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神戸ストークス開幕4連勝!――プレミア昇格目前、改革と挑戦が生んだ 緑の革命

神戸ストークス、開幕4連勝でB2制覇へ好発進

2024–25シーズン、B2リーグに新しい風を吹き込んでいるのが**神戸ストークス**だ。
10月4日の開幕戦から破竹の4連勝を飾り、来季からの「Bプレミア参入」を目前に控えたクラブとして理想的なスタートを切った。
新本拠地「**ジーライオンアリーナ神戸**」には2日間で延べ1万7,000人超の観客が詰めかけ、ウォーターフロントを緑一色に染め上げた。

川辺泰三ヘッドコーチ(HC)の就任、寺園脩斗や木村圭吾、八村阿蓮ら新戦力の加入など、オフシーズンに大きな変革を遂げたストークス。
その 再出発の物語 が、早くも形になり始めている。

大型改革の裏側――14人中9人が入れ替わった「覚悟の再構築」

前シーズン、後半の追い上げも及ばずプレーオフ進出を逃した神戸は、**チーム再編という荒療治**に踏み切った。
開業直後のアリーナで戦ったロスター14人のうち、残留はわずか5人。
9人が退団するという大規模な人事刷新により、クラブは「Bプレミア昇格にふさわしいチーム」をゼロからつくり上げる決断を下した。

この背景には、クラブが掲げる「ストークスプライド」という理念がある。
走り、戦い、地域とともに成長する という哲学のもと、**スピードと強度を兼ね備えたチームバスケット**を標榜。
新任の川辺HCは「勝つだけでなく、 どう戦うか を形にしたい」と語り、開幕戦からその姿勢がプレーに表れていた。

新司令塔・寺園脩斗、チームを動かす「走るキャプテン」

B1レバンガ北海道から移籍してきた**寺園脩斗(PG)**は、加入1年目にしてキャプテンを任された。
開幕から2試合連続で6アシストを記録し、攻守両面でチームを牽引。
「皆が同じ方向を向けるようにコミュニケーションを取っている」と語る通り、試合中も声を絶やさず、チームのリズムを作る。

川辺HCが重視する インテンシティ(プレー強度) を誰よりも体現し、攻撃では1on1で状況を打開。守備では前線からプレッシャーをかけ続け、**新生ストークスのエンジン**として機能している。
キャリア8年目のベテランとしての安定感と、リーダーとしての熱量。その両立が、チームの融合を加速させている。

木村圭吾&八村阿蓮――新加入コンビが放つ 勢いの光

寺園と並んで注目されるのが、**木村圭吾(SG)**と**八村阿蓮(SF)**の新加入コンビだ。
木村は古巣・福井ブローウィンズ戦で3Pを13本中6本沈める活躍。第4Qの勝負どころで流れを変える一撃を連発し、チームに勢いをもたらした。
一方の八村は、開幕2試合連続で11得点をマーク。第4Qで同点に追いつくシュートを沈め、逆転のフリースローを決めるなど勝負強さを見せた。

両者に共通するのは、**「チームの課題を自分の役割で埋める意識」**。
木村は「流れを作るために打つべき場面では迷わない」と語り、八村は「自分たちで流れを取り戻せたことが大きい」と成長を実感している。

生え抜きの金田龍弥、先輩たちとの競争で進化を誓う

チームの中核として期待される**金田龍弥(SF)**も、競争を前向きに捉える。
「B1で厳しい経験を積んだ選手が多く、より高いレベルを要求される。その環境が自分の成

【Bリーグ/神戸ストークス】B2最新レポート:GLION ARENA KOBE本格稼働と川辺泰三新体制、“STORKS PRIDE”で挑む2025-26再上昇戦略

神戸ストークスB2最新レポート:GLION ARENA KOBE本格稼働と川辺泰三新体制、“STORKS PRIDE”で挑む2025-26再上昇戦略

神戸ストークスはB.LEAGUEのB2リーグ西地区に所属するクラブで、2025-26シーズンはGLION ARENA KOBE(収容10,168)を本拠に本格稼働。新ヘッドコーチに川辺泰三、GMに九里大和が就き、チームスローガン「STORKS PRIDE -You Show Up!!-」を掲げて再出発した。前々季に平均入場3,047人、シーズン合計91,421人と動員で存在感を示した神戸だが、直近2季はプレーオフを逃している。2025-26はロスターの半数以上を入れ替え、八村阿蓮寺園脩斗笹倉怜寿ヨーリ・チャイルズラウル・アルキンズら主力級を軸に、守備強度と終盤の遂行力で“勝ち切るチーム”への変貌を狙う。

ニュース概要

2025年10月、B2西地区で神戸ストークスは新体制の下、開幕節(10/4-5、GLION ARENA KOBE)を連勝スタート。クラブは以下のトピックを同時に進めている。

  • ヘッドコーチ交代:川辺泰三(前FE名古屋)が就任。AC兼通訳は東頭俊典
  • フロント再編:GMに九里大和。編成・開発・医科学の連携を強化。
  • 主力補強:八村阿蓮(PF/SF)、寺園脩斗(PG)、笹倉怜寿(PG)、木村圭吾(SG)、ヨーリ・チャイルズ(PF)、ラウル・アルキンズ(SF)ほか。
  • アリーナ:GLION ARENA KOBEが通年運用へ。可変照明とセンターハングビジョンで演出強化。
  • カルチャー:「ストークスプライド」(ボールプレッシャー/リバウンド&ルーズボール/ポジションファイト&オンコートトーク)を徹底。
  • ユニフォーム・パートナー:胸シン・エナジー、左肩上組、背面全国福利厚生共済会SAN NEXUS、パンツ神戸トヨペットほか。サプライヤーはPASS THE ROCK

主要キーワード(神戸ストークス / B2リーグ / GLION ARENA KOBE / 川辺泰三)は、本稿の各節で具体的データとともに検証する。

背景と歴史的文脈

ストークスは2011年に兵庫ストークスとして始動。JBL2優勝(2012-13)で存在感を示し、その後西宮ストークスを経て、2023-24に神戸へ移転・改称した。B2では2016-17で43勝17敗・B2優勝→B1昇格を実現した一方、B1では1季で降格。以降は昇格圏に迫る年と停滞する年を繰り返してきた。

リーグ構造の変遷やアリーナ要件の高度化はクラブ運営に大きな影響を与えた。神戸移転後は観客動員の急伸とともに“都市型クラブ”としてのブランドを築き、2025年のGLION ARENA KOBE本格稼働が競技力・収益の両輪を押し上げる前提となっている。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスター(抜粋/ポジション別の役割)

  • PG:寺園脩斗/笹倉怜寿/野溝利一…プルアップ3、アドバンスドエントリー、エンドゲームのA/TO管理。寺園はP&Rでのポケットパス巧者、笹倉はサイズと守備、野溝はテンポチェンジで差異化。
  • ウィング:ラウル・アルキンズ/木村圭吾/道原紀晃/谷直樹…アルキンズはペイントタッチ創出とスイッチ耐性、木村はキャッチ&シュートとストレートラインドライブ、道原・谷はゲームIQとクラッチの安定剤。
  • フォワード:八村阿蓮/金田龍弥/中島三千哉…八村は4番起用のトレイル3&ショートロール、金田はコーナー3とローテーションの早さ、中島はセカンドユニットの潤滑油。
  • ビッグ:ヨーリ・チャイルズ/アイザック・バッツ…チャイルズはPnRロール・リムラン・DREB%で即効性、バッツはハーフコートでの堰き止め役と置き型ポスト。

スタッフは川辺泰三HCの下、AC兼通訳に東頭俊典、ACに下地流星方城素和、スキル開発にマーク貝島が入る。フロントの九里大和GMは編成と開発のPDCAを高速化し、負傷リスク・疲労指標を含む“パフォーマンスKPI連動型ローテーション”を志向する。

試合・出来事の詳細

直近3季の概況:

  • 2023-24:29勝31敗(西5位)。神戸移転初年は入場者数が急伸。91,421人(平均3,047)でB2最多入場記録を複数回更新。競技面は接戦落としが目立ちPO逸。
  • 2024-25:25勝35敗(西6位)。開幕直後こそ上位浮上も、故障者続出と連敗が重なり失速。2季連続でPOに届かず、2部リーグでの最低勝率を更新。
  • 2025-26:開幕節は福井に連勝。GLION ARENA KOBEでは可動席と音響演出を活用し、試合体験を強化。大阪・関西万博会場でのライブビューイングも実施され、「街×アリーナ」の連動を加速させる。

ユニフォームはサプライヤーPASS THE ROCK。胸シン・エナジー、左肩上組、背面全国福利厚生共済会/SAN NEXUS、パンツ神戸トヨペット/KPMG/デジアラHD/オイシス/ベスティ/東伸産業と、地場・全国区企業のバランスが良い。

戦術・技術・スタイル分析

川辺HCの掲げる「STORKS PRIDE」はスローガンにとどまらず、戦術KPIに落とし込まれている。基調は以下の3本柱。

  1. Ball Pressure(ボールプレッシャー):ハーフコート開始1タッチ目から圧力。ウィングでサイドラインを“3rdディフェンダー”化し、弱サイドのタグ→ローテの定型を高速化。相手TOV%の押し上げと、走る回数の増加を狙う。
  2. Rebound & Loose(リバウンド/ルーズ)DREB%はリーグ中央値+2ptをノルマ化。2.9人リバウンド(ボールサイド3人での箱作り)を徹底し、セカンドチャンスの抑制と自軍のEarly Offenseのトリガーに。
  3. Position Fight & Talk(ポジションファイト&トーク):ミスマッチ解消の合言葉をショートコード化(例:“Blue”=早いダブル→Xアウト)。ラインナップ毎に“序・破・急”の役割を共有する。

オフェンスはチャイルズのドラッグスクリーンや八村のトレイル3、アルキンズのペイントタッチでアドバンテージを作り、45度キックアウト→再P&Rで連鎖。寺園・笹倉はSpain PnRのバックスクリーン角度を変えてスイッチミスを誘発する。終盤はBLOB/SLOBのセット(“Horns Twist”、“Stack Rip”等)を定型化し、ATO得点で上積みを狙う。

ファン・メディア・SNSの反応

神戸移転後は「アリーナ体験が目的地になる」という評価が定着。GLION ARENA KOBEの演出、コートサイドの視界、音響の一体感はSNSで拡散されやすく、ビジュアル重視の発信(入場動画、ハイライト短尺)が高いエンゲージメントを獲得している。開幕節の連勝に対し、地元メディアは「守備の強度と厚み」「終盤の意思決定改善」を評価。ベリーグッドマン制作の応援歌「コウノトリ」はコール&レスポンスが明快で、試合展開を後押しする“第6の男”として機能している。

データ・記録・統計情報

過去シーズンの主要戦績(B2/B1)

シーズン リーグ 地区 成績 備考/HC
2016-17 B2 43勝17敗(地区1位) 天日哲也AC体制、B2優勝→B1昇格
2017-18 B1 西 12勝48敗(17位) 残留PO敗退→B2降格
2020-21 B2 西 40勝18敗(地区1位) QF敗退
2021-22 B2 西 36勝19敗(3位) QF敗退
2022-23 B2 29勝31敗(3位) 3位決定戦勝利(年間3位)
2023-24 B2 西 29勝31敗(5位) 動員増でクラブ史に残るシーズン
2024-25 B2 西 25勝35敗(6位) 連敗と故障が響く

個人タイトルでは、トレイ・ポーター(22-23ブロック王)、チョンディー・ブラウン(24-25得点王)など、ポジションの異なるスコアラー/リムプロテクターを要し、補強の方向性は一貫して“ゴール下の強度と決定力”に置かれてきた。2025-26はその系譜上に、ヨーリ・チャイルズの機動力とアイザック・バッツの重量感を共存させる。

リーグ全体への影響と比較分析

B2リーグ西地区で上位へ食い込む条件は明確だ。①守備効率(DefRtg)をリーグ中央値比-2~-4、②クラッチのTOV%を一桁台に、③ホーム勝率.650前後――この3条件がそろえば、年間勝率.600近辺まで自然と押し上がる。神戸はアリーナ効果によりホームの笛・勢いを取り込みやすく、FT Rate(自)を微増させる余地がある。さらに、寺園×笹倉の二枚看板はペースと計算の切替が可能で、終盤の「ボールを落ち着かせる」局面と「走り切る」局面の両方に対応できる。

過去の昇格候補クラブの共通項は、“自分たちが勝てるゲームの型”を序盤で確立し、“勝ち筋以外を削る潔さ”を持ったことだ。神戸ストークスのSTORKS PRIDEはこの哲学に近い。無理なハイペース志向を避け、DREB%とトランジションDのルール徹底で「負けにくさ」を先に担保する――この逆算がB2では効く。八村の4番運用は、相手のビッグを外へ引き出し、チャイルズのロール空間を広げる副次効果を生む点でも合理的だ。

今後の展望とまとめ

短期KPI(~第15節)

  • DREB%:リーグ中央値+2.0pt(セカンドチャンス失点の抑制)
  • クラッチTOV%:9.9%以下(終盤の取りこぼし減)
  • ホーム勝率:.650以上(アリーナ体験×演出の相乗効果)
  • BLOB/SLOB PPP:0.95→1.05(プレイブック定型化)

中期KPI(~第30節)は、八村のアテンプト配分の最適化(ペイント:ミドル:3P=40:30:30目安)、アルキンズのFT獲得(FT Rate+0.03)、寺園/笹倉の2ガード時NetRtgの黒字維持が焦点。ロスターの健康管理・ファウルマネジメントをトリガーに、アウェイの1勝を確実に拾う設計へ移行したい。

収益面では、GLION ARENA KOBEのキャパを活かし、価格階層・企画席・ホスピタリティの可変運用で客単価×稼働率の同時最適化を進める。地域連携(学校招待/万博会場LV/港湾エリア連動)を通じて新規→ライト→コアへのファン育成ラインを太くし、シーズン後半の勝負どころでホームコート・アドバンテージを最大化することが昇格レースの前提条件となる。

結論:神戸ストークスはB2リーグ西地区において、「守備の再現性」「終盤の定型化」「ホームの熱量」を鍵に、2025-26で再上昇のフェーズへ入った。川辺泰三の下、STORKS PRIDEが実装されたとき、神戸は“勝ち切る”姿へ最短距離で近づく。この記事が有益だと感じた読者は、周囲にGLION ARENA KOBEの試合日程を共有し、会場の一体感づくりに参加してほしい――あなたの一声が勝率を変える

【Bリーグ/神戸ストークス】GLION ARENA KOBE元年で加速――川辺泰三体制と大型補強でB1回帰ロードを描く【Bリーグ/B2西地区】

ニュース概要

神戸ストークスが、2025-26シーズンに向けて体制と環境の両輪を一新した。新本拠地GLION ARENA KOBE(収容10,168人)の本格稼働、川辺泰三ヘッドコーチ就任、そして寺園脩斗・笹倉怜寿・八村阿蓮・木村圭吾・アイザック・バッツらの的確な補強で、クラブはB1回帰を見据えた「勝てる土台」づくりを加速させている。開幕節は10月4〜5日の福井戦を連勝で飾り、5日には大阪・関西万博会場での大規模ライブビューイングも実施。観客動員の伸長とコート上の再現性向上を同時に狙う、競技×事業の両面強化が今季のキーワードだ。本稿では、クラブの歴史と転機、ロスターと戦術、競合との比較、そしてB1復帰への現実的なロードマップを、データと事例を交えながら解説する。

背景と経緯

2011年に「兵庫ストークス」として船出したクラブは、2015年に「西宮ストークス」へ、そして2023年に神戸へ移転し現名称神戸ストークスとなった。Bリーグでは2016-17にB2優勝と昇格を果たすも、翌2017-18はB1で苦戦して1年で降格。以降はB2でプレーオフ常連の座と浮き沈みを繰り返し、2024-25は25勝35敗(西6位・全体10位)とクラブの2部最低勝率を更新。勝敗面で苦渋を舐める一方で、神戸移転後は動員が右肩上がりとなり、B2最多入場者数記録を複数回更新した。2025年に開業したGLION ARENA KOBEの存在は、「ホームアドバンテージの最大化」において決定的な意味を持つ。

2025-26は川辺泰三の新体制で再スタート。チームカルチャーを「ストークスプライド(ボールプレッシャー/リバウンド・ルーズボール/ポジションファイトとオンコート・トーク)」と再定義し、守備の強度と球際の執着を明文化した。編成面では、八村阿蓮のフィジカルと万能性、寺園脩斗笹倉怜寿のボールハンドリング、木村圭吾のスコアリング、そしてアイザック・バッツのリム・プレゼンスを軸に「サイズ×遂行力×意思決定」の三位一体で勝ち筋を描く。

選手・チームのプロフィール

クラブの輪郭

  • 所属:B2西地区
  • アリーナ:GLION ARENA KOBE(収容10,168)。アクセス性と視認性を両立した都市型アリーナで、演出とホスピタリティの両輪が強み。
  • チームカラー:グリーン/ブラック。スローガン「ALL GREEN」の文脈を基盤に、2025-26は「STORKS PRIDE -You Show Up!!-」で競争姿勢を可視化。
  • 運営:株式会社ストークス。親会社はスマートバリュー。地域施策「STORKS CONEST」や、プレシーズン興行「KOBE RISING」を通じて市民接点を拡張。

ロスターの中核(2025-26)

  • G:寺園脩斗(1.71m)、笹倉怜寿(1.87m)、野溝利一(1.65m)。ギャップ創出/終盤の意思決定/P&Rのテンポ管理が役割。寺園はスモールでも齟齬の少ないハンドラー、笹倉はサイズと守備のスイッチ対応が魅力。
  • ウィング:木村圭吾(1.88m)、道原紀晃(1.78m)、中島三千哉(1.79m)、金田龍弥(1.95m)。ペリメータの重力+連動カットでハーフコートに潤滑を与える。
  • フォワード:八村阿蓮(1.98m)、ラウル・アルキンズ(1.96m)、ヨーリ・チャイルズ(2.02m)。スイッチ守備・強度・ミスマッチ狩りの三拍子。八村はフェイスアップとミドルでの打開力が鍵。
  • センター:アイザック・バッツ(2.08m)。スクリーンの角度とロールの深さでペイントを制圧し、DREBで1ポゼッション完結力を供給。

年齢構成はベテランの経験値とU25の伸びしろが適度に混ざり、「計算できるコア+変数」のバランスが良い。川辺HCのカルチャー設計と親和性が高く、守備ルールの遵守で勝率の分散を抑えられる構図だ。

試合・出来事の詳細

開幕節連勝と「ホームの作法」

10月4〜5日の福井戦は、新加入勢が躍動して2連勝。トランジションのトーンを抑え、ハーフコートでの最短距離のアドバンテージ確保(ドラッグスクリーン、アーリーシール、ショートロール→0.5秒の意思決定)が機能。終盤は寺園と笹倉の時間帯分けでターンオーバーを管理し、バッツのDREBから2次加速で追加点を重ねた。5日のゲームは夢洲・万博会場でのライブビューイングを併催し、「会場外での同時体験」という新たな導線を設けたのも注目点だ。

2024-25の反省と、2025-26のアップデート

昨季は29→25勝へと後退し、9連敗や故障連鎖で再現性が崩れた。特に課題は「失点の質」で、セカンドチャンスとファウル由来の失点が重なり、接戦の勝ち切り率を下げた。今季はバッツの合流で1stポゼッション完結率が上がり、ウィングのスイッチ守備で相手の1stアクション遅延が可能に。八村とアルキンズのサイズ・機動力によって、相手のショートクロックを強要できる。

他事例との比較・分析

1) B2西地区のゲームモデルと対抗軸

西地区はサイズ・遂行力・ハーフコートの均質性が高く、拮抗試合が多い。神戸はそこに対し、「守備の規律化 × ペイントタッチの回数増」で勝ち筋を設計する。ディープドロップに対してはショートロールの0.5秒判断、スイッチに対してはインサイドのアーリーシールとウィークサイドの45度リフトでヘルプの判断を難しくする。守備はICE弱サイドのタグを徹底し、トランジション抑制→ハーフコート勝負に誘導する。

2) アリーナ移転・新設のベンチマーク

国内外のバスケ市場で、新アリーナ元年は平均入場者・物販・スポンサー露出が伸びやすい。鍵は「再訪動機の設計」だ。座席快適性、導線、演出、音響、飲食、モバイル体験(チケレス/モバイルオーダー/ポイント連動)、ファミリー施策、そして勝率。GLION ARENA KOBEのキャパ10,168は、平均稼働率×単価×来場頻度の最適化で、B2水準を超える収益ポテンシャルを持つ。神戸はKOBE RISINGなど独自イベントで非試合日も人を呼べる「目的地化」を狙える。

3) 人件費と競争力の相関――中期の最適化

昇格争いは往々にして人件費=勝率の相関が高いが、全てを上積みするのではなく、国内枠の再現性外国籍のフィットの総合で「1勝あたりコスト」を抑えるのが肝。今季の神戸は寺園+笹倉のボール保持力八村・アルキンズのサイズバッツのリム制圧“相性”の良いパーツを選べている。これにより、終盤の「異常値に頼る勝ち方」から「積分的に勝ち切る」スタイルへ移行できる。

今後の展望とまとめ

短期KPI(今季)

  • ディフェンス:相手の2ndチャンスポイントFT由来失点の抑制。バッツのDREB%最大化と、八村・チャイルズの外→中のスクラムでボールに群がる。
  • オフェンス:ペイントタッチ回数FT獲得率の継続的増加。寺園のペースコントロール、笹倉のサイズミスマッチ活用でクラッチの選択肢を明確化。
  • ホームアドバンテージ:平均稼働率の引き上げと顧客生涯価値(LTV)の最大化。ライブビューイングやファミリー施策とのセットで来場頻度を増やす。

中期ロードマップ(2〜3年)

U25の成長曲線(木村・中島・金田・野溝)をローテに組み込み、「守備の自前化」を推し進める。ドラフトや特別指定でウィング守備×ショットのプロスペクトを継続的に補給し、外国籍の役割特化で上振れを狙う。編成の柔軟性を維持できれば、B1昇格後の戦線維持も視野に入る。

リスクと代替プラン

  • 故障リスク:ガードの稼働率低下は致命的。二重系(寺園×笹倉)運用に加え、オンボールを八村・アルキンズに一時移譲するセットを常設。
  • 勝ち切り力:クラッチの意思決定にブレが出た場合、ATO(タイムアウト後)のセットとSLOB/BLOBの成功率で短期補正。
  • 動員回帰:“初モノ効果”の剥落に備え、リピーター施策を積層。デジタル会員の段位制度、非試合日開放、地域連携の常設化で日常的接点を増やす。

結論

神戸ストークスは、GLION ARENA KOBEを舞台に、川辺泰三体制のカルチャー浸透と的確な補強で、「守備の規律×ペイントタッチ×ホームの作法」という明快な勝ち筋を手に入れた。B2西地区の均衡を割るには、細部の積分がすべてだ。球際、トーク、ポジショニング──ストークスプライドが1点を動かす。今季の神戸は、B1回帰ロードを現実のものにできるか。この記事が観戦計画や議論の起点になれば幸いだ。気になるポイントやデータの深掘りを共有し、#神戸ストークス とともにこの新時代を追いかけよう。