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B1第1節試合結果(2025-26シーズン)

2025年10月3日

アルバルク東京 56-81 宇都宮ブレックス(TOYOTA ARENA TOKYO)

2025年10月4日

大阪エヴェッサ 85-95 三遠ネオフェニックス(おおきにアリーナ舞洲)
茨城ロボッツ 92-68 群馬クレインサンダーズ(アダストリアみとアリーナ)
仙台89ERS 74-86 富山グラウジーズ(ゼビオアリーナ仙台)
アルティーリ千葉 97-94 長崎ヴェルカ(千葉ポートアリーナ)
シーホース三河 58-75 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(岡崎中央総合公園)
秋田ノーザンハピネッツ 94-85 島根スサノオマジック(CNAアリーナ★あきた)
ファイティングイーグルス名古屋 79-82 千葉ジェッツ(名古屋市枇杷島スポーツセンター)
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 68-56 レバンガ北海道(ドルフィンズアリーナ)
仙台89ERS 86-76 茨城ロボッツ(ゼビオアリーナ仙台)
サンロッカーズ渋谷 76-69 群馬クレインサンダーズ(青山学院記念館)
川崎ブレイブサンダース 83-91 広島ドラゴンフライズ(川崎市とどろきアリーナ)
横浜ビー・コルセアーズ 75-77 琉球ゴールデンキングス(沖縄アリーナ)

2025年10月5日

佐賀バルーナーズ 97-91 滋賀レイクス(SAGAアリーナ)
大阪エヴェッサ 85-69 三遠ネオフェニックス(おおきにアリーナ舞洲)
秋田ノーザンハピネッツ 91-96 島根スサノオマジック(CNAアリーナ★あきた)
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 77-81 レバンガ北海道(ドルフィンズアリーナ)
仙台89ERS 70-62 茨城ロボッツ(ゼビオアリーナ仙台)
シーホース三河 98-71 群馬クレインサンダーズ(岡崎中央総合公園)
サンロッカーズ渋谷 86-69 横浜ビー・コルセアーズ(青山学院記念館)
アルバルク東京 64-66 宇都宮ブレックス(TOYOTA ARENA TOKYO)
アルティーリ千葉 68-102 長崎ヴェルカ(千葉ポートアリーナ)
仙台89ERS 61-94 富山グラウジーズ(ゼビオアリーナ仙台)
ファイティングイーグルス名古屋 76-102 千葉ジェッツ(名古屋市枇杷島スポーツセンター)
川崎ブレイブサンダース 88-114 広島ドラゴンフライズ(川崎市とどろきアリーナ)
横浜ビー・コルセアーズ 75-79 琉球ゴールデンキングス(沖縄アリーナ)

三遠ネオフェニックス、アウェーで大阪を撃破

2025年10月4日、りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON 第1節の各試合が全国各地で開催された。おおきにアリーナ舞洲では、大阪エヴェッサと三遠ネオフェニックスが激突。序盤から互いに点を取り合うハイスコアゲームとなったが、最終的に三遠が85−95で勝利を収めた。
新加入のダリアス・デイズが5本の3ポイントを沈めて25得点、ヤンテ・メイテンは20得点・5リバウンド・8アシストと攻守に存在感を発揮。さらに吉井裕鷹が15得点で脇を固め、開幕戦を見事に飾った。

A千葉、B1初参戦で歓喜の初白星

千葉ポートアリーナで行われたアルティーリ千葉と長崎ヴェルカの一戦は、B3経験チーム同士による注目カード。試合は終盤まで一進一退の攻防が続いたが、第4クォーター残り37秒、前田怜緒とトレイ・ポーターの連続得点でA千葉が勝ち越しに成功。68−66で逃げ切り、記念すべきB1初勝利を手にした。
クラブ創設からわずか数年でB1の舞台に到達したA千葉にとって、歴史的な夜となった。

千葉ジェッツ、底力で名古屋FEを撃破

名古屋市枇杷島スポーツセンターでの一戦では、千葉ジェッツがファイティングイーグルス名古屋を82−79で下した。最大11点のビハインドを背負いながらも、後半にかけて粘り強い守備とトランジションで逆転。ジョン・ムーニーが16得点11リバウンドのダブルダブルを達成し、ディー・ジェイ・ホグ(15得点)、富樫勇樹(14得点)、渡邊雄太(12得点10リバウンド)ら主力陣が軒並み好調を維持した。

仙台89ERS、カルバーの爆発で開幕白星

ゼビオアリーナ仙台では、仙台89ERSが茨城ロボッツと対戦。2019年NBAドラフト全体6位指名の経歴を持つジャレット・カルバーが第1クォーターから圧巻のパフォーマンスを見せ、10分間で10得点。最終的に32得点・5リバウンドを記録する圧倒的な活躍で、仙台を92−68の快勝へと導いた。
地元ファンの前での勝利は、チームにとって最高のスタートとなった。

横浜ビー・コルセアーズ、安藤誓哉のクラッチで琉球を撃破

沖縄アリーナでは、琉球ゴールデンキングスと横浜ビー・コルセアーズが激突。終盤までリードを許していた横浜BCだったが、第4クォーター残り1分27秒、安藤誓哉がバスケットカウントを決めて同点に追いつくと、続けざまに3ポイントを沈めて逆転。75−77の劇的勝利で開幕戦を制した。
移籍初戦から勝負強さを見せた安藤の活躍により、横浜BCは強豪・琉球相手に大金星を挙げた。

総括:波乱含みの開幕節、次節へ注目

B1第1節では、昇格チームのA千葉が歴史的な初勝利を飾り、横浜BCが王者琉球を撃破するなど、早くも波乱の幕開けとなった。個人としては、三遠のデイズや仙台のカルバーが圧倒的な存在感を示し、今季のBリーグをさらに盛り上げている。
次節では、初戦を落とした強豪勢の巻き返しと、新勢力の勢いがどこまで続くかが焦点となる。

【Bリーグ/アルティーリ千葉】創設5年で成し遂げた挑戦の軌跡

創設5年でB1昇格――アルティーリ千葉が描く 逆転劇 のシナリオ


2020年に産声を上げたアルティーリ千葉は、わずか5年で日本最高峰のB1リーグ入りを果たした新興勢力だ。運営母体はIT企業「アトラエ」の出身者が中心となって設立した株式会社アルティーリ。企業マインドとバスケットボールの融合を体現したこのクラブは、創設当初から「5年で日本一」を掲げて快進撃を続けてきた。

ホームタウンは千葉県千葉市。ホームアリーナは千葉ポートアリーナで、収容人数は7,512人。チームカラーはブラックネイビー。クラブ名の「Altiri」はエスペラント語で「惹きつける」を意味し、観客・ファン・地域を魅了する存在を目指す。

B3参入からの道のり――1年目でB2昇格を決めた衝撃


2021-22シーズンにB3リーグに初参入。初年度から37勝7敗と圧倒的な戦績で2位に輝き、昇格決定戦でトライフープ岡山を100-69で圧倒。たった1シーズンでB2への昇格を決めた。この時の指揮官は元オーストラリア代表HCのアンドレ・レマニスで、海外スタイルを積極的に取り入れた戦術が功を奏した。

この年にはJR千葉駅・千葉みなと駅、京成千葉中央駅などの公共交通機関にラッピング広告を展開し、都市文化賞を受賞するなど地域との連携も強化された。

B2の暴君 となったアルティーリ千葉

2022-23シーズンからはB2東地区で戦い、3年連続で東地区優勝を果たした。特に2023-24、2024-25シーズンには圧倒的な戦績を記録。2024-25は57勝3敗(勝率.950)というB2史上最高成績を叩き出し、Bリーグ史上最多勝利・最高勝率を更新した。

それでも2023年・2024年はプレーオフで越谷や長崎に敗れ、B1昇格を逃す悔しい結果に。しかし、2025年のプレーオフでは、信州ブレイブウォリアーズを2連勝で下し、ついにB1昇格を勝ち取った。

停電による 史上初 の同時優勝

2025年のB2ファイナルでは、富山グラウジーズとの第3戦が千葉ポートアリーナの停電により中止。試合の再実施は行われず、史上初の「同時優勝」としてアルティーリ千葉と富山が並び称された。この騒動の中でも冷静さを保ったクラブの姿勢と対応は評価された。

また、このシーズンのプレーオフMVPには、東海大学から特別指定で加入した若き司令塔・黒川虎徹が選ばれ、ファンの心をつかんだ。

クラブを支えたレジェンドたちの存在


アルティーリ千葉の快進撃の背景には、クラブ黎明期からチームを支えたレジェンドの存在がある。初年度から活躍した岡田優介や大塚裕土は、そのリーダーシップとプレーで若手の模範となった。大塚は37歳にしてなおチームのキャプテンを務め、3P成功率No.1を獲得するなど、年齢を感じさせないパフォーマンスで 勝てるチーム を体現した。

また、外国籍選手でもアシュリー、ポーター、パードンらがシーズンを通して安定感のあるインサイド支配を見せ、アルティーリの攻守に厚みを加えた。

先進的なSNS戦略とファンエンゲージメント

アルティーリ千葉はスポーツビジネスとしての見地でも極めて革新的だ。InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeに加えて、自社サイトでのストーリーテリング型コンテンツや限定会員向け情報など、IT起業出身の代表・新居佳英の経営感覚が如実に表れている。

ファンの呼称「A-xx(アックス)」は、クラブの一員として共に歩む意思を表すものであり、観客を「参加者」に変えるプロセスが徹底されている。単なる観戦ではなく、価値観の共有がチーム文化を深化させているのだ。

B.LEAGUE PREMIER参入への準備と意義

2026-27シーズンからスタートするB.LEAGUE PREMIER(通称:Bプレミア)には、すでに参入が決定済み。これに向け、2024年から千葉ポートアリーナの改修工事が行われており、Bプレミア基準を満たす施設整備も着々と進んでいる。

また、ヒューリック主導で2030年開業予定の2万人規模アリーナも、単なるホームアリーナを超えた「千葉の文化中核地」として機能することが想定されており、長期的な都市価値の向上にもつながる構想である。

赤 との共存――千葉ジェッツとの共栄圏構想

同じ千葉県を拠点とする千葉ジェッツふなばしの存在は無視できない。ジェッツは2011年創設で全国区の人気を誇るが、アルティーリはわずか5年でその背中を捉える存在に成長。

今後は両クラブが 共栄圏 として千葉県全体のバスケットボール熱を高め、自治体との連携、地域の教育・健康促進、観光資源の開発など、社会的価値を創出する動きが期待されている。

下部組織と育成ビジョン――U15・U18・特別指定枠

アルティーリ千葉は2023年にU15・U18を立ち上げ、育成にも力を入れている。トップチームには特別指定選手として若手有望株が続々と合流。黒川虎徹や渡邉伶音のように、大学バスケ界から即戦力を引き入れるスカウティング体制も整っており、継続的なチーム強化を視野に入れている。

医療面では千葉大学医学部附属病院と提携し、怪我予防・リカバリー・フィジカル強化を医療的アプローチから支援している点も特筆すべきだ。

まとめ:惹きつけ、勝ち続ける 異端の旗手

「惹きつける」という意味のクラブ名に相応しく、アルティーリ千葉はその実力と戦略で、Bリーグに旋風を巻き起こしている。B1昇格は通過点に過ぎず、2026年から始まるBプレミアでは、真の 頂点獲り が始まる。

地方都市クラブの理想像として、そしてファンと地域が一体となるクラブ文化の模範として、アルティーリ千葉の挑戦はこれからも注目され続けるだろう。