群馬に新戦力、テレンス・ウッドベリーが加入
B1リーグの群馬クレインサンダーズは11月7日、テレンス・ウッドベリーとの2025–26シーズン契約合意を発表した。203cm・103kgのスモールフォワード兼パワーフォワードで、38歳を迎えた今もなお高い得点力とバスケットボールIQを誇る熟練プレイヤーだ。
豊富なキャリアと実績、Bリーグを熟知するベテラン
ジョージア大学出身のウッドベリーは、2012年に日本でのキャリアをスタート。これまで琉球ゴールデンキングス、滋賀レイクスターズ(現・滋賀レイクス)、浜松・東三河フェニックス(現・三遠ネオフェニックス)、バンビシャス奈良、熊本ヴォルターズ、香川ファイブアローズ、信州ブレイブウォリアーズと渡り歩き、日本バスケ界を熟知してきた。
直近の2024–25シーズンでは信州ブレイブウォリアーズで49試合に出場し、平均17.1得点・6.0リバウンド・2.5アシストを記録。さらに3P成功率39.7%という高精度を誇り、アウトサイドからの安定したスコアリングでチームの主軸として存在感を示した。
クラブコメント「リーダーシップと経験がチームに力を」
群馬クレインサンダーズは公式リリースで次のようにコメントを発表した。
「ウッドベリー選手は長年にわたり日本でプレーし、高いスキルと豊富な経験を持つ選手です。これまで培ってきたバスケットボールIQ、チームプレーへの理解、そしてリーダーシップは、我々に大きな力を与えてくれると信じています。クラブとしても、彼が最高のパフォーマンスを発揮できるよう全力でサポートして参ります」
経験豊富なウッドベリーの加入は、今季リーグ中位で奮闘する群馬にとって貴重なテコ入れとなる。特にインサイド外の両エリアで得点を狙えるオフェンス力、若手に声をかけるリーダーシップが期待されている。
本人コメント「このチームのためにすべてを捧げる」
ウッドベリー本人も群馬の一員としての意気込みを語った。
「群馬クレインサンダーズファミリーに加わり、この素晴らしい組織とコミュニティを代表してプレーできることを光栄に思います。
バスケットボールは私に多くのものを与えてくれました。今シーズン、チームが新たな高みに到達できるよう、自分のすべてを捧げたいと思います。
ファンの皆さんのサポートが私たちの力になります。一緒に特別な時間を作り上げ、心に残るシーズンにしましょう」
戦術的展望|群馬が求める“安定感と勝負強さ”
ウッドベリーのプレースタイルは、柔軟なポストアップとスムーズなジャンプショットが特徴。3Pシュート、フェイダウェイ、そしてハーフコートでのスペーシング能力に長け、特に終盤のクラッチタイムでの冷静な判断力が光る。
近年の群馬は、トランジション主体の速いバスケットを展開する一方、終盤のオフェンス停滞が課題とされてきた。経験豊富なウッドベリーは、そうした場面でオフェンスの軸としてチームを落ち着かせる存在になるだろう。
ベテラン×若手融合のキーマンに
今季の群馬は、若手の台頭とともにチーム全体の平均年齢が下がっている。そこに38歳のウッドベリーが加わることで、練習・試合の両面で“経験の共有”が進むことは間違いない。
彼の言葉通り、「群馬のためにすべてを捧げる」という姿勢が、クラブ全体の精神的支柱となる可能性も高い。
GL3x3視点|3×3に通じる“万能型フォワード”の価値
3×3の文脈で見ても、ウッドベリーのプレーは非常に示唆的だ。203cmながらハンドリングと外角シュートを兼備し、1on1でも2on2でも戦える“ポジションレス・フォワード”。
このタイプの選手は、スイッチ対応ディフェンスやペース&スペース型オフェンスに不可欠であり、3×3バスケの現代戦術にも通じる。群馬での彼のプレーは、若手選手にとっても3×3的バスケIQを学ぶ教材となるだろう。
まとめ|群馬が迎えた“成熟のピース”
リーグでのキャリア10年以上、7クラブを渡り歩いたベテランが再びB1の舞台へ。
チームが次のステージへ進むために必要なのは、派手な補強ではなく「経験と安定」。ウッドベリーの加入はまさにその象徴だ。
勝敗を分けるのは得点だけではない。彼の冷静な判断、若手を導く声、そしてファンとの一体感――それが群馬クレインサンダーズをもう一段上へ引き上げる。