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Bリーグ10周年特別ユニフォーム企画|各クラブが“地域の誇り”をデザインに込める

企画概要

Bリーグは2025-26シーズンで開幕から10周年を迎え、この節目を記念して特別プロジェクト「B.LEAGUE 10th ANNIVERSARY」を展開している。その中核となるのが、各クラブが独自に制作した「10周年特別ユニフォーム」だ。単なる記念ユニフォームではなく、クラブの歴史、地域性、ファンとの絆を象徴する“文化的メッセージ”がデザインに込められていることが特徴で、SNS上でも「記念デザインがアツい」「クラブ愛が伝わる」といった声が急増している。

2016年の開幕以来、Bリーグは地域密着型のスポーツビジネスモデルを築き上げてきた。プロクラブが地域のシンボルとなり、バスケットボールを通じて街を盛り上げるという理念は、全国のファンの支持を得て年々拡大している。その10年の歩みを“ユニフォーム”という形で振り返り、未来への決意を表現する今回の企画は、単なるスポーツイベントの枠を超え、地域文化・デザイン・経済を巻き込む総合的なキャンペーンへと発展している。

10周年プロジェクトの狙い

リーグ事務局によると、「10周年特別ユニフォーム企画」は次の3つを目的としている。

  1. クラブのアイデンティティ再確認:10年の歴史の中で積み重ねてきた地域貢献やチーム文化を再構築し、デザインに落とし込むことでクラブの価値を再発信。
  2. 地域・ファンとの再結合:ユニフォームを通して、地域に住む人々やブースターが改めて自分たちのチームを誇りに思える機会を創出。
  3. 未来へのビジョン提示:次の10年に向けた挑戦を象徴的に示すため、過去と現在を結ぶ“未来志向のデザイン”を各クラブが追求。

この3要素を共通テーマとしつつ、実際のデザインやストーリーは各クラブが完全独自に制作しており、まさに「47都道府県の個性が並ぶ美術展」のような多様性を見せている。

デザインの特徴と制作コンセプト

各クラブのデザインには共通点もあれば、地域固有の表現も多い。全体的な傾向として、以下のようなポイントが挙げられる。

  • カラー設計:10周年の“節目”を表す象徴色として、金・銀・黒をベースにしたメタリック調の配色が主流。中には地元の伝統色(藍、朱、萌黄など)をアクセントに使用するクラブも多い。
  • 素材と質感:高級感を演出するグロッシーな質感、あるいは環境配慮を意識したリサイクル素材を採用。これにより「地域×サステナブル」の新しい価値を打ち出すチームもある。
  • グラフィックモチーフ:チームロゴや地元名所、歴史的建造物、自然風景などを抽象化し、パターン化して配置。例えば、山形ワイヴァンズは蔵王の樹氷を、長崎ヴェルカは出島をモチーフに採用。
  • メッセージ性:背面襟元や裾部分に“10th Anniversary”の文字と共に、チームスローガンや地域方言のメッセージを刺繍で入れるなど、細部へのこだわりも見られる。

クラブ別の代表的デザイン例

特に注目を集めたのが鹿児島レブナイズの記念ユニフォーム。黒と金を基調にしたボディには、桜島のシルエットと噴火を象徴するラインを配置。さらに、地元のブースター・地域社会・クラブの三位一体を示す三角形のグラフィックをあしらい、「過去・現在・未来」をつなぐコンセプトを体現している。プレシーズンではこのユニフォームを実際に着用し、選手のサイン入りセットをチャリティオークションに出品するなど、社会貢献にも結びつけた。

琉球ゴールデンキングスは、沖縄の伝統的な織物“ミンサー柄”をサイドパネルにあしらい、「五つと四つの絣模様=いつ(五つ)の世(四つ)までも幸せに」という意味を込めた。ファンからは「沖縄らしさとチームカラーが完璧に融合している」と絶賛されている。

宇都宮ブレックスは、栃木の県花“ヤシオツツジ”の色をアクセントに使用。10年にわたる「堅守速攻」のアイデンティティを、斜めに走る稲妻ラインで表現している。さらに、背番号下には10周年を象徴するゴールドプレートが施され、王者の風格を感じさせる仕上がりとなった。

そのほか、名古屋ダイヤモンドドルフィンズは都市と未来をテーマにしたネオンブルーのグラデーション、秋田ノーザンハピネッツは秋田犬と雪国の情景を融合した白基調のデザインなど、各クラブが地域文化を背景に独自の表現を見せている。

制作プロセスと地域連携

興味深いのは、デザイン制作の段階から地域住民や地元学生が関わるケースが増えている点だ。例えば、富山グラウジーズでは地元美術大学の学生がアイデアを提案し、最終案に採用された。また、愛媛オレンジバイキングスは地元の染織職人と協働し、伝統工芸をデジタルパターンに転換した。こうした“共創型デザイン”は、クラブと地域が共に歩む象徴として新しい注目を集めている。

また、Bリーグ全体としても、環境負荷低減に向けた「サステナブルユニフォーム」推進を掲げており、再生ポリエステル素材を使用するクラブが増加。スポーツビジネスと社会的責任の両立という面でも、新しい取り組みの一環といえる。

SNSでの反響とファンの声

「#Bリーグ10周年」「#10年前の夢」「#クラブ愛ユニフォーム」などのハッシュタグを中心に、SNSでは各チームのユニフォーム投稿が拡散中。ファンからは「デザインに地元の誇りが詰まっている」「10年分の思い出がよみがえる」「限定版だから絶対ほしい」など、熱いコメントが多数寄せられている。

特に、初期B3時代からクラブを応援してきた古参ブースターほど感慨深いようで、「この10年を見守ってきた身として胸が熱くなる」「あの時の苦労を思い出す」といった投稿も目立つ。さらに若年層の間では「推しクラブのユニフォームをストリートファッションとして着たい」という声も多く、アパレル化の可能性も広がっている。

10周年ユニフォームが示す“文化的進化”

ユニフォームというと、これまでは機能性やスポンサー露出を中心に語られることが多かった。しかし今回の10周年企画では、“クラブの哲学と地域文化の融合”という新たな価値が浮かび上がっている。例えば、湘南ユナイテッドBCのユニフォームには「海と風」をイメージした波線パターンが入り、静岡ベルテックスは「富士山」を抽象化したトライアングルが胸元にあしらわれている。これらは単なるビジュアルではなく、地域に生きる人々の誇りと記憶を形にしたものである。

このように、クラブのユニフォームは“スポーツウェア”から“文化のメディア”へと進化しており、Bリーグの10年の成熟を象徴する現象と言える。

販売・展開と今後の注目ポイント

記念ユニフォームは、クラブ公式オンラインショップや試合会場限定での販売が中心。選手着用モデルのレプリカや、限定Tシャツ・フォトブックなどもセット販売されており、ファンの購買熱が高まっている。また、リーグ全体では記念展示やフォトスポットを全国アリーナに設置する構想もある。

さらに、今後はNFTやデジタルコレクションとの連動も検討中で、バスケットボール×テクノロジーの新しい試みとして期待されている。

総括

開幕10周年を迎えたBリーグの特別ユニフォーム企画は、単なる記念イベントにとどまらず、「地域・ファン・クラブが共に築く10年の物語」を可視化するプロジェクトとなっている。デザイン一つひとつに“地元の息遣い”があり、選手がそれを身にまとうことで、コート上のプレーがより象徴的な意味を帯びる。

「ユニフォームは、チームの歴史を着ること」。その言葉どおり、今回の企画はBリーグ全体にとっての原点回帰であり、次の10年を切り拓く新たな一歩だ。SNSでも「地元に誇りを持てる」「子どもがこのユニフォームを見てバスケを始めた」といった声が広がっており、Bリーグが目指してきた“地域共創型リーグ”の理想形がここにある。

10年前、まだ統一リーグ構想が始まったばかりだった日本バスケ界。そこから10年、Bリーグは「文化」としての地位を確立しつつある。その象徴が、まさにこの10周年特別ユニフォームである。

アルバルク東京が新アリーナ移転記念ユニフォームを発表!アディダスと10年の集大成

TOYOTA ARENA TOKYO元年を飾る一着、アルバルク東京が新ユニフォーム発表


2025年8月1日、Bリーグ屈指の強豪・アルバルク東京が待望の2025–26シーズン新ユニフォームを公式発表した。アディダス ジャパンとのパートナーシップ10周年を迎える節目にふさわしく、デザイン・機能・コンセプトのすべてが刷新された 特別仕様 となっている。

今季より本拠地を新設された「TOYOTA ARENA TOKYO」へと移すクラブは、新たなステージでのスタートを記念し、伝統と革新が融合したユニフォームをお披露目。クラブのブランド価値、都市とのつながり、ファンとの一体感をデザインに込めた意欲作だ。

アディダスとの協業10周年が生んだ洗練デザイン

アルバルク東京とアディダスの関係は、Bリーグ創設初年度から続く深いもの。今回のユニフォームでは「シンプルで洗練されたデザイン性」をベースに、TOYOTA ARENAの象徴である「ドレープ形状のファサード(建築外観)」をサイドパネルに落とし込んだ。これにより、建築的な美しさとバスケットボールの機動力が見事に調和している。

胸のスポンサーロゴ配置、ロゴカラーの統一、縫製の見直しなど細部にもこだわりが宿る。クラブが長年追求してきた「東京らしい洗練されたチーム像」が、今作で一層色濃く表現されている。

選手のパフォーマンスを引き出す「クライマクール」初採用

機能面でも画期的な進化を遂げた。初めて採用されたのが、アディダス独自の通気性素材「クライマクール(ClimaCool)」だ。このテクノロジーにより、激しいプレー中でも速乾性が保たれ、選手の体温と集中力の維持をサポート。3×3のような高速展開にも対応できる高機能ウェアと言える。

また、全ユニフォームは環境配慮にも優れたリサイクルポリエステルを100%使用。未使用のバージンプラスチックは不使用で、サステナビリティを意識したアプローチが徹底されている。

個性を背負う クルマ名 プリントが今年も健在

ファンに人気の要素の一つが、背番号の下にプリントされる「TOYOTA車種ロゴ」だ。この取り組みは2020–21シーズンから続くもので、選手ごとに異なるクルマの名称が刻まれる。選手の個性とクルマのイメージを重ねる粋な演出が、今年も継続される。

例えば、パワフルなプレーで知られる#11セバスチャン・サイズには「ランドクルーザー250」、スピードと機動力が光る#2大倉颯太には「ヤリス クロス」が割り当てられている。以下は今季の一覧である。

  • #0 ブランドン・デイヴィス × ハイエース
  • #2 大倉 颯太 × ヤリス クロス
  • #3 テーブス 海 × bZ4X
  • #5 中村 浩陸 × ヤリス
  • #9 安藤 周人 × RAV4
  • #10 ザック・バランスキー × プリウス
  • #11 セバスチャン・サイズ × ランドクルーザー(250)
  • #13 菊地 祥平 × クラウンスポーツ
  • #17 マーカス・フォスター × ヴェルファイア
  • #21 平岩 玄 × ランドクルーザー(70)
  • #22 ライアン・ロシター × アルファード
  • #25 福澤 晃平 × カローラクロス
  • #75 小酒部 泰暉 × ハリアー
  • #96 CUE6(ロボット) × MIRAI

選手と愛車の結びつきが、ファンとの距離を縮めるユニークな試みとして高く評価されている。

TOYOTA ARENA TOKYOと未来の象徴としての一着

TOYOTA ARENA TOKYOは、バスケ専用施設として最新鋭の機能と演出設備を誇る。新ユニフォームは、ただの衣装ではなく、この新アリーナ時代の象徴であり、文化的アイコンでもある。試合中の演出との相乗効果も期待され、視覚的なインパクトとブランディングを兼ね備えている。

同時に、こうした新たな装いは選手たちにとってモチベーション向上の源泉にもなる。3×3のように 魅せる スポーツの視点からも、新ユニフォームが担う価値は大きい。

Bリーグ全体に広がるユニフォーム革新の波

アルバルク東京の事例は、Bリーグ全体で進むユニフォームデザインの変革トレンドとも一致する。各クラブが新アリーナ建設やパートナー企業との連携を契機に、 見せるユニフォーム へと進化を遂げている。たとえば千葉ジェッツの「ZOZO PARK ARENA」移転、宇都宮ブレックスの新ビジュアル統一戦略などがその好例だ。

メディア・ファンの反応とSNSでの広がり

SNS上では「かっこよすぎる!」「サイズ選手のランドクルーザーが渋い」「MIRAIに乗るCUE6が未来すぎる」といった声が多数投稿され、発表当日からX(旧Twitter)でトレンド入り。ユニフォームのデザインと意味づけが共感を呼び、ファングッズとしての需要も高まっている。

まとめ:ユニフォームに込めた 次の10年 への決意

アルバルク東京の2025–26新ユニフォームは、単なる衣替えにとどまらず、クラブのビジョンや価値観、新アリーナへの思いが詰まった 宣言 とも言える存在だ。

新たなホーム、新たな戦い、新たな誇り——。アルバルク東京の挑戦は、ここからまた始まる。