概要
浙江広厦猛獅籃球倶楽部(Zhejiang Lions Basketball Club)は、中国・浙江省杭州市を本拠地とするプロバスケットボールチーム。CBA(中国プロバスケットボールリーグ)南地区に所属し、日本語では「浙江ライオンズ」として知られる。
チームは2005年に創設され、同省では「浙江サイクロンズ(浙江稠州金租)」に次ぐ第二のプロクラブとして誕生した。ホームアリーナは杭州体育館。
設立の背景と創成期
浙江ライオンズは、2005年に浙江省体育局と広厦控股創業投資有限公司(Guangsha Holdings)の協力により設立。
当初はNBL(中国男子2部リーグ)に参戦し、創設わずか1年でNBL優勝を達成。翌2006–07シーズンからCBAに昇格を果たした。
昇格初年度は16チーム中14位(6勝24敗)と苦戦したが、若手育成と経営基盤の安定を進め、着実にCBA定着を果たした。
チーム名とアイデンティティ
クラブ名にある「猛獅(ライオン)」は、力強さとリーダーシップの象徴として採用された。
広厦グループの企業理念「勇敢・挑戦・団結」を体現するシンボルとして、ライオンをモチーフにしたチームロゴとカラー(黄×黒×白)が採用されている。
浙江の地域性を反映しながら、「南の猛獅」としてCBA南地区で確固たる存在感を放つ。
歴史的歩み
- 2005年: クラブ創設。NBL優勝。
- 2006–07年: CBA昇格。初年度6勝24敗。
- 2013年: 名将李春江がヘッドコーチに就任。以降、チームの競争力が急上昇。
- 2020年代: 浙江サイクロンズとの「浙江ダービー」が注目カードとして定着。
歴代ヘッドコーチ
- カール・ジョン・ニューマン: 2007年にbjリーグ「ライジング福岡」でも指揮。
- 王非(Wang Fei): 元中国代表HC、戦術的バスケを浸透。
- ジム・クリーモンズ(Jim Cleamons): 元NBAコーチ。チームのディフェンス改善に貢献。
- 李春江(Li Chunjiang): 2013年から長期政権。CBA屈指の戦略家として知られる。
プレースタイル
浙江ライオンズは、強力なガード陣による速攻と、組織的ディフェンスを基盤とする戦術で知られる。
特に李春江体制下では、「守備から速攻へ」のトランジションを重視し、若手とベテランが融合したダイナミックなスタイルを展開。
また、ホームの杭州体育館では熱狂的なファンが「ライオンズ・ロアー(獅子の咆哮)」と呼ばれる一体感ある応援を送る。
地域との関係
浙江ライオンズは、企業スポンサーである広厦グループの支援のもと、地域密着型クラブ経営を推進している。
杭州や寧波を中心にバスケットボールクリニックや学校訪問を実施し、地元青少年への育成活動にも積極的。
「浙江から中国を強くする」をスローガンに、地域社会との共生を重視している。
主要データ
- 設立: 2005年
- 本拠地: 浙江省杭州市
- ホームアリーナ: 杭州体育館
- 所属リーグ: 中国プロバスケットボールリーグ(CBA)
- 運営企業: 広厦控股創業投資有限公司
現在のチーム状況
2020年代に入り、浙江ライオンズは若手とベテランを組み合わせたロスター構成で安定した戦いを展開。
国内外の選手をバランス良く起用し、CBA南地区上位常連クラブとして成長を続けている。
また、ライバルの浙江稠州金租との“浙江ダービー”は、毎年大きな注目を集めている。
今後の展望
浙江ライオンズは、「地方クラブから全国制覇へ」を掲げ、CBAタイトル獲得を長期目標として掲げる。
李春江HCの下、育成と戦術の融合によって、今後もCBA南地区の勢力図を変える存在として注目されるだろう。