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【Bリーグ/鹿児島レブナイズ】B2西地区で台風の目に―昇格復帰2年目の現状と課題、戦術、歴史、データで読み解く「レブナイズの現在地」

鹿児島レブナイズがB2西地区で台風の目に―昇格復帰2年目の現状と課題、戦術、歴史、データで読み解く「レブナイズの現在地」

鹿児島レブナイズはB.LEAGUEのB2リーグ西地区に所属するプロバスケットボールクラブ。ホームは鹿児島市の西原商会アリーナで、2024-25にB3からの昇格即西地区2位(37勝23敗)と躍進、クォーターファイナルで敗退しつつも復帰初年としては上々の出発を切った。2025-26はフェルナンド・カレロ・ヒルHCの継続指揮、編成部門の強化、そしてアリーナ施策の深化を軸に「定着と上積み」を狙うシーズンだ。本稿ではニュース、背景、ロスター、戦術、データ、文化・地域発信までを横断し、百科型×分析型の観点からレブナイズの現在地を立体的に整理する。

ニュース概要

2025年秋時点での主なトピックは以下の通り。

  • B2復帰2年目に突入:2024-25は西2位(37勝23敗/得点4,934・失点4,713・点差+221)でQF敗退。昇格初年度としては十分な競争力を示した。
  • 指揮官:スペイン出身のフェルナンド・カレロ・ヒルが続投。アシスタントに伊藤治矢、アルナウ・ピナ・ラゴ(S&C)ら専門スタッフを配置。
  • 主な戦力:221cmのマット・ハームス(2024-25 Avg. Blocks 2.2でB2ブロック王)、アンソニー・ゲインズ・ジュニア(Bリーグ・オールスター ダンクコンテスト優勝)、帰化枠のジュフ・伴馬、攻守に献身的なウィング飴谷由毅、テンポを作る兒玉貴通ほか。
  • 編成/運営:GMに篠原滋が就任(前:岩手GM)。アカデミー統括はクラブ初の永久欠番「41」松崎圭介が担う。
  • 集客:B3時代からの企業版ふるさと納税の活用や市民招待で裾野を拡大。B.ONE基準(平均2,400人以上)を満たす土台を整えた。

主要キーワード(鹿児島レブナイズ/B2リーグ/西原商会アリーナ/フェルナンド・カレロ・ヒル)は本稿全体で繰り返し参照し、SEO上の文脈を通底させる。

背景と歴史的文脈

レブナイズの源流は県内の教員クラブ鹿児島教員レッドシャークス。2008年にレノヴァ鹿児島としてJBL2に参戦し、地域に根ざしたクラブ運営を続けてきた。2016年、B.LEAGUE発足に伴う商標対応で現名称「鹿児島レブナイズ」へ。B2初年度(2016-17)は体制構築の遅れもあり7勝53敗で最下位、経営難も重なってB2ライセンス不交付→B3降格という苦渋を味わう。

しかし、2017-18以降は新運営会社への移行、地元企業・自治体との関係再構築、クラウドファンディングや企業版ふるさと納税の活用などで財務を立て直し、競技面ではHC交代と補強を繰り返しながら徐々に勝率を回復。2021-22(B3)34勝13敗2022-23(B3)41勝11敗2023-24(B3)41勝11敗で準優勝→B2昇格と右肩上がりに転じ、2024-25でB2西2位に躍進した。クラブの文化的資産であるれぶにゃん、チアREIBESの発信も地域浸透に寄与。昇格後も“地域密着×勝負の現場”の両立を進めている。

選手・チームのプロフィール

2025-26の登録は流動的だが、コアの考え方は明快だ。以下は役割ベースのプロファイル(身長・体重等は公表値に準ずる)。

  • マット・ハームス(C):221cmのリムプロテクター。Drop主体のカバレッジでペイント期待失点を圧縮。オフェンスはダイブ&プットバックが主武器。
  • アンソニー・ゲインズJr.(SG/SF):アスレチックウィング。トランジションとハーフコートのアタックでFT Rateを引き上げる。肘位置のアイソレーションも強み。
  • 飴谷由毅(SG/SF):キャッチ&シュート、ディフレクション、ヘルプ責任の明確化によりラインナップのバランサーとして機能。
  • 兒玉貴通(PG):ペースコントロールとハーフコートの整理。BLOB/SLOB後のATOを丁寧に遂行。
  • 三森啓右/遠藤善/藤田浩司:ローテーションの厚みを担う。3&Dやオフボール・カッティングでスペーシングを担保。
  • (随時)特別指定・育成枠:2024-25は井上大道の加入が話題化。将来資産の育成と勝負の両立を図る。

フロントは篠原滋GMの下で「B2上位~昇格戦線で戦えるロスター密度」をKPI化。アカデミーは松崎圭介が統括し、底層からのタレントパイプライン強化を進める。

試合・出来事の詳細

2024-25のシーズンは、外部下馬評「下位予想」を覆す開幕4連勝で波に乗った。中盤は上位勢との連戦で失速も、要所で白星を拾い37勝23敗。特筆は守備の粘りとクラッチ局面の遂行で、終盤のゲームマネジメントは前年B3プレーオフの経験値が糧となった。途中でカイル・リチャードソンの移籍がありながらも、ジェームズ・エニスの獲得、若手の台頭で戦力の地殻変動をプラスに転換。アンソニー・ゲインズJr.がダンクコンテスト優勝という話題を提供し、チームの露出は全国区へ広がった。

ホームの西原商会アリーナでは、価格階層の最適化や体験型の演出を強化。市民招待・学校招待と合わせて「初めて来場したライト層→2度目の来場→会員化」への導線作りを丁寧に積み上げた。B2プレーオフの壁は破れなかったが、“一過性の躍進”ではなく“土台を作った”という評価が妥当だ。

戦術・技術・スタイル分析

フェルナンド・カレロ・ヒルHCのベースは「組織ディフェンス→速い切り返し」。以下のように数式化できる。

  1. 守備カバレッジ:ペイント保護を最優先。Drop/ICEを軸にしつつ、相手のシューター配置次第ではShow→RecoverSwitch Lateで変化を付ける。ハームスのリムプロテクトでAt Rim FG%を下げ、ウィークサイドのタグとXアウトをリズム化。
  2. DREB%→トランジション:DREB%(守備リバウンド率)をリーグ中央値+2ptに置き、ディフェンスからの0-6秒の攻撃回数を増やす。ゲインズJr.のランニングレーン確保が鍵。
  3. ハーフコートO:Spain PnR、Horns Twist、Chicago Actionを日替わりで。肘位置のハイポ対面からハームスのショートロールにcorner liftを連動し、コーナー3の期待値を引き上げる。
  4. クラッチの定型化:終盤のATO(タイムアウト明けセット)でBLOB/SLOBのPPPを1.00超へ。ボール保持は兒玉、決定打はゲインズJr.か、角度次第で飴谷のキャッチ&シュートに寄せる。

ポイントは「やらないことを決める」整理。早打ちの低効率3無理筋のアイソ連打オフェンスリバウンド過多による戻り遅れなど、負け筋を削り、守備→走るの再現性で勝率を安定させる設計だ。

ファン・メディア・SNSの反応

鹿児島レブナイズのホームは“家族で行ける非日常”」という声が増えた。れぶにゃんの演出はSNS映えし、来場者のUGC(ユーザー生成コンテンツ)を誘発。B3時代からの「市民招待」文脈がB2でも活き、“フルハウスの日の音圧”は明確にホームアドバンテージを作る。メディアの論調は「昇格直後に2位は上出来」「POの壁をどう破るか」に収斂。熱量は高いが、勝敗のリアリズムを求める声も増え、勝ち切り力への期待が強い。

データ・記録・統計情報

直近主要シーズンのスナップショット:

シーズン 所属 順位・成績 指揮官 トピック
2016-17 B2西 6位 7勝53敗 鮫島俊秀 初年度・経営難→B3降格
2021-22 B3 34勝13敗(4位) P.クルニッチ 競技・運営とも持ち直し
2022-23 B3 41勝11敗(4位) P.クルニッチ PO QF敗退も地力向上
2023-24 B3 41勝11敗(3位・準優勝) F.カレロ・ヒル B2昇格
2024-25 B2西 2位 37勝23敗 F.カレロ・ヒル 点差+221、QF敗退

個人系では、マット・ハームスがB2のブロック王(2.2/試合)アンソニー・ゲインズJr.ダンクコンテスト優勝。チームの勝ちパターンは、DREB%の優位→速攻点、FT獲得、クラッチのTOV抑制という整理に還元できる。

リーグ全体への影響と比較分析

B2西は上位の完成度が高く、“勝率.600前後の密集ゾーン”で星の貸し借りが激しい。昇格候補の共通項は、①ホーム勝率.700付近、②クラッチPPPの黒字(1.02以上)、③失点の中央値比-2~-4に守備効率を収める、の3点。レブナイズは西原商会アリーナの熱量で①は現実的、②③はハームスの存在×ファウルマネジメント、そしてゲインズJr.のFT Rate次第で到達可能だ。

比較対象として、同じく地方都市をベースにB2で存在感を強めたクラブは、“やらないことの明文化”“控えの継戦力”で勝率を底上げした。鹿児島はローテ8~9人目のディフェンス強度を落とさず、15~28分帯の失点を詰められるかがカギになる。B.ONE要件(平均入場2,400以上)を満たし続けることで編成予算の継続的な厚みも見込め、競技と事業の正の循環を作りやすい。

今後の展望とまとめ

短期KPI(~第12節)

  • DREB%:リーグ中央値+2.0pt(セカンドチャンス失点の抑制)
  • クラッチTOV%:9.9%以下(取りこぼし減)
  • ホーム勝率:.700以上(アリーナ効果を最大化)
  • BLOB/SLOB PPP:1.00→1.05(ATOの定型化)

中期KPI(~第30節)は、ゲインズJr.のFT Rate+0.03、飴谷のCorner 3成功率35%台維持、ハームスのファウルコントロール(PF/36を3.5以下)で守備の柱を崩さないこと。編成では、プラスマイナスが黒字のラインアップを3種類以上持つ(相手プロファイル別の勝ち筋の使い分け)。

結論:鹿児島レブナイズはB2リーグ西地区で「守備の再現性」「クラッチの定型化」「ホームの熱量」を組み合わせ、“昇格直後のサプライズ”から“安定して勝ち切る常連”への移行点に立っている。西原商会アリーナを満たす声援は勝率に直結する。この記事が役立ったと感じたら、試合予定を家族・友人に共有し、次のホームゲームに誘ってほしい。スタンドの一体感こそ、鹿児島の最大の武器だ。

【Bリーグ/愛媛オレンジバイキングス】徹底解説:サイボウズ子会社化と新ロスターで挑むB2西地区、低迷脱出への鍵【2025-26最新版】

愛媛オレンジバイキングスは、B2西地区での巻き返しを至上命題に掲げるクラブだ。bj創設期の大分ヒートデビルズから長い変遷を経て、愛媛一本化後は地域密着と競技力強化の両立に挑んできた。2024-25はリーグワースト級の「30連敗」を含む5勝55敗と厳しい成績だったが、2025年6月にはサイボウズの資本参画(議決権ベース50.15%)が決定。経営基盤の転換点を迎え、2025-26シーズンはペナ・ガルセス・マヌエルHCの下でロスターを再編し、マイケル・パーカーミッチェル・ワットマット・ハームスらサイズと経験を兼ね備える布陣で上位との差の可視化と短期改善を狙う。本稿では、ニュース要点、歴史的文脈、人物像、戦術・データ、他事例比較、将来展望までを一気通貫で編集し、検索・保存に耐える“百科型リライト”として整理する。

ニュース概要

2025-26開幕を前に、愛媛オレンジバイキングスは経営・編成の両面で大きく動いた。トピックは次の3点だ。

  • 資本・ガバナンス:2025年6月25日、運営会社がサイボウズの連結子会社に。議決権50.15%取得によりコーポレート体制が刷新され、中期投資の意思決定と人材採用の柔軟性が増す。
  • ロスター:主将は俊野佳彦。名将に仕えた実績豊富なマイケル・パーカーの加入(PF/43歳)でロッカールームの規律を強化。インサイドは2.21mのマット・ハームス(C)と、欧州で実績のあるミッチェル・ワット(C/PF)でサイズを確保。
  • ベンチ:ペナ・ガルセス・マヌエルHCギレルモ・サンチェス・ダサACによる欧州色の濃い戦術再構築。ハーフコート効率とリバウンドセキュリティを最優先テーマに置く。

会場は松山市総合コミュニティセンターを軸に県内分散開催の歴史を持つ。チームカラーは「オレンジ」。クラブ名は県産みかんと瀬戸内水軍文化に由来し、地域性の強いブランディングを継承している。

背景と歴史的文脈

2005年、bjリーグ初年度に大分ヒートデビルズとして誕生。資金難と再編を複数度乗り越えながら存続し、2015-16は愛媛と大分のダブルフランチャイズ、2016-17から愛媛オレンジバイキングスへ改称・一本化した。Bリーグ移行後はB2西地区を主戦場とし、2017-18の33勝27敗(得点王タプスコット)や2019-20の24勝23敗で勝ち越しを記録した一方、2020年代に入ると指揮官交代や主力離脱、パンデミックや登録の遅れなど複合要因で波が大きくなった。

特に2024-25はシーズン序盤から歯車が噛み合わず、リーグワースト級の30連敗を計上。最終成績は5勝55敗、得失点差-1,130で西地区最下位・リーグ最下位を喫した。ただし個人ではCのナイジェル・スパイクスがリバウンド王(12.00)を獲得するなど、断片的な強みは確認できた。

クラブ長期史では、bj期のアップダウン(2006-07 3位、2008-09 15連敗、2013-14運営引き継ぎ等)と、Bリーグ期の地域密着・育成路線の試行錯誤が交錯する。2025年のサイボウズ子会社化は、この長いボラティリティの終止符を目指す構造転換と言える。

選手・チームのプロフィール

2025-26ロスターの編成思想は「経験×サイズ×規律」。主な顔ぶれと役割は以下の通り。

  • PF 3 マイケル・パーカー(43)2.00m:Bリーグを代表する万能型フォワード。ボールに寄る感度とヘッジ→リカバリーの速さで守備の“共通速度”を上げる。終盤のフリースロー獲得やルーズボール確保も武器。
  • C 16 マット・ハームス(28)2.21m:圧倒的サイズのリムプロテクター。ドロップ守備の後退ラインを下げ、ドライバーの角度を限定。ハイローのフィニッシュで効率の良い2点を積む。
  • C/PF 50 ミッチェル・ワット(35)2.08m:欧州仕込みのハイポストパサー。ショートロールからコーナー、ダイブ、リフトの三択を創出し、攻撃の停滞を防ぐ。
  • SG 13 俊野佳彦(33/C)1.88m:キャプテン。2線の読みと寄せで失点期待値を下げる。クラッチではPnRからのプルアップで時間を止められる。
  • PG 2 古野拓巳(32)1.78m:ゲームテンポの調整役。セットアップとエントリーの丁寧さはリーグ上位。エンドゲームのA/TO安定化に直結。
  • PG 21 伊藤良太(33)PG 0 奥田雄伍(26):セカンドユニットの推進力。早い時間帯の0度ドライブで相手BIGを走らせる。
  • SF/PF 44 シャキール・ハインズ(32)2.01m:スイッチ耐性の高いフォワード。DREB→自走の一次攻撃も可能。
  • PF 65 玉木祥護(29)1.95m:フィジカルスクリーンとショートコーナーのミドル。2ndユニットの“整流”役。
  • SG/SF 1 林瑛司(28)SG 17 武内理貴(23)SG 20 原田大和(23):ウイングの運動量枠。トランジション3とカッティングでスペーシングを維持。
  • SG 6 平凌輝(特・22):サイズのある特別指定。終盤の守備交代要員としても有用。

ベンチはペナ・ガルセス・マヌエルHCがゲームモデルを再定義し、ギレルモ・サンチェス・ダサACと役割を細分化。GMは西井辰朗。フロント~現場の意思疎通を強め、ロスターの「役割の重複」を減らす狙いだ。

試合・出来事の詳細

直近3シーズンの主なイベントを時系列で整理する。

  • 2023-24:22勝38敗(西7位)。指揮官交代を経て全体12位で残留。組み合わせ次第で競るが、終盤のミス連鎖が課題。
  • 2024-25:開幕以降の噛み合わせ不良から30連敗5勝55敗、最下位。一方でCの個人成績は光り、ディフェンスリバウンドとブロックに可能性が残った。
  • 2025-26:サイボウズ子会社化を受け、規律・サイズ・経験で“再発防止”の設計。ハームス+ワットのBIG&BIG、あるいはパーカーを交えたBIG&SKILLで、ハーフコート効率の底上げを図る。

ホームは松山市総合コミュニティセンター(通称コミセン)を中心に、県内複数会場を活用。来場導線やファミリー層への訴求は継続中で、演出・MC・パフォーマンスクルーによる一体感づくりも資産である。

戦術・技術・スタイル分析

守備(ハーフコート):基本はドロップ+Nailヘルプ。ハームスがリム下を抑え、ウイングはPOA(Point of Attack)でドライブ角を限定する。ベースライン破綻時はLow-Manが早めにタグ、バックサイドはX-outでコーナーを救う。スイッチは相手が5アウトでペリメータ優位を作る局面に限定し、ワットを中心にサイズミスマネジメントを徹底。

守備(トランジション):ファーストバックの基準を「ボールサイド角度」に統一。2人目がリム守備、3人目がコーナーのパスライン遮断。ここでの“役割の迷い”を消すだけで、被3P試投を2~3本削れる計算だ。

攻撃(ハーフコート):一次はハイPNR(古野-ワット/ハームス)、二次はショートロール→ハンドオフ連鎖で守備の足を止める。ホーンズ・ツイストエレベーターで俊野のC&S、パーカーのフラッシュを引き出す終盤セットを用意。ショットプロファイルは「リム+コーナー3」に寄せ、ミドルはゲーム支配用の“保険”として設計する。

攻撃(トランジション):DREB後4秒以内の一次攻撃を推奨。ハインズのレーンラン、奥田・伊藤の早いエントリーで相手ビッグを走らせ、次の守備での足を削る。コーナーフィルは原田・林が担当し、ディープ2の打ち切りを抑制。

スペシャルシチュエーション:ATO(タイムアウト後)はパーカーのブラインドスクリーン→ゴーストで誤認識を誘発。サイドラインアウトはスタック→バックドアでリム到達を優先。エンドラインはボックス→ベースラインスクリーンでハームスの高さを活用する。

ファン・メディア・SNSの反応

2024-25の連敗時期には厳しい声が多かったが、若手の奮闘やCポジションのリバウンド支配にはポジティブな反応が目立った。2025年の資本参画発表後は、「経営の不確実性が下がった」「長期投資が可能に」といった期待感が広がり、チケット購入・グッズ需要にも反映。SNSでは#OrangeVikingsや地域タグと結びついたUGC(来場レポ、親子観戦記、アリーナ飯紹介)が増加傾向だ。

データ・記録・統計情報

  • B2近年成績:2016-17(29-31)、2017-18(33-27)、2018-19(20-40)、2019-20(24-23・打切)、2020-21(17-38)、2021-22(22-25)、2022-23(26-34)、2023-24(22-38)、2024-25(5-55)
  • 連勝・連敗記録:B2連勝8(2016-17、2019-20)。B2連敗30(2024-25)。
  • 主な個人タイトル:B2得点王(2017-18、2019-20:タプスコット)、B2アシスト王(2021-22:俊野達彦)、リバウンド王(2024-25:ナイジェル・スパイクス)
  • ショットプロファイル仮説:2024-25は被トランジション3増、DREB%低位、A/TO悪化が重なり「悪循環」。2025-26はBIGの併用でDREB%改善を優先、ペースを下げてもeFG%最大化を狙う。

リーグ全体への影響と比較分析

昇格志向のB2西地区では、近年大型の2枚使い+ペリメータ守備の規律が勝ち筋になっている。滋賀・熊本・佐賀(昇格前)などは、サイズとランニング、そしてクラッチのA/TO安定化で上位圏を確保した。愛媛オレンジバイキングスは2025-26にハームス×ワット×パーカーでその系譜に寄せ、ハーフコートの守備期待値をまず下げる方針。これにより、オフェンスが“普通”でも競り合いに持ち込める局面が増える。

一方で、2ビッグは「ペリメータでのカバー範囲の狭さ」「トランジション対応の遅延」という副作用を持つ。対策はウイングの先回り(林・原田・武内)とPGのファーストバック優先順位の明確化。走られるリスクを分散し、ハーフで勝負する土台を作ることが中位線への最短路だ。

今後の展望とまとめ

2025-26の実務KPIは以下の通りに置きたい。

  1. DREB%改善:リーグ平均比+3pt(ハームスとワットの同時起用時)。
  2. 被トランジション3抑制:試投本数を1試合あたり-2本。
  3. A/TO(クラッチ):最終5分接戦でのターンオーバー比率10%未満。
  4. ラインナップ効率:BIG&BIG時のNetRtgを±0以上に、BIG&SKILL時は+3以上を目標。
  5. コーナー3の生成:試投比率をチーム全3PAの22~25%に最適化。

若手の台頭は不可欠だ。特別指定の平凌輝、運動量のある原田・武内・林のウイング群が、守備の先回りとトランジション加速を支えれば、ベテラン依存のリスクは下がる。アカデミー(U15)・スクールとトップの導線を可視化し、県内バスケ文化の“面”を広げることも、中長期の勝ちに直結する。

最後に――愛媛オレンジバイキングスの再起は、クラブだけでなく地域の誇りを再点火するプロジェクトだ。この記事が役立ったら、ぜひ共有し、戦術・育成・経営の最適解について議論してほしい。あなたの声が、オレンジの帆を再び前へ進める風になる。