能性、大学バスケやNCAAとの兼ね合い、契約条件やサポート体制の整備などが懸念点として挙げられる。

今後の展望と注目ポイント

  • 初回ドラフトが制度の信頼性を左右する。
  • ユース優先交渉権の活用がクラブの差別化戦略となる。
  • 大学・高校・海外の育成パスがドラフトを前提とした構造に変化。
  • 戦力均衡によってより多くのチームが優勝争いに絡む可能性。

まとめ

Bリーグのドラフト制度は、日本のプロバスケットボール界における新たな一歩である。若手選手の登竜門として明確な仕組みを設けることで、選手・クラブ・リーグ全体が恩恵を受ける。ただし初期運用では課題も多く、今後の改善と適応が鍵となる。

2026年1月29日、誰がどのクラブに指名されるのか――その瞬間、日本バスケの未来が動き出す。