神戸ストークス」タグアーカイブ

神戸ストークス開幕4連勝!――プレミア昇格目前、改革と挑戦が生んだ 緑の革命

神戸ストークス、開幕4連勝でB2制覇へ好発進

2024–25シーズン、B2リーグに新しい風を吹き込んでいるのが**神戸ストークス**だ。
10月4日の開幕戦から破竹の4連勝を飾り、来季からの「Bプレミア参入」を目前に控えたクラブとして理想的なスタートを切った。
新本拠地「**ジーライオンアリーナ神戸**」には2日間で延べ1万7,000人超の観客が詰めかけ、ウォーターフロントを緑一色に染め上げた。

川辺泰三ヘッドコーチ(HC)の就任、寺園脩斗や木村圭吾、八村阿蓮ら新戦力の加入など、オフシーズンに大きな変革を遂げたストークス。
その 再出発の物語 が、早くも形になり始めている。

大型改革の裏側――14人中9人が入れ替わった「覚悟の再構築」

前シーズン、後半の追い上げも及ばずプレーオフ進出を逃した神戸は、**チーム再編という荒療治**に踏み切った。
開業直後のアリーナで戦ったロスター14人のうち、残留はわずか5人。
9人が退団するという大規模な人事刷新により、クラブは「Bプレミア昇格にふさわしいチーム」をゼロからつくり上げる決断を下した。

この背景には、クラブが掲げる「ストークスプライド」という理念がある。
走り、戦い、地域とともに成長する という哲学のもと、**スピードと強度を兼ね備えたチームバスケット**を標榜。
新任の川辺HCは「勝つだけでなく、 どう戦うか を形にしたい」と語り、開幕戦からその姿勢がプレーに表れていた。

新司令塔・寺園脩斗、チームを動かす「走るキャプテン」

B1レバンガ北海道から移籍してきた**寺園脩斗(PG)**は、加入1年目にしてキャプテンを任された。
開幕から2試合連続で6アシストを記録し、攻守両面でチームを牽引。
「皆が同じ方向を向けるようにコミュニケーションを取っている」と語る通り、試合中も声を絶やさず、チームのリズムを作る。

川辺HCが重視する インテンシティ(プレー強度) を誰よりも体現し、攻撃では1on1で状況を打開。守備では前線からプレッシャーをかけ続け、**新生ストークスのエンジン**として機能している。
キャリア8年目のベテランとしての安定感と、リーダーとしての熱量。その両立が、チームの融合を加速させている。

木村圭吾&八村阿蓮――新加入コンビが放つ 勢いの光

寺園と並んで注目されるのが、**木村圭吾(SG)**と**八村阿蓮(SF)**の新加入コンビだ。
木村は古巣・福井ブローウィンズ戦で3Pを13本中6本沈める活躍。第4Qの勝負どころで流れを変える一撃を連発し、チームに勢いをもたらした。
一方の八村は、開幕2試合連続で11得点をマーク。第4Qで同点に追いつくシュートを沈め、逆転のフリースローを決めるなど勝負強さを見せた。

両者に共通するのは、**「チームの課題を自分の役割で埋める意識」**。
木村は「流れを作るために打つべき場面では迷わない」と語り、八村は「自分たちで流れを取り戻せたことが大きい」と成長を実感している。

生え抜きの金田龍弥、先輩たちとの競争で進化を誓う

チームの中核として期待される**金田龍弥(SF)**も、競争を前向きに捉える。
「B1で厳しい経験を積んだ選手が多く、より高いレベルを要求される。その環境が自分の成

八村阿蓮が神戸ストークスへ完全移籍| 特別指定→群馬→神戸 で描く飛躍の方程式と、兄・塁とは違うSF像【経歴・データ・評価まとめ】

総論:神戸ストークス移籍が示す「役割明確化」とキャリアの第二章

1999年12月20日生まれ、富山市出身。身長198cm・体重98kgのスモールフォワード、八村阿蓮が2025年オフに神戸ストークスへ移籍した。東海大学で輝きを放ち、特別指定選手としてサンロッカーズ渋谷→群馬クレインサンダーズを経由、2022-23シーズン途中に群馬でプロデビュー。以降3季を同クラブで過ごしたのち、新天地である神戸へ。兄・八村塁(NBA)が フィニッシャー型のスコアラー として世界と対峙してきたのに対し、阿蓮はBリーグで「サイズ×接触強度×役割遂行」の三拍子を武器とする タスク完遂型SF として評価を高めてきた。彼のキャリアは、Bリーグの選手育成・役割最適化の流れを体現している。

プロフィール:フィジカルと泥臭さを兼ね備えたSF

氏名:八村 阿蓮(はちむら あれん) / Allen Hachimura
生年月日:1999年12月20日(25歳)
出身:富山県富山市
身長/体重:198cm/98kg
ポジション:スモールフォワード(SF)
現所属:神戸ストークス(背番号8)
経歴(抜粋):明成高→東海大→特別指定(渋谷/群馬)→群馬(プロ)→神戸ストークス
代表歴:U16/U18/U22日本代表、国体宮城県代表
主な個人表彰(大学):関東大学リーグ/インカレ/新人戦/オータムカップで優秀選手賞

来歴と背景:明成→東海→特別指定の王道を歩むも、プロでは「役割」で価値を示す

明成高校(現・仙台大附属明成)で基盤を築き、東海大ではフィジカルの強度と勝負所の気迫で信頼を獲得。コーチング側が求める やるべき仕事 を遂行できるタイプとして、大学3年時の代替開催「オータムカップ2020」で優秀選手賞を受賞した。2020-21に渋谷、2021-22に群馬で特別指定選手として登録され、プロの練度・スカウティングの厳しさを体感。2022-23シーズン途中に群馬でプロデビューを果たすと、以降はローテーションの中核として、ボールのない局面での貢献(スクリーン・ボックスアウト・トランジション走力)で評価を積み上げた。

プレースタイル:兄とは違う 役割完遂型SF

阿蓮の最大の持ち味は、198cm・98kgのサイズで正面衝突を厭わないフィジカルコンタクト。オフェンスではウイングからのリムラン、ローポストでの体の押し合い、45度のキャッチ&シュート(C&S)でシンプルに効率を積む。ディフェンスでは相手の主軸ウイングに当たり続け、ファーストショルダーでドライブ角を外へ追いやり、ペイント侵入角度を悪化させる。いわゆる 静かな好仕事 が多く、プラスマイナスやラインナップのネットレーティングの改善に寄与しやすいタイプである。

兄・塁が高難度ミドル~アタックの決定力で観客の目を奪う スター的解 だとすれば、阿蓮はスペーシングとハンドオフの角度、ショートロールの軌道、オフェンスリバウンドのセカンドジャンプなど、 攻守の微差 でチームの期待値を押し上げる 現場的解 を選ぶ。Bリーグにおいて、こうしたロールプレイヤーの価値は年々高まっている。

神戸ストークスが求めたもの:サイズのある3番とラインナップの可変性

Bリーグのゲームはトランジション速度と3Pボリュームの増加が顕著。神戸にとって、ウイングでスイッチに耐え、かつ攻撃で 立っているだけにならない 選手は不可欠だった。阿蓮は、1)3番起点のハンドオフ連鎖に絡みやすいサイズ、2)相手ビッグに対するダウンスイッチでの耐久力、3)ペイントタッチ後のリロケートとカッティング、の3点でチームの可変性を底上げする。スタートでもセカンドでも ラインナップの歯車 として噛み合う設計だ。

データ視点の仮説:神戸で伸ばしたい3つのKPI

①C&Sのアテンプト配分:ウイングからのオープン3を試投総数の一定比率(例:40%超)に保つことで、効率の底上げが可能。
②オフェンスリバウンド争奪:体格を生かしたスクリーンアウトとセカンドチャンス創出は、接戦での「1~2ポゼッション差」を生む。
③対エース封じの相対効率:マッチアップ相手のeFG%をリーグ平均から▲2~3%引き下げられると、チームの失点期待値は目に見えて改善する。

神戸の戦術文脈においては、ハンドオフの出口でミスマッチを読んだショートロール→キックの一連が増えるはずで、阿蓮の 決め切らずに正しく繋ぐ判断 がストレスなく発現できる環境と言える。

大学~特別指定~プロ:制度面から見る成長曲線

日本の男子バスケでは、大学からBリーグへと段差なく接続する「特別指定選手」制度が浸透している。阿蓮もこのルートを経た。利点は、1)大学在学中からプロの強度に触れられる、2)クラブは実地評価を通じて適材適所を見極められる、の2点。彼は渋谷・群馬の現場で、対人強度・スペーシング・ゲームスピードの 差 を早期に学習。それがプロ移行後のロール確立を助けた。

家族とアイデンティティ:多様性のロールモデル

父はベナン出身、母は日本人。兄妹の存在は言うまでもなく、彼の競技人生に大きな刺激を与えてきた。注目度や比較の視線がつきまとう中で、阿蓮は 自分の役割を果たすこと に価値基準を置いてきた。ハードワークが評価される文化を下支えするロールモデルとして、若年層に「スコアだけが正義ではない」というメッセージを発している。

Bリーグの潮流とポジション別要件:SFに求められる 守備と判断

現行Bリーグでは、SFの必須スキルは、(A)3Pのキャッチ&シュート、(B)1~4番のスイッチ耐性、(C)トランジション攻守の到達速度、(D)ハンドオフの読み、の4点に集約されつつある。阿蓮は(A)(B)(C)で土台が強く、(D)の熟達が伸び代だ。神戸がハイポストのハブから連続ハンドオフを用いるなら、彼の 角度作り は顕著な価値を持つ。

比較・参照:同タイプの国内SFとの相対評価

リーグ内で タスク完遂型SF に分類される選手の共通項は、①ヘッドコーチのゲームプランを忠実に遂行、②接触プレーの継続、③ショットセレクションの規律。阿蓮はこの3条件を外さない。そのため、起用側の信頼が厚く、プレータイムが波打ちにくい。神戸のロスターにおいても、スターター/セカンド双方で 穴埋め ではなく 強度維持 の核となるだろう。

年表:主な出来事と到達点

・2010s:明成高で基礎を強化。全国級の舞台でメンタルと強度を獲得。
・2020:オータムカップ優秀選手賞、複数の学生タイトルで表彰。
・2020-21:渋谷に特別指定登録、プロの練度を体感。
・2021-22:群馬に特別指定登録、翌季にプロデビューの準備。
・2022-25:群馬でプロデビュー→ローテの中核へ。
・2025:神戸ストークスへ完全移籍。役割明確化のもとでキャリア第二章へ。

過去事例:ロール再設計で価値を高めたウイングたち

得点第一 から 期待値を底上げする雑務の達人 へ――Bリーグでは、ロール再設計で選手寿命を伸ばす例が増えている。ペイントアタックの頻度を下げてC&Sに寄せる、PnRでのボール保持時間を短くする、ハイポストのハブとしてハンドオフ/ドリブルハンドオフ(DHO)に絡む――阿蓮の方向性は、この最適化の潮流に合致する。

メディア/ファンの反応:比較ではなく 違い を楽しむ

八村兄弟 の文脈で語られがちだが、ファンは次第に「違うタイプの成功」を受容してきた。SNS上でも、ハッスルリバウンドやルーズボール、地味だが効くスクリーンなど、 数字に残りにくい貢献 への称賛が増える傾向にある。神戸移籍により、彼の 違い がよりクリアに可視化されるだろう。

【Bリーグ/神戸ストークス】B2最新レポート:GLION ARENA KOBE本格稼働と川辺泰三新体制、“STORKS PRIDE”で挑む2025-26再上昇戦略

神戸ストークスB2最新レポート:GLION ARENA KOBE本格稼働と川辺泰三新体制、“STORKS PRIDE”で挑む2025-26再上昇戦略

神戸ストークスはB.LEAGUEのB2リーグ西地区に所属するクラブで、2025-26シーズンはGLION ARENA KOBE(収容10,168)を本拠に本格稼働。新ヘッドコーチに川辺泰三、GMに九里大和が就き、チームスローガン「STORKS PRIDE -You Show Up!!-」を掲げて再出発した。前々季に平均入場3,047人、シーズン合計91,421人と動員で存在感を示した神戸だが、直近2季はプレーオフを逃している。2025-26はロスターの半数以上を入れ替え、八村阿蓮寺園脩斗笹倉怜寿ヨーリ・チャイルズラウル・アルキンズら主力級を軸に、守備強度と終盤の遂行力で“勝ち切るチーム”への変貌を狙う。

ニュース概要

2025年10月、B2西地区で神戸ストークスは新体制の下、開幕節(10/4-5、GLION ARENA KOBE)を連勝スタート。クラブは以下のトピックを同時に進めている。

  • ヘッドコーチ交代:川辺泰三(前FE名古屋)が就任。AC兼通訳は東頭俊典
  • フロント再編:GMに九里大和。編成・開発・医科学の連携を強化。
  • 主力補強:八村阿蓮(PF/SF)、寺園脩斗(PG)、笹倉怜寿(PG)、木村圭吾(SG)、ヨーリ・チャイルズ(PF)、ラウル・アルキンズ(SF)ほか。
  • アリーナ:GLION ARENA KOBEが通年運用へ。可変照明とセンターハングビジョンで演出強化。
  • カルチャー:「ストークスプライド」(ボールプレッシャー/リバウンド&ルーズボール/ポジションファイト&オンコートトーク)を徹底。
  • ユニフォーム・パートナー:胸シン・エナジー、左肩上組、背面全国福利厚生共済会SAN NEXUS、パンツ神戸トヨペットほか。サプライヤーはPASS THE ROCK

主要キーワード(神戸ストークス / B2リーグ / GLION ARENA KOBE / 川辺泰三)は、本稿の各節で具体的データとともに検証する。

背景と歴史的文脈

ストークスは2011年に兵庫ストークスとして始動。JBL2優勝(2012-13)で存在感を示し、その後西宮ストークスを経て、2023-24に神戸へ移転・改称した。B2では2016-17で43勝17敗・B2優勝→B1昇格を実現した一方、B1では1季で降格。以降は昇格圏に迫る年と停滞する年を繰り返してきた。

リーグ構造の変遷やアリーナ要件の高度化はクラブ運営に大きな影響を与えた。神戸移転後は観客動員の急伸とともに“都市型クラブ”としてのブランドを築き、2025年のGLION ARENA KOBE本格稼働が競技力・収益の両輪を押し上げる前提となっている。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスター(抜粋/ポジション別の役割)

  • PG:寺園脩斗/笹倉怜寿/野溝利一…プルアップ3、アドバンスドエントリー、エンドゲームのA/TO管理。寺園はP&Rでのポケットパス巧者、笹倉はサイズと守備、野溝はテンポチェンジで差異化。
  • ウィング:ラウル・アルキンズ/木村圭吾/道原紀晃/谷直樹…アルキンズはペイントタッチ創出とスイッチ耐性、木村はキャッチ&シュートとストレートラインドライブ、道原・谷はゲームIQとクラッチの安定剤。
  • フォワード:八村阿蓮/金田龍弥/中島三千哉…八村は4番起用のトレイル3&ショートロール、金田はコーナー3とローテーションの早さ、中島はセカンドユニットの潤滑油。
  • ビッグ:ヨーリ・チャイルズ/アイザック・バッツ…チャイルズはPnRロール・リムラン・DREB%で即効性、バッツはハーフコートでの堰き止め役と置き型ポスト。

スタッフは川辺泰三HCの下、AC兼通訳に東頭俊典、ACに下地流星方城素和、スキル開発にマーク貝島が入る。フロントの九里大和GMは編成と開発のPDCAを高速化し、負傷リスク・疲労指標を含む“パフォーマンスKPI連動型ローテーション”を志向する。

試合・出来事の詳細

直近3季の概況:

  • 2023-24:29勝31敗(西5位)。神戸移転初年は入場者数が急伸。91,421人(平均3,047)でB2最多入場記録を複数回更新。競技面は接戦落としが目立ちPO逸。
  • 2024-25:25勝35敗(西6位)。開幕直後こそ上位浮上も、故障者続出と連敗が重なり失速。2季連続でPOに届かず、2部リーグでの最低勝率を更新。
  • 2025-26:開幕節は福井に連勝。GLION ARENA KOBEでは可動席と音響演出を活用し、試合体験を強化。大阪・関西万博会場でのライブビューイングも実施され、「街×アリーナ」の連動を加速させる。

ユニフォームはサプライヤーPASS THE ROCK。胸シン・エナジー、左肩上組、背面全国福利厚生共済会/SAN NEXUS、パンツ神戸トヨペット/KPMG/デジアラHD/オイシス/ベスティ/東伸産業と、地場・全国区企業のバランスが良い。

戦術・技術・スタイル分析

川辺HCの掲げる「STORKS PRIDE」はスローガンにとどまらず、戦術KPIに落とし込まれている。基調は以下の3本柱。

  1. Ball Pressure(ボールプレッシャー):ハーフコート開始1タッチ目から圧力。ウィングでサイドラインを“3rdディフェンダー”化し、弱サイドのタグ→ローテの定型を高速化。相手TOV%の押し上げと、走る回数の増加を狙う。
  2. Rebound & Loose(リバウンド/ルーズ)DREB%はリーグ中央値+2ptをノルマ化。2.9人リバウンド(ボールサイド3人での箱作り)を徹底し、セカンドチャンスの抑制と自軍のEarly Offenseのトリガーに。
  3. Position Fight & Talk(ポジションファイト&トーク):ミスマッチ解消の合言葉をショートコード化(例:“Blue”=早いダブル→Xアウト)。ラインナップ毎に“序・破・急”の役割を共有する。

オフェンスはチャイルズのドラッグスクリーンや八村のトレイル3、アルキンズのペイントタッチでアドバンテージを作り、45度キックアウト→再P&Rで連鎖。寺園・笹倉はSpain PnRのバックスクリーン角度を変えてスイッチミスを誘発する。終盤はBLOB/SLOBのセット(“Horns Twist”、“Stack Rip”等)を定型化し、ATO得点で上積みを狙う。

ファン・メディア・SNSの反応

神戸移転後は「アリーナ体験が目的地になる」という評価が定着。GLION ARENA KOBEの演出、コートサイドの視界、音響の一体感はSNSで拡散されやすく、ビジュアル重視の発信(入場動画、ハイライト短尺)が高いエンゲージメントを獲得している。開幕節の連勝に対し、地元メディアは「守備の強度と厚み」「終盤の意思決定改善」を評価。ベリーグッドマン制作の応援歌「コウノトリ」はコール&レスポンスが明快で、試合展開を後押しする“第6の男”として機能している。

データ・記録・統計情報

過去シーズンの主要戦績(B2/B1)

シーズン リーグ 地区 成績 備考/HC
2016-17 B2 43勝17敗(地区1位) 天日哲也AC体制、B2優勝→B1昇格
2017-18 B1 西 12勝48敗(17位) 残留PO敗退→B2降格
2020-21 B2 西 40勝18敗(地区1位) QF敗退
2021-22 B2 西 36勝19敗(3位) QF敗退
2022-23 B2 29勝31敗(3位) 3位決定戦勝利(年間3位)
2023-24 B2 西 29勝31敗(5位) 動員増でクラブ史に残るシーズン
2024-25 B2 西 25勝35敗(6位) 連敗と故障が響く

個人タイトルでは、トレイ・ポーター(22-23ブロック王)、チョンディー・ブラウン(24-25得点王)など、ポジションの異なるスコアラー/リムプロテクターを要し、補強の方向性は一貫して“ゴール下の強度と決定力”に置かれてきた。2025-26はその系譜上に、ヨーリ・チャイルズの機動力とアイザック・バッツの重量感を共存させる。

リーグ全体への影響と比較分析

B2リーグ西地区で上位へ食い込む条件は明確だ。①守備効率(DefRtg)をリーグ中央値比-2~-4、②クラッチのTOV%を一桁台に、③ホーム勝率.650前後――この3条件がそろえば、年間勝率.600近辺まで自然と押し上がる。神戸はアリーナ効果によりホームの笛・勢いを取り込みやすく、FT Rate(自)を微増させる余地がある。さらに、寺園×笹倉の二枚看板はペースと計算の切替が可能で、終盤の「ボールを落ち着かせる」局面と「走り切る」局面の両方に対応できる。

過去の昇格候補クラブの共通項は、“自分たちが勝てるゲームの型”を序盤で確立し、“勝ち筋以外を削る潔さ”を持ったことだ。神戸ストークスのSTORKS PRIDEはこの哲学に近い。無理なハイペース志向を避け、DREB%とトランジションDのルール徹底で「負けにくさ」を先に担保する――この逆算がB2では効く。八村の4番運用は、相手のビッグを外へ引き出し、チャイルズのロール空間を広げる副次効果を生む点でも合理的だ。

今後の展望とまとめ

短期KPI(~第15節)

  • DREB%:リーグ中央値+2.0pt(セカンドチャンス失点の抑制)
  • クラッチTOV%:9.9%以下(終盤の取りこぼし減)
  • ホーム勝率:.650以上(アリーナ体験×演出の相乗効果)
  • BLOB/SLOB PPP:0.95→1.05(プレイブック定型化)

中期KPI(~第30節)は、八村のアテンプト配分の最適化(ペイント:ミドル:3P=40:30:30目安)、アルキンズのFT獲得(FT Rate+0.03)、寺園/笹倉の2ガード時NetRtgの黒字維持が焦点。ロスターの健康管理・ファウルマネジメントをトリガーに、アウェイの1勝を確実に拾う設計へ移行したい。

収益面では、GLION ARENA KOBEのキャパを活かし、価格階層・企画席・ホスピタリティの可変運用で客単価×稼働率の同時最適化を進める。地域連携(学校招待/万博会場LV/港湾エリア連動)を通じて新規→ライト→コアへのファン育成ラインを太くし、シーズン後半の勝負どころでホームコート・アドバンテージを最大化することが昇格レースの前提条件となる。

結論:神戸ストークスはB2リーグ西地区において、「守備の再現性」「終盤の定型化」「ホームの熱量」を鍵に、2025-26で再上昇のフェーズへ入った。川辺泰三の下、STORKS PRIDEが実装されたとき、神戸は“勝ち切る”姿へ最短距離で近づく。この記事が有益だと感じた読者は、周囲にGLION ARENA KOBEの試合日程を共有し、会場の一体感づくりに参加してほしい――あなたの一声が勝率を変える

【Bリーグ/神戸ストークス】GLION ARENA KOBE元年で加速――川辺泰三体制と大型補強でB1回帰ロードを描く【Bリーグ/B2西地区】

ニュース概要

神戸ストークスが、2025-26シーズンに向けて体制と環境の両輪を一新した。新本拠地GLION ARENA KOBE(収容10,168人)の本格稼働、川辺泰三ヘッドコーチ就任、そして寺園脩斗・笹倉怜寿・八村阿蓮・木村圭吾・アイザック・バッツらの的確な補強で、クラブはB1回帰を見据えた「勝てる土台」づくりを加速させている。開幕節は10月4〜5日の福井戦を連勝で飾り、5日には大阪・関西万博会場での大規模ライブビューイングも実施。観客動員の伸長とコート上の再現性向上を同時に狙う、競技×事業の両面強化が今季のキーワードだ。本稿では、クラブの歴史と転機、ロスターと戦術、競合との比較、そしてB1復帰への現実的なロードマップを、データと事例を交えながら解説する。

背景と経緯

2011年に「兵庫ストークス」として船出したクラブは、2015年に「西宮ストークス」へ、そして2023年に神戸へ移転し現名称神戸ストークスとなった。Bリーグでは2016-17にB2優勝と昇格を果たすも、翌2017-18はB1で苦戦して1年で降格。以降はB2でプレーオフ常連の座と浮き沈みを繰り返し、2024-25は25勝35敗(西6位・全体10位)とクラブの2部最低勝率を更新。勝敗面で苦渋を舐める一方で、神戸移転後は動員が右肩上がりとなり、B2最多入場者数記録を複数回更新した。2025年に開業したGLION ARENA KOBEの存在は、「ホームアドバンテージの最大化」において決定的な意味を持つ。

2025-26は川辺泰三の新体制で再スタート。チームカルチャーを「ストークスプライド(ボールプレッシャー/リバウンド・ルーズボール/ポジションファイトとオンコート・トーク)」と再定義し、守備の強度と球際の執着を明文化した。編成面では、八村阿蓮のフィジカルと万能性、寺園脩斗笹倉怜寿のボールハンドリング、木村圭吾のスコアリング、そしてアイザック・バッツのリム・プレゼンスを軸に「サイズ×遂行力×意思決定」の三位一体で勝ち筋を描く。

選手・チームのプロフィール

クラブの輪郭

  • 所属:B2西地区
  • アリーナ:GLION ARENA KOBE(収容10,168)。アクセス性と視認性を両立した都市型アリーナで、演出とホスピタリティの両輪が強み。
  • チームカラー:グリーン/ブラック。スローガン「ALL GREEN」の文脈を基盤に、2025-26は「STORKS PRIDE -You Show Up!!-」で競争姿勢を可視化。
  • 運営:株式会社ストークス。親会社はスマートバリュー。地域施策「STORKS CONEST」や、プレシーズン興行「KOBE RISING」を通じて市民接点を拡張。

ロスターの中核(2025-26)

  • G:寺園脩斗(1.71m)、笹倉怜寿(1.87m)、野溝利一(1.65m)。ギャップ創出/終盤の意思決定/P&Rのテンポ管理が役割。寺園はスモールでも齟齬の少ないハンドラー、笹倉はサイズと守備のスイッチ対応が魅力。
  • ウィング:木村圭吾(1.88m)、道原紀晃(1.78m)、中島三千哉(1.79m)、金田龍弥(1.95m)。ペリメータの重力+連動カットでハーフコートに潤滑を与える。
  • フォワード:八村阿蓮(1.98m)、ラウル・アルキンズ(1.96m)、ヨーリ・チャイルズ(2.02m)。スイッチ守備・強度・ミスマッチ狩りの三拍子。八村はフェイスアップとミドルでの打開力が鍵。
  • センター:アイザック・バッツ(2.08m)。スクリーンの角度とロールの深さでペイントを制圧し、DREBで1ポゼッション完結力を供給。

年齢構成はベテランの経験値とU25の伸びしろが適度に混ざり、「計算できるコア+変数」のバランスが良い。川辺HCのカルチャー設計と親和性が高く、守備ルールの遵守で勝率の分散を抑えられる構図だ。

試合・出来事の詳細

開幕節連勝と「ホームの作法」

10月4〜5日の福井戦は、新加入勢が躍動して2連勝。トランジションのトーンを抑え、ハーフコートでの最短距離のアドバンテージ確保(ドラッグスクリーン、アーリーシール、ショートロール→0.5秒の意思決定)が機能。終盤は寺園と笹倉の時間帯分けでターンオーバーを管理し、バッツのDREBから2次加速で追加点を重ねた。5日のゲームは夢洲・万博会場でのライブビューイングを併催し、「会場外での同時体験」という新たな導線を設けたのも注目点だ。

2024-25の反省と、2025-26のアップデート

昨季は29→25勝へと後退し、9連敗や故障連鎖で再現性が崩れた。特に課題は「失点の質」で、セカンドチャンスとファウル由来の失点が重なり、接戦の勝ち切り率を下げた。今季はバッツの合流で1stポゼッション完結率が上がり、ウィングのスイッチ守備で相手の1stアクション遅延が可能に。八村とアルキンズのサイズ・機動力によって、相手のショートクロックを強要できる。

他事例との比較・分析

1) B2西地区のゲームモデルと対抗軸

西地区はサイズ・遂行力・ハーフコートの均質性が高く、拮抗試合が多い。神戸はそこに対し、「守備の規律化 × ペイントタッチの回数増」で勝ち筋を設計する。ディープドロップに対してはショートロールの0.5秒判断、スイッチに対してはインサイドのアーリーシールとウィークサイドの45度リフトでヘルプの判断を難しくする。守備はICE弱サイドのタグを徹底し、トランジション抑制→ハーフコート勝負に誘導する。

2) アリーナ移転・新設のベンチマーク

国内外のバスケ市場で、新アリーナ元年は平均入場者・物販・スポンサー露出が伸びやすい。鍵は「再訪動機の設計」だ。座席快適性、導線、演出、音響、飲食、モバイル体験(チケレス/モバイルオーダー/ポイント連動)、ファミリー施策、そして勝率。GLION ARENA KOBEのキャパ10,168は、平均稼働率×単価×来場頻度の最適化で、B2水準を超える収益ポテンシャルを持つ。神戸はKOBE RISINGなど独自イベントで非試合日も人を呼べる「目的地化」を狙える。

3) 人件費と競争力の相関――中期の最適化

昇格争いは往々にして人件費=勝率の相関が高いが、全てを上積みするのではなく、国内枠の再現性外国籍のフィットの総合で「1勝あたりコスト」を抑えるのが肝。今季の神戸は寺園+笹倉のボール保持力八村・アルキンズのサイズバッツのリム制圧“相性”の良いパーツを選べている。これにより、終盤の「異常値に頼る勝ち方」から「積分的に勝ち切る」スタイルへ移行できる。

今後の展望とまとめ

短期KPI(今季)

  • ディフェンス:相手の2ndチャンスポイントFT由来失点の抑制。バッツのDREB%最大化と、八村・チャイルズの外→中のスクラムでボールに群がる。
  • オフェンス:ペイントタッチ回数FT獲得率の継続的増加。寺園のペースコントロール、笹倉のサイズミスマッチ活用でクラッチの選択肢を明確化。
  • ホームアドバンテージ:平均稼働率の引き上げと顧客生涯価値(LTV)の最大化。ライブビューイングやファミリー施策とのセットで来場頻度を増やす。

中期ロードマップ(2〜3年)

U25の成長曲線(木村・中島・金田・野溝)をローテに組み込み、「守備の自前化」を推し進める。ドラフトや特別指定でウィング守備×ショットのプロスペクトを継続的に補給し、外国籍の役割特化で上振れを狙う。編成の柔軟性を維持できれば、B1昇格後の戦線維持も視野に入る。

リスクと代替プラン

  • 故障リスク:ガードの稼働率低下は致命的。二重系(寺園×笹倉)運用に加え、オンボールを八村・アルキンズに一時移譲するセットを常設。
  • 勝ち切り力:クラッチの意思決定にブレが出た場合、ATO(タイムアウト後)のセットとSLOB/BLOBの成功率で短期補正。
  • 動員回帰:“初モノ効果”の剥落に備え、リピーター施策を積層。デジタル会員の段位制度、非試合日開放、地域連携の常設化で日常的接点を増やす。

結論

神戸ストークスは、GLION ARENA KOBEを舞台に、川辺泰三体制のカルチャー浸透と的確な補強で、「守備の規律×ペイントタッチ×ホームの作法」という明快な勝ち筋を手に入れた。B2西地区の均衡を割るには、細部の積分がすべてだ。球際、トーク、ポジショニング──ストークスプライドが1点を動かす。今季の神戸は、B1回帰ロードを現実のものにできるか。この記事が観戦計画や議論の起点になれば幸いだ。気になるポイントやデータの深掘りを共有し、#神戸ストークス とともにこの新時代を追いかけよう。

神戸ストークスの中西良太が現役引退を発表|14年のキャリアに幕、新たな役割でバスケ界に貢献へ

神戸ストークス・中西良太が現役引退を発表


2025年6月27日、B2リーグの神戸ストークスは、ベテランパワーフォワード中西良太が2024−25シーズンをもって現役を引退することを正式に発表しました。地元・兵庫県出身で長年にわたって国内バスケットボール界に貢献してきた中西は、引退後もクラブに留まり、「神戸ストークス クラブ エバンジェリスト」として地域貢献や広報活動を通じて新たなステージへと歩みを進めます。

202センチ110キロのインサイドプレイヤー|中西良太のキャリア概要


中西良太選手は1989年生まれの兵庫県出身。身長202センチ、体重110キロと恵まれた体格を生かして、長年インサイドを主戦場とするパワーフォワードとしてプレーしました。プロキャリアは2011−12シーズン、NBDL(日本バスケットボールリーグ開発リーグ)のTGI・Dライズからスタート。その後、2012年に地元の兵庫ストークス(現・神戸ストークス)へ加入し、本格的にプロとしての地歩を固めていきました。

その後は熊本ヴォルターズや佐賀バルーナーズといった複数クラブでも経験を重ね、2021年からは古巣である神戸(旧西宮)に復帰。神戸での復帰後も豊富な経験を活かし、ベンチからチームを支える重要なロールプレーヤーとして活躍してきました。

通算433試合出場|B2リーグでの輝かしい実績

中西はプロキャリア通算でB2リーグ公式戦433試合に出場。その間に記録したスタッツは以下の通りです:

  • 通算得点:3,398点
  • 通算リバウンド:1,713本
  • 通算アシスト:402本
  • 通算ブロック:177本

特にインサイドでの身体を張った守備やスクリーン、リバウンドでの貢献が光り、スコアに現れない部分でもチームにとってかけがえのない存在でした。2024−25シーズンも48試合に出場し、平均2.5得点、2.1リバウンドを記録。36歳という年齢ながらも献身的なプレーでチームに貢献し続けてきました。

引退のメッセージに込めた想い|感謝と新たな決意

クラブ公式サイトを通じて中西は次のようにコメントを発表しました:

この度、プロバスケットボール選手としての現役生活に区切りをつけ、引退する決断をいたしました。14年間という長いようであっという間の時間の中で、数えきれないほどの経験と学び、そして何よりも多くの方々との出会いに恵まれました。ここまで続けてこられたのは、いつも温かく支えてくださったブースターの皆さま、チームメート、指導者の方々、そしてなにより家族のおかげです。心から感謝申し上げます。

14年にわたるプロキャリアを振り返りながら、これまで支えてくれた人々への感謝の言葉を丁寧に綴りました。また、セカンドキャリアに向けても前向きな姿勢を見せています。

引退後は「クラブ エバンジェリスト」として新たな役割へ


現役を退いた中西は、今後「神戸ストークス クラブ エバンジェリスト」として活動していくことが決まっています。この役職は、クラブと地域、そしてバスケットボール界を繋ぐ広報的な役割を担うポジションで、選手時代に築いてきた人脈と信頼を活かし、地域社会とクラブの架け橋となることが期待されています。

本人も「バスケットボールを通して得たすべてを次に活かしていきたい」と語っており、競技人生の経験を社会に還元する新たなキャリアへと踏み出します。

Bリーグ初期からの功労者として|地方クラブを支えた功績

中西良太は、Bリーグ発足以前から地域クラブを支えてきた 草の根プロ選手 の代表格とも言える存在です。スター選手の陰でチームを支えるロールプレーヤーの価値は、特に地域密着型のBリーグでは欠かせない存在であり、中西はその模範的な選手の一人でした。

試合中のプレーのみならず、地域イベントや学校訪問などの活動にも積極的に参加し、地元ファンとの信頼関係を築き上げてきた功績は大きく、神戸ストークスにおける 顔 の一人として認識されてきました。

今後に寄せられる期待とエール

今後、中西が神戸ストークスのクラブエバンジェリストとして果たす役割には多くの期待が集まります。選手としての14年にわたる経験と、バスケに対する誠実な姿勢は、次の世代にとっても大きな刺激となるでしょう。

現役引退は一つの節目にすぎず、彼の挑戦は新たなフィールドでこれからも続いていきます。ファンからも「ありがとう」「第2の人生も頑張ってください」といった温かいエールが多く寄せられており、その人望の厚さが伺えます。

まとめ|14年間のキャリアに感謝と敬意を

神戸ストークスの中西良太選手は、14年間のプロキャリアを通じて多くの人々に感動を届けてきました。バスケットボールという競技を通じて、選手として、そして地域の一員として、常に全力で向き合ってきたその姿勢は、今後も多くの人の記憶に残り続けることでしょう。

第二の人生での活躍にも期待が高まる中、これまでの功績に対して改めて敬意を表するとともに、「お疲れさまでした、そしてこれからもよろしくお願いします」というメッセージを贈りたいと思います。