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元NBA戦士テリー・アレンが川崎加入!Bリーグ7月10日契約まとめ|奈良はロスター確定

NBA経験者テリー・アレンがBリーグ初上陸!川崎ブレイブサンダースがビッグマンを補強


2025年7月10日、Bリーグ各クラブが2025−26シーズンに向けた選手契約情報を更新し、いくつかの注目移籍が発表された。その中でも最も大きな話題となったのは、NBA経験を持つビッグマン、エマニュエル・テリーの川崎ブレイブサンダース加入である。

テリーは現在28歳(8月で29歳)。身長206cm、体重100kgというサイズに加えて、トルコやイスラエル、セルビア、韓国など複数の国を渡り歩いた経験を持つインサイドプレーヤー。NBAではフェニックス・サンズやマイアミ・ヒートなどで6試合に出場し、その後も欧州トップリーグで着実にステップアップを遂げてきた。

昨季はトルコリーグの名門ベシクタシュに所属し、1試合平均8.5得点・5.7リバウンドと安定したパフォーマンスを発揮。リムプロテクターとしての守備力と機動力を兼ね備えるタイプで、川崎のインサイド陣に新たな厚みを加える存在となることが期待される。

川崎としては、近年の課題であった高さとフィジカル面の強化を明確に意図した補強。エース藤井祐眞やマット・ジャニングら既存の主力陣との相性次第では、開幕から即戦力としての活躍も見込まれる。

B2では神戸がアイザック・バッツと再契約


B2リーグに目を向けると、神戸ストークスが長年チームを支えてきたビッグマン、アイザック・バッツとの再契約を発表した。バッツは今季、自由交渉選手リストに掲載されていたが、再び契約合意に至ったことでファンを安堵させている。

現在35歳のバッツは、Bリーグ黎明期から活躍を続けるインサイドの重鎮で、リバウンドやスクリーンでの貢献度は極めて高い。ベテランとしての安定感とリーダーシップも健在であり、2025-26シーズンも神戸の 屋台骨 として存在感を発揮するだろう。

バンビシャス奈良が積極補強、13名ロスターが確定

また、B2のバンビシャス奈良は、相馬卓弥(福島ファイヤーボンズより)とヴャチェスラフ・ペトロフ(金沢武士団より)という2選手と契約を締結。これにより、2025−26シーズンを戦うロスター13名が確定した。

相馬は185cmのガードで、昨季福島で13試合に出場。ゲームコントロール力とディフェンスの粘り強さに定評があり、奈良にとってはバックコートの強化につながる存在。ペトロフは210cmのセンターで、B3・金沢でゴール下を支えていたロシア出身のビッグマン。サイズとフィジカルを武器に、B2でも十分通用する能力を持つ。

奈良は2024-25シーズン、B2西地区での下位に沈んだが、今オフは若手と外国籍選手をバランスよく加え、再建を進めてきた。今回の補強でロスターが確定し、新シーズンはプレーオフ進出を視野に入れた戦いを見せる構えだ。

東京Zがジェレミー・コームズを獲得、NZリーグからの補強


さらに、東京ゼット(アースフレンズ東京Z)は、ニュージーランドNBLでプレーしていたジェレミー・コームズを新戦力として加えると発表。コームズは198cm・104kgのフォワードで、リバウンド力とドライブ力を兼ね備えた万能型。

過去には台湾、フィリピン、ニュージーランドなどアジア太平洋地域でのプレー経験があり、Bリーグのプレースタイルにも早期順応が期待される。東京Zは若手主体の編成を進めており、外国籍選手にはリーダーシップも求められる状況。コームズがその役割を担えるか注目される。

7月10日の主な契約情報一覧

以下、2025年7月10日時点でBリーグから発表された主な契約情報をまとめる:

■契約継続
– アイザック・バッツ(神戸ストークス)

■新加入・移籍
– エマニュエル・テリー(ベシクタシュ→川崎ブレイブサンダース)
– 相馬卓弥(福島ファイヤーボンズ→バンビシャス奈良)
– ヴャチェスラフ・ペトロフ(金沢武士団→バンビシャス奈良)
– ジェレミー・コームズ(ニュージーランドNBL→アースフレンズ東京Z)

Bリーグ全体に広がる 動きのあるオフシーズン

2025年夏のBリーグは、B1からB3にかけて各クラブが活発な補強を進めている。特にNBAや欧州トップリーグからの選手獲得が目立ち、リーグ全体の国際的な注目度が着実に高まっている。

今オフで言えば、琉球が米Gリーグ経験者のガードを獲得、FE名古屋がNBA経験のあるブロドリック・トーマスと契約した件など、話題が絶えない。

一方で、国内選手の去就も焦点となっており、FAリスト入りしていたベテランや中堅選手の 決断 がファンの注目を集めている。今後の契約発表にも引き続き目が離せない。

まとめ:新シーズンに向けた戦力整備が本格化

7月10日のBリーグ契約発表では、インパクトのある補強と着実な再契約が並び、各クラブが本格的に2025-26シーズンへ向けた準備を進めている様子がうかがえた。

特にエマニュエル・テリーのBリーグ参戦は、川崎ブレイブサンダースの優勝争いにおいて大きな意味を持ちそうだ。B2では奈良のロスター完成、神戸のベテラン再契約など、地に足の着いた補強が光る。

今後も各クラブの戦力構成の変化に注目しながら、開幕までの 移籍市場 を楽しみたい。

【柏木真介 引退セレモニー】 バスケ人生の集大成 が詰まった一日、8月30日にアイシン体育館で開催

柏木真介、引退セレモニーを8月30日に開催


日本バスケットボール界を20年以上にわたりけん引してきたレジェンド、柏木真介氏の引退セレモニーが、2025年8月30日(土)に開催されることが決定した。会場は、彼のキャリアの象徴とも言えるアイシン体育館。開場は13時、開演は14時からおよそ90分間にわたって行われる予定で、チケットは8月1日より有料販売開始。記念グッズも付属する。

柏木氏は2025年5月、43歳で現役引退を発表。プロとしてのキャリアは実に21年におよび、数々の栄光と苦悩、挑戦と成長の軌跡を刻んできた。

北海道出身のバスケット少年が歩んだ道

柏木真介は1981年、北海道に生まれた。小学3年生からバスケットボールを始め、東海大学付属第四高校(現:東海大学付属札幌高校)で頭角を現すと、中央大学に進学。インカレでは1学年上の五十嵐圭(現・新潟アルビレックスBB)と共に準優勝を果たすなど、大学バスケ界でも屈指の実力者として名を馳せた。

2004年に日立サンロッカーズ(現:サンロッカーズ渋谷)でプロデビューを果たすと、わずか2年で名門・アイシンシーホース(現:シーホース三河)へ移籍。ここから、柏木氏の 真骨頂 とも言えるキャリアが始まる。

名将・佐古賢一と築いた黄金期

柏木氏が最も輝いた時期の一つが、2006年からのアイシン時代だ。加入初年度にチャレンジカップ優勝を果たすと、翌年にはJBL(旧日本リーグ)制覇を経験。以降、2008年の天皇杯からは Mr.バスケットボール こと佐古賢一氏とともに4年連続で日本一に輝き、日本代表としてもアジア大会やFIBA世界選手権に出場するなど、日本の顔とも言える存在となっていった。

個人としても、2007年にはレギュラーシーズンMVPとプレーオフMVPのダブル受賞を果たすほか、ベスト5賞、フリースロー成功率賞、スティール賞など多彩なタイトルを獲得。シーホース三河のキャプテンとして、チームを精神的にも牽引した。

チームを渡り歩き、なお輝き続けた後半キャリア


2017年、36歳を迎えた柏木氏は名古屋ダイヤモンドドルフィンズに移籍。衰え知らずの勝負強さと冷静な判断力で、若いチームに経験値と落ち着きをもたらした。その後は新潟アルビレックスBBでのプレーを経て、2020年に古巣・シーホース三河へ復帰。ベテランとしてロッカールームの空気を引き締め、2020年にはチャンピオンシップ進出を果たすなど、再びチームに勝利をもたらした。

2024年には三遠ネオフェニックスへの期限付き移籍を経験。43歳という年齢にもかかわらず、試合終盤でのディフェンス、クラッチシュート、若手への指導力といった「柏木節」は健在だった。

21年のプロキャリアに込められたメッセージ

柏木氏の引退発表は2025年5月。コメントでは、家族や仲間、支援してくれたファンへの深い感謝の気持ちと、バスケットボールという競技への敬意がにじむ。

「バスケットボールが私を育ててくれました。支えてくれました。そして、成長させてくれました。」

柏木氏はこう綴り、どんな時もバスケットに対して 嘘をつかず、妥協せず 向き合ってきた誇りと共に、静かに現役生活を締めくくった。

彼の姿勢は、華やかな数字やタイトル以上に、多くのファンや若い選手にとって「何がプロであるか」を教えてくれる存在であった。

引退セレモニーは「恩返しの場」

8月30日に開催される引退セレモニーは、柏木氏にとって単なる「引退の儀式」ではない。21年間の歩みにおいて出会ったすべての人々に対する「感謝の時間」であり、応援し続けてくれたファンへの 恩返しの場 でもある。

シーホース三河時代の盟友たちや、ライバルだった選手の出席も期待され、当日は映像やトークイベント、ミニゲームなど多彩なプログラムが用意される予定だ。ファンにとっては、レジェンドと共に過ごす かけがえのない一日 となるだろう。

Bリーグが育んだ「柏木世代」の象徴

Bリーグ創設前から活躍し、その後もB1リーグでのハードな戦いに身を投じ続けた柏木氏は、日本の男子バスケットボールにおける「過渡期」を支えた象徴的存在だった。

競技の商業化と国際化が進む中で、地道に努力を重ね、技術と人間性の両面で信頼を得てきた。その背中を見て育った若手は数知れず、彼の引退は一つの時代の終わりを告げる。

未来への影響:ポスト柏木の担い手たち

柏木氏の引退は、ただの 退場 ではない。彼が残してきた文化や精神は、これからの世代に引き継がれていく。特に日本代表やBリーグにおいて、リーダーシップと勤勉さを兼ね備えたガードのモデルケースとして、柏木氏のキャリアは語り継がれるはずだ。

今後は指導者やフロントとしての活動も期待される中、彼がどう日本バスケットの成長に貢献していくかにも注目が集まる。

まとめ:すべての「ありがとう」を込めて


21年間、プロとして一線で走り続けた柏木真介。彼のキャリアは、バスケットボールというスポーツの奥深さと、人間としての成長の物語を同時に見せてくれた。

8月30日、思い出の詰まったアイシン体育館にて——。

「これ以上ない幸せなバスケ人生だった」と語るレジェンドの軌跡を、私たちは共に見届けたい。

【Bリーグ/長崎ヴェルカ】2025-26最新情報|ハピネスアリーナ本格稼働とマオール体制の全貌、補強・ロスター・戦術を徹底解説

ニュース概要

長崎ヴェルカは2025-26シーズン、B1西地区で2年目のモーディ・マオールHC体制を継続し、スローガンを「WE THE VELCA」として再出発する。ホームは長崎スタジアムシティ内の多目的アリーナ「ハピネスアリーナ」。スタンリー・ジョンソン、アキル・ミッチェル、イ・ヒョンジュンら国際色豊かな新戦力を加え、伊藤拓摩GMが描く“地域×エンタメ×競技力”の三位一体モデルをいっそう推し進める。ロスター刷新とスタッフ強化、育成路線の拡充、メディア露出の積極化を背景に、B1定着から上位進出を狙う。

背景と経緯

長崎ヴェルカは2020年に創設された長崎県初のプロバスケットボールクラブで、運営はジャパネットHD出資の株式会社長崎ヴェルカ。B3初年度の2021-22で圧倒的な45勝3敗の成績を収め優勝、B2でも準優勝を果たし、創設から最短ルートでB1へ到達した。2023-24はB1西6位(27勝33敗)、2024-25は同6位(26勝34敗)と苦心しつつも、クラブとしての基盤を広げた時期となった。

組織面ではGM伊藤拓摩の下、アソシエイトHCにポール・ヘナレを迎え、アシスタントコーチやパフォーマンス、メディカル、ビデオ部門を国際水準へ近づける再編を実施。育成カテゴリはU14/U15/U18が整備され、VCDP(Velca Coaching Development Program)で次世代コーチの育成も並行する。2024年以降は新拠点「ハピネスアリーナ」と併設クラブハウスが稼働し、練習・試合・オフィス・温浴設備に至るまで動線がシームレス化。チームとファンが日常的に交差する“都市型クラブ”の実装が進んだ。

選手・チームのプロフィール

クラブアイデンティティは“Welcome/Well community/Victory”を掛け合わせたチーム名「VELCA」が端的に示すとおり、地域に開かれた勝利志向。チームカラーはヴェルカネイビーとキャンバスホワイト、斜め上昇の「ヴェルカバード」ロゴは成長と革新性を象徴する。

経営・編成本部の顔は代表取締役社長兼GMの伊藤拓摩。NBAやNBLに通底する最新トレンドへの感度が高く、戦力補強は「スイッチ対応力」「トランジション適性」「マルチポジション性」をキーワードに一貫性がある。指揮官モーディ・マオールHCは、ハーフコートでのスペース創出、ハンドオフやズーム系の連携、5アウト/4アウト1インの可変運用を使い分けることで、国籍やサイズの異なる選手を束ねるのが持ち味だ。

2025-26登録の主な顔ぶれは、以下の通り(ポジションは便宜上)。

  • G:熊谷航、森田雄次、狩俣昌也、松本健児リオン
  • W/F:馬場雄大、山口颯斗、星川堅信、菅野翔太、イ・ヒョンジュン、スタンリー・ジョンソン、森川正明(IL入りからの復帰見込み)
  • F/C:アキル・ミッチェル、ジャレル・ブラントリー、川真田紘也

新加入のスタンリー・ジョンソン(NBA在籍経験)とアキル・ミッチェル(国際舞台での守備・リムラン能力)は、B1のアスレティシズム基準を引き上げるピース。イ・ヒョンジュンは高精度のキャッチ&シュートとサイズのあるウイング守備で、日本のB1でもフィットが期待される。継続勢では馬場雄大が攻守のトーンセッター、ブラントリーがミスマッチ攻略の第一手、川真田がスクリーンとリムプロテクトで骨格を担う。テクニカルなスイングマン星川、2way志向の山口、ゲームメイク力の熊谷など、ローテは多層化した。

試合・出来事の詳細

直近2季のB1では負傷と入れ替えの影響で波に乗り切れず、2024-25は7連敗を含む難所を経験。終盤は立て直して26勝34敗でフィニッシュした。課題はセカンドユニットの持続火力、リム周りの決定力、終盤の意思統一で、いずれも今季の補強テーマと整合的だ。具体的な上積みポイントは以下の3つ。

  1. 守備の土台強化
    • ミッチェル+ブラントリー+川真田のラインで、リム守備・DREB・ショーブロックを改善。ウイングはジョンソンと馬場がPOA(Point of Attack)で圧をかけ、後方の助け舟を減らす。
    • スイッチ後のポストミスマッチへの二段対応(早いボールプレッシャー→遅いダブル)は、ヘナレAHCのコーチングで整理が進むはずだ。
  2. トランジションの加速
    • 守備リバウンド即発進(rebound to outlet to lane fill)を徹底。馬場・山口・イ・ヒョンジュンの三走路はB1でも上位水準の推進力を生む。
  3. ハーフコートの省手数化
    • ズーム(ピンダウン→DH0)やホーンズ起点のハンドオフで、初動からスイッチを強要。ブラントリーのショートロール、ミッチェルのダイブ、外ではイ・ヒョンジュンのスポットアップを絡めて“判断2手以内”を目指す。

ホームの「ハピネスアリーナ」はアクセス性と演出設備でB1屈指。併設クラブハウスは“徒歩30秒”の導線でパフォーマンス管理を高効率化する。試合日は会場の飲食・物販や演出(MC/DJ、チア「VELC」)が一体化し、地域メディアの定期番組と連動するハイブリッドな“試合体験”が提供される。

他事例との比較・分析

B1西地区の上位常連は、堅守速攻(川崎タイプ)、大柄ビッグの高効率活用(琉球タイプ)、多彩なハンドオフ連携(名古屋Dタイプ)など、色のあるスタイルを持つ。ヴェルカのユニークさは、国際色あるロスターに対して“可変式”の落とし込みを行い、週単位で対戦相手の弱点へ戦術を微調整する運用にある。

例えば、サイズ差で押せる相手にはミッチェル+川真田の縦リム圧とOR(オフェンスリバウンド)で上書き。外角守備が脆い相手には、イ・ヒョンジュンのピンダウン→シャローカールからのキャッチ&シュートを連投し、ブラントリーのショートロールでヘルプを吸う。POAが強い相手には、馬場をプライマリーハンドラーにしてDH0やズーム系を増やし、ドリブル回数を削る。これらの“相手特化の小回し”は、長期的な“クラブとしての型”を損なわない範囲で調整できるのが強みだ。

また、B3優勝→B2準優勝→B1定着という駆け上がりの裏側で、アカデミーとメディア、アリーナ運営を統合し、勝つだけではない収益多角化を早期に実装した点が他クラブ比で先進的だ。U14/U15/U18の整備、コーチ育成プログラム、地元番組・YouTube・SNSの立体展開、スポンサー協業の広がりは、“地域装置”としてのプロクラブというBリーグの理想形に近い。

今後の展望とまとめ

短期目標は、勝率5割超と西地区上位進出。中期では、連敗の芽を序盤で摘む“下振れ耐性”の獲得と、終盤のクローズ力の安定化が焦点だ。戦術的には、リム周りの効率(FT獲得とペイントFG%)を押し上げつつ、3Pの量と質を担保できるかが鍵になる。特に以下のKPIをシーズンの体温計として捉えたい。

  • 守備:DREB%、相手のペイント得点、相手TOV%
  • 攻撃:ペイント得点、FT Rate(FTr)、3P試投比率とコーナー3比率
  • ゲーム運び:クラッチタイムのPPP(100ポゼッション得点)とTOV%

ロスター面では、ウイングのヘルシー維持とバックアップガードのハンドリング安定が上振れの条件。スタッフ体制の厚みはリーグ随一で、負傷や日程密度の波を平準化できる可能性が高い。ハピネスアリーナという新基盤は“ホーム勝率の底上げ”に直結しやすく、観客体験の品質はスポンサー価値と選手リクルート力を押し上げる。

総括すれば、長崎ヴェルカは“地域密着×国際規格の実装”という独自性で、B1の新潮流を牽引するポテンシャルを持つ。2025-26は、守備の土台とトランジション、ハーフコートの省手数化が噛み合うかが勝負どころだ。読者の皆さんは、ホームの熱量とともに、セットの起点(ホーンズ、ズーム、DH0)の配分や、終盤のクラッチで誰が第一次決定権を握るかに注目してほしい。興味を持ったらこの記事をシェアし、現地で“WE THE VELCA”の空気を体感しよう。

滋賀レイクス長谷川比源、Gリーグ国際ドラフト10位指名!クラブもNBA挑戦を全面支援へ

Gリーグ国際ドラフトで注目の快挙、長谷川比源が10位指名

2025年7月9日(日本時間)、NBA Gリーグの「インターナショナルドラフト」が開催され、日本のバスケットボール界に明るいニュースが飛び込んできた。B1リーグの滋賀レイクスに所属する若手フォワード、長谷川比源(はせがわ・ひげん)が、全体10位でウェストチェスター・ニックスに指名される快挙を達成。その後のトレードで交渉権はモーターシティ・クルーズ(デトロイト・ピストンズ傘下)へと移動した。

このインターナショナルドラフトは、アメリカ国外の若手選手に焦点を当てた制度で、NBAを目指す世界中の有望株が対象となる。今年はベルギー、ブラジル、イスラエル、ニュージーランド、スペイン、ドイツなどから17名が指名された中で、長谷川の名前が10位という高順位で呼ばれたのは、将来性への高い期待の表れだ。

長谷川比源とは何者か?神大中退から滋賀入り、そしてGリーグ指名へ

2005年5月生まれの長谷川は、現在20歳。ポジションはスモールフォワード兼パワーフォワードで、身長202cm・体重85kgという恵まれた体格を誇る。神奈川大学に進学するも2024年に中退し、同年12月にB1の滋賀レイクスと契約してプロの道へ進んだ。

2024-25シーズンの途中加入ながら、滋賀では18試合の先発を含む34試合に出場。平均5.7得点・3.7リバウンドという安定した数字を記録した。特に守備面での成長が評価されており、ウイングポジションでのマッチアップの柔軟さ、リムへのドライブ対応、ヘルプディフェンスの判断などが高く評価されている。

クラブも支持、NBA挑戦への意志を尊重した滋賀レイクスの姿勢

今回のGリーグ指名を受け、滋賀レイクスは公式サイトを通じて声明を発表。そこでは、長谷川のNBA挑戦に対して前向きなスタンスを明示しており、「入団当初より、NBA挑戦への意向を確認していた」「Gリーグドラフトへのエントリーも容認していた」との言葉が並んだ。

さらに「交渉権を持つクルーズと長谷川選手の交渉結果を待ちつつ、今シーズンの活動について協議を続ける」とも記載されており、選手の夢とクラブの契約責任を両立する方針が伺える。この柔軟かつ戦略的なアプローチは、他クラブにとっても一つの模範と言えるだろう。

若手育成リーグ「Gリーグ」の役割と意義

NBA Gリーグは、NBAに直結する育成リーグとして2001年に創設された。過去には八村塁や渡邊雄太もこのリーグでキャリアのステップアップを果たしており、現在では30チーム以上がNBAの下部組織として連携している。特に2020年代以降は、世界各国からの若手選手がチャレンジする「登竜門」としての役割をより色濃くしている。

今回、長谷川が指名を受けたモーターシティ・クルーズは、デトロイト・ピストンズの傘下チーム。選手育成の実績があり、ガードからビッグマンまで様々なタイプの選手をNBAに輩出してきた。長谷川にとっても、NBA入りへの大きなチャンスとなる環境だ。

今後の焦点は「契約」か「留任」か?

指名はされたものの、Gリーグでプレーするには実際に契約を結ぶ必要がある。その交渉は今後数週間以内に行われると見られ、長谷川とモーターシティ・クルーズの双方が合意に至るかが注目される。

仮に合意に至れば、Gリーグでのプレーが決定し、日本人選手として新たな道を切り拓く存在となる。一方で、契約に至らなかった場合は、引き続き滋賀レイクスでのプレー継続というシナリオも残されており、クラブとの話し合いが鍵となる。

先人たちとの比較、そして長谷川に期待される将来像

これまでGリーグを経てNBA入りした日本人選手としては、渡邊雄太(現・FA)、馬場雄大(メルボルン・ユナイテッド)らが知られている。彼らに共通するのは、Gリーグでタフな環境に揉まれながらも、着実に自分のプレーを研ぎ澄ませていった点だ。

長谷川はまだ20歳という若さ。サイズ、ポジション、スキルセットを総合的に見ても、伸びしろは大きい。特にアウトサイドシュートの精度向上、フィジカルコンタクトの対応力、ゲームメイク力が加われば、NBAでも十分通用するポテンシャルを秘めている。

日本バスケ界に与えるインパクトとファンの期待

Gリーグインターナショナルドラフトでの日本人選手の高順位指名は、日本バスケットボール界にとっても大きな意味を持つ。国内外のスカウトが日本リーグの若手に注目するきっかけにもなり、今後の人材流動性を促進する可能性がある。

SNSやファンコミュニティでも「未来のNBAスター誕生か?」「滋賀の対応が素晴らしい」といった声が相次いでおり、長谷川の挑戦を後押しするムードが高まっている。彼の一挙手一投足が、日本の若手アスリートに大きな希望と刺激を与えることだろう。

まとめ:一歩踏み出した長谷川比源、世界への扉は今開かれる

2025年夏、長谷川比源の名前がGリーグのドラフトで読み上げられた瞬間、日本バスケ界に新たな風が吹き込んだ。NBAという夢への挑戦は、簡単な道ではない。しかし、クラブとファンの支援を受けながら、一歩ずつ階段を登っていく姿こそ、多くの若者の道しるべとなる。

今後の交渉、そして去就の決定は、彼のキャリアにとって大きな岐路となる。GL3x3では引き続き、長谷川比源の動向を追っていく。

B2奈良が米国出身のビッグマン2名を獲得!ダラス&ブレイクフィールドが描く新シーズンの挑戦とは?

バンビシャス奈良が米国出身の実力派ビッグマンをダブル補強

B2リーグ所属のバンビシャス奈良が、2025-26シーズンに向けてチームのインサイドを強化すべく、2人のアメリカ出身ビッグマンを新たに迎え入れることを発表しました。ジョーダン・ダラス(28歳)とジェイミン・ブレイクフィールド(24歳)という、年齢・経歴ともに異なる二人の選手がどのように奈良の戦力として機能するかに注目が集まっています。

ジョーダン・ダラス:欧州で実績を積んだ208cmの万能ビッグマン

ジョーダン・ダラスは、シアトル大学出身で、身長208cm・体重108kgという恵まれた体格を持つパワーフォワード兼センターです。大学卒業後、ヨーロッパの中堅リーグでプロキャリアをスタートし、デンマークやチェコ、ドミニカ共和国など複数国を渡り歩きながら経験を積んできました。

特に2024-25シーズンに在籍したチェコリーグでは、1試合平均12.5得点、8.3リバウンド、1.1アシストという安定感あるスタッツを記録。リムプロテクターとしての能力に加え、攻守の切り替えにも強みを持っており、インサイドの起点として期待がかかります。

ヨーロッパでは語学習得や文化適応にも積極的に取り組み、チーム内のコミュニケーションを円滑にするタイプと知られており、奈良でもその人間性が活きると見られています。

ジェイミン・ブレイクフィールド:NCAAスイート16経験の新星フォワード

一方、24歳のジェイミン・ブレイクフィールドは、NCAAディビジョン1のミシシッピ大学でプレー。最終学年の2024-25シーズンには、36試合に出場して11.1得点、4.3リバウンド、1.8アシストを記録しました。チームをNCAAトーナメント「スイート16(ベスト16)」に導くなど、注目の活躍を見せた選手です。

203cm・103kgというサイズに加え、パワーとスキルを兼ね備えたモダンタイプのパワーフォワードであり、ペリメーターシュートにも長けています。Bリーグでのプレーは初めてとなるものの、大学での実戦経験は豊富で、即戦力としての期待が高まります。

チーム関係者によれば、ブレイクフィールドは「とにかくバスケに真面目で研究熱心」なタイプ。フィルムスタディを欠かさず、チームの戦術理解度の高さにも定評があり、プロ初年度ながら ゲームIQ の高さも大きな武器となりそうです。

本人コメント:日本での挑戦に対する意気込み

ジョーダン・ダラスは以下のようにコメントしています。

「バンビシャス奈良の一員になれることをとても嬉しく思います。日本についてはこれまでに良い評判をたくさん聞いてきましたし、そんな国でバスケットをプレーできることを誇りに思っています。この機会を与えてくれたクラブ関係者の皆さんに心から感謝します。チームメイト、そしてファンの皆さんに会える日を心待ちにしています」。

ジェイミン・ブレイクフィールドも初のプロ契約にあたり、次のようにコメントを寄せました。

「日本に来るのがずっと夢でした。その日本でプロキャリアをスタートできるなんて、まさに夢がかなった気分です。奈良という美しい街で、バスケットに全力を尽くし、最高のシーズンを送れるよう全力で挑みたいと思います」。

チーム構成と期待される役割

2024-25シーズン、バンビシャス奈良はB2西地区で中位に留まり、昇格プレーオフ進出を逃しました。その中で最も顕著な課題とされたのが、インサイドの層の薄さとフィジカル面での戦力差です。特にリバウンドやペイント内の得点で後手に回る場面が多く、試合の主導権を握れないことがありました。

今回のダラスとブレイクフィールドの加入により、高さと強さ、さらにはスキルを兼ね備えたビッグマン2名が加わることで、インサイドの厚みが飛躍的に増すことが見込まれています。ダラスにはディフェンスの要としてペイントエリアを守る役割が、ブレイクフィールドにはストレッチ4としての得点力とスペースメイクが期待されるでしょう。

地域密着 と 外国籍選手の融合 に挑む奈良の育成方針

バンビシャス奈良はBリーグ設立当初から 地域密着 を掲げて活動してきたクラブです。奈良県出身の選手育成、学校訪問やクリニックなど地道な普及活動にも力を入れており、外国籍選手に対しても積極的に地域文化への理解を促す施策を講じています。

チーム内の日本人選手には若手が多く、経験値に課題がある一方、今回のように国際経験が豊富な外国籍選手を招くことで、ロッカールーム内での学び合いやスキル共有が活性化することも狙いの一つです。とりわけブレイクフィールドのようなプロ1年目の選手が 地域と共に育つ 姿勢を見せることは、クラブ理念にも合致しています。

Bリーグにおける外国籍ビッグマン補強のトレンド

2025年夏、Bリーグ全体では外国籍ビッグマンの補強が活発に進められています。B1長崎ヴェルカはアキル・ミッチェルを獲得、B2神戸にはヨーリ・チャイルズが加入、B3立川にはLJ・ピークが移籍するなど、ポジション問わず 即戦力 外国籍選手を求める流れが加速しています。

その背景には、2026年に向けてBプレミア昇格を視野に入れた各クラブの競争力強化、さらにグローバル化が進む中での市場価値上昇への対応などがあります。バンビシャス奈良もその流れに乗る形で、戦力の底上げを急ピッチで進めている印象です。

今後の展望と奈良の挑戦

2025-26シーズンのB2リーグは、新設Bプレミアを見据えた正念場の年。各クラブとも昇格を目指す中で、バンビシャス奈良は「まずは地区上位確保」が至上命題となります。その鍵を握るのが、今回獲得した2人のビッグマン。彼らのフィット次第で、チームのプレースタイルは大きく変化する可能性があります。

奈良という土地が持つ独特の温かさと、選手たちのプロフェッショナリズムが融合することで、地元のファンとの絆もより強固になるでしょう。ダラスとブレイクフィールド、2人の新戦力はただの補強選手ではなく、クラブと地域の未来をつなぐ 象徴的な存在 となる可能性を秘めています。

能登に笑顔と希望を──篠山竜青らがバスケで届けた「88 SMILE in Noto」の挑戦

バスケの力で被災地に笑顔を――「88 SMILE in Noto」が石川県輪島市で開催

2025年6月28日、石川県輪島市の日本航空高等学校石川にて、特別な復興支援イベント「88 SMILE in Noto」が開催された。主催者は、川崎ブレイブサンダース所属の篠山竜青、ベルテックス静岡の橋本竜馬、そして元横浜ビー・コルセアーズの湊谷安玲久司朱。彼らが所属する団体「88 Basketball」が企画し、能登半島地震の被災地に笑顔と希望を届けるために実施されたプロジェクトだ。

この取り組みは、単なる慰問や訪問にとどまらず、現地の子どもたちと「リアルな交流」を通じて心の復興を目指すものであり、今後の地域との継続的な関係性の構築も視野に入れた意義深いものとなっている。

イベント前日:被災地を自らの目で確認

6月27日、イベント開催に先立ち、選手たちは地元の3×3プロクラブ「ECHAKE-NA NOTO(エチャケーナ・ノト)」の池田智美選手らとともに、能登半島の被災地を視察。輪島市朝市通りの焼失跡地では、観光名所として知られた一帯が完全に更地となり、かつての賑わいの痕跡がまったく見えない現状に言葉を失ったという。

また、国の重要文化的景観でもある「白米千枚田」にも足を運び、崩落が激しいエリアと復旧が進んでいるエリアとのギャップを目の当たりに。さらに、最大で8〜9割の家屋が解体対象となった南志見地区を訪れ、地元のカフェや福祉施設を運営する経営者たちと直接対話する機会を得た。

「人のいない場所を元気にし、人が戻ってこられるようにすることが再生の第一歩」と語る地元の方々の姿勢に、選手たちは大きな刺激を受けたという。

イベント当日:子どもたちと心の交流

6月28日当日には、輪島市、珠洲市、志賀町、金沢市などから約50名の子どもたちが会場に集まった。午前中には選手たちによるトークショーが実施され、子どもたちからの様々な質問に笑顔で答える場面が続いた。

「ミスをしたときの切り替え方」や「フリースローのコツ」といった実践的な質問に加え、「バスケ人生で一番うれしかったプレーは?」という質問も飛び出した。

篠山は、2018年のワールドカップアジア地区予選・オーストラリア戦で、自身が決めた逆転レイアップシュートを挙げ、「あの瞬間は、一生忘れない」と語った。一方、橋本は「けん玉で複数の玉を一気に皿に載せた時!」と答え、会場を笑いで包み込んだ。

昼食交流:ゴーゴーカレーで心と体を満たす

昼食には、石川県のソウルフードとも言える「ゴーゴーカレー」が提供され、選手と子どもたちは同じ食卓を囲んで食事を楽しんだ。会場では子どもたちが描いた似顔絵が贈られたり、篠山のウォームアップストレッチを真似する姿が見られるなど、和やかな時間が流れた。

特にこの食事時間は、スポーツという枠を超えた人間同士の ふれあい を生む大切な時間であり、子どもたちにとっても「一緒に笑った思い出」が深く刻まれた時間となった。

バスケットボールクリニックで実技指導

午後は、音楽とバスケットボールを組み合わせたスポーツリズムトレーニングからスタート。ECHAKE-NA NOTOの池田インストラクターによる指導で、子どもたちはリズムに合わせて楽しく身体を動かしながらアップを行った。

その後、篠山、橋本、湊谷が中心となり、ドリブル、パス、シュートといった基本技術のレクチャーを実施。最後には、子どもたちのチームと選手チームによるエキシビションマッチが行われ、観客からは大きな歓声と笑顔があふれた。

3選手のコメント:継続こそが支援

イベントの最後には集合写真が撮影され、充実した一日を参加者全員で記録に残した。以下は、主催した3選手からのメッセージである。

篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)

「クラウドファンディングで応援してくださった皆さまのおかげで、能登に来ることができました。現地を自分の目で見ることの大切さを実感し、子どもたちの笑顔に出会えたことで、支援の必要性を再確認しました。この1回で終わらせず、継続的に能登と関わっていきたいです」

橋本竜馬(ベルテックス静岡)

「被災地の現状を実際に見て、未だ復旧していない地域の多さに驚きました。イベントを通じて 自分たちに何ができるか を改めて考えるきっかけになり、今後も行動し続けたいと思っています」

湊谷安玲久司朱(元横浜BC)
「今回が88 Basketballとしての初めての復興支援でした。現地の現状を直接見て、本当の意味での 復興 とは何かを深く考える時間になりました。子どもたちの笑顔が見られて本当に嬉しかったし、今後もこういった活動を続けていきたいと強く思いました」

まとめ:スポーツが持つ力と、支援のこれから

「88 SMILE in Noto」は、被災地に物理的支援だけでなく、 心のケア を届ける新しい形の支援として、多くの意義を持った取り組みだった。スポーツ選手が地域と直接向き合い、交流を通じて地域の 再起 を支える姿勢は、今後の災害支援モデルの一つとなり得るだろう。

バスケットボールがもたらす笑顔、熱狂、つながり――それはまさに、復興への原動力。88 Basketballの活動は、今後も日本各地でその価値を広げていくに違いない。

ジョン・パトリックが台湾新北キングスの新HCに就任!千葉Jで歴史を作った名将がアジアで再出発

名将ジョン・パトリック、台湾プロバスケ・新北キングスの指揮官に就任


2025年7月9日、台湾のプロバスケットボールクラブ「新北キングス」は、元千葉ジェッツHCのジョン・パトリック氏を新たなヘッドコーチとして迎え入れることを正式発表した。パトリック氏は日本バスケ界でも豊富な経験と輝かしい実績を持つ指導者であり、今回の就任は台湾リーグTPBLにとっても大きな話題となっている。

新北キングスは、2024年に発足したTPBL(Taiwan Professional Basketball League)において初代王者に輝いた強豪。チームには元NBA選手でアジア圏で圧倒的な人気を誇るジェレミー・リンが所属しており、攻守にわたりアグレッシブなスタイルを展開することで知られている。そんなチームが2025年シーズンに向けて選んだ新指揮官が、日本でB1歴代最高勝率や2冠を成し遂げたパトリック氏だった。

千葉ジェッツでの偉業:勝率.883、24連勝、天皇杯制覇

ジョン・パトリック氏(57歳)は、アメリカ出身ながら近畿大学に留学経験を持ち、日本バスケットボールとの結びつきが深い。JBL時代にはトヨタ自動車アルバルク(現・アルバルク東京)を指揮。その後、ドイツリーグで最優秀ヘッドコーチ賞を受賞し、国際的にも高く評価された実力派だ。

2022年に千葉ジェッツのヘッドコーチに就任すると、その手腕が瞬く間に発揮され、就任初年度にはB1史上最長となる24連勝を記録。シーズン勝率.883(53勝7敗)はB1歴代最高であり、2023−24シーズンには東アジアスーパーリーグと天皇杯の2冠を獲得。名実ともに「勝てるチーム」を作り上げた。

彼のバスケはディフェンスを土台としたハードなスタイルと、選手の自立を促すマネジメントが特徴。実績だけでなく、指導哲学の面でもチームに強い影響を与えるタイプのコーチだ。

台湾の新リーグ「TPBL」と新北キングスの挑戦

TPBLは2024年に新たに設立された台湾のプロリーグであり、元P.LEAGUE+やT1リーグのクラブが再編・統合される形でスタートした。リーグの初年度王者となったのが新北キングスであり、ジェレミー・リンや高身長外国籍選手の起用など、グローバル視点での編成が特徴だ。

昨季、チームを率いたライアン・マルシャンHCはリーグ最優秀コーチ賞に輝いたが、今オフに日本のB2クラブ「福島ファイヤーボンズ」への移籍が決定。後任探しが急務となる中で白羽の矢が立ったのが、実績と知名度を兼ね備えたパトリック氏だった。

GMの言葉:「ゴッドファーザーのような存在」


新北キングスのゼネラルマネージャーであるジェームス・マオ氏は、パトリック氏の就任にあたり以下のようにコメントした。

「パトリックはまるで ゴッドファーザー のような偉大な指導者。国際的な視野と経験を兼ね備え、これまで数々のチームを再構築してきた。キングスを次なる優勝へ導いてくれると確信している」

このように、台湾のバスケット界からも大きな期待が寄せられていることがわかる。

選手たちへの影響と展望:リンとの融合、新戦術は?

パトリック氏の指導下で最も注目されるのは、ジェレミー・リンとの化学反応だ。NBA、CBA、PBAなどを経験してきたリンにとっても、国際的な知見を持つ指導者とのタッグは刺激になるはずだ。

また、パトリック式ディフェンス重視バスケが台湾リーグの中でどのような効果を発揮するかも注目される。特に速攻重視のアジア系バスケにおいて、パトリックの「ハードDからのオフェンス」は強力な武器となる可能性がある。

Bリーグとの対比と移籍動向:今後の帰還も視野?

Bリーグファンにとってもパトリックの去就は関心事だ。彼の千葉J退任後、後任のHCがどうチームを引き継ぐのか、また今後パトリック氏が再びBリーグに復帰する可能性も否定できない。

実際、2024−25シーズンは日本の複数クラブでもHC交代が続いており、「勝たせられる外国人HC」は争奪戦となっている。TPBLでの成果次第では、数年以内のBリーグ復帰、または日本代表のアシスタントなどの選択肢も見えてくるだろう。

まとめ:アジア全体のバスケ成長を象徴する存在へ


ジョン・パトリックの台湾行きは、単なる1クラブの補強にとどまらず、アジアバスケットボール界の成長と多様性を象徴する事例とも言える。日本、ドイツ、そして台湾を渡り歩く中で蓄積された指導哲学と戦術は、今後のアジアバスケに新たな刺激をもたらすことだろう。

これまでにもBリーグとCBA、KBL、PBAなどアジア各国間でのコーチ・選手の交流は進んでいたが、今回のような「日本で実績を残した指導者が台湾に行く」流れは、TPBLの国際化と成熟の証でもある。

今後、新北キングスがパトリックの下でどんなバスケを見せてくれるのか。アジアのバスケファンは大いに注目している。

【Bリーグ契約情報|7月9日】長崎ヴェルカがアキル・ミッチェル獲得!チャイルズやピークらの移籍先も判明

長崎ヴェルカ、アキル・ミッチェル獲得でインサイドを強化


2025年7月9日、Bリーグ各クラブによる新シーズン(2025-26)に向けた契約情報が続々と更新された。中でも注目を集めたのは、B1所属の長崎ヴェルカによるアキル・ミッチェル(Akil Mitchell)の獲得だ。

ミッチェルはパナマ代表経験を持つ実力派ビッグマンで、身長206cm、屈強なフィジカルとリムプロテクションに定評がある。過去にはフランス、イタリア、プエルトリコ、イスラエル、トルコなど複数の国でプレーし、インサイドにおける守備力と得点力のバランスが高く評価されてきた。

昨シーズンはB1の横浜ビー・コルセアーズと契約したものの、約2カ月で退団。そのため、日本国内での公式戦出場は叶わなかったが、長崎での新たな挑戦に期待がかかる。

長崎ヴェルカは2024-25シーズンにB1初昇格を果たしたばかりの新鋭クラブで、機動力と勢いを武器に一気に注目チームへと躍進。新シーズンに向けた戦力強化の第一歩として、ミッチェルのような即戦力ビッグマンの加入は、リーグ中位〜上位進出への布石となる可能性が高い。

ヨーリ・チャイルズがB2神戸へ移籍、立川にはLJ・ピークが加入


続いて話題となったのは、B2・神戸ストークスによるヨーリ・チャイルズ(Yoli Childs)の獲得発表だ。

チャイルズは佐賀バルーナーズで2023-24シーズンに在籍し、在籍2年目で平均2ケタ得点を記録した実力派フォワード。もともとBYU(ブリガムヤング大学)のエーススコアラーとして注目され、プロ転向後も安定したパフォーマンスを披露してきた。今季は自由交渉選手リスト入りしていたが、神戸への加入が正式に決定し、B2屈指の得点源としての働きが期待されている。

また、LJ・ピーク(LJ Peak)も新たな動きを見せた。昨季までB2・越谷アルファーズに所属していたピークは、平均得点10点超と高い得点能力を発揮していたが、今回B3の立川ダイスへの移籍が発表された。

立川はB3中位クラスのチームだが、近年は外国籍選手の活用や若手の積極登用で評価を上げており、ピークの加入により攻撃面での飛躍が期待される。

奈良がインサイドに2名を補強、新外国籍選手の顔ぶれにも注目

B2のバンビシャス奈良は、7月9日に2名の外国籍選手獲得を発表。いずれもインサイド強化を目的とした補強となっており、2025-26シーズンへの本気度がうかがえる。

まず1人目は、ドミニカ共和国出身のジョーダン・ダラス(Jordan Dallace)。身長208cmのセンターで、パワフルなリバウンドとリム付近での得点力が売り。ドミニカ共和国代表歴を持ち、中南米リーグやGリーグでのプレー経験も豊富だ。

2人目は、NCAA強豪・ミシシッピ大学(Ole Miss)出身のジェイミン・ブレイクフィールド(Jaemyn Brakefield)。206cmのフォワードで、アウトサイドシュートとペリメーターディフェンスの両立が魅力。NCAAで4年間プレーした経験から、安定感のあるオールラウンダーとして注目されている。

奈良は昨季B2下位に沈んだが、このインサイド補強により、攻守両面での底上げを図る構えだ。

東京Zがブルーナーを獲得、B3中堅クラブの動きも活発化


B3クラブにも注目の動きが出ている。アースフレンズ東京Zは、ドンテ・ジョーダン・ブルーナー(Donte Jordan Bruner)の獲得を発表。ブルーナーは立川ダイスを退団したばかりのパワーフォワードで、昨季はレバノンリーグでもプレー経験を積んだ。

東京Zは、B3再編後の新体制で台頭を目指すチームの一つ。ブルーナーのように複数の国でプレーした経験を持つ選手の加入は、チーム内の競争力を高める意味でも重要だ。

移籍・契約情報まとめ:今後の動向に注目

以下は、2025年7月9日に発表されたBリーグの契約情報一覧である。

  • 【移籍】
  • LJ・ピーク(越谷アルファーズ ⇒ 立川ダイス)
  • ヨーリ・チャイルズ(佐賀バルーナーズ ⇒ 神戸ストークス)
  • 【新規契約】
  • アキル・ミッチェル(プエルトリコリーグ ⇒ 長崎ヴェルカ)
  • ジョーダン・ダラス(ドミニカ共和国リーグ ⇒ 奈良)
  • ジェイミン・ブレイクフィールド(NCAA ⇒ 奈良)
  • ドンテ・ジョーダン・ブルーナー(レバノンリーグ ⇒ 東京Z)

今後もBリーグ各クラブによる移籍・契約情報は続々と発表されていく見込みで、8月上旬に控えるプレシーズンマッチや公開練習にも影響が及ぶだろう。外国籍選手の加入は、チーム戦術の幅やリーグの競争力を左右する重要なファクター。GL3x3でも、引き続き最新情報を速報形式でお届けしていく。

まとめ:Bリーグ2025-26シーズンへ、新戦力の戦いが始まった

7月9日に発表された各クラブの契約・移籍情報は、B1からB3までリーグ全体における戦力図の変化を象徴するものとなった。特に、アキル・ミッチェルの長崎加入をはじめ、実績ある外国籍選手の日本参戦は、今シーズンのBリーグの見どころの一つだ。

また、各クラブが将来性ある若手やNCAA・海外リーグからの逸材を積極的に獲得している点も見逃せない。今後のシーズン展望、順位争いの行方にも大きな影響を与えるこれらの契約更新は、ファンならずとも注目しておきたいポイントである。

【Bリーグ/佐賀バルーナーズ】SAGAアリーナ発の“施設先行型”モデルでB1に定着するまで:歴史・成績・ロスター・戦略を徹底解説

ニュース概要

佐賀バルーナーズは、佐賀県佐賀市を拠点とするB.LEAGUEのクラブで、2018年創設という新興勢力ながら、B3優勝(2019-20)、B2西地区優勝・B2制覇(2022-23)を経てB1へ昇格した。新アリーナ「SAGAアリーナ」をハブとする“施設先行型”の取り組みで地域スポーツと都市開発を接続し、B1初年度の2023-24は29勝31敗(西地区5位/全体15位)と昇格組として上々の成績を残した。2024-25は主力の長期離脱もあり22勝38敗(西7位)と踏みとどまるシーズンだったが、2025-26に向けては宮永雄太HC(GM兼務)の下、ロスターの再編とゲームモデルの再整備を進めている。本稿では、クラブの来歴から組織構造、ロスターの役割分担、ゲーム戦略、そしてSAGAアリーナがもたらす波及効果までを多角的にレビューする。

背景と経緯

佐賀バルーナーズの成長ストーリーは、日本のプロスポーツでも稀少な「アリーナ建設を前提としたクラブ創設」に象徴される。県都・佐賀市に整備されたSAGAサンライズパークの中核施設であるSAGAアリーナ(B1基準の5,000席超)は、クラブが構想段階から活用を見据えており、創設当初から“アリーナ→チーム強化→街の賑わい”という循環設計を志向。2018年のチーム結成後、B3準加盟・参入をクリアし、2019-20にB3で勝率.750の首位(リーグ途中中止の特殊事情下)を確保、理事会承認をもってB2へ昇格した。B2では序盤から競争力を発揮し、宮永体制2年目の2022-23に45勝15敗(勝率.750)で西地区1位—プレーオフも2連続スイープでB1昇格とB2優勝を同時達成。B1初年度の2023-24は29勝31敗、アウェー16勝14敗とロードで勝ち越し、昇格組としては歴代最高勝率を更新した。

経営面では、2023年にヒューベストホールディングスの資本参加・業務提携が公表され、デジタル/アナログ両面の強化を推進。運営会社も2023年7月に現行の「株式会社佐賀バルーナーズ」へ社名変更し、地域密着と事業拡大を両立する体制へと舵を切った。クラブ名の由来は“バルーン”で知られる佐賀インターナショナルバルーンフェスタ。地域の象徴をアイデンティティの核に据え、マスコット「バルたん」やチア「BAL-VENUS」も含めた総合的な観戦価値づくりに取り組んでいる。

選手・チームのプロフィール

2025-26の指揮は引き続き宮永雄太HC(GM兼務)。ゲームモデルは堅実なハーフコートをベースに、シューター陣のオフボール活用と、サイズのあるビッグマンを軸としたリバウンド・スクリーンの質で土台を作るスタイルが特徴だ。ロスターには、経験と実績を備えたシューターやストレッチ系ビッグ、ベテランガードら多様なタイプが並ぶ。

  • ベテランの核:金丸晃輔(G/F)、橋本晃佑(PF)、ジョシュ・ハレルソン(帰化/F-C)。いずれもB1での勝ち方を知る存在で、ハーフコートの効率性を押し上げる駒となる。
  • 機動力と育成:内尾聡理(G)、角田太輝(SG)、富山仁貴(特別指定/F)。トランジションとオフボールムーブの両面で伸びしろが大きく、強度とスキルの積み上げに直結する。
  • インサイドの厚み:タナー・グローヴス(F/C)、デイビッド・ダジンスキー(F/C)。スペーシングやショートロールでの意思決定に強みを持ち、PnRの“受け手”だけでなくハブとしての役割も期待される。
  • ゲームメイク:レイナルド・ガルシア(PG)、岸田篤生(PG)、山下泰弘(PG)。リードガードの組み合わせでテンポとチームバランスを最適化する。

チームカラーはブルー/ピンク/グリーン。ホームはSAGAアリーナ、練習拠点は旧市立富士小学校体育館(改修)。クラブの象徴である“色と気球”のビジュアル・メタファーは、ファミリー層の集客導線とも親和性が高く、ゲームデーの演出価値に直結している。

試合・出来事の詳細

直近2季の推移を俯瞰すると、2023-24はB1初年度で29勝31敗と合格点。一方、2024-25は主力ビッグマンの長期離脱やけが人の相次ぐアクシデントが響き22勝38敗に後退した。指標面では、接戦の終盤管理(タイムアウト後のセットプレー、ATOの効率化、勝負所でのターンオーバー抑制)と、40分間の守備強度維持(ファウルトラブル回避と2ndチャンス抑止)が課題として浮かぶ。2025-26に向けては以下の3点が打ち手となる。

  1. ビッグラインアップとスペーシングの両立:ハレルソンやダジンスキー、グローヴスの併用時に、ペリメーターのシューティング脅威を保ちつつ、ローポストの渋滞を避ける。ハイローやショートロール→ドリフトのレーン整理が鍵。
  2. シューターの“走らせ方”の明確化:金丸をはじめとするシューターのピンダウン、フレア、スタガーの頻度・角度・スクリーナーの接触質を設計し、ミッドゲームの停滞を防ぐ。
  3. トランジションDの整流化:外角主体のラインナップ時に生じやすいロングリバウンド→被速攻の連鎖を断つため、ショットセレクションとクラッシュ人数、セーフティバランスの基準を共有する。

ユニフォームはアンダーアーマー供給。2025-26はフロント/バック/パンツに地元有力企業が並び、スポンサーの質量がSAGAアリーナの商圏力とクラブの事業規模拡大を物語る。ホームゲーム会場の配分はSAGAアリーナが中心で、年間30試合の安定開催により、観戦体験の標準化とリピーター醸成が進む構造だ。

他事例との比較・分析

“施設先行型”でB1に到達した例は国内でも限られる。アリーナが先に存在し、クラブが後から成長するモデルは、以下の利点をもたらす。

  • 収益構造の安定:座席数・VIP席・飲食/物販の設計自由度が高く、1試合あたりのマネタイズ上限が高い。
  • スポーツ×まちづくりの接点:周辺動線や再開発と接続しやすく、自治体・企業との協働の選択肢が広がる。
  • ブランドの“初期完成度”が高い:ビジュアル/サウンド/演出の標準を早期に確立でき、ファンの認知形成が速い。

一方で、プレッシャーもある。器に見合う競技力(ホーム勝率、接戦対応力)を短期に引き上げる必要があり、ロスターの再構築やアカデミー連携を含む人材パイプラインの整備が欠かせない。佐賀は2022-23のB2での圧勝を起点にB1へ参入したが、B1定着には「オフェンス・ディフェンス双方の効率の底上げ」「シーズンを通したヘルス管理」「終盤の決定力」が要諦となる。これは昇格組や中位層クラブに共通する壁であり、佐賀も例外ではない。

競技的な文脈では、ハーフコートの精度(eFG%とTOV%の最適化)と、リバウンドの取捨(ORB%にどれだけリソースを割き、トランジションDとのトレードオフをどう制御するか)が勝率に直結する。シューターの活用と2メンゲームの緻密化に、セカンドユニットの役割明確化(特にラインアップ別の得失点差管理)を重ねられるかどうかが、2025-26の分水嶺となる。

今後の展望とまとめ

2025-26は「B1定着からポストシーズン射程へ」のリスタート。鍵は3点に集約できる。

  1. 健康とローテの安定:主力のコンディション維持と、役割が重ならない交代設計。故障発生時にゲームモデルを崩さず、ラインアップABテストを迅速に回す。
  2. シュートクリエイションの多様化:PnR主体から、ハンドオフ(DHO)、ズームアクション、ベースラインドリブンのセットを織り交ぜ、プレーオフ型の準備を平時から蓄積する。
  3. ホームアドバンテージの強化:SAGAアリーナの演出・ファン参加を競技優位へ転化し、拮抗戦の勝ち目を1~2勝上積みする。

佐賀バルーナーズは、地域の象徴たる“バルーン”の名の通り、上昇気流に乗る準備を整えている。B3からB1へ、短期間で階段を駆け上がった推進力は、アリーナを核とした経営設計と、現場の再現性あるゲームモデルづくりの両輪に支えられてきた。2025-26は、その総合力をもう一段引き上げ、チャンピオンシップ争いへ存在感を示せるかが焦点だ。この記事が観戦前の予習や、戦術・ロスター把握のガイドになれば幸いだ。気づきや意見があればぜひ共有してほしい。地域に根ざしたクラブの未来は、ファンの声とともに大きく、遠くへ舞い上がる。

Bプレミア、選手登録期限を最終節まで延長へ…島田チェアマンが改革の背景と狙いを説明

Bプレミア、選手登録期限を「最終節まで」延長へ

2025年7月8日に実施されたBリーグ理事会後のメディアブリーフィングにて、島田慎二チェアマンが2026-27シーズンから始動する「B.PREMIER(Bプレミア)」に関する新たな制度運用について発表した。最も注目されたのは、選手登録最終日のルール見直しである。Bプレミアでは、これまで「レギュラーシーズン3/4終了時点」とされていた登録締切を、「レギュラーシーズン最終節」まで延長する方針が明らかにされた。

世界基準の選手流動性を見据えた制度改革

今回の見直しの背景には、Bプレミアが掲げる「世界レベルの競技水準」の実現がある。島田チェアマンは「海外リーグとの接続性を意識した制度設計が不可欠」と強調。オーストラリアのNBLや中国のCBAといった、Bリーグよりも早くシーズンを終えるリーグからの選手流入を視野に入れた制度変更だ。

「例えばNBLでは3月にはシーズンが終了する。そこから日本に来る選手を受け入れられる柔軟性が、Bプレミアの競争力向上につながる。グローバルな選手獲得競争の中で、日本だけが閉鎖的であってはいけない」と、国際的な人材流動性への対応姿勢を明確にした。

サラリーキャップ制度との整合性

シーズン終盤に戦力補強が可能になることに対しては「戦力バランスが崩れるのでは」と懸念も出るが、島田チェアマンは「サラリーキャップ制度の導入により、過度な戦力集中は抑制される」と明言。2026-27シーズンから導入されるサラリーキャップ制度は、チーム全体の年俸総額に上限を設けることで、クラブ間の資金力格差による不公平感を緩和する役割を担う。

「そもそもキャップの中でしか動けない。例え登録期限が延びても、枠の中でのやり繰りとなるため、補強に際しての無制限なインフレは起きない」と述べ、制度間の整合性を強調した。

B.ONEとB.NEXTは従来通り「3/4終了時点」で締切

一方、Bリーグの他のカテゴリーである「B.ONE」「B.NEXT」については、従来通り「レギュラーシーズンの3/4終了時点」での登録締切を継続する。理由は、クラブ間の人件費格差やチーム力の不均衡によって、戦力の偏りが発生しやすいリスクを考慮したためだ。

島田チェアマンは「下位カテゴリーでは一人の補強が順位に直結する。登録期限があまりに遅ければ、終盤で戦力を加えたクラブが一気に順位を押し上げる不公平な構造ができてしまう」と指摘。中小規模クラブの競技バランス維持を優先し、慎重な制度運用を求めた。

リーグの多層化に応じた制度分離の必要性

今回の発表は、Bプレミアの制度が他カテゴリーとは別軸で運用されていくことを明示する象徴的な改革でもある。島田チェアマンは「Bプレミアは別のフェーズに入るリーグ。それにふさわしいレギュレーションを構築し、他カテゴリーとは分離したルール設計が不可欠」と語った。

事実、Bプレミアはクラブライセンス基準も厳格化され、アリーナ収容人数、運営資金、人件費水準など、全体のプロフェッショナリズムが一段と高まるリーグとして設計されている。選手登録期限も、そうした「高度な制度設計」の一環と言える。

国際リーグとの制度比較:FIBA主導の環境整備へ

国際的には、FIBA主導で各リーグの制度統一や柔軟性の確保が進められており、ヨーロッパやアジアの強豪リーグでは、登録期限や契約の移行に対する調整が年々拡大している。オーストラリアNBLでは「NBA終了後の契約受け入れ枠」など、複数の例外制度がある。

島田チェアマンは「Bリーグもグローバルスタンダードに歩調を合わせていく必要がある。日本発で 選手が戻りたくなる環境 を整えるべき時期に来ている」と語り、今後のリーグ価値向上に制度整備が不可欠であることを示した。

制度変更の影響と今後の議論の焦点

この登録期限の延長は、選手にとってはキャリア選択の幅が広がる一方、クラブ間の補強戦略やスカウティング能力により一層の差が生まれる可能性もある。特に、アジア特別枠選手やNCAA帰りの若手選手を巡る争奪戦は、最終節までに流動性が高まることが予想される。

また、今後はBプレミアでの契約ルール、シーズン中トレード制度、セカンドチーム登録など、複数の補足ルール制定も検討されており、制度改正は続いていく見込みだ。

まとめ:Bプレミア始動に向けて動き出した 制度の地殻変動

選手登録期限の見直しは、Bプレミアの競技水準を引き上げるための大きな一歩である。登録締切を最終節にまで延長することで、国際的な人材流動性を受け入れ、よりダイナミックなリーグ形成が期待される。

一方で、B.ONEやB.NEXTでは、慎重な運用が維持され、制度的な分離と差別化が明確になってきている。こうした多層的制度設計が、Bリーグの持続的な発展と地域バスケ文化の活性化にどう貢献するか、今後の動向が注目される。