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東京ユナイテッドが笹山陸と契約合意|元横浜BCの若手ガードがB3で再始動へ

東京ユナイテッド、元横浜BCの笹山陸を獲得

2025年6月25日、B3リーグ所属の東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以下:東京U)は、横浜ビー・コルセアーズから自由交渉選手リストに公示されていた笹山陸との契約合意を正式発表しました。契約は2025-26シーズンを対象とした新規選手契約となります。

東京を拠点とする同クラブにとって、即戦力となりうる若手ガードの加入は、戦力層の厚みを増す重要な補強となりそうです。

186cmのコンボガード|笹山陸のこれまでのキャリア

笹山陸(ささやま・りく)は三重県出身で現在23歳。身長186cm、体重85kgの体格を活かしたプレースタイルが持ち味で、ポイントガード(PG)とシューティングガード(SG)を兼任できるコンボガードタイプの選手です。

名門・洛南高校では兄である笹山貴哉(現ファイティングイーグルス名古屋)と同じバスケットボールの名門路線を歩み、卒業後は筑波大学へ進学。高校・大学ともに国内トップクラスの育成環境で競技に打ち込みました。

学生時代にはU16日本代表にも選出された経験があり、早くから将来を嘱望された逸材です。

特別指定からB3、そしてB1挑戦へ

大学在学中の2020-21シーズンには、名古屋ダイヤモンドドルフィンズで特別指定選手としてB1デビューも果たしました(1試合出場)。
その後、島根スサノオマジックで練習生を務めたのち、2023-24シーズンよりB3の三重バイオレットアイリスと正式契約を締結しました。

今季開幕からは三重で6試合に出場し、平均4.3得点、2.2リバウンド、2.0アシストを記録。攻守両面で存在感を示していた中、第4節終了後に急遽、B1の横浜ビー・コルセアーズへ移籍。名古屋D時代以来となるB1再挑戦のチャンスを手にしました。

B1で32試合出場|実力を証明した半年間

横浜BCでは2023-24シーズンの後半戦にあたる期間中に32試合へ出場。スタッツは平均1.3得点にとどまりましたが、若手ながらも要所でのディフェンスやボールハンドリングで貴重な戦力として起用されました。

短期間ながらB1レベルの試合強度を経験したことで、笹山のプレーには確実に磨きがかかっており、その実績を持って今回のB3・東京U入りとなります。

新天地・東京ユナイテッドでの抱負

契約発表に際し、笹山は東京Uのクラブ公式コメントとして以下のように意気込みを語っています。

このような機会を与えてくださったクラブ関係者、そして宮田GM、橋爪ヘッドコーチに感謝申し上げます。クラブの勝利のために自分自身の力を最大限発揮して頑張ります!BLUE RABBITSの皆様の前でプレーできる日を楽しみにしています。よろしくお願いします。

「BLUE RABBITS」は東京Uのファンネーム。ホームタウンである東京を盛り上げる存在として、自身のプレーで観客を魅了したいという意欲が感じられます。

横浜BCへの感謝|ファンとの絆を胸に

また、前所属チームである横浜ビー・コルセアーズの公式サイトでは、笹山がファン・ブースターに向けた感謝の言葉を綴っています。

移籍して間もない僕へのファン・ブースターの皆さまからの応援やメッセージは、いつも背中を押してくれる大きな力でした。新天地でも横浜ビー・コルセアーズで培ったものを全力で発揮できるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。またどこかでお会いできる日を楽しみにしています!ありがとうございました。

突然の移籍にも関わらず、温かく迎え入れてくれた横浜のサポーターへの感謝と、プロ選手としての成長への意欲がにじむコメントです。

今後の展望|東京Uでの役割と期待される飛躍

東京ユナイテッドは、B3の中でも上位争いを視野に入れるクラブであり、若手主体の育成と即戦力のバランスを重視したロスター構成が特徴です。

笹山はその中でバックコートの中心選手として起用されることが想定され、ゲームメイクやディフェンスでの貢献が期待されます。また、B1での経験を還元し、若手選手のメンターとしての役割も求められるでしょう。

まとめ:B1経験者の加入で東京Uに追い風

B3クラブながらも確実にステップアップを続ける東京ユナイテッドにとって、笹山陸の加入は貴重な戦力強化。若手ながらB1経験を持つコンボガードの加入は、攻守にわたる幅広い選択肢をもたらすことでしょう。

再び頂点を目指すシーズンへ――。東京の地で再起を誓う笹山の活躍から目が離せません。

熊本ヴォルターズ、磯野寛晃とモッチラミンの契約を発表|2025-26シーズンのロスター確定へ

磯野寛晃、ケガを乗り越え2季連続フル出場で契約継続へ

B2リーグ・熊本ヴォルターズは2025年6月25日、ガード兼フォワードの磯野寛晃との契約継続を発表しました。磯野は2023年に重傷を負いシーズン全休を余儀なくされましたが、2024-25シーズンでは全60試合に出場し、完全復活を遂げました。

福岡県出身で27歳の磯野は、186cm・84kgの体格を活かしたディフェンス力と外角シュートが持ち味。日本体育大学在学中に越谷アルファーズでBリーグデビューを果たし、2020年から熊本に正式加入。2022-23シーズンにはキャリア最多となる58試合に出場しています。

ケガ明けとなった昨シーズンは、平均3.8得点・2.1リバウンド・1.4アシストをマーク。地道なリハビリとトレーニングを経て、チームの主力の一角として再び信頼を勝ち取りました。

モッチラミン、新天地・熊本で飛躍を誓う

同日、熊本は202センチ108キロのビッグマン、モッチラミンとの新規契約締結も発表しました。セネガル出身で28歳のモッチは、桜丘高校在学中から頭角を現し、大東文化大学ではインカレ優秀選手賞を受賞。卒業後は社会人チームのJR東日本秋田を経て、2024年に日本国籍を取得しています。

プロキャリアではB1の三河に加入後、2024年夏に契約解除。再起をかけて佐賀バルーナーズに移籍し、B1で27試合に出場。平均5.4得点・4.5リバウンドを記録しました。特にペイント内での粘り強さとフィジカルの強さが評価されており、熊本のインサイド強化において大きな役割が期待されます。

磯野とモッチ、クラブ公式で熱いメッセージ

契約発表に際して、両選手はクラブ公式サイトを通じて意気込みを語りました。

磯野寛晃:
「熊本でのプレー継続を決断するにあたり、プレーオフで昇格を逃した責任と悔しさに向き合いながら、時間をかけて考えました。クラブの皆さんに感謝し、最後のB2シーズンでチャンピオンを目指します」

モッチラミン:
「熊本で才能を最大限に発揮できると信じています。成長のチャンスを与えてくれたチーム関係者の皆さんに感謝し、ブースターの皆さんの前でプレーする日が待ちきれません」

熊本、ロスターは12名に確定|若手と実力者が融合

これで熊本の来季ロスターは計12選手となり、編成がひとまず完了。既に契約を継続しているのは、田中力・山本翔太・保坂晃毅・長島蓮・澤邉圭太・山田安斗夢・ミッチェル・ライトフット・グレゴリー・エチェニケの8名。さらに今オフには石川海斗とネマンヤ・ジュリシッチと新規契約を結んでいます。

インサイドとアウトサイドのバランスが取れた編成により、2025-26シーズンのB2制覇、さらにはB1昇格に向けて本格的な戦力が整いつつあります。

昇格を逃した2024-25、再起を誓うシーズンへ

熊本ヴォルターズは2024-25シーズン、昇格を目指して奮闘しましたが、シーズン序盤に苦しみ、最終的にプレーオフには進出したものの昇格には至りませんでした。磯野の言葉からも分かる通り、チームとしてその結果に対して強い悔しさを抱えています。

2025-26シーズンはB1昇格のラストチャンスと位置づけられるB2最終年。新たに加わったモッチと共に、既存メンバーとの結束を高め、シーズンを通じて安定した戦いを目指すことになります。

今後の熊本ヴォルターズに注目

Bリーグ再編を控える中、熊本ヴォルターズは明確な目標を掲げ、着実にロスターを固めています。フロント、コーチ陣、選手全員が一丸となって挑む2025-26シーズンにおいて、磯野寛晃とモッチラミンという重要なピースがどう機能するか、今後の活躍に大きな期待がかかります。

Bリーグ契約更新まとめ|ケーレブ・ターズースキー退団、谷口光貴がB1復帰など6月25日発表分

群馬の主力ビッグマン、ケーレブ・ターズースキーが退団

2025年6月25日、Bリーグ各クラブが来季2025-26シーズンに向けた選手契約の最新情報を発表しました。その中でも注目を集めたのが、B1東地区・群馬クレインサンダーズ所属のケーレブ・ターズースキー選手の退団です。

206センチ超のインサイドプレーヤーとしてチームのリバウンドやペイント内での守備を支えてきたターズースキーは、群馬で3シーズンを戦い抜き、今オフに自由交渉選手リスト入り。今回の正式発表により、来季は新天地でのプレーが決定的となりました。

アメリカ出身のターズースキーは、長身とフィジカルを生かしたディフェンスでチームを支え、ファンからの信頼も厚かった選手。移籍先の動向にも注目が集まります。

谷口光貴が5年ぶりB1復帰!横浜BCが新戦力を獲得

B2のライジングゼファー福岡に所属していた谷口光貴選手が、B1の横浜ビー・コルセアーズと契約を締結。190センチのシューティングガードとして知られる谷口は、B1の舞台に戻るのは実に5年ぶりとなります。

谷口はシュート力とディフェンスで評価されている選手で、B2では主力として活躍。今回の移籍により、横浜BCのバックコートに新たな厚みが加わることになりました。

横浜BCから笹山陸が東京ユナイテッドへ移籍

一方、横浜BCからはコンボガードの笹山陸が東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(東京U)へ移籍することが決定。笹山は世代別日本代表としても経験を積んできた有望株で、これまで培ってきたスキルを新天地での飛躍に活かす構えです。

攻守両面で安定したプレーを持ち味とする笹山は、東京Uのガード陣において重要な役割を担う可能性が高く、シーズン開幕前から注目の選手となりそうです。

注目の継続契約:クベマ・ジョセフら若手の奮闘続く

この日発表された継続契約では、スティーブ・クベマ・ジョセフ(八王子ビートレインズ)の残留が明らかに。福岡第一高校時代には河村勇輝らと同期として全国区で活躍し、今後のさらなる飛躍が期待されます。

また、熊本ヴォルターズでは磯野寛晃、三重エリアでは佐脇考哉、新潟アルビレックスBBではムトンボ・ジャン・ピエールがそれぞれ継続契約に合意。若手選手が主力として台頭する傾向が強まる中、今季の戦いぶりに注目です。

モッチラミンが熊本へ加入、帰化選手の役割に期待

今シーズン、佐賀バルーナーズに在籍していたモッチラミンが熊本ヴォルターズに加入。桜丘高校出身で帰化選手として日本のバスケットに根ざしてきたモッチラミンは、インサイドでの強さと走力を兼ね備える存在として、熊本の新たなキーマンになる可能性があります。

B2・B3の移籍情報も続々、高橋幸大が岐阜へ

そのほか、金沢から岐阜スゥープスへの移籍が決定した高橋幸大や、東京Uへの移籍を果たした笹山陸など、下部リーグでも活発な動きが見られています。

これらの選手の加入により、それぞれのクラブの戦力バランスがどう変化するのか、シーズン前から戦力分析が加速しています。

鹿児島が新アシスタントコーチと契約、マティアス・カミノ・ロペスが加入

また、指導体制の強化を図るクラブも登場。鹿児島レブナイズは新たにマティアス・カミノ・ロペス氏とアシスタントコーチ契約を結びました。戦術面での変化や若手育成への取り組みも含めて、今後のベンチワークに注目です。

6月25日時点のBリーグ契約情報一覧

■契約継続
磯野寛晃(熊本)
ムトンボ・ジャン・ピエール(新潟)
スティーブ・クベマ・ジョセフ(八王子)
佐脇考哉(三重)

■移籍
谷口光貴(福岡⇒横浜BC)
笹山陸(横浜BC⇒東京U)
モッチラミン(佐賀⇒熊本)
高橋幸大(金沢⇒岐阜)

■退団
ケーレブ・ターズースキー(群馬)

■コーチ契約
マティアス・カミノ・ロペス(鹿児島/AC新規契約)

これらの契約情報は、来シーズンのBリーグの戦力バランスやクラブ方針を占ううえで非常に重要な指標となります。今後も随時発表される移籍・契約情報に注目していきましょう。

【Bリーグ/湘南ユナイテッドBC】B3参入からの成長と地域密着型クラブの全貌

湘南からB3へ、志高きクラブの誕生


湘南ユナイテッドBCは、2020年に神奈川県藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町を拠点に誕生したプロバスケットボールチームだ。地域密着型クラブとして発足し、2022-23シーズンからB3リーグに正式参入。地元企業や自治体と密接に連携しながら、バスケットボールを通じた地域活性化を掲げて活動している。

運営を担うのは株式会社湘南ユナイテッド藤沢。藤沢商工会議所メンバーと地元クラブチーム「湘南STATE」が母体となり、クラブ運営に乗り出した。創設からわずか2年でB3入りを果たすスピード感は、他の新興クラブと比較しても特筆すべき点だ。

本拠地とアリーナ:神奈川全体をホームとする多拠点戦略


ホームアリーナは藤沢市の秋葉台文化体育館を中心としつつ、秩父宮記念体育館(藤沢市)、茅ヶ崎市総合体育館、シンコースポーツ寒川アリーナ、平塚・海老名・綾瀬・厚木・大和の各市体育館でも試合を開催。2024-25シーズンは26試合のホーム戦を6つの異なる会場で実施予定で、広範囲な地域展開を実現している。

このマルチアリーナ戦略は、県内のファン層拡大を意識したものであり、特に「湘南エリア」を越えて「神奈川全域のクラブ」としての認知を高める布石となっている。

成績の軌跡:参入当初から成長続けるクラブ

湘南ユナイテッドBCは、参入初年度の2022-23シーズンでは15勝37敗と苦戦し、勝率.288でリーグ13位に終わった。しかし翌シーズンの2023-24では27勝25敗(勝率.519)まで成績を改善し、2024-25シーズンも勝率こそ.442に下がったが、リーグ11位と着実にステップアップを続けている。

特筆すべきは、チームの「ホーム戦」における安定感である。2024-25シーズンではアウェイ成績が9勝17敗に対し、ホームでは14勝12敗と勝ち越しており、地元ファンの声援が確かな支えになっていることがわかる。

組織体制と人物像:堀田HC体制の継続と変化


ヘッドコーチは創設当初から堀田剛司が務めており、B3参入から一貫したリーダーシップを発揮。2023-24シーズンには球団代表やGMが交代するも、現場のコーチング体制は継続され、チームの方向性にブレはなかった。

アシスタントコーチには鈴木友貴、分析担当として蔵楽建斗(アナライジングコーチ)がサポートに入り、戦術・データ両面での強化が図られている。

選手構成:経験豊富な外国籍選手と若手の融合

2024-25シーズンのロスターには、元B1・B2経験者を含む実力派が並ぶ。注目の外国籍選手としては、マイケル・ヒューズ(2.03m/デュケイン大出身)、ジャスティン・キーナン(36歳/フェリス州立大)などが在籍し、インサイドの支柱となっている。

さらに、キャプテンを務める内田旦人(東海大出身)や、地元出身のPG佐々木拓哉など、日本人選手の顔ぶれも充実。U22世代やアジア特別枠選手(ジョン・ヒヒョン)など多様性ある構成も、B3クラブとしては先進的な編成だ。

スポンサーとユニフォーム戦略:地域との結びつき強化

2024-25シーズンのユニフォームスポンサーは、前面中央に木下グループ、背面には日産工機・元旦ビューティ工業、パンツ部分に藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町のロゴを配している。

また、ユニフォームサプライヤーはスポルディングが担当。地元企業・自治体とクラブとの密接な関係性が視覚的にも強調されており、バスケットボールを「まちづくり」に活かすビジョンが表れている。

クラブとしての未来:B2昇格と地域戦略の行方

現在B3に所属する湘南ユナイテッドBCだが、今後の展望としてはB2昇格が大きな目標である。2023-24シーズンに勝率5割を突破したことは、その土台づくりが着実に進んでいる証拠でもある。

Bリーグ全体でも、「地域密着型クラブによる持続可能な運営モデル」が重視される中、湘南ユナイテッドのような事例は非常に注目される存在だ。特に、湘南というブランドイメージと融合させた「Local Pride」の継続は、地域に愛されるクラブづくりに不可欠な要素となるだろう。

ファンとメディアの反応:ポジティブな評価と期待

湘南ユナイテッドBCに対するファンの声は「若手が多くて成長が楽しみ」「アリーナでの演出がB3とは思えない」など、好意的な意見が目立つ。特に、Bリーグで話題となる 熱狂的ホームゲーム演出 は湘南でも実践されており、イベント要素も充実している。

また、公式SNSやYouTubeでの発信力も強く、X(旧Twitter)やInstagramではローカルファンとの双方向コミュニケーションが活発。これもクラブの成長戦略において欠かせない要素となっている。

GL3x3との親和性:地域とバスケの融合による可能性

湘南ユナイテッドBCの「地域密着×若手育成×バスケ普及」というコンセプトは、GL3x3が掲げる価値観とも通じる。今後、湘南ユナイテッド出身選手が3×3にも参戦する可能性もあり、ストリートとプロ、地域と全国をつなぐ架け橋となる存在が期待される。

湘南という 海とカルチャー の街を背負ったクラブが、Bリーグのみならず3×3シーンでも存在感を発揮する日が来るかもしれない。

まとめ:湘南ユナイテッドBCが描く未来のバスケ像

湘南ユナイテッドBCは、ただの新興クラブではない。湘南という地域の情熱と文化、そして未来への挑戦を背負った、真の「ユナイテッド=結束」クラブである。

これからのB3リーグ、そして日本のバスケットボール界において、同クラブが果たす役割はますます大きくなるだろう。

未来へつなぐ湘南Local Pride――その合言葉とともに、次なるステージを目指す湘南ユナイテッドBCに注目が集まる。

【Bリーグ/豊田合成スコーピオンズ】B3卒業から再出発へ。挑戦と転機、実業団バスケの未来図

実業団の雄・豊田合成スコーピオンズとは何者か?

愛知県稲沢市・清須市を拠点に活動する「豊田合成スコーピオンズ」は、トヨタグループの一員である豊田合成株式会社を母体とする企業バスケットボールチームだ。1980年に創部され、当初は愛知県リーグ10部からのスタートだったが、地道な努力と実績を積み重ね、やがて日本リーグ(JBL2)、NBDL、B3リーグへと階段を駆け上がった。

2023-24シーズンまでB3リーグに所属していたが、2024年にはプロクラブ化を断念し、B3リーグから退会。2025年より社会人リーグ(SBL)の東海・北信越SB2リーグに新たな活躍の場を移した。この決断は、多くの実業団チームがプロ化へ移行する中で、企業としての在り方とスポーツの両立を再考する重要なターニングポイントでもある。

企業チームとしての苦悩と誇り

豊田合成スコーピオンズは、他のB3クラブと異なり、企業スポーツとしての一貫性を保ってきた数少ない存在だ。選手たちはバスケットボールの活動に加え、豊田合成の社員としての業務にも従事している。プロとの大きな違いはここにあるが、むしろそれこそが実業団バスケの本質ともいえる。

B3在籍中も、他クラブのような大型補強や派手な演出はなかったが、「泥臭くひた向きに戦う」というスローガンを掲げたプレースタイルは、多くのファンの共感を呼んできた。

歴史に裏打ちされた成長の軌跡

スコーピオンズの歩みは決して平坦ではなかった。1980年の創部から数年は県リーグを転戦。1990年には全日本実業団競技大会で初の全国出場を果たし、2005年には初優勝。そして同年開催された第1回全日本社会人選手権でも優勝を飾り、初代王者の称号を手に入れた。

その後はJBL2、NBDLを経て、2016年からB3リーグに参入。B3での最高成績は2018-19シーズンの2位(28勝8敗)。その後は勝率が低迷しつつも、苦境に耐えながらチームとしての地盤を築き続けてきた。

B3リーグ退会の背景と決断の理由

2023年11月、豊田合成スコーピオンズは公式に「プロクラブ化の断念とB3退会」を発表。この背景には、企業スポーツとしての理念と、プロ化による経済的・人的負担との乖離があった。トヨタグループとしての方針もあったが、決して 撤退 ではなく 再選択 の色が強い。

2025年からはSB2リーグ(SBL)で再スタート。これは、B3を去った実業団チームが再び脚光を浴びる可能性を示す象徴的な出来事でもある。

アーネスト・ロスなどのロースターと選手たちの現在地

2023-24シーズンのロースターには、NCAA出身のアーネスト・ロスやアンドリュー・ファーガソンといった外国籍選手に加え、筑波大出身の波多智也、日本体育大出身の土居光など、国内トップクラスの大学出身者が名を連ねていた。

若手とベテランがバランスよく配置された編成で、キャプテンには経験豊富な選手を据え、安定したチームマネジメントが行われていた点も特徴的だ。指揮官は元日本代表選手の天日謙作氏。彼の豊富な知見がチームに落ち着きをもたらしていた。

豊田合成記念体育館と地域との関係性


豊田合成スコーピオンズは「豊田合成記念体育館」をホームとしつつも、甚目寺(あま市)や春日井、小牧、下呂など、愛知県内外の複数会場でホームゲームを実施してきた。これは、地域密着型の企業チームとして、より多くの地域住民にバスケを届けたいという意志の表れである。

さらにマスコットキャラクター「スコッピー」は、蠍の帽子をかぶった犬というユニークなデザインで、ファンからも親しまれている存在。地域イベントにも積極的に参加しており、単なるバスケットボールチーム以上の役割を果たしてきた。

他実業団チームの潮流と比較

2021-22シーズンで活動休止した「アイシン アレイオンズ」も、同じトヨタグループであったが、豊田合成のように長くB3に留まることはできなかった。近年、企業チームの多くがプロ化を目指す中で、逆にSBLや地方リーグへ戻る動きも静かに広がっている。

こうした流れの中で、スコーピオンズの選択は「実業団スポーツの新しいロールモデル」として注目されている。

今後の展望と挑戦

SB2リーグでの再始動を皮切りに、豊田合成スコーピオンズは 原点回帰 ともいえる新たなフェーズに入った。ここから再び全国大会への出場や、社会人王者としての返り咲きを目指すことになる。

また、長期的には実業団×地域共創のモデルとして、地域スポーツ振興や企業ブランディングへの活用も想定される。将来的に3×3チームの創設やバスケ以外の多角的スポーツ活動への拡張も視野に入れているという情報もある。

まとめ:実業団バスケの未来はスコーピオンズが握る

B3から去り、SBLへと舵を切った豊田合成スコーピオンズ。その決断は一見後退のように見えるかもしれない。しかし、本質的には「何のためにスポーツを続けるのか」という原点に立ち返った、勇気ある選択だったといえるだろう。

企業スポーツとしての在り方を問い直しながら、地域と共に歩む豊田合成スコーピオンズ。今後の活躍は、実業団バスケ全体の未来を照らす灯台のような存在となるかもしれない。

【Bリーグ/東京八王子ビートレインズ】B3リーグで戦い続ける情熱のクラブ、その歴史と今を徹底解説

東京八王子ビートレインズとは?地域密着型のバスケットボールクラブ

東京八王子ビートレインズ(Tokyo Hachioji Bee Trains)は、東京都八王子市を拠点とするプロバスケットボールクラブであり、現在はB.LEAGUEのB3リーグに所属している。2012年の創設以来、「地域とのつながり」と「情熱的なプレー」をキーワードに、数々のチャレンジと困難を乗り越えながら、地域密着型クラブとして確かな存在感を放ってきた。

クラブ設立の背景と名前の由来

創設者の川井明氏は、八王子市がバスケットボールが盛んな地域であること、そして2011年に新体育館が建設されたことに着目し、プロクラブ設立を構想。2012年には「東京八王子トレインズ」として活動をスタートさせた。クラブ名の「トレインズ(Trains)」は、八王子が交通の要所であり、電車のイメージと「人々の連携」を象徴する名前として命名された。

その後、2018年にはチーム名を「東京八王子ビートレインズ」に改称。「BEE」は Basketball のB、八王子の はち=蜂 、そして Be=存在 の意味を掛け合わせ、進化するチーム像を表現している。

リーグ遍歴:NBDLからB.LEAGUEへ、昇格と降格の軌跡

2015-16シーズンにはNBDL(ナショナル・バスケットボール・ディベロップメント・リーグ)に加盟。NBDL解散後、2016年よりB.LEAGUE創設と共にB3リーグへ参加。2017-18シーズンにはB3で優勝を果たし、昇格戦を制してB2昇格を決めた。しかし、2018-19シーズンは成績が振るわず1年でB3に降格。

特筆すべきは、どのカテゴリにいても変わらぬ地域貢献姿勢と、八王子市を拠点とした一貫したチームビジョンである。昇降格を経験するなかでも、若手育成やユース世代への普及活動を積極的に行い、地域バスケットボール文化の土壌を支えてきた。

過去の名場面:B3制覇からB2昇格まで

2017-18シーズンは、ファーストステージ・レギュラーシーズン・ファイナルステージを完全制覇し、年間王者に輝いた。B2・B3入れ替え戦では、岩手ビッグブルズに83-55で快勝。圧倒的な攻守で昇格を果たしたこの試合は、今もファンの記憶に深く残っている。

経営再建と現在の体制:準加盟復活への道

2019年以降、経営面での課題が露呈。2020年にはB.LEAGUE準加盟資格を一時失い、財政健全化が大きなテーマとなった。新たにキャリアコンサルティング社長の室舘勲氏が運営代表に就任し、再建が始動。2022年には準加盟クラブに復帰し、翌年にはB2クラブライセンスも取得したものの、2024年には債務超過を理由にB2申請を取り下げるなど、再建は依然として道半ばだ。

注目選手と今季(2025-26)ロスター

2025-26シーズンの注目選手には、キャプテンであるPG大城侑朔(30歳)、Cクベマ・ジョセフ・スティーブ(23歳)、アメリカ出身のSFタレン・サリバンなどが挙げられる。経験豊富なベテランと、海外経験を持つ若手が融合し、新たなチームカラーを打ち出している。ヘッドコーチには2025年に就任した亀崎光博氏が再登場し、新体制での戦いに注目が集まっている。

エスフォルタアリーナ八王子:クラブのホームグラウンド

ホームアリーナは「エスフォルタアリーナ八王子」。メインアリーナは2,000人収容可能で、B3リーグの開催基準を満たす施設。試合以外にもバスケットボールクリニックや地域交流イベントなどが行われており、クラブと市民の繋がりを体感できる場となっている。

ファン・地域との関係とGL3x3との親和性

東京八王子ビートレインズは、地元ミニバスや学校訪問を重視し、ジュニア世代の育成やバスケ文化の裾野を広げてきた。GL3x3が掲げる「地域密着型3人制プロバスケ」の理念とも親和性が高く、将来的な3×3参入や連携の可能性も期待される。特に、U15チームの運営は、育成年代でのGL3x3参画に向けた布石とも捉えられる。

今後の展望:再びB2の舞台へ、そして3×3への挑戦も?

直近3シーズンの戦績は決して芳しくはないが、若手中心の構成に切り替え、チーム再編が進行中。新ヘッドコーチのもと、攻守のバランスを整え、再びB2昇格を目指す。その一方で、3×3を通じた新たな露出や、クラブの価値を再構築する動きにも注目が集まる。GL3x3とのコラボレーションや、地域3×3イベントの開催も視野に入れることで、より多角的な展開が期待される。

まとめ:挑戦を続ける「八王子発」プロバスケクラブ

創設から10年以上、東京八王子ビートレインズは幾多の困難に直面しながらも、地域に根差した活動とバスケットボールへの情熱を絶やすことなく歩んできた。再びB2の舞台へ戻る日を目指し、そして3×3という新領域にも一歩を踏み出す可能性を秘めた今、クラブの進化に注目が集まっている。八王子市民と共に成長してきたその歩みは、これからの日本バスケット界にとっても重要な存在である。

【Bリーグ/立川ダイス】3×3から始まった挑戦と地域密着の成長戦略

立川からバスケ文化を発信──立川ダイスとは何者か

東京都立川市を拠点に活動するプロバスケットボールクラブ「立川ダイス」は、5人制(B3リーグ)と3人制(3×3.EXE PREMIER)の両リーグに参戦する、日本でも稀有なハイブリッド型クラブです。2021年に創設された5人制チームは、2022-23シーズンからB3リーグに正式参入し、3×3チームは2016年から日本トップレベルの大会で結果を残しています。

本記事では、立川ダイスの成り立ち、特徴、戦略、選手構成、そして将来的なビジョンまでを包括的に解説。地域密着型でありながら、全国区の注目を集める理由に迫ります。

運営母体は「多摩スポーツクラブ」──地域密着型クラブの本質

立川ダイスの運営を担うのは、一般社団法人多摩スポーツクラブ。地元の商工会議所や観光協会、青年会議所などが設立母体に名を連ね、まさに「立川発・市民発」のクラブとして活動を展開しています。

特筆すべきは、単なるトップチームの運営にとどまらず、3×3ユースリーグ、バスケットボールスクール、チアスクール「FairyDICE」など、次世代育成にも注力している点です。

3×3での躍進と全国制覇

立川ダイスのバスケットボール界での認知度を一気に高めたのが、3×3分野での実績。2018年には、男子チームが「3×3.EXE PREMIER」と「3×3日本選手権」でダブル優勝を果たし、全国タイトルを獲得しました。2016年創設という短期間での快挙は、関係者の想像を超えるものでした。

その後も3×3チームは好成績を残し続けており、2021年にはKANTOカンファレンス1位に輝き、トップ4入りを達成しています。

5人制チームの挑戦──B3リーグへの参入と戦績

2022-23シーズンからスタートした5人制チームのB3リーグ挑戦は、立川ダイスにとって大きなターニングポイントとなりました。

  • 2022-23:14勝38敗で14位
  • 2023-24:27勝25敗で勝率.519と躍進(9位)
  • 2024-25:17勝35敗で再び低迷(14位)

特に2023-24シーズンは、ホームでの勝率.654を記録し、地元ファンとの連携が功を奏した好例となりました。リーダーである間橋健生ヘッドコーチの手腕と、チームの結束力が反映された結果といえます。

主力選手と注目のロースター

2024-25シーズンの立川ダイスは、国内外からバランス良く編成されたロースターを揃えています。

  • ドンテ・ジョーダン・ブルーナー(PF/2.08m):アラバマ大学出身の大型外国人
  • 森黄州(SG/キャプテン):創設期から在籍する立川の象徴的存在
  • 福田晃平、町井丈太、森本泰雅:継続的に成長を続ける中堅層
  • アンドリュー・フィッツジェラルド(PF):オクラホマ大学出身のベテラン

いずれも3×3経験や他カテゴリでの実績を持ち、立川ダイスの多面的なチーム戦略を象徴しています。

3×3の未来と地域戦略

立川ダイスは、3×3と5人制の融合を図る数少ないクラブの一つ。独自大会「ダイスカップ」の開催や、ユースリーグ運営などを通じて、地元とのつながりをさらに強化しています。女子3×3チームも2018年に設立されましたが、現在は休止中。今後の再始動が期待されています。

2020年には法人再編を実施し、運営の一体化と体制強化を図っており、地域密着と競技力強化の両輪をバランスよく推進しています。

マスコット「たっちー」とファンとの絆

立川の豊かな自然の中で育った鎌鼬(かまいたち)の男の子「たっちー」は、明るく元気なマスコットとしてファンに親しまれています。特技は「つむじ風をおこすこと」と「誰とでも友達になれること」。

地域イベントやSNSでも活躍中で、子どもたちから大人まで幅広い層に愛される存在です。

スポンサー企業と地域連携

2024-25シーズンには、立飛ホールディングス、ミート・コンパニオン、コトブキヤ、多摩信用金庫など、多くの地元企業が立川ダイスを支援しています。

パンツスポンサーに至っては10社以上が並び、企業からの厚い支援と信頼を背景に、クラブの地元定着が伺えます。

立川ダイスの今後──B3昇格と3×3強化の両立へ

立川ダイスの強みは、単なる競技力ではなく「地域に根ざした一体感」。今後はB3上位進出を目指すと同時に、3×3でも再び全国タイトルを狙える布陣を整える必要があります。

また、ジュニア世代からトップチームまでの明確なキャリアパスを整備することで、バスケットボールの街・立川という新しいブランドを築きつつあります。

まとめ:立川ダイスは「未来のバスケ」を体現するクラブ

3×3と5人制を両輪に、育成から地域貢献まで多角的に展開する立川ダイス。クラブの挑戦は、東京・多摩地域から全国へと波及しつつあります。

バスケファンはもちろん、地域活性やジュニア育成に関心がある方にとっても注目の存在。今後の動向から目が離せません。

【Bリーグ/しながわシティバスケットボールクラブ】B3リーグでの挑戦と未来展望を徹底解説

しながわシティとは何者か:東京発、B3リーグから羽ばたくプロクラブ


東京都品川区を拠点とする「しながわシティ バスケットボールクラブ」は、B3リーグに所属するプロバスケットボールクラブであり、2025年からは3×3バスケチーム「SHINAGAWA CITY.EXE」も始動。首都・東京の一角で着実に地歩を築いてきたこのチームの歩みは、単なる地方クラブの成長にとどまらず、日本バスケット界の多様性を象徴する存在となっている。

旧称「東京サンレーヴス」として2012年に誕生して以来、10年以上にわたる波瀾の歴史を経て、地域密着型の総合型スポーツクラブへと変貌を遂げた。Bリーグ再編を経て、しながわシティとして再出発したのは2021年。この転機がクラブにもたらした変化と、3×3参入の背景には、単なる競技転向以上の意図が込められている。

創設からの道のり:bjリーグ参戦と低迷期の克服

しながわシティのルーツである「東京サンレーヴス」は、2012年にbjリーグへ新規参入した。当時のチームスローガンは「五つの夢」。地域貢献、青少年育成、産業振興、地域活性化、エンターテインメントの5本柱で活動を展開した。

しかし成績は芳しくなく、bjリーグ時代は通算勝率.197と低迷。2016年にはbjリーグ解散に伴いB3リーグへ移籍したが、成績は依然として厳しいものだった。財政難から一時リーグ退会を余儀なくされた2020年には、クラブ存続そのものが危ぶまれる事態となった。

復活とリブランディング:しながわシティ誕生の背景

2021年、フットサルチームとの統合を図る形でチーム名を「しながわシティ バスケットボールクラブ」へ変更。新社長・大栗崇司のもと、経営体制とクラブビジョンを刷新した。スローガンには「CIVIC PRIDE(市民の誇り)」が掲げられ、品川区を中心とした地域密着型クラブとしての歩みが強化された。

ホームアリーナは固定されていないが、品川区立戸越体育館を中心に東京23区各所で開催。2023年以降は代々木第二体育館やコナミ本店など、大型施設での開催も増え、地元ファンの注目を集めている。

チームの構成と注目選手:ブロック王と日本代表経験者が在籍


2024-25シーズンのロースターには、注目の選手が揃う。センターのハイデン・コヴァルはB3リーグで2年連続ブロック王(2023-24:3.10本/2024-25:3.33本)に輝いた長身ビッグマンで、歴代最高記録保持者だ。

またキャプテンを務める伊藤良太は、32歳のベテランPGでありながら、2023-24シーズンのスティール王(2.21本)と3P成功率2位(39.59%)を記録。さらに、元3×3日本代表である落合知也も2024-25シーズンから加入し、チームの経験値を大きく底上げした。

3×3チーム「SHINAGAWA CITY.EXE」始動:バスケ新時代への布石

2025年、クラブは新たに3×3チーム「SHINAGAWA CITY.EXE」を設立。FIBA公認の「3×3.EXE PREMIER」リーグへの正式参入を発表した。これは、都市型・即興型スポーツとして人気が高まる3×3バスケにおいて、品川ブランドを浸透させる狙いがある。

選手の中には5人制と兼任する者もおり、特に俊敏性やフィジカルの強さを生かしたプレースタイルが3×3にマッチする選手が揃う。しながわシティの3×3部門は、GL3x3とも連携する形で今後さらなる飛躍が期待されている。

B3での成績推移:着実な成長を続けるクラブ

2021-22シーズンはわずか6勝に終わったものの、2024-25シーズンには23勝29敗と、B3リーグ17チーム中10位にまで浮上。年々勝率を上げ、成績も着実に向上している。

特に2024年1月の天皇杯ではB1の滋賀レイクスに78-73で勝利し、今大会唯一B1に勝ったB3クラブとして全国的に注目を浴びた。また、2025年1月の横浜エクセレンス戦では、リーグ18連勝中の強豪を撃破し、大金星を挙げた。

クラブカルチャーとファンとのつながり

しながわシティは地域と深く結びつくクラブ運営を志向しており、マスコットキャラクター「Sheena(シーナ)」や、チアダンスチーム「SEAGULLS」、ベテランMCの佐山裕亮など、エンタメ性にも力を入れている。

また、2024年の能登半島地震復興支援チャリティマッチや地域清掃活動など、社会貢献活動にも積極的に取り組み、地域住民との絆を深めている。

しながわシティの未来展望:B2昇格と3×3制覇へ

クラブの短期的な目標は、B2リーグ昇格と3×3.EXE PREMIERでの頂点獲得。長期的には品川区を拠点とした「総合型スポーツクラブ」としての完成を目指し、ジュニアユース育成や女子チームの創設も視野に入れている。

ベテランと若手の融合、5人制と3人制の両輪運用といった多層的な運営戦略は、他クラブにとってもモデルケースとなり得る。

まとめ:地域から世界へ、しながわシティの挑戦は続く

多くの困難を乗り越えてきたしながわシティ バスケットボールクラブ。その歩みは、「諦めない挑戦」の連続だった。今、B3で着実に存在感を高め、3×3の舞台でもその名を知られる存在となりつつある。

これからの日本バスケを牽引するであろう「しながわシティ」の今後に、GL3x3としても注目し続けていきたい。

【Bリーグ/富山グラウジーズ】歴史と挑戦|B2降格からの復活劇と未来への展望

富山グラウジーズとは何者か?地域に根ざすクラブの軌跡

富山グラウジーズは、北陸地方・富山県富山市を本拠地とするプロバスケットボールクラブであり、B.LEAGUE(Bリーグ)に属する日本有数の伝統的チームの一つです。2005年の創設以来、bjリーグ時代から着実に歩みを続け、北陸3県で初めてのプロスポーツクラブとして注目を集めてきました。その名は、県鳥である「ライチョウ(grouse)」に由来しており、地域密着と自然との調和を象徴する存在でもあります。

運営法人は株式会社富山グラウジーズであり、本社は富山市金泉寺に位置。ホームアリーナは「富山市総合体育館」で、最大4,650人の観客を収容可能です。

bjリーグ時代の苦難と躍進(2006〜2016)

富山グラウジーズは、bjリーグ参戦初年度から困難の連続でした。経営母体の撤退、連敗続き、主力スポンサーの降板など、幾度となく経営・戦績ともに危機的状況に陥りました。しかし、選手たち自らがスポンサー活動に取り組むなど、地元とともに苦境を乗り越えていきました。

2013-14シーズンには東地区1位を記録し、ファイナルズ3位という成績を収め、悲願のプレーオフ進出を果たしました。さらに、2015-16シーズンにはbjリーグ準優勝を成し遂げ、B.LEAGUE創設元年への参加を決定づけました。

Bリーグ参入後の戦績と浮き沈み(2016〜2024)

Bリーグにおいても、富山グラウジーズの挑戦は続きます。初年度の2016-17シーズンは残留プレーオフに回るなど、再び厳しい戦いを強いられましたが、宇都直輝やジュリアン・マブンガらを中心とした改革により、2020-21シーズンにはチャンピオンシップ進出を達成。リーグ平均得点で1位(89.2点)を記録し、攻撃型バスケの象徴として名を馳せました。

しかし、翌シーズン以降は主力の退団や外国籍選手の不祥事、長期離脱、そしてチーム成績の低迷が続き、2023-24シーズンには32連敗というリーグワースト記録を更新。最終的にはB1最下位に沈み、クラブ史上初のB2降格となりました。

2024-25:B2優勝とB1昇格の奇跡

しかし、グラウジーズはそこからわずか1シーズンで復活を果たします。新たなヘッドコーチとして前滋賀HCのダビー・ゴメスを迎え、ロスターも大幅刷新。元代表経験を持つトーマス・ケネディ、経験豊富なミッチェル・ワット、若きエース藤永佳昭らが攻守にわたって活躍。

結果、38勝22敗という安定した戦績を残し、B2東地区2位、全体3位という成績でB2優勝を成し遂げ、2025-26シーズンからのB1復帰を決定させました。

注目のキープレイヤーたち

  • 宇都直輝:専修大出身。B1通算300試合出場を達成した司令塔。
  • 水戸健史:クラブの象徴的存在であり、長年にわたり富山の得点源として活躍。
  • 藤永佳昭:東海大学出身のPG。高い視野とディフェンス力で頭角を現す。
  • トーマス・ケネディ:帰化選手として攻守に万能なパフォーマンスを見せる。
  • ユージーン・フェルプス:インサイドでのフィジカルと得点力が武器。

3×3への接続点と将来の展望

近年では、富山グラウジーズも3×3バスケットボールとの親和性を高めています。スピードとフィジカルを重視したスタイルは3×3との相性も良く、若手選手を中心に3×3への参画や連携の可能性も広がっています。

将来的には、地域ユースチームとの連携強化、アリーナのスマート化、ブランディング戦略の刷新によって、Bリーグのプレミアステージ入りも視野に入れています。

ユース育成と地域連携の強化

富山グラウジーズは、トップチームの活動にとどまらず、ユース育成にも積極的です。U-12、U-15、U-18といった下部組織が整備され、地元小中高生への指導やバスケットボール教室を定期的に開催しています。これにより、地域の子どもたちにとって憧れの存在となり、地元愛とバスケット文化の醸成に大きく貢献しています。

また、グラウジーズが主催する「グラウジーズリーグ」では、小学生同士の交流試合も実施されており、未来のスター選手がこの場から羽ばたく日も近いかもしれません。

地域密着とメディアの反応

2024年の降格劇は、北日本新聞やバスケットカウントなど主要メディアにも大きく取り上げられ、ファンの間にも危機感が広がりました。しかし、B2優勝を決めた2025年春には、SNSで「#グラウジーズ復活」などのタグがトレンド入り。チーム公式YouTubeではマスコット「グラッキー」がMVP級の人気を誇るなど、PR戦略の成果も見え始めています。

まとめ:再起のチームが魅せる未来

富山グラウジーズは、単なる勝敗の記録を超えた、ドラマティックなクラブです。B1昇格という成果は、チーム、地域、そしてファンが一丸となって掴み取った「勝利の象徴」。今後も北陸から全国へ、そして世界へ。新たな物語が始まろうとしています。

次なる注目は、3×3への本格参戦とB.LEAGUE PREMIERへの道。グラウジーズの進化に、今後も目が離せません。

【Bリーグ/横浜ビー・コルセアーズ】歴史・注目選手・チーム戦略を徹底解説!

横浜ビー・コルセアーズとは?港町・横浜を拠点とする海賊軍団

横浜ビー・コルセアーズ(Yokohama B-Corsairs)は、神奈川県横浜市を本拠とするBリーグ所属のプロバスケットボールクラブで、「海賊」をモチーフにしたチームカラーとロゴが特徴です。2010年に創設された比較的新しいチームながら、地元ファンとの強い結びつきや話題性のある選手起用で、全国的な注目を集めています。

チーム名「ビー・コルセアーズ」は「Bリーグ」と「コルセア(海賊)」を組み合わせたもので、逆境に挑む不屈の精神や果敢な挑戦姿勢を象徴しています。ファンは「ビーコルファミリー」と呼ばれ、横浜の街全体がチームを支える温かな文化が根付いています。

チーム創設からの軌跡とBリーグでの挑戦

横浜ビー・コルセアーズは、2010年にbjリーグへの参入を発表し、2011-12シーズンから正式にリーグ戦に参加。初年度から快進撃を見せ、なんといきなりのプレーオフ進出、翌年2012-13シーズンにはbjリーグで優勝という快挙を達成しました。

その後、NBLとの統合によって発足したBリーグでは、ディビジョン1(B1)に所属。新リーグ初年度こそ苦戦を強いられましたが、徐々にチーム体制を整え、育成・戦術・運営面での改革を進めてきました。特にここ数年は、若手有望選手の積極起用とアリーナイベントの強化が功を奏し、観客動員数も回復傾向にあります。

エース河村勇輝の存在がもたらす革新

現在の横浜ビー・コルセアーズを語る上で欠かせない存在が、若き司令塔・河村勇輝選手です。2001年生まれ、山口県出身のポイントガードで、高校時代から「天才PG」として注目され、大学を経てプロ入り。2021-22シーズンには特別指定選手としてビー・コルに加入すると、すぐさまチームの中心選手に成長しました。

身長172cmと小柄ながらも、鋭いドライブと正確なパス、そして冷静なゲームメイクが持ち味。Bリーグ全体を代表するスター選手の一人であり、日本代表「AKATSUKI JAPAN」でも重要な役割を担っています。彼の加入以降、横浜は攻撃のテンポが劇的に改善し、B1中地区での順位も飛躍的に向上しました。

2022-23シーズンの快進撃とチームの成長

河村勇輝のリーダーシップのもと、横浜ビー・コルセアーズは2022-23シーズンにおいて快進撃を見せました。チームは中地区で上位に食い込み、クラブ史上初のBリーグファイナル進出を果たします。惜しくも琉球ゴールデンキングスに敗れましたが、その戦いぶりはファンやメディアの間で高く評価され、「新時代のビーコル」を印象付けました。

オフェンスでは河村を軸に、ショーン・マクニールやチャールズ・ジャクソンら外国籍選手が得点源となり、若手とベテランのバランスの取れたロスター編成が成功。守備面でも、チーム全体で連動したハードディフェンスが光り、リーグ屈指のロースコアゲームを演出しました。

横浜アリーナ開催の試合が生む ビーコル現象

横浜ビー・コルセアーズは、通常は「横浜国際プール」をホームアリーナとしていますが、注目カードでは「横浜アリーナ」での開催も行っており、特に横浜アリーナ開催時は1万人近い観客が集まることも。これはBリーグにおいても異例の規模であり、まさに「ビーコル現象」と言えるでしょう。

試合当日は、エンターテインメント性の高い演出が特徴で、LED演出、DJ、キッズダンサー、地元の飲食ブースなど、バスケ以外の体験価値も提供されており、リピーターや新規ファンの獲得にも大きく貢献しています。

将来への展望と 日本のバスケを変える 覚悟

横浜ビー・コルセアーズのビジョンは明確です。「世界に誇れるクラブへ」という長期目標を掲げ、若手育成と国際化を同時に進行。育成アカデミーの拡充、地域の小中学生へのバスケ教室、さらにはNBAとの交流プログラムの模索など、そのスケール感はBリーグ内でも群を抜いています。

2026年に予定されているBリーグの新リーグ構想「Bプレミア」への参加にも強い意欲を示しており、河村勇輝を中心とした 日本代表型クラブ の実現が期待されています。

メディアやファンからの期待と評価

テレビや新聞などのメディアでは、「河村勇輝の存在がBリーグの人気を牽引している」とたびたび取り上げられており、特に若年層を中心に新たなファン層の開拓が進んでいます。SNSでもチームや選手のクリエイティブな発信が注目されており、公式InstagramやYouTubeチャンネルのフォロワー数も着実に増加中です。

ファンの声としては、「ビーコルの試合は会場の一体感がすごい」「地元愛が強くなる」といったポジティブな意見が多く、クラブ運営が 地域のためのプロスポーツ を体現している証拠とも言えるでしょう。

まとめ:海賊のように荒波を乗り越えるチームへ

横浜ビー・コルセアーズは、単なるプロバスケチームにとどまらず、「横浜の象徴」として存在感を高めつつあります。若きリーダー・河村勇輝を中心とした攻守の進化、エンタメ性の高い試合運営、地域密着型の活動、そして未来への明確な戦略——そのどれをとっても、日本バスケの未来像を描くモデルケースと言えるでしょう。

ビー・コルセアーズの海賊船は、これからも逆風を帆に変えて、大海原を突き進んでいくに違いありません。